今年もルーティン、東南植物楽園へ
今回のガジェットレポートは番外編。先週末に訪れた東南植物楽園のレポートからスタートします。
東南植物楽園は沖縄市にある植物園です。東南植物楽園 ── 沖縄市にある大型の植物園。熱帯・亜熱帯の植物や動物が集まり、夜はイルミネーションイベントも開催される。沖縄では親しまれたスポット。那覇からは車で30〜40分ほどの距離にあります。
規模が大きく、熱帯・亜熱帯の植物がこれでもかというほど並んでいます。植物だけでなく動物もいて、夜にはイルミネーションのイベントも開催されています。
神森さんは毎年この3月終わりから4月にかけて、相方と訪れるのがルーティンになっているそうです。
園内に入りますと、もうその空気感が那覇の街中とは全然違ってまして、緑が濃いなという感じですね。緑を見てると深呼吸したくなる感じ、わかりますかね。
ヒスイ色に息を飲む、絶滅危惧種の花
神森さんが毎年この時期に訪れる理由は、ヒスイカズラが見頃になるからです。
名前の通り、花の色がヒスイ色をしています。ヒスイカズラ ── フィリピン諸島の一部の熱帯雨林にしか自生しない、絶滅危惧種に指定された希少なつる植物。青緑色の花を房状に垂らして咲かせる。調べてみると、フィリピン原産で絶滅危惧種に指定されている、とても貴重な植物だそうです。
緑がかった青というか、青がかった緑というか、日本語でいうとヒスイ色っていうのが一番近いんですが、実物を見るとちょっと息を飲む感じがあります。
咲き方も独特で、房状にまとまって藤棚の藤のようにぶら下がって咲きます。大きいものは1メートル近くになることもあるそうです。
受粉も変わっていて、オオコウモリが花の蜜を求めてやってきて受粉を助けるといいます。
沖縄県内では、本部町の海洋博公園にある熱帯ドリームセンターや、神森さんがかつて住んでいた宮古島でも見られるとのことです。
ただ今年のヒスイカズラは、残念ながらピークを過ぎていたそうです。それでも房は垂れ下がって花も咲いており、しっかりカメラに収めてきたと話しています。
来年はもうちょっと早く行こうかなと思っているんですが、多分来年も同じことを言ってるような気がしております。
予約なしで触れ合えるカピバラが一番の目的
植物のエリアを歩いた後は、動物ゾーンへ向かいます。この植物園は動物との触れ合いができるのも大きな魅力です。
今回のレポートで神森さんが一番推したいのがカピバラです。予約なしで触れ合うことができます。
触ってみると毛はざらっとしていて、それでも動物らしいあたたかさがあるそうです。200円払うとキャベツをあげることができ、もぐもぐ食べる姿が本当に可愛いといいます。
お子さん連れで沖縄に来た際は、ぜひ訪れてほしいスポットだと神森さんは勧めています。
寒くないのに非日常、軽装で見るイルミネーション
東南植物楽園では、期間限定でイルミネーションのイベントも開催されています。毎年10月中旬頃から5月下旬頃までと、長めの期間です。
本土ではイルミネーションというと冬のイメージがあります。厚着をして白い息を吐きながら見るのが定番かもしれません。
ですが沖縄では、軽装でイルミネーションを見ることができます。神森さんは2年ほど前の1月、正月明けに初めて訪れた際、半袖のTシャツにカーディガンを羽織った姿でイルミネーションを見たそうです。
白い息を吐きながら見ているっていうところではない形でイルミネーションを見てる自分っていうのも、なんか不思議な感じです。
この体験は、那覇に来る前に住んでいた宮古島の上野ドイツ文化村や宮古島市熱帯植物園でも味わったそうです。
寒くないのに非日常感があるっていう、ちょっと不思議な感覚です。本土から遊びに来た方、ぜひ体験していただきたいなと思っております。
ヒスイカズラ、カピバラ、そしてあの空気感。訪れるたびに、いろいろリセットされた感じがすると神森さんは話しています。
リモートワークで消えた「切り替え」の時間
植物園の中をぼーっと歩いている間は、仕事のことを全く考えていないといいます。ここから話はワークトークへ移ります。
神森さんが話したいテーマは、日常のリセットの大切さです。
少し前に大阪へ旅行に行った時のこと。普段は仕事で何度も訪れる場所で、出張だと移動中もずっと頭の中は仕事です。特にセミナーの仕事では、翌日話す内容を頭の中でリハーサルし続けているそうです。
ところが今回は旅行で、何も考えていませんでした。すると同じ大阪なのに、全く別の場所に見えたといいます。
久しぶりに頭の中が完全に仕事から切り離した状態で、様々な大阪の景色を見ていたら、本当に仕事で行った時とは全く違うものが見えたりするんですね。こんなところにこんな店あったんだとか。
神森さんは、リモートワークになってから頭を切り離される感覚が本当に減ったと感じています。昼も家で済ませることが多く、オフィスに行くのは月に数えるほど。気づくと朝から夜までずっと同じ部屋にいる日が多いそうです。
画面の前にいる時間は長いんだけれども、オンとオフの境目がなくなってくるんですよね。
よく考えてみると、会社に通っていた頃は通勤するだけで切り替えが起きていました。家から駅まで歩き、電車に乗り、景色やスマホを見る。特に何かを考えているわけではない時間が、自然に頭をプライベートから仕事モードへ切り替えていたのです。
リモートになってからは、その時間が丸ごとなくなってしまったと神森さんは振り返ります。
朝のコンビニコーヒーが、切り替えのスイッチになる
そこで最近は、朝晴れたらコンビニにコーヒーを買いに行くことをちょっとした習慣にしているそうです。外の空気を吸い、少し歩いて、外の色を見て帰ってくる。
その5分、10分っていうのが、自分なりの切り替えの時間になっている感じがしています。
ただし、これは意識的にやらないと作れないと神森さんは言います。自然に起こるものではありません。遅くまで寝てそのまま仕事に向かう日もまだあると正直に語りつつ、可能な限りこの時間を作るようにしているそうです。
植物園に毎年行くのも、こうした切り替えの延長にあるのだろうと考えています。同じヒスイカズラを見てカピバラに会うことで、何かしらの形で自分をリセットしているのです。
リセットしている時は、実は何も考えていない時間です。神森さんは、何も考えてない時間ってやっぱりあるべきだと話します。それがないと、頭がずっと同じところでぐるぐるしてしまうからです。
一方で最近は、非日常感の効果がだんだん短くなってきている気がするとも語ります。大阪から帰って数日すると、あの感覚がどこに行ったのかと感じるそうです。
この年になってくると、仕事と非日常、うまいことテンポよく切り替えていくっていうのが大事なのかなと思っております。
そして神森さんは、リスナーにも問いを投げかけます。皆さんにとっての何も考えなくていい時間は、どこかで作れているでしょうか。
17回ガチャでたどり着いたインスト「Sunday Garden」
続いてはSuno AIラボです。Suno AI ── テキストで指示を与えると楽曲を生成するAI音楽サービス。ジャンルや楽器、雰囲気などを指定して曲を作れる。今回は東南植物楽園をテーマに、インストゥルメンタルの新曲を作りました。
最初は歌詞を乗せることも考えたそうです。ですが「緑の風に包まれて」といったベタすぎる表現になってしまい、しっくりきませんでした。
植物園ってそういう場所でもなくて、もっとボーッとできる場所。言葉にしようとすると急にわざとらしくなる感じもあったので、やっぱりインストで行こうかなと思いました。
曲名は「Sunday Garden」。祝日に植物園をのんびり歩く、ゆったりした感じをそのまま名前にしています。
インスト曲をSunoで作るには独特の難しさがあります。歌詞のある曲なら、セクションの指示とともに歌詞を書いていきます。ですがインストには歌詞がないため、そのフィールドをどう使うかが課題になります。
神森さんは調べる中で、歌詞のフィールドに楽器の指示を書く方法にたどり着きました。「イントロ:エレクトリックピアノリフ、ブライトドラム」「バース:ファンキーベースグルーヴ、ノーボーカルス」といった具合です。
この歌詞フィールドとは別に、スタイルを指定するフィールドがあり、ジャンルや楽器、雰囲気、BPMなどを入れます。
この歌詞フィールドとスタイルフィールドを逆に入れ間違えてガチャしたことがありまして、もう全くなんだかよくわかんない曲ができちゃったっていうのはちょっと余談になります。
スタイルの試行錯誤も多かったそうです。その過程は次のように移り変わっていきました。
ボサノバ系
ゆっくりした感じを狙うが、古い音源っぽい音になってしまう
シティポップ
切り替えるが、サビが物足りなく感じる
大滝詠一風
ウォール・オブ・サウンドの方向へ振り切れないか模索
シティポップに回帰
バックコーラスがボンと入る音が出て、これが面白いと決定
大滝詠一 ── 日本のシンガーソングライター・音楽プロデューサー。分厚く重ねた音づくり「ウォール・オブ・サウンド」を取り入れたサウンドで知られる。こうして巡り巡ってシティポップベースに戻り、狙っていたバックコーラスの音が得られました。
最初に作った時は2分10数秒と短かったため、曲を伸ばせるエクステンド機能を使いました。延長した候補の中から気に入ったものを選び、3分29秒の曲に仕上げています。
完成した曲はバックコーラスがいい感じに入り、プレコーラスからサビにかけてずっと「わーわー」と鳴っている、狙い通りの仕上がりになりました。コード進行を解析すると、キーはE♭マイナー、BPMは120でした。
神森さんは、のんびり歩くというより、80年代90年代のトレンディードラマでカップルが休日に街を歩くようなイメージの曲になったと話しています。
インストだからこそ、それぞれのイメージが広がる
曲を聴き終えた後、神森さんはインストゥルメンタルの良さについて語ります。
インストゥルメンタルって言葉がない分、聞いた人がそれぞれ違うイメージを持てるのがいいところだなと思うんですが。
実際にはこの曲から、植物園の空気感やカピバラの穏やかな顔、ヒスイカズラの独特の色は多分思い浮かんでこないだろう、とも神森さんは正直に語ります。
それでもタイトル通り「Sunday Garden」、休日を過ごすというテーマで、リスナーそれぞれのシチュエーションでこの曲が流れるといいと締めくくっています。
まとめ
東南植物楽園のカピバラとヒスイカズラ、リモートワークで薄れた切り替えの時間、そして17回ガチャで完成したインスト「Sunday Garden」。金曜の朝に、リセットの心地よさを感じられる回でした。
- 東南植物楽園は那覇から車で30〜40分。カピバラとの触れ合いとヒスイカズラが見どころで、ヒスイカズラはピーク前に行くのがおすすめ
- 沖縄では軽装でイルミネーションが見られ、寒くないのに非日常という不思議な感覚が味わえる
- リモートワークで消えがちな「切り替え」の時間は、朝のコンビニコーヒーなど意識して作らないと生まれない
- 何も考えない時間はぐるぐる思考を止めるために必要で、年を重ねるほどテンポよく切り替えることが大事だと神森さんは語る
- 新曲「Sunday Garden」はボサノバから始まり、17回ガチャを経てシティポップに着地した東南植物楽園がテーマのインスト






