最強モデル「Mythos」の一般向け版はどう生まれたのか?
2026年6月9日、Anthropicは新しいAIモデル「Claude Fable 5」を公開しました。ところがその2日後、米政府の指示で外国籍ユーザーのアクセスが止められ、事実上だれも使えない状態になります。この回は、その公開と停止の騒動を1本のテーマとして整理しています。
しぶちょーさんによると、この回は普段の速報回と違い、取り上げるトピックは1つだけです。騒動を掘り下げると「5つ分ぐらいのボリューム」になるため、AI界隈がわちゃわちゃしている状況を一度整理する回にした、と説明しています。
でかくて、もう一個(のトピック)をいろいろやってるとですね、まあ全然あの5つ分ぐらいのボリュームになるんで。
今回の騒動は地上波のニュースでも報じられました。しぶちょーさんは、Claude Codeが地上波で取り上げられたのは登場から半年ほど後だったと振り返り、Fable 5の件はそれだけインパクトがわかりやすいニュースなのだろうと話しています。
Fable 5の前提にあるのが、Anthropicが以前から話題にしていた「Mythos」というモデルです。性能が高すぎて一般公開できないとされ、20年見つかっていなかった脆弱性を次々に見つけるほどの能力があると言われていました。
非常に頭のいいモデルを作ってしまったが故に、それ(Mythos)を公開すると、まあ攻撃に使われたりするとですね、非常に危ないと。だからまずは防御に使ってほしいということで。
そのためMythosは、信頼できる大企業や政府など、限られた相手にだけ提供されていました。Anthropicはあわせて、Mythosを前提にセーフガードを強めた一般向けのモデルを近日公開すると告知していて、6月中に来ると騒がれていたそうです。
その一般向けモデルが、6月9日に公開されたFable 5です。かねりんさんは、名前がMythosではなかったために、多くの人が関係をつかみにくくなっていると指摘しています。
Fable 5はMythosと何が違うのか?
しぶちょーさんによると、Fable 5はベンチマークでも断トツのトップで、あらゆるモデルのスコアを大きく上回りました。若干下回っている部分もありますが、それは制限のない「本ちゃん」であるMythosと比べた場合だけだといいます。
Fable 5の公開と同時に「Mythos 5」も公開されています。しぶちょーさんの説明では、それまでMythosと呼ばれていたのは「Mythos Preview」というモデルで、Mythos 5を使えるのはMythosの提供先と同じ、ごく限られた相手です。
ああ、もう上級国民か。
では、Fable 5はMythosから危ない機能だけを削ったモデルなのでしょうか。しぶちょーさんは詳細が公表されていないと断ったうえで、モデルの能力を落としたというより、危険な使い方を止める仕組みを強めたものだと見ています。
かねりんさんは、実際にその仕組みが発動する場面に出くわしていました。番組ホームページの改修をFable 5に指示したところ、サイバー関係の話題だと判定され、自動的に1つ下のOpus ── AnthropicのClaudeシリーズで、従来の最上位にあたるモデル群の名前。この回では主にOpus 4.8が比較対象として話されていますに切り替えられたそうです。
そしたらなんかメッセージ出てきて、これはそのなんかサイバー関係の話題なのでOpusに飛ばしましたってなって。
かねりんさんは、最初にFable 5で消費した分に加えて、切り替え先のOpusでも容量を消費するため無駄になる、という指摘を見たといいます。ただ、その計算は検証できなかったとも話しています。
しぶちょーさんは、ベンチマークがMythosとほぼ同じであることから、Fable 5の中身はほぼ同じで、入力と出力の検査を強めているのではないかと推測しています。
入力の検査
ユーザーが入れたプロンプトを検査する
モデル本体
能力はMythosとほぼ同じと見られる
出力の検査
出てくる内容を検査し、サイバー系は止める
切り替え
危険と判定されるとOpusに回される
週の上限リセットで外れた「心の鎖」とは?
かねりんさんは、しぶちょーさんに勧められて月200ドルのClaudeの最上位プランを契約しています。Fable 5の公開記念として週の利用上限が一度リセットされたものの、ほぼFable 5だけで回していたところ、週の半分で上限に達してしまったそうです。
しぶちょーさんも、夜に使っていただけで上限に当たりました。体感ではOpusの2倍以上の容量を食うといいます。ただ、上限に当たったことで、意外な感覚を味わったと話しています。
もったいないからエージェント動かさなきゃいけないっていう心の枷みたいなものから、パキーンって、こうなんか鎖、心の鎖がさ、パキパキパキ、パキーンみたいな。
ああ、俺はもう今日指示を出さなくていいんだみたいな。
本来は制限で縛られているはずなのに、かえって解放された。かねりんさんは、その逆転の感覚を面白がっています。
おもちゃの旋盤設計で見えたOpusとの差
しぶちょーさんは、自分なりのベンチマーク用プロンプトに加えて、専門の機械設計でFable 5を試しました。3D CADのAutodesk Fusion ── オートデスク社の3D CADソフト。部品や機構の3Dモデルを作れます。MCP経由でAIから操作できる仕組みが話題になっていますをMCP経由でAIに操作させる方法で、Opusでもそこそこできていたものが、Fable 5では全く別物だったといいます。
試したのは、しぶちょーさんが製品化に向けて開発している、子ども向けの「おもちゃの旋盤」です。旋盤は金属を削る工作機械で、しぶちょーさんは3Dプリンターでおもちゃ版を作り続けてきました。
しぶちょーさんは、旋盤を子ども向けのおもちゃにしたらどうなるかというコンセプトだけを伝え、3Dモデルでの設計と3枚程度のスライドを頼んで寝ました。朝起きると、驚くほどのクオリティで仕上がっていたそうです。
子供向けのおもちゃで切削、その削るっていうのは危ないから、回って何かこう描いていくみたいな、そういうコンセプトにすると安全ですよねと。
Fable 5の提案は、モーターを使わない手回し式で、回転する素材の外周にペンで絵を描いていく機械でした。ギアやペンを刺す部分まで設計され、ギアには手を入れないよう透明なアクリル板まで付いていたといいます。
同じプロンプトをOpus 4.8にも試したところ、結果は大きく違いました。しぶちょーさんはこの比較画像をXに投稿しています。しかもOpusで試したのはFable 5が封じられた後で、使えるのがOpusしかなくなって絶望したのがきっかけでした。
手回し式で外周に絵を描く機械。ギアまで作り込み、安全のためアクリル板も付けた洗練された設計
言いたいことはわかるが解像度が低く、「おもちゃってこんな感じ」という概念にとどまる
しぶちょーさんは、やりたい企画が次々に浮かび、課金のグレードを上げなければと考えるほど興奮したそうです。SNSもFableフィーバーの状態でした。
米政府がFable 5のアクセス停止を命じるまで
しぶちょーさんが次のニュースとして紹介したのが、米国時間6月11日の停止です。米政府は、米国内外を問わず、すべての外国籍の人物によるFable 5とMythos 5へのアクセスを止める輸出管理上の命令を出しました。
この命令では、外国籍であればAnthropicの社員も触れません。かねりんさんは、外国籍の人だけを技術的に締め出すのは事実上無理なので、命令を守るには全停止するしかなかったのだろうと指摘し、しぶちょーさんも同意しています。
アメリカ政府が言ってるのは外国籍に使わせるなだけど、事実上無理だもんね。
Anthropicは24時間以内に回答を出すとしていましたが、収録時点では明確な復帰のニュースは出ていませんでした。収録は6月15日の夜10時半ごろで、しぶちょーさんは翌朝には状況が一変している可能性もある「生もの」の情報だと断っています。
停止の理由は「ジェイルブレイク」だけなのか?
停止の理由について、かねりんさんは、今年に入ってからのAnthropicと米政府の確執を引きずっているのではないかと見ています。しぶちょーさんも関係の悪さはあるとしつつ、まずは政府が建前上何を言っているかを説明しました。
政府が挙げた理由は、Fable 5の安全策を回避するジェイルブレイク ── AIに組み込まれた安全対策を、特定の指示の出し方などで回避させる手法。「脱獄」とも呼ばれ、本来は拒否される内容をAIに出力させてしまいますの手法が見つかったことです。特定の命令の仕方をすれば、本来は止められるはずの能力を使えてしまう、というものです。
これに対してAnthropicは、完全に防ぐのは難しいからこそ多層防御で対策していると反論しています。しぶちょーさんによると、指摘された手法はChatGPTなど他のモデルにも有効だとされ、具体的な内容は公開されていません。
その重箱の隅をつつくような話だと思う。そのクリティカルじゃないと思う。多分。
しぶちょーさんは、確実なファクトとしてAnthropicの公式声明を読み上げました。声明によれば、脱獄の可能性がある事例が1件政府に共有され、Anthropicは命令の根拠と考えられる報告書を確認しています。示された能力はOpenAIのGPT5.5を含む他社モデルでも広く使え、防御側の専門家も日常的に使っているものだと主張しています。
声明の中で最も強い部分として、しぶちょーさんが紹介したのが次の一文です。Anthropicは法的命令に従ってすべての利用者のアクセスを止めるとしたうえで、「限定的な脱獄の可能性が一件見つかったことを理由として、数億人の利用する商用モデルを全面的に停止すべきだという判断には同意できません」と書いています。
Amazonは本当に「チクった」のか?
政府に報告書を出したのはAmazonだと明らかになっています。報道では「米、アマゾンの指摘で先端AI停止指示か」といった見出しが並び、しぶちょーさんはこの見出しが対立を煽っていると問題視しています。
いや、これね、あの見出しが良くないよね、やっぱね、こういうニュースってさ。
しぶちょーさんが紹介した報道によると、Amazonの研究者がFable 5からサイバー攻撃に使える可能性のある情報を引き出し、米政府に説明したとされています。ただ、Amazonは自分から告げ口したのではなく、政府に意見を求められて答えた立場だったと記事で公開されているといいます。
Amazonはアメリカ政府に聞かれた--聞かれて調べろって言われた立場だね。
かねりんさんは「それでも政府の犬であることに変わりはない」と笑いつつ、元刑事らしく任意か強制かという観点で話を受けます。しぶちょーさんは、政府もすべてを理解できるわけではないので、IT大手に有識者として意見を求めることはあるようだと補足しています。Amazon以外の企業からは、自分から問題を訴えたケースもあったようです。
政府側の主張では、Amazonの情報をほかの有識者にも確認させて突破できると判断し、財務長官がAnthropicのアモデイ氏に停止を求めました。しかし何時間も協力を求めても応じなかったため、輸出規制を盾に強制的に止めさせた、という説明です。財務長官の名前は、書き起こしではデッセント財務長官となっています。
一方のAnthropicは、指摘された手法は特定条件でのみ成立する限定的なもので、政府から具体的な技術情報はほとんど開示されなかったと反論しています。何時間もの協力要請という政府の説明に対しては、実際には90分以内に停止しろと通告されただけだと主張しています。
深刻な問題なのに対応が鈍かった。何時間も自主停止を求めたが応じなかったので、輸出規制で強制的に止めた
軽微で限定的な問題なのに、技術情報の説明もなく、90分以内に止めろという最後通告だけが来た
政府との確執と、沈黙する著名人たち
しぶちょーさんが参考にした記事は、背景にAnthropicと政府の対立があると考察しています。Anthropicは以前からAIの規制を強く訴えて政府に協力しない姿勢を取り、政府の一部はAnthropicを政治的に偏っていてAIの危険性を過度に強調していると批判してきました。今年3月ごろには危険な企業としてリストアップもされていたそうです。
かねりんさんはClaude Codeに調べさせた結果として、命令を出したのは商務長官のラトニック氏で、いずれにせよトランプ大統領の最側近だと紹介します。しぶちょーさんは、当事者であるClaudeに聞くのが正しいのかはわからないと苦笑いし、自分は今回の情報まとめをあえてOpenAIのモデルにやらせたと明かしました。
あの、政府は深刻な問題なのにアンソロピックの対応は鈍かったって言ってるし、アンソロピックは軽微な、で、限定的な問題なのに、説明なしで極端な措置を強いられたよと。
収録直前のニュースでは、米政府とAnthropicが協議を始めたと報じられ、Fable 5が復活する兆しもあります。ただし、24時間以内に出すとしていた回答は出ておらず、揉めていそうだとしぶちょーさんは見ています。
ほかのリスクとして、真偽は不明としつつ、中国からFable 5へのアクセスが大量にあったという話も紹介されました。ジェイルブレイクされて攻撃に使われたり、知識蒸留 ── 大きなモデルの出力を使って、別のモデルに能力を学ばせる手法。他社モデルの能力をコピーする手段として問題視されることがありますでコピーされたりする懸念も、停止判断の背景にあるかもしれないといいます。
しぶちょーさんがもう1つ気にしているのが、サム・アルトマン氏やイーロン・マスク氏がこの件にノーコメントを貫いていることです。マスク氏はSpaceXのIPOを控えて首を突っ込みたくないのかもしれない、と推測しています。
「Fable 5相当」の投稿と、驚けない驚き屋
かねりんさんは、OpenAIが「Fable 5より賢い」という新モデル5.6の予告をしていた点に触れます。予告は停止の直前だったようで、この状況で出すのか、延期するのか、2人は興味深く見ています。
しぶちょーさんは、Fable 5が封じられてから「これはFable 5相当です」という投稿が増えたと指摘します。一部のタスクではそういうこともあり得ますが、基盤モデルを持つ企業でなければそう簡単には作れないとして、惑わされない方がいいと話しています。
話は、AIニュースに過剰に驚いて見せる「驚き屋」にも及びます。しぶちょーさんによると、驚き屋の多くは課金しておらず、Opusとの比較もできないため、Fable 5では驚けなかったそうです。
明確にこれができるようになりましたってタスクが、まあある意味多すぎて。
なんか、どこを驚けばいいのか正直分かりづらかった。全部がすごいから。
むしろ禁止されてからの方が、Amazonや米政府をめぐる陰謀論まで入り混じって、SNSは落ち着かない状態になっています。かねりんさんは、そういうときのためにこの番組がある、と受けています。
国産LLMとローカルLLMが大事だと言われる理由
騒動を受けて話題になっているのが、国産LLMの重要性です。かねりんさんは、時の政府の都合で「外国人に使わせるな」と言われればそれで終わりで、Opusまで使えなくなる可能性もあると指摘します。
もう江戸時代です、もう。えー、俺これ自分でやんなきゃいけないの?みたいな。
しぶちょーさんは、Sakana AIが商用モデルをリリースしたというニュースにも触れ、国産LLMに取り組む企業に期待したいと話しています。Mythosを使う予定だった銀行や日立などの国内企業も、今回の件で一度凍結されたといいます。技術が日本の中で完結していないと危ないという危機感を、実感させる出来事になったという見方です。
かねりんさんは、AIが政治的な交渉カードになれば、関税交渉で強く出にくくなるといった形で、常に圧力がかかりかねないと懸念します。しぶちょーさんも、AWSやAzureなど既存のインフラも同じ構造だと認めつつ、AIは特に強い交渉カードになっていると話しています。
しぶちょーさんが挙げたもう1つの論点が、ローカルLLMです。自分のパソコンで動く小型モデルに十分な性能があれば、使うなと言われても、ネットのインフラが止まっても、電源さえあれば作業を続けられます。
だからやっぱローカルに持ってくっていうのがやっぱ最強だよね。だってパソコン、電源さえ刺さってればそれ動くから。
| 備え | 内容 | 防げるリスク |
|---|---|---|
| 国産LLM | 日本の中で技術を完結させる | 他国政府の方針による利用停止 |
| ローカルLLM | 自分のパソコンでモデルを動かす | 利用停止やネットインフラの停止 |
| 複数のAIエージェント | Claude Code以外も常用できるようにする | 1つのサービスへの依存 |
Fable 5が使い続けられていたら何が起きたか?
かねりんさんは、公開から数日で止まったから実害は小さかったが、2〜3か月使った後なら大変だったと話します。これに対してしぶちょーさんは、どちらに転んだかわからないと別の見方を示しました。
Fable 5はもともと6月22日ごろまでの限定公開で、その後は有料になる予定でした。人気で6月30日まで延びた直後に止められたといいます。しぶちょーさんは、そのまま2〜3週間使えていたら、Fable 5前提のタスクが増えすぎて抜け出せなくなっていたかもしれないと考えています。
次じゃあOpusですよ。で、Fable5で挨拶一回で140円とかなんかSNSで書いてあったけど、こんにちはって言うだけで140円かかりますみたいな。
従量課金でそのコストがかかっても、フローを組んでしまえば使わざるを得ません。しぶちょーさんは、Anthropicによる囲い込みになっていた未来もあり得たと話し、かねりんさんは「トランプがダークヒーローなのか」と返しています。
無料の限定公開中に、Fable 5前提のタスクやフローをどんどん増やす
有料化後も抜け出せず、高額な従量課金を払い続ける囲い込みの状態になる
そこからしぶちょーさんが得た教訓が、Claude Code以外のAIエージェントも使えるようにしておくことです。CodexやGrok Buildが候補で、Codexはかなり良くなったといいます。しぶちょーさん自身は、同じフォルダでClaude Codeの成果物をCodexに客観的にレビューさせる使い方をしています。
しぶちょーさんは、収録中もClaude Codeに個人ポッドキャストの原稿を作らせています。この日は子どもの面倒を見ながら、リモートで指示を出す「育児コーディング」をしていたそうです。
番組はここで本題を締めくくります。かねりんさんが有益な情報源のリストが欲しいと頼み、しぶちょーさんは自分が情報収集に使っている人たちを「落ち着くリスト」としてまとめると約束しました。技術寄りの人が多いものの、信頼できる人たちだといいます。
AIの出力はMarkdownよりHTMLがいいのか?
後半は、リスナーからのお便りを紹介する「落ち着きAI目安箱」のコーナーです。前回は投稿ゼロ件と話したところ、今回は2件届きました。1件目は、AIとの議論をHTMLでまとめているというリスナーからの投稿です。
今回も目安箱の投稿がないと言われたので送ります。ちゃんと聞いてますよ。2026年5月より、出力をHTMLにすると良いという記事を見かけており、いろいろな拡張性を考えると確かにそうかもと思っております。最近はAIと議論した内容を最終的にHTMLにまとめてGoogleドライブに保存するということをやっております。HTMLは後から人間が振り返るときも参考にしやすいし、AIからも情報を取得しやすく、おすすめ情報ストック術があれば教えてください。
しぶちょーさんは、AIに「HTMLにして」と頼むとホームページのような見栄えで、階層構造を持った形でまとめてくれると説明します。Markdownはシンプルでいい一方、見る分にはHTMLの方が見やすく、しぶちょーさん自身もHTMLでまとめさせることがあるそうです。
あの見やすさ、そのまとめた情報の見やすさを、あの、優先するのであれば、HTMLでまとめさせても全然いいと思う。
かねりんさんは、VS CodeならMarkdownもきれいに表示されると反論します。しぶちょーさんは、Markdownでできるのは見出しや太字、簡単な表程度で、HTMLなら図表まで入れたリッチな形にできると答えました。
ただし、NotionやnoteはMarkdownベースなので、そこに貼るならMarkdownの方が相性がいいとのことです。しぶちょーさん自身、5年ほど前に後輩から、メモ帳ではなくVS CodeでMarkdownを使うよう勧められたのがきっかけで使い始め、メモ用途とAIの読みやすさから広まったものだと振り返っています。
シンプルでメモや議事録に向く。AIも読みやすく、NotionやnoteやDiscordと相性がいい
図表なども入れてリッチにまとめられ、人が後から見やすい。WordPressならそのまま貼れる
2人のAI課金額はいくら?API攻撃の失敗談も
2件目は、ローカルでAIを使っているリスナーからの質問です。
落ち着きAI素人です。振り返っていろいろと拝聴してます。家計的にはまだ無課金でいろいろ使ってみてます。Ollamaは使っているので、Gemma 4 12Bも試してみようと思ってます。ちなみにお二人はAI系全課金金額、月ベースはいくらですか?教えてください。
かねりんさんの内訳で最も大きいのは、Claudeの200ドルプランで約3万5000円です。ChatGPTは以前の3万円プランから3000円のプランに下げ、GeminiはGoogle Workspace ── Googleのビジネス向けサービス群。GmailやGoogleドライブなどに加え、プランによってはGeminiも使えますの分で月3000円ほどです。
| サービス | 月額 | 補足 |
|---|---|---|
| Claude | 約3万5000円 | 200ドルプラン |
| ChatGPT | 約3000円 | 以前は3万円プラン |
| Gemini | 約3000円 | Google Workspaceの分 |
| Manus | 約1万円 | 使い方を絞りながら継続 |
| AIイラストのサービス | 約5000円 | Sunoは契約と解約を繰り返す |
合計は4〜5万円ほどです。しぶちょーさんはManusについて、外せないけど使いこなせない「呪いの装備」のようになってきたと笑っています。
しぶちょーさんの課金は、かねりんさんより少ない3万円ちょっとだといいます。以前はChatGPTの最上位プランも契約して6万円ほどでしたが、今は絞っています。ReplitやElevenLabsに加え、GPUを借りられるGoogle Colaboratory ── Googleが提供するブラウザ上のPython実行環境。有料プランでは高性能なGPUを借りて機械学習などを行えますにも月5000円ほど払っています。
Google Colabは専用のCLIが出たことで、Claude Codeから仕事を投げてGPUだけ借りられるようになりました。しぶちょーさんはこれを使って自分の音声クローンを学習させ、個人のAIポッドキャストの品質を上げようとしています。接続時間で課金されるため、セッションの切り忘れが「あるある」ですが、Claude Codeなら管理してくれそうだと期待しています。
従量課金のAPIについては失敗談も語られました。しぶちょーさんのホームページで公開している、文字から3Dモデルを作る仕組みはGeminiで動いていて、上限を十分に設定していなかったため、1日で1万5000円分ほど使われてしまったそうです。
でもそれをね、20日繰り返されたら大変なことになる。
一方、公式ツールの「おちつきAI RAG」はChatGPTのAPIを使い、入れたクレジット分しか使われないため安全だといいます。しぶちょーさんは、APIは上限をしっかり全部設定しておくことが大事だと話しています。
Fable 5に怒られて、睡眠を見直すことに
しぶちょーさんは、Fable 5が有料で戻ってきたら財布は終わりだと冗談めかしつつ、本当に最上位モデルが必要なのかという視点も示します。ノーベル賞科学者に表計算をさせるような過剰な使い方は、破産する時代になりかねないといいます。
何でもかんでも最上級にすればいいよねっていうのは、まあお金持ちの論理だけど、やっぱ適材適所をやっていかないと、もう破産する時代になるよねっていうのはなんとなくあるね。
それでも複雑なタスクはFable 5の方が確実に良かったと、しぶちょーさんは惜しみます。もっといろいろ相談しておけばよかったと振り返り、その1つとして挙げたのが睡眠の相談でした。
しぶちょーさんは、短い睡眠でも効果を上げる方法や、枕などのガジェットで質を上げる方法はないかとFable 5に聞きました。返ってきたのは、睡眠時間がほぼすべてだという答えで、めっちゃ怒られたそうです。
Fable 5の提案はかなり具体的でした。起きる時間は固定し、寝る時間で調整する。睡眠負債は1時間早く寝るなどで解消する。6月はまず5時間睡眠を目指し、改善には3か月ほどかかる、というものです。
特にしぶちょーさんに刺さったのが、IQテストでパフォーマンスの低下を数字で確かめるという提案です。受けられる病院まで調べた計画書を残して、Fable 5は使えなくなったといいます。
人間に言われても何も響かなかったのに、AIに言われて響いちゃってさ。
かねりんさんも、YouTubeで知られる睡眠学者の柳沢先生が同じことを言っていたと紹介します。自称ショートスリーパーも眠気を感じないだけで、脳はずっと睡眠不足なのだそうです。Opusにも健康の話はされたものの、ここまで面白く具体的な提案はなかったと、しぶちょーさんは話しています。
収録以外を全部任せる「自動化工場」へ
睡眠の話から、かねりんさんが7月に始める予定の睡眠がテーマの新番組「落ち着きスリープ」の話題に移ります。しぶちょーさんは、自分の睡眠を改善できなければ番組として成り立たないかもしれないと笑っています。
かねりんさんは、おちつきAIのショート動画も始めます。今は亡きFable 5の助言で、YouTubeはブランドで1本、TikTokやInstagramはアカウントの方向性がずれるとレコメンドされないため番組ごとに分けるそうです。動画を作る仕組みもClaude Codeと相談しながら作っています。
しぶちょーさんは、毎日配信している個人ポッドキャストの、収録以外の作業をすべて任せるソフトをClaude Codeで1日ちょっとで作りました。仕組みの鍵は、録り方の工夫にあります。
収録
チャプターの区切りで5秒以上黙る
空白を検知
5秒以上の沈黙で切り分けてBGMを切り替える
2種類の音源
Voicy用のチャプター分け版と、Podcast用のBGM付き連結版を出力
周辺作業
記事やアートワークも自動で作る
咳払いで誤って切れる不具合も、AIが「これは咳払いなので考慮しない」と自分で仕組みを更新して直したそうです。しぶちょーさんは、AIが編集しやすいように元データを収録する時代になったと感じています。
だからやっぱAIが編集しやすいように元データを収録するとか作っていくみたいな、なんかそんな時代になったなと思ったね。
しぶちょーさんが訪ねたポッドキャストスタジオでは、エンジニアではない制作者が、収録中の発言をリアルタイムで文字起こしして要約を表示するツールを自作していました。収録後には、Spotifyの評価が4.9で100件まであと6件になったことや、深掘り回でオフ会の話をすることも語られています。
逆にやっぱ、面倒くさがり屋が輝く時代だなと思ったね。
まとめ
この回は、Claude Fable 5の圧倒的な性能と、公開2日後の停止という落差を、米政府とAnthropic双方の主張に分けて整理しました。そのうえで、特定のAIや国に依存するリスクへの備えと、AIに合わせて仕事の仕組みを作り直す実践までが語られています。
- Fable 5はMythosとほぼ同じ能力を持ち、サイバー系の用途をガードで止めるモデルとして6月9日に公開された
- 停止の理由について、政府は深刻なジェイルブレイクと対応の遅さを、Anthropicは限定的な問題への説明なき90分の最後通告を主張し、真っ向から食い違っている
- Amazonは自分から告げ口したのではなく、政府に意見を求められて答えた立場だったと報じられている
- 騒動を受けて、国産LLM、ローカルLLM、Claude Code以外のエージェントを使えるようにしておく重要性が語られた
- 課金は適材適所で行い、APIの上限は必ず設定する。AIが扱いやすい形でデータを作ることが自動化の鍵になる



