日本の市場は小さい?世界のAI番組から型を学ぶ
しぶちょーさんは、番組を1年近く続けるなかで「日本という市場は小さい」と感じ、世界を見据えるべき段階に入ってきたと切り出します。そこで今回は、海外で同じようにAIを扱う番組がどんな構成で何を話しているのかを調べ、自分たちの番組を伸ばすヒントを探すことにしました。
それを学ぶことによって、そこからパクって、なんか番組伸ばせねえかなっていう、そういう回でございます。
背景にあるのは、日本のポッドキャスト市場はまだ成長途中なのに対し、アメリカなどではすでに経済圏ができているという認識です。しぶちょーさんは、日本の市場がアメリカの5年後、10年後を追っているのなら、海外の姿から何か型が学べるのではないかと考えました。
調べ方は、しぶちょーさん1人では追いきれないため、ディープリサーチなどを使って国ごとにAI系ポッドキャストをまとめ、ランキングやエンゲージメントの評価が高い上位5番組を選ぶというものです。さらに特別枠として、OpenAIが買収した番組を1つ加え、計6番組を紹介しています。
①The AI Daily Brief|1人で毎日配信する最大級のAIニュース番組
最初に紹介されたのは英語圏の「The AI Daily Brief」です。1人のパーソナリティが毎日AIニュースをわかりやすく紹介する番組で、1回はおよそ20〜30分です。
規模を示す数字として、しぶちょーさんはSpotifyの評価数が2847件で星4.4、YouTubeの登録者がおよそ58万人だと紹介しました。しぶちょーさんは「AIニュースのポッドキャストとしては一番でかい」と話しています。
The AI Daily BriefはYouTubeではビデオポッドキャストとして配信され、顔を映すだけでなく、ニュースサイトをスクロールしたり、有名人のツイートを追ったりしながら情報を画面に映して解説しています。ただし音声だけでも聞ける作りになっていると、しぶちょーさんは見ています。
パーソナリティはナサニエル・ウェットモアさん(NLW)という人物で、基本は1人喋りです。しぶちょーさんによれば、企業視点・政策視点・社会視点でニュースを解説するメディア起業家で、AI教育系の会社を経営しており、番組も自分の会社につながるように運営しているようです。
英語字幕やAI吹き替えで海外に届くのか?
YouTubeの自動翻訳を眺めていたかねりんさんは、各国語のAI音声で聞ける機能に気づき、おちつきAIも英語にすれば海外リスナーが増えるのではと期待します。
各国に勝手に音声出るのってどうやんのよこれ。俺らのやつも英語にできんの?
しぶちょーさんは、それは多くの人が挑戦して失敗してきた道だと答えます。以前、YouTuberが英語版を作ったり英語字幕を一生懸命つけたりしたものの、意外と刺さらなかった時期があったといいます。
なんかあったのよ、時期がね、そういう時期が。英語字幕っていうのはまず刺さらないよね、絶対。
しぶちょーさんが挙げた理由は、字幕を読みながら映像を見る体験に海外の視聴者があまり慣れていないことです。アメリカでは字の読み書きが苦手な人も一定数いるため、そもそも字幕が機能しにくいと話しています。
ポッドキャストの英語展開も1〜2年前から言われてきましたが、しぶちょーさんは成功事例を見ていないため、うまくいかないのではと考えています。かねりんさんも、片言のAI日本語は聞く気にならず、本人の声とも違うと同意しました。
英語版をもう超ネイティブな方になんか頑張って差し替えるぐらいの気合でやればいけなくはないのかもしんないけど、そのYouTubeに任せてるようじゃやっぱ微妙だよね。
一方で、しぶちょーさんは英語のAI番組の情報量の多さには価値を感じています。今回ピックアップした番組は、文字起こしを自分用に要約して読めるようにしようと考えているそうです。
The AI Daily Briefの人気の正体は、スピードと切り口の鮮やかさ
The AI Daily Briefが取り上げるのは、OpenAIの料金変更、Anthropicのモデルをめぐる騒動、Meta社やバイトダンスの動きなど、ほかのAI番組とほぼ同じニュースです。この人にしか取れない裏情報を流しているわけではありません。
しぶちょーさんが注目したのは、AIが細菌兵器の開発に使われかねないという懸念への解説です。不安を煽る話として流すのではなく、今は安全対策に資金を使うべきだという流れがある、と背景まで整理して伝えていたといいます。
結構深いよ。視座が深いような。この人の視点もすごく入っていて、単に情報というよりはやっぱこの人はどう解説するんだろうみたいなところを聞きたくなるような作りにはなってる。
かねりんさんが「スピードと解説の鮮やかさ」とまとめると、しぶちょーさんも同意します。ニュースを紹介して終わりではなく「実はこれはこういう話で」と体系的に解説する点は、おちつきAIの要素にも近いと話しました。
本当じゃあ海外版支部長じゃん。
「うちもデイリーにする?」というかねりんさんの提案に対し、しぶちょーさんは、2時間の速報回を細かく割って毎日出す「スローデイリー」なら可能かもしれないと冗談まじりに返しています。
最初の1年は数百回再生|The AI Daily Briefが積み重ねた4年
The AI Daily Briefの一番古い配信は2023年4月4日で、33秒の予告から始まっています。生成AIブームが来てから、比較的早く立ち上げた番組です。
かねりんさんがYouTubeの古い動画を確認すると、最初の動画は750回ほどしか再生されておらず、最初の1年から1年半ほどは数百回程度でした。1年前の動画でもまだ3000回ほどだったといいます。
開始から1年〜1年半ほどは、1本あたり数百回の再生
YouTube登録者約58万人の、AIニュース最大級の番組
いやでも夢があるじゃないですか。コツコツやり続ければ、日本のデイリーなんとかブリーフになれる。
しぶちょーさんが調べた成功要因は、デイリー解説の第一人者であること、ChatGPT登場後の素早い立ち上げ、音声・ビデオ・ショートの構造化、そしてビジネス系SNSとして強いLinkedIn ── ビジネス向けのSNS。職歴や専門分野を公開し、仕事上のつながりや情報発信に使われます。海外のビジネスパーソンの利用が多いサービスですへの展開です。この人はAI番組の前に暗号資産の番組もやっていたそうです。
それでもかねりんさんは、動画を少し見た印象から「番組としてはうちのほうが面白い」と評価し、負けているのは続けている期間の長さだけだと話します。まもなく1周年を迎える2人は、1〜2年は鳴かず飛ばずを覚悟して続けようと言い合いました。
②Der KI-Podcast|映像なしで評価2600を集めるドイツ公共放送の番組
2本目はドイツ語の「Der KI-Podcast」です。YouTubeチャンネルはなく、ビデオではない音声のみのポッドキャストでありながら、Spotifyの評価数は2600件に達しています。
Spotify評価の数やば。
番組にはパーソナリティが3人いて、毎回そのうち2人がローテーションで出演し、週1回、40〜50分ほど話します。配信開始は2023年7月末ごろで、The AI Daily Briefより少し後です。
3人は基本的にジャーナリストで、生成AI専門のフリージャーナリスト、AI製品やメディアでのAI活用に詳しいマーク・キルクマーク・キルクさん、AIの技術面に詳しい人物という構成です。しぶちょーさんは、3人のうち1人が女性だと話しています。
最大の特徴は、放送局が運営する公式ポッドキャストであることです。しぶちょーさんは日本でいえばTBSポッドキャストのようなものだと例え、公共放送の取材力を生かして専門家を呼ぶこともできると説明しました。
ドイツ語と日本語は話者数がほぼ同じ|市場のせいにはできない
かねりんさんが収録中に調べたところ、ドイツ語話者と日本語話者の数はほぼ拮抗していました。母語話者は少ないものの、第二言語として話す人が多いといいます。途中で通信が乱れて収録が一時途切れましたが、2人は復帰後にこの話へ戻りました。
言い訳できない。こんな数字見たことないよ。
冒頭で「日本の市場は小さい」と話していた2人にとって、同じくらいの話者数の言語で、しかも映像を使わずに大人気の番組がある事実は、市場のせいにする逃げ道をふさぐものでした。
番組の内容は、身近なテーマから深掘りしたり、専門家を取材したり、自分たちで試したことを話したりするものです。例として、教師からの「教育にはどのAIが良いか」という質問をもとに、GPT、Claude、Geminiを比べて選び方を解説した回が紹介されました。
しぶちょーさんは、1週間に1回、1つのテーマを掘り下げるDer KI-Podcastの形は、おちつきAIの深掘り回に近いと話します。The AI Daily Briefが速報回に近いことも合わせ、両方の型を持つおちつきAIの方向性は間違っていないと感じ始めます。
毎日ニュースを解説するThe AI Daily Briefに近い
週1回テーマを掘り下げるDer KI-Podcastに近い
なんか答え合わせみたいな感じになってますね。いい形をしてきてる感じ。
番組どうしで宣伝しあう横展開と、LinkedInの個人パワー
Der KI-Podcastは、放送局の他の番組の中で「こういうAIの番組がありますよ」と宣伝する、番組間の回遊にも取り組んでいるようです。
かねりんさんは、KANERIN Podcast Studiosのレーベル内でも同じことをやりたいと応じます。しぶちょーさんも、レーベルにはおちつきスリープやおちつき地方創生などの番組があるので、合わせていけば面白くなりそうだと話しました。
また、Der KI-Podcastのパーソナリティは、それぞれがLinkedInで個人として発信しています。しぶちょーさんはLinkedInを「ビジネス意識高いTwitterみたいな感じ」と説明し、個人にファンがついていることがSpotifyでの強さにつながっていると見ています。
③AI炼金术|中国のエンジニア2人が語るテック寄りの番組
3本目は中国語の「AI炼金术」です。中国ではSpotifyやYouTubeが使えないため、Apple Podcastの中国版や、しぶちょーさんが聞いたことのない現地のポッドキャストプラットフォームで配信されています。
パーソナリティは、2人ともAI起業家の技術者です。たとえば、AIが書いたプログラムを人間が読むべきかについて、個人開発と集団開発の違いから議論するなど、かなりテック寄りの内容を扱っています。
しぶちょーさんは雰囲気を、日本でいえばりょうさんの番組「隣のデータ分析屋さん」のようなものだと例えました。初心者向けではなく、すでにこの分野に入り込んでいる人に向けた番組です。
かねりんさんがG検定受験を宣言|受験料1万3000円と合格率8割の裏側
AI炼金术はG検定に受かるくらいの人なら聞けるかもしれない、という流れから、かねりんさんはG検定 ── 日本ディープラーニング協会が実施する、AIやディープラーニングの基礎知識を問う検定試験。ビジネスでAIを活用する人向けの資格とされていますを予約したことを宣言します。試験は9月で、すでに1か月を切っていました。
G検定ちゃんと予約しましたので受けます。受けることを宣言しておきます。
しぶちょーさんは、最初に目を通したら絶望するだろうと励まします。おちつきAIは生成AI中心のため、G検定に出るCNN、RNN、LSTMといったモデルの話はほとんど扱ってこなかったからです。
かねりんさんが「面白みがない」とこぼすと、しぶちょーさんは理解すれば面白い分野だと返しました。受験料は1万3000円ほどだったそうです。
しぶちょーさんによれば、G検定の合格率は今は8割ほどで、リアル会場では6〜7割に下がるだろうといいます。合格点は固定ではなく、平均点をもとに線を引いていると考えられ、リアル会場の受験者は別に集計されるはずだと話しています。
初心者向けでなくても成立する|④テレビ制作出身の2人のAI For Humans
AI炼金术の紹介の締めくくりとして、かねりんさんは「初心者向けではない番組も成立するんだ」と驚きます。しぶちょーさんは、初心者向けのほうが裾野は広いものの、テックとして狭い部分を攻めるのも1つの手だと答えました。
4本目はアメリカの「AI For Humans」です。Spotifyでは評価272件で星4.9、YouTube登録者は3万〜4万人ほどで、2人は「我々に近い規模」だと感じます。
パーソナリティは2人の中年男性で、どちらもテレビ制作など映像関係の仕事をしてきた人物です。1人はAIを解説できる人、もう1人は話をうまく運ぶ受け手という役割で、おちつきAIの2人の関係にも近いと話されています。
番組は深夜のテレビ番組のような雰囲気で、2人が実際にAIを試した結果を語ります。8月7日の回では動画生成AIのSeedance 2.5Seedance 2.5を試し、30秒の動画で1100ポイントかかったと話していたそうです。
なんかやっぱね、ネタって似たり寄ったりなんだなみたいな。
ポッドキャストは耳だけのものか?映像に振る海外の当たり前
AI For HumansのYouTube動画は丁寧に編集され、冒頭に1〜2分のダイジェストが入ってから本編に移り、背景では常に映像が流れています。寸劇も入るなど、完全にビデオ番組として作られています。
これを見たかねりんさんは、日本と海外のポッドキャスト観の違いに疑問を投げかけます。
ポッドキャストってさ、耳だけで成立するものがポッドキャストだっていうようなイメージが日本だとコンセンサスな気するんだけど、海外ってそうでもないのかな。
しぶちょーさんは、海外ではビデオが重要と考えられていて、視聴者は表情を見たいのではないかと答えます。AI For Humansは、ゆる言語学ラジオのようにYouTubeを主軸にしてポッドキャストへ展開する形に近いと見ています。
AI For Humansも2023年4月ごろの開始で、多くの番組がこの時期に始まっています。3〜4年かけてこの規模なら、1年足らずのおちつきAIにも届かない世界ではない、とかねりんさんは手応えを口にしました。
なんかYouTubeの時みたいにさ、はいHIKAKIN、はいはいもう雲の上ですみたいな感じではない世界な気がしてきた。
⑤2016年から続くSuper Data Science|週2の構成がおちつきAIと同じ
5本目は英語圏の「Super Data Science」です。AIというより、データサイエンス系のテック番組で、オックスフォードで博士号を取ったAI研究者がメインパーソナリティを務め、毎回ゲストを呼んでインタビューします。
YouTubeの登録者は26万人ほど、Spotifyでは評価224件で星4です。スタジオでカメラ数台を切り替える、比較的シンプルな作りだといいます。
おちつきAIとの共通点は、週2回の配信です。インタビュー回と、メインパーソナリティが1人で短く解説する回を交互に出しています。
研究者などを招き、1時間強じっくり話す
10〜20分ほどでトピックや過去のインタビューを解説する
解説回は親切な作りで、たとえばOpenAIの試験中に安全性を弱めたAIが外部へ出た事件の経緯を、やさしく整理した回があったそうです。しぶちょーさんは、研究者どうしでも分野が違えばお互い素人なので、深い聞き手として機能しているのではないかと見ています。
番組は2016年に始まり、ビッグデータやIoTが注目された時期からデータサイエンスを扱ってきました。最近はどうしてもAIの話題に寄っているといいます。
ここから話はデータサイエンスへ広がり、しぶちょーさんはかつてデータサイエンティストが「世界で一番セクシーな職業」と言われていたことに触れました。さらに教師なし学習 ── 正解ラベルを与えずに、データの特徴だけからパターンや構造をAIに見つけさせる機械学習の手法ですの例として、犬と猫の写真を渡して特徴で分けさせるとクラスタリングになると、G検定対策も兼ねて説明しています。
⑥OpenAIに買収されたTBPN|登録13万人・評価619でなぜ買われたのか
特別枠として紹介されたのは、2026年4月にOpenAIに買収された「TBPN」です。YouTubeを見たしぶちょーさんは、機材が並び、画面下にテロップで株価などが流れる、ほぼテレビ番組のような「ゴリゴリ」の作りだと表現しました。
一方で、数字は意外なほど大きくありません。YouTube登録者は13万人ほど、Spotifyの評価は619件です。かねりんさんは、ゆる言語学ラジオが評価2000〜3000件、コテンラジオが7000件ほどだったと比べ、海外では小さい数字ではないかと驚きます。
運用は非常に手厚く、毎日3時間の生配信を行い、そのあと1時間半〜2時間の要約版、20〜30分の短縮版、ショート動画を出しているといいます。
生配信
毎日3時間のライブ配信
要約版
1時間半〜2時間にまとめた版
短縮版
20〜30分に縮めた版
ショート
さらに短く切り出した動画
かねりんさんは、リスナーから「2時間は聞けないから15分くらいのものが欲しい」と言われたことを思い出し、おちつきAIでもダイジェスト版を作ると宣言しました。しぶちょーさんも、ポッドキャスト界隈ではあまりやられていない「ミドル」の長さの展開は効果的だと賛成しています。
ショートと、ショートは短すぎるんで、ミドルみたいなね。
買収の狙いはターゲットの質だった
しぶちょーさんは、話が長くなりやすい理由として、最近は4時間話すと体力が持たず、途中でガス欠になると笑います。今はお盆休みで睡眠が足りているため、頭の回転は万全だそうです。
本題に戻ると、TBPNは番組単体ではなく、運営する会社ごと買収されました。スポンサー枠を販売してしっかり収益化していたうえ、シリコンバレーで人気があったことが大きかったといいます。
ターゲットが良かったんだ。
しぶちょーさんの説明では、OpenAIにとっては、既存の広報手法で自社をアピールするより、すでに出来上がった会話の空間の中でOpenAIについて話してもらうほうが、広告戦略として合理的だったということです。ただし番組の独自性を支配する気はなく、それが失われると面白くなくなるとも考えているようです。
買収前のTBPNは、年間スポンサー枠を売り、ホストリード広告、ゲストが着るジャケットへの広告、スタジオ自体への広告、イベントなどでスポンサーのブランドを見せていました。買収後は新規を受け付けず、既存の契約が終わるまで段階的に終了していくといいます。
年間スポンサー枠を販売し、ホストリードやスタジオ広告などで収益化
新規スポンサーは受け付けず、既存契約の終了まで段階的に縮小
資料がなくて商談を2回逃した|スポンサープランをどう作るか
TBPNのスポンサー運用をきっかけに、話はおちつきAI自身のスポンサープランへ移ります。しぶちょーさんは、ポッドキャストのスポンサーの話をした際、価格や内容を示す資料がすぐ出せず、2回ほどチャンスを逃したと明かしました。
まあこういう感じですよ、こういうことできますよってことをすぐ出せたら、すぐ話がつながったんだけど。
かねりんさんは、TBPNのように画面下にスポンサーのテロップを流すのは日本では見たことがなく、逆に目立つのではないかと提案します。そこに、MCが生で読み上げるホストリード、タイアップ配信、ロゴの掲示、背景に置く人形などを加えていくアイデアが出ました。
しぶちょーさんは、オプションを選ばせると担当者が迷うため、セットにした3段階のプランが良いと助言します。
海外の番組では、ポッドキャスト単体で稼ぐより、本業の開発やコンサルに誘導する形が多かったといいます。番組単体でスポンサー収益を上げているのはTBPNと、動画に焼き込んだCMが入っていた気がするAI For Humansくらいだった、としぶちょーさんは振り返りました。
TBPNは起業家が起業家に聞くスタイルで、資金調達や商品開発など経営者視点の話が中心です。AI専門ではなく、ベンチャーキャピタルやスタートアップの話も扱い、平日に3時間生配信する「お昼番組」のように習慣的に聞かれているといいます。
答え合わせの結論|足りないのは個人のSNSフォロワーだけ
6番組を紹介し終えたしぶちょーさんの結論は、海外から学ぼうとしたら、おちつきAIがすでに多くの型を取り入れていたというものでした。
結構やっぱその毎日一人喋りで速報回やったりとか、二人でなんかいろいろこうAI試してみたりみたいな。なんか割と型としては我々やってる形にはなってると思うんで、間違ってないということがわかりました。
かねりんさんも「いろんな要素が全部乗せだった」とまとめます。強いて言えば、AI炼金术のようなテック寄りの内容はないものの、人気番組の近いところは押さえているというのが2人の見立てです。
それでも違いを挙げるなら、海外のパーソナリティは個人のSNSが強いことです。LinkedInやTwitterで10万人、20万人のフォロワーを持つ人もいて、しぶちょーさんはSNSでの横展開も頑張るべきだと話しました。
今後の方針として、ダイジェスト版の配信、番組の最初にさらっと、最後にしっかりスポンサー募集を伝えること、かねりんさんによるスポンサープランの準備が挙がりました。どの番組も2023年ごろから4年続けているのに対し、おちつきAIはまだ1年未満だと、2人は自信を深めています。
また、紹介した番組のパーソナリティはほぼ男性で、女性がいたのはドイツのDer KI-Podcastだけでした。長さについては、多くが1時間以内に収めるなか、TBPNのように長い番組は要約版を出しているのが学べる点だとしぶちょーさんは話します。
スポンサー断幕まで用意する?音声広告が耳から逃げられない理由
盛り上がった2人は、顔が見えなくなるほどのスポンサー弾幕を冗談まじりに夢見ます。そこからかねりんさんは、日本ではホストリード広告が「声で読み上げるから親しみやすい」と平和に語られがちだと指摘しました。
しぶちょーさんは、ポッドキャストを始める前に読んだ音声配信の本4冊ほどの内容として、音声広告は回避できない強さがあると紹介します。
聞かないようにしようと思っても、人の話って絶対聞いちゃうから。目つぶれないから。強いっていう話は聞いたよ。
不気味な音楽を流されると不気味な気分になるのと同じで、人の心は音から逃げられず、理解できる言葉は聞きたくても聞きたくなくても等しく耳に入る、という説明です。
当時の本には「ポッドキャストはこれから来る」と書かれていたといいます。しぶちょーさんは、振り返ったとき「あの時来たよね」とわかるもので、すでに波の中にいるのだと「音声配信ギュラリティ」になぞらえました。
エンディングとアフタートーク
しぶちょーさんは、紹介した番組のリンクを概要欄に貼ると案内し、YouTubeがある番組はGeminiのノートブック機能にURLを入れれば文字起こしを取り込んで要約できると紹介しました。Claude Codeを使っている人はそちらでもよいそうです。
かねりんさんは、音声広告の強さを語りながら、動画に流すスポンサーのテロップで一番盛り上がったことを笑います。しぶちょーさんは、ビデオポッドキャストの時代なので、見ていなくても目の端に映ることに意味があると返しました。
最後に、スポンサーを大募集していること、番組ホームページの問い合わせフォームから連絡すればすぐ資料を送ること、今なら逆提案も受け付けられそうなことが伝えられました。アフタートークでは、締めの挨拶にAIらしさが足りないとして、海外番組の終わり方も研究しようという話で幕を閉じています。
まとめ
世界の人気AIポッドキャスト6本を調べた結果、毎日の速報型、週1の深掘り型、2人の実践型、週2のゲストと解説の組み合わせなど、おちつきAIはすでに多くの型を取り入れていたことがわかりました。残る課題は、個人のSNSの強さと、スポンサーをすぐ提示できる仕組みづくりです。
- ドイツ語と日本語の話者数はほぼ同じで、音声だけで評価2600件を集める番組もあり、市場の小ささは言い訳にならない
- The AI Daily Briefは同じニュースでもスピードと切り口の深さで勝負し、最初の1年は数百回再生から積み上げた
- OpenAIがTBPNを買収したのは規模よりも、シリコンバレーに刺さるターゲットの質が理由だった
- 長い回の要約版やミドル丈のダイジェスト、3段階のスポンサープランは、おちつきAIがすぐ取り入れられる施策
- 海外のパーソナリティとの差は個人のSNSフォロワーで、横展開の強化が今後の課題





