クラウドファンディング開始と全国大会での快挙
この回のゲストは、第2回に続き2度目の登場となるたかけんさんです。話の中心は、たかけんさん自身ではなく、中学3年生の娘・希ノ葉さんの挑戦にあります。
7月24日、希ノ葉さんの全国大会や遠征に向けたクラウドファンディングが公開されました。遠征費の負担は大きく、去年に続いての実施です。
遠征費とかってすごいバカにならない金額がかかるので、去年もクラウドファンディングで少し寄付を募ったりしたんですが、今年もやらせていただこうかなと。
プロジェクト名は「全国大会から世界へ。中学生ランナー高橋希ノ葉」。まだFacebookでしか案内していない段階で、スタートダッシュから支援が集まったと話されています。
ちょうどこの週末、希ノ葉さんは東京都の中学生の大会に出場していました。前日の1500mでは大会新記録で優勝し、翌日の800mにも出場予定でした。
昨日1500で出て、見事、大会新記録で優勝して。明日800mで、去年本人が出した大会新記録を塗り替えて、プラス東京都の歴代記録も超えたいと。
1500mのタイムは4分26秒。キロ3分を切る記録で、たかけんさん自身は本気で走っても4分45秒ほどだといいます。大人の男子でもなかなか出せない記録だと語られています。
マラソン大会20位から始まった陸上人生
希ノ葉さんが陸上を始めたきっかけは、小学2年生の冬のマラソン大会でした。学年で20位ほどという順位を見て、父であるたかけんさんが動き出します。
それを父は見て愕然として、「なんで俺の子供なのにそんなに順位なんだ」って言って、翌日から毎日1キロダッシュをさせるっていう。
最初は嫌々の取り組みでした。自己ベストを出したら何かを買う、帰りにアイスを買うといった「ニンジン作戦」で毎日のランニングを続けたそうです。
その後は順調に伸び、小学4年生あたりで一度停滞したものの、6年生では突き抜けて日本ランキング1位、小学生の歴代2位という記録に到達しました。
スパイクと怪我、そして完全体へ
中学に入るとスパイクを履くようになりますが、これが怪我の原因になっていきました。公認記録はほぼスパイクシューズでしか出せないためです。
中一、中二は全国大会とかも出てたんですけど、もう骨折した明けで走ったりとか、まだ痛めてる状態で走ってっていうところを繰り返してて。
転機はシューズの変更でした。硬いプレートの入ったスパイクではなく、靴底が柔らかく屈曲するロードシューズに近いシューズへ切り替えたことで、怪我をしなくなったといいます。
この1年で身長は10センチほど伸び、現在は161センチほど。成長に伴い接地のタイミングなどが変わることは、他の生徒の指導でも気にしている点だと話されています。
それでも成長とともに自重トレーニング中心の筋力もついてきて、今はバランスよく合致した状態だと語られました。3年間で一番良い状態に仕上がっているといいます。
世界を見据えた進路と、開かれた選択肢
クラウドファンディングのテーマは「全国大会から世界へ」。希ノ葉さん自身はオリンピックで活躍したいという思いを持っています。
進路には強豪校への進学や、ケニア留学といった海外の選択肢もあります。ただし、留学については有識者から否定的な意見もあったといいます。
本人は国内志向ですが、たかけんさんには別の視点もあります。高校女子は駅伝やトラック競技が中心で、種目が5キロ以下に限られるためです。
将来高校卒業した後に世界と戦うっていうところには差が広がってるんじゃないかっていう気持ちもあって。過去に前例のない高校からフルマラソンを目指しての土台作りみたいな、ちょっとぶっ飛んだ路線もあってもいいのかなと。
一方で、それを娘で実験のようには試せないとも語ります。最終的な選択肢は本人次第だとして、今は選択肢を広げて並べている状態だと話されました。
クラウドファンディングが支える遠征と、指導者・父の葛藤
今回の資金は、直近の大会遠征に充てられます。8月の関東大会に始まり、山口の全国大会、青森の国民スポーツ大会、10月のジュニアオリンピックなどが控えています。
選手本人の遠征費は学校登録で出るものの、指導者であり父でもあるたかけんさんの帯同分は支払われません。コーチングの仕事を制限する必要もあります。
普通に保護者なんだから、それぐらいクラウドファンディングなんかでって言われる方もいらっしゃるかもしれないんですけど、やっぱり指導者としてっていうところと保護者としてっていうところで、一番その辺が辛い部分かなと。
たかけんさんが目指すのは、直近では全国大会での優勝です。国スポ、ジュニアオリンピック、全中という三大会での優勝を掲げつつ、応援してくれた人への恩返しにしたいと語ります。
皆さんが応援してても良かったなっていうところを、見せていけたらなっていうところが一番ですかね。
すでに寄せられた応援メッセージには、親子で夢を追う姿に胸を打つといった声が並び、多くの人をワクワクさせている様子がうかがえます。
親父譲りの性格と、厳しさと可愛さのあいだで
希ノ葉さんの努力量は、実の父が一番知っていると語られます。トレーニング、食事、リカバリーとケアまでセットで、実業団選手ほどの取り組みをしているといいます。
毎日、普通の中学生じゃありえない、もう実業団選手ぐらいじゃないかっていうぐらい、あのトレーニングとリカバリーとケアっていうところまでセットで相当やってるので。
性格は父親そっくりだと笑って明かします。家を出たら忘れ物で2回は戻ってくること、そしてすぐ調子に乗ることが挙げられました。
たかけんさんのSNSからは、厳しくしなければという指導者の顔と、可愛くてしょうがないという父の顔の両方がにじみます。
一中学生だし、娘だしっていうところは心身だとあります。それなのに厳しくしないといけないから、結構切ないという。
父の規格外の取り組みを日常的に見ているからこそ、娘も応援してくれ、たかけんさんの話にも疑いを持たなくなってきたといいます。月間1000〜1500キロを走る父の姿がそばにあります。
まとめ
中学生ランナー・高橋希ノ葉さんの挑戦は、小2のマラソン大会をきっかけに始まり、怪我を乗り越えて全国トップを争う位置まで来ています。父であり指導者でもあるたかけんさんは、遠征費を支えるクラウドファンディングを通じて、全国大会、そして世界を親子で目指しています。
- 希ノ葉さんは1500mで大会新記録優勝、キロ3分を切る記録を出す中学3年生
- スパイクによる怪我をロードシューズに近い靴で克服し、今が3年間で最良の状態
- 高校卒業後に世界と戦うため、進路の選択肢を広げて本人の意思を尊重している
- クラウドファンディングは関東大会から全国大会、ジュニアオリンピックなどの遠征を支える
- 指導者と父という二足のわらじの葛藤を抱えつつ、親子で日本一・世界一を目指している




