届いた朝、そのまま植物園へ
沖縄は4月半ばを過ぎ、朝からじわっと暑い、夏の入り口のような陽気になってきたと語られます。
神森さんはまず、前回のエピソード12で触れた東南植物楽園の日に「ちょっとした変化」があったと切り出します。
その変化とは、注文していたスマートグラスEven G2が、まさにその日の朝に届いたことでした。
エピソード6で紹介した時点では「3ヶ月待ち」と言われていたそうです。ところが実際は1ヶ月半ほどで届き、思ったより早くてびっくりしたと話されています。
前日には見覚えのないショップの不在連絡票が入っていて、よく考えたら純銀座 ── Even G2の国内取り扱い店として言及されているショップ。書き起こしの音声からの表記のため要確認。だったとのこと。翌朝の再配達を予約し、届いた瞬間に外へ飛び出したと振り返ります。
説明書もろくに読まず、そのまま出かけてカピバラを見ながら遊んでいたそうです。相方も「いいんじゃない」と言ってくれたといいます。
直前まで使っていたメガネとほぼ形が同じだったため、違和感なく馴染んでくれたのも大きかったようです。
度付きレンズと「普通のメガネに見える」ことが決め手
スマートグラスはこれまでも各社から出ていますが、神森さんがEven G2を選んだ理由は大きく2つあると語られます。
1つ目は度付きレンズが使えること。これが一番大きかったといいます。
スマートグラスは出始めの頃、度なしが当たり前という状況が続いていました。普段からメガネを使う人にとって、度付きで使えることはとても大事なポイントだったと話されています。
2つ目は見た目がゴツくないこと。昨今のスマートグラスはツルの部分がやたら太いものが多く、「絶対スマートグラスじゃん」と分かってしまうと指摘します。
一方、Even G2はメタル系のフレームで、普通におしゃれなメガネに見えるとのこと。街中でかけていても違和感なく溶け込めそうだと感じているそうです。
度なしが当たり前だったスマートグラスの中で、メガネユーザーが日常使いできる
ツルが太くない普通のメガネに見え、街中でも違和感なく溶け込める
レビューの中には「それでもメガネがゴツい」という声もあるようですが、普段メガネをかける人からすれば、最近流行りの太めのセルフレームと比べても違和感はないだろうと話されています。
装着感と、単焦点レンズにした「失敗」
ここからは届いてから約1週間使ってみての正直レポートに入ります。まず装着感は、少し重いと思うことはあるものの、普通のメガネと比べれば全然許容範囲だといいます。
1日かけていても、メガネユーザーからすれば疲れるほどではないとのこと。
度付きレンズについては、本当はプログレッシブレンズ、つまり遠近両用にしたかったそうです。プログレッシブレンズ ── 1枚のレンズの中で遠くから近くまで度数が連続的に変わる累進屈折力レンズ。遠近両用メガネに使われる。
ただし値段が高く、本体価格に加える度付きレンズは単焦点でおよそ26,000円ほど。遠近両用にすると一気に10万円ほどにまで跳ね上がったといいます。
さすがにしんどいということで、泣く泣く単焦点のレンズにしました。ところが、これは失敗したかもしれないと振り返ります。
もともと使っていたメガネは遠近・中近・近近の3層構造で、特に手元用の近近部分はほとんど使っていないと思い込んでいたそうです。
しかし実際にEven G2を使い始めると、手元もキーボードもボケてしまい、近近の部分をちゃんと使っていたと実感したといいます。
そのため、次はレンズだけまた交換するかもしれないと話されています。
モダンをタッチして操作する仕組み
ここからは基本的な使い方の説明です。Even G2はメガネ単独でも操作が完結しますが、操作を楽にするEven R1というスマートリングも用意されているといいます。
今回はスマートリングは購入せず、メガネのみでの操作になります。そこで、メガネだけでどう操作するのかが説明されます。
操作の要になるのは、耳にかかる部分のモダン ── メガネのテンプル(ツル)の先端、耳にかかる部分のこと。です。両サイドがタッチセンサーになっていて、スワイプ・タップ・ダブルタップで操作します。
モダンをダブルタップするとダッシュボードが起動します。左側に日付・曜日・バッテリー残量・通知数、右側にはスワイプで切り替わるニュース・株価指数・スケジュール・タスク一覧・エクササイズ記録が表示されるそうです。
たとえばニュースを選んでシングルタップすると記事一覧が表示され、気になる記事をタップすると本文が出てきます。あとはスワイプでスクロールして読む流れです。
モダンを長押しするとクイックアクセスメニューが呼び出せます。iPhoneのコントロールセンターのようなイメージだと説明されています。
- 通知の確認
- テレプロンプター
- ライブ翻訳
- ナビゲーション
- 会話モード/Even AI
- サイレントモードやサードパーティ製アプリ
注意点として、Even G2はAndroidまたはiPhoneの専用Evenアプリと必ず連動させる必要があります。
届いたらまずスマートフォンにEvenアプリをインストールし、Bluetoothでペアリングします。アプリが常に起動していないと機能が正しく使えない点は必須の前提です。
Even AIと会話サポート、便利な機能たち
続いて機能の話です。Even G2には専用AIアシスタントのEven AIが入っています。
モダンの先端にマイクが内蔵されていて、「Hey Even」と呼びかけると起動します。ちょっとした調べ物やクイックリストへの登録、リマインダーにも使えるといいます。
「Hey Even、何々を調べて」と言うと、クイックリストに登録されたり、リマインダーとして使ったりすることもできます。
これまで調べ物のたびにスマートフォンを開いていたことを思うと、めちゃめちゃ便利だと語られます。
次に会話サポート機能です。周囲の会話や音声をリアルタイムで文字起こしし、メガネのディスプレイに表示してくれます。
試しに、相方がYouTubeでクワガタの育て方の動画を見ていた際にオンにしてみたそうです。動画内の話者の言葉が自動で文字になったといいます。
日本語は同音異義語が多く、誤変換もちょこちょこ出るものの、面白い挙動があったと話されています。
たとえば動画に「ミヤマクワガタ」というワードが出ると、画面上部にその囲みが現れ、AIが重要そうな語を自動でピックアップ。タップすると簡単な説明が出るそうです。
会話相手の言葉に知らない単語が出てきた時、その場で調べられるのは実用的だといいます。
これまではなんだかよくわからないけど適当に返事してた、みたいなことってありません?そういったことは絶対避けられる、恥ずかしくない感じなんじゃないかなと思ってます。
ただし日本語解析の精度はまだ十分ではなく、誤字起こしはもう少し改善してほしいと率直に述べられています。
テレプロンプターとライブ翻訳の実力
次はテレプロンプター機能です。あらかじめ台本を読み込ませ、一定速度・手動送り・音声認識で自動進行の3モードから選べます。
実はエピソード12の収録で使おうとしたものの、マイクがうまく拾わず断念したそうです。今回のエピソード13でもヘッドホン着用や声量の関係で、結局収録には使っていないといいます。
一方で、登壇のような場面なら十分使えそうだと話されています。ただし台本に英語が入っていると、しっかり英語読みしないと誤認識して先に進まないこともあるとのこと。
続いてライブ翻訳機能です。Even G2の話題でよく聞く機能で、たとえば英語のYouTube動画を見ながら日本語に翻訳してメガネに表示してくれます。
海外のカンファレンスに行く機会があれば、これはめちゃめちゃ使えると感じたそうです。
音の拾い先はメガネのマイクだけでなく、スマートフォン側のマイクに切り替えることもできます。会話の場面ではiPhoneをテーブルに置いて拾わせるほうが変換に有利だといいます。
操作の弱点と、通知でできること・できないこと
モダンでの操作には慣れるのが早い一方で、弱点もあります。腕を耳の後ろに回す必要があり、ヘッドホンをしているとツルに触れないのです。
こういう時はやっぱり、最初の方で少しお話ししたEven R1というスマートリング、やっぱり買っておけばよかったかな、なんて思っていたりします。
ヨドバシカメラなどで今月下旬にEvenシリーズが発売される見込みで、スマートリングも近々買うことになりそうだと話されています。
通知機能についても補足があります。Evenアプリ内で、インストール済みアプリのうちどのアプリの通知を表示するかを自分で選べる仕組みです。
ただし表示されるのはあくまで通知があったという状態と概要部分だけ。メッセージアプリなら出だしの文章は出るものの、その先の本文までは読めないと説明されています。
iPhoneやAndroidの通知センターの内容がちょろっと表示されるイメージだと考えてほしいとのことです。
2週間使ってみての総評として、発展途上な部分はあるものの面白いデバイスだと語られます。
見た目が普通のメガネなので、スマートグラスに抵抗がある人でも試しやすい入り口になりそうだといいます。
使い始めて2週間で2〜3回ファームウェアのアップデートが来ており、バグ修正や機能追加が頻繁に行われている点も、使いごたえにつながっているようです。
新曲「In Focus」と、理想のスマートグラス像
最後のコーナーはSunoのAIラボです。今回はEven G2と連動した曲「In Focus」が作られました。
2週間かけてみて、神森さんは「スマートグラスの本質って何だろう」と考えたといいます。
理想として語られたのは、完全オートフォーカスのスマートグラスです。手元を見ても遠くを見ても、瞳孔を感知して瞬時にピントが合うイメージです。
眼鏡全体、どこから見ても手元を見る時は自動でピントがシュッと合う。遠くを見るとシュッと合う。これが多分本質、スマートグラスだと私は思うんです。
その意味では、Even G2は「私の思うスマートグラスではない」と率直に述べつつも、情報が視界に降りてくる体験には未来感があると語られます。
曲づくりの出発点は、度なしが当たり前だったスマートグラスの中で、度付きレンズを入れられるという喜びを形にすることでした。
当初は「Hey Even」と呼びかけるようなエレクトリックポップにしようとしたものの、歌詞がガジェットの説明のようになってしまい方向転換します。
改めて自分の中で何が変わったかを考えると、Apple Watchを見る回数が減っていたことに気づいたそうです。
通知が来ると腕を見ていたのが、目の前にポッと通知が上がってくるようになり、無視していい通知はそのままスルーできる。時計だと結局中身を見てしまうのとは違う感覚だといいます。
年代指定をやめ、感情で音を選んだ制作
ジャンルはErasure風のシンセポップと決めていたものの、スタイル指定で迷走したと語られます。Erasure ── 1985年結成のイギリスのシンセポップ・デュオ。明るくキャッチーなシンセサウンドで知られる。
最初は80年代UKシンセポップと指定すると音が古すぎ、90年代UKシンセポップにするとU2っぽくなったりピコピコしすぎたりと、時代の音に引っ張られたそうです。
そこで年代指定を思い切って全部外し、「こういう感情、こういう質感の音」を伝える方向に切り替えます。
メランコリックシンセポップ、エモーショナルエレクトロニック、ビタースイートといった雰囲気や感情のキーワードを指定すると、グッと良くなってきたそうです。
さらにスタイルを追加していくとキラキラした音色が出てきて、「これだよ」という手応えにつながったといいます。
今回はSunoのボイス機能で自分の声を試したものの、英語で歌うのは恥ずかしいと感じ、最終的に自分の声は使っていないとのことです。
出来上がった曲では、1番のAメロはバックが少なめでシンセがポツポツ鳴り声が前に出るのに対し、2番のAメロは同じメロディーでも音が増えて厚みが変わると気づいたそうです。このパターンが自分は結構好きらしいと話されています。
コードはCメジャーで、サビにEマイナーやG7、Dマイナーが入り、そこが哀愁を生むポイント。BPMは133、4分32秒の曲だと紹介されます。
聴き終えたあとには、迷走したからこそ年代で指定するより感情で指定するというSunoとの付き合い方が見えたと振り返ります。
なお、ナビゲーション機能については「ちょっと残念でした」とだけ触れられ、詳しくは別の機会に語られる形になっています。
まとめ
度付きレンズと自然な見た目を決め手に選んだEven G2は、発展途上ながらも生活の小さな変化を生む面白いデバイスだと語られました。その体験は、年代ではなく感情で音を選ぶという新曲「In Focus」の制作にもつながっています。
- Even G2は度付きレンズが使え、メタルフレームで普通のメガネに見えることが選んだ決め手
- 操作はモダンのタッチが基本だが、ヘッドホン着用時などはスマートリングEven R1が欲しくなる場面もある
- Even AI、会話サポート、ライブ翻訳は便利だが、日本語の認識精度はまだ発展途上
- 通知は概要までで本文は読めず、テレプロンプターは登壇向き、ナビゲーションは残念という正直な評価
- 新曲「In Focus」では年代指定をやめ、感情や質感のキーワードで指定することでSunoとの新しい付き合い方が見えた



