新MC・中島静香は何をしてきた人か
今回からポジティブブランディングラボに新しいMCとして中島静香さんが加わりました。ラジオDJとしておしゃべりの仕事を中心に活動している人物です。
私はラジオDJとしておしゃべりの仕事を中心にしていまして、AMのラジオだと芸人さんと一緒に話す番組を担当したり、最近は音楽FM局で音楽と情報を伝える番組をしています。
番組の司会だけでなく、イベントMCとしての仕事も多く、なかでもトークショーを数多く手がけてきたと話します。
ゲストをお迎えするファッションの配信番組を担当していたこともあって、モデルさんを招いて20分間のトークショーをするとか、最近は暮らしに関する話でDIY得意なタレントさんを呼んで話したりしています。
人にインタビューしてきた経験の積み重ねが、自分のキャリアになってきていると中島さんは振り返ります。この「インタビューする」という視点が、後半のパーソナルブランディングの話につながっていきます。
結構、人にインタビューしてきた、このおしゃべりの仕事のキャリアが積み上がってきているなと思っているんですよね。
中島さんは番組のリスナーでもあり、過去回を聴き込んできたと語ります。片山さんが恋愛にたとえてブランディングを語る回についても触れました。
インタビューしたあの企業さんはどうかなとか、自分の経験とインタビューした方の経験を重ね合わせて聞くことがすごく面白かったです。
番組の裏テーマ「温泉的アカデミック」とは何か
リスナーとして聴き込んできた中島さんが、番組概要にだけ書かれていて放送では一度も語られていない言葉に気づきます。それが「温泉的アカデミック」でした。
番組の説明で温泉的アカデミックって書いてたんですよ。知的でありながら心地よく学べる。これ一回もその放送内で聞いたことがないフレーズ。
この言葉を書いたのは片山さんでした。実は打ち合わせの段階で中島さんから定義が曖昧すぎると指摘され、そのまま概要文に残っていたものだと明かされます。
保呂田さんは、この言葉の意味をあらためて解説します。専門家が真面目に語る番組は数多くあるなかで、自分たちはあえて別の立ち位置を取るという考え方です。
我々みたいな人が全く知らない人たちの間に立って、その仲介役になれるような、緩くあったかいポジティブに語るブランディング番組ですっていう意味ですね。
中島さんは、これがリスナーとの距離を近づける姿勢だと受け止めます。小難しく語るより、休日にふと聴けるような雰囲気を大切にしたいと話しました。
保呂田さんは、リスナーのデータからも温泉的という言葉が裏づけられていたと語ります。当初は通勤中の利用者が多いと想定していたそうです。
データ見たら意外と寝る前とか週末とかの人が結構多くて。
めっちゃ温泉じゃないですか。温泉の時間帯じゃないですか。
ブランディングは大企業だけの話ではない
過去回では大手企業の成功例と失敗例が多く扱われてきました。そこから中島さんは、個人や小さなお店にもブランディングが関係するのではないかと考え始めたと話します。
ロゴや広告だけがブランドじゃないんだぞという話も多くて。私みたいな個人でお仕事をしている人とか、小さなお店をやってる方もブランディングは関係があるのかなと思い始めました。
保呂田さんは、むしろ個人や小規模な事業者にこそブランディングが大事だと即答します。大手だけが高額な制作物を作る話ではないという立場です。
そのうえで保呂田さんは、中島さんがイベントMCの服装をどう選んでいるかを具体例として尋ねます。ブランディングを身近な行動に引き寄せるためです。
イベントの内容やゲスト、お客さんの層に合わせたり、ラグジュアリーなカテゴリーの時に髪をかき上げた方が自分らしいのか、前髪を下ろした方が洗練されて見えるのかとか、自分自身のことも考えています。
保呂田さんは、こうした服装や髪型の選択自体がブランディングの最小単位だと位置づけます。意識して行動すること自体がもうすでにブランディングだという整理です。
片山さんは、声を仕事にする人の現場でも同じことが起きると補足します。片山さんの会社セイでは、声の仕事を学ぶセイアカデミーも運営されています。
個人がどういう見え方で、どんな形でクライアントからお仕事をもらえるかっていうのと、中小企業が見つけていただいてお客さんに選んでいただくのと、きっと似てると思うんですよ。
クライアントに応えるほど自分のブランドが分からなくなる
ここで中島さんが、自分自身の正直な迷いを打ち明けます。悩みというより、仕事のなかで感じてきた葛藤です。
今までの仕事の中で、そんなことよりクライアントから求められているおしゃべりの方が重要視されてる現場もあるので、じゃあラジオで個性出して喋ってねって言われた時に、自分のブランディングがわからなくなってきてる。
保呂田さんも片山さんも、この感覚に強く共感します。クライアントの求めと自分らしさが必ずしも一致しない場面は起こりうるからです。
ホンダとかトヨタに個性出してテスラみたいになってって言われても、ちょっと困っちゃいますよね。
保呂田さんが示した理想は、クライアントの求めと自分のブランディングの先がつながっている状態です。ただし、いつもそうなるとは限らないとも認めます。
そこで保呂田さんが提案したのが「両輪」という考え方です。自分のパーソナルなブランディングと、クライアントワークの両方を回していくという発想です。
自分のパーソナルなブランディングもしっかり手を出しつつも、クライアントワークもしっかりやっていく。これですごくバランスが取れるんじゃないかなと思うんですけど。
片山さんは、これをモードの切り替えとして言い換えます。片方に固定せず、場面ごとにスイッチを入れ替えるイメージです。
クライアントモードと個性出すモードみたいな。
クライアントから求められるおしゃべりや役割に応える働き方
ラジオなどで自分らしさや個性を出して表現する働き方
さらに保呂田さんは、一見まったく違う仕事にも共通項があると語ります。音楽で世界をツアーしていた経験と、和牛のブランディングイベントを例に挙げました。
その現場に来ていただいた人に楽しくなってもらって帰っていただくっていうプロセスは全く一緒のことなので、自分が何を表現するかだけが違うっていう。
片山さんも、映像制作でアウトプットそのものより、プロセスでお客さんと楽しむことをコンセプトにしていると重ねます。何を出すかより、どういう状態を作るかを軸にする考え方です。
MCがいることの意味を再認識する
話題は番組の作り方そのものに移ります。中島さんは、片山さんと保呂田さんの2人だけで十分整理されていて、MCはいらないのではと率直に問いかけます。
MCいらないポジティブランディングラボって思ってるんですよ。結構、整理整頓されてません、お二人で。
これに対し保呂田さんは、2人だけで久しぶりに収録したときにMCの大切さを痛感したと答えます。プロの喋り手から学んだことも多かったと振り返ります。
MCありの会で、こういう尺でこのぐらいのブロックで自分が話したら聞きやすいんだとか、プロから教えてもらったことがいっぱいあるなって正直思ってます。
片山さんは、専門分野を話し続けると気づかないうちに専門用語を使ってしまう点を挙げます。そこを補うのがMCの役割だと整理されました。
僕たちが気づかないうちに専門的なワード使ったりとかしてるので。
中島さんは、専門用語を止めて説明を求める整理役を自分が担えると受け止めます。前任の平野聡さんも、この役割を果たしていたと保呂田さんは語ります。
改めて平野回を聞いてた時に、自分がバカになりながら、え、これどういうことですか、みたいな感じで掘り返してた。
中島さんは、整いすぎた過去回に対して、自分の役割は逆にかき回すことかもしれないと考えます。ここには番組を陰で支えるエンジニアの編集力もあると2人は認めます。
実際、50分以上あった収録が40分ほどにまとまった回もあったと明かされます。プロの喋り手、エンジニア、スタジオが関わって番組が形になっていることが語られました。
この番組は、シードアシストとブラボーワークスによるポッドキャスト制作サービス「ショベリー」のフラグシップとして位置づけられていると保呂田さんは説明します。
音声は嘘をつけない。だから内側から始める
話はブランディングの本質へと戻ります。片山さんは、ブランディングの正体を内側の準備だと語ります。
片山さんは、何を大切にし、誰に何を届けたいのかを言語化して行動に落とし込むことが、ブランディングの正体の一つだと整理します。
この「嘘をつかない」という言葉に、中島さんがラジオの現場感覚から応じます。ラジオでは元気がない時もバレてしまうと言います。
思ってないこと言ってる時って結構ダイレクトに伝わっちゃうんで。
片山さんは、これこそ音声コンテンツの特徴だと受けます。嘘がつけないからこそ、聴いた後に信頼性が上がるというデータもあると紹介しました。
ポッドキャストを聞いた後にその人の信頼性が上がりましたかっていうのがデータとしても出てるんで、1.5倍上がりましたとか、2倍上がりましたとか、そういうデータがあるぐらいなので。
ただし、中島さんは表現の技術についても正直に触れます。美味しいと思ったものを美味しそうに伝えることは、プロとして求められる部分だと言います。
私って普段は無表情で棒読みになりがちなんですけど、それを素の自分だからと出しちゃうと美味しくないように伝わっちゃうのも困るじゃないですか。
片山さんは、これを「翻訳」の話として整理します。内面で思っていることを、どう表現するかという技術の問題だという考え方です。
見せたい部分と、内側で本当に思っている部分がずれていないこと。ここが翻訳の出発点になります。だからこそ、まず内側を整えることが大切だと話が進みます。
内側を整えるのは、どんなことから始めるべきですか。
片山さんは、自分自身に問いを立てることから始まると答えます。何を大切にしているのか、誰にどう感じてほしいのか、なぜこれをやっているのかを、自分にインタビューするという方法です。
自分は何を大切にしているのか、誰にどう感じてほしいのか、なんでこれやっているのかっていうところを自分にインタビューする。それが最初のステップかなと思ってます。
人にインタビューしてきた中島さんにとって、その矛先を自分に向けるという発想は自然につながります。ここで冒頭のキャリアの話が、内側を整える方法として結びつきました。
中島ノート。自分へのインタビューから始める
番組では、中島さんが収録から感じた「今日からできること」を一つ挙げる新コーナー「中島ノート」が設けられました。
やっぱり自分へのインタビューじゃないでしょうか。
中島さんは、MCとして相手を事前に調べるのと同じ視点を、自分自身に向けてみたいと語ります。普段の言葉遣いや立ち居振る舞いを、より深く見つめ直せると感じたそうです。
MCの仕事って、どなたかにインタビューをする前に、この方はどんな方なのかを発信されてることから汲み取っていく。それを自分にするとなると、もうちょっと深くできるんじゃないかなと思いましたね。
自分の好きなものや、子育てをしているといった側面が、強みになるかもしれないと中島さんは続けます。内側を掘り下げることが、自分のブランドの手がかりになるという気づきです。
最後に、次回はゲスト回として株式会社ネックイノの代表・石井健一さんを迎え、ブランディングの実践的な話を深掘りする予定だと告げられました。
まとめ
新MC・中島静香さんを迎えたこの回は、雑談の温度を保ちながら、パーソナルブランディングの本質へと着地しました。個人や小規模の人にこそブランディングは必要で、その出発点は見せ方を磨く前に自分の内側を整えることだと語られています。
- ロゴや広告だけがブランドではなく、個人や小規模な事業者にこそブランディングは必要になっている
- クライアントの求めに応える働き方と、自分の個性を出す働き方は、両輪で切り替えながら回していける
- 音声は嘘をつけないからこそ信頼につながり、見せたい部分と内側の思いをずらさないことが大切になる
- 内側を整える第一歩は、何を大切にし、誰に何を届けたいのかを自分にインタビューすること






