4本撮りを終えて、初参加MCが感じた「やっちゃった感」
この回は、1日の4本撮りの収録を終えた後に録られた番外編です。片山さんが、初参加となったMCの中島静香さんに感想を尋ねるところから始まります。
中島さんは、プロのMCとして呼ばれたことにプレッシャーを感じていたと打ち明けます。過去の放送で「プロのMCが入れば整理整頓もうまくいく」というフリがあったからです。
すごいプレッシャーを感じて来てたんですよ。(でも)台本から外れるの大好きだし、(話を)広げるの得意なんで。今回もやっちゃった感ありますよね。
一方で片山さんは、自分は台本がないと難しいタイプだと語りつつ、この脱線も含めて楽しんでいる様子でした。
いや、でもおかげですごい楽しかったですよね。
片山さんは、この番組が段階ごとにフェーズを変えてきたと説明します。最初はブランディングの思想や土台を固め、企業例やゲストを交えるフェーズを経て、今は肩の力を抜いていく段階だと話します。
今回はその一環として、MC視点で番組を振り返る「ナカジマノート」のようなコーナーを実験的に入れたかったと明かしました。保呂田さんもこの試みを歓迎しています。
コーナー展開は僕はめちゃくちゃいいと思いますよ。番組っぽくなって。
ラジオとポッドキャストの決定的な違いとは
話題は、生放送のラジオを長く経験してきた中島さんから見た、ポッドキャストという媒体の印象へと移ります。片山さんが率直に尋ねました。
中島さんが最も違うと感じるのは、時間の自由度です。ラジオでは6時の時報で喋りが強制的に切られてしまうと語ります。
あと十秒喋りたいって言った時に喋ることができる。(ラジオでは)六時の時報でバーンって喋りが切られるみたいなことがないのはすごい自由度が高くて。
中島さんは、企業でものづくりをしてきた人へのインタビュー経験を例に挙げます。何十年、時に100年以上かけてきたものづくりを、たった15分で語るのは無茶な話だと言います。
(インタビュー相手は)十五分も喋れるかなって言いながら二十五分喋るんですよ。
時報が迫る中、中島さんが強引にまとめて番組を終える――それを毎週繰り返してきたそうです。保呂田さんは、その緊張感自体が別のエンタメだと受け止めます。
果たして、果たして今回中島は間に合うのか。
ただし中島さんは、インタビューされた側には不完全燃焼な部分もあったのではと振り返ります。ポッドキャストには、その時間制限がありません。
時報で喋りが強制的に切られる。時間制限がある分、間に合わせる緊張感が別のエンタメにもなる
あと一分喋りたいときに喋れる自由度がある。話し手が不完全燃焼になりにくい
中小企業の社長のブランディングを解きほぐす番組へ
時間の話から、番組の今後の方向性へと展開します。保呂田さんは、ラジオとの連動や、話し足りなかった経営者をゲストに呼ぶ構想を口にします。
中小企業の社長さんでもう十分喋りたかったっていう人を今度呼んできていただくことできませんか?
保呂田さんは、そうした社長たちのブランディングを3人で解きほぐしていく回をやってみたいと提案します。中島さんも、企業ごとに悩みや状況が違う点に共感します。
中島さんは、うまくやっている企業もあれば、まだ悩みを抱える企業もあると語ります。ブランディングという観点から一緒に考えられる場があれば面白いと話しました。
リスナーさんは面白い会社があるんだなって、ちょっと応援するような(気づきになってもらえたらいい)。
中国の歴史ドラマに出てきた豚肉屋のロゴマーク
ブランディングは昔から日本にもあった、という保呂田さんの指摘から話が広がります。土用の丑の日や、江戸時代の屋号のロゴマークなどが例に挙がりました。
ここで片山さんが、Netflixで配信中の中国の歴史ドラマを持ち出します。主人公の女性が、生きた豚を飼って潰し、豚肉を売る仕事をしているという設定です。
その肉が評判になる中で、筆のうまい相方が店に旗を立て、ロゴマークを描いて看板を掲げます。さらに売る肉一つひとつにも、ロゴ入りののしを付けて客に渡すという場面があったといいます。
(ロゴマークをつけるのは)ここの店の肉だよっていう、要はいわゆるブランディングだよね。
片山さんは、この場面に「これブランディングや」と感動したと語ります。ただしオチもありました。客が殺到した本当の理由は、ロゴではなく店主の相方がイケメンだったからです。
イケメン店主がいるっていうだけでもブランディングにはなると思うよ。
もっとも、肉を売る主人公側にとっては意図的な集客ではありません。頑張った方向とは違うところで人が集まってしまった、というすれ違いが描かれていたようです。
推しの子はなぜマーケティングの教科書なのか
映像作品をブランディング視点で語る会をやりたい、という保呂田さんの発案から、次の話題に移ります。保呂田さんが例に挙げたのが、アイドルを描いたアニメ「推しの子」です。
保呂田さんは、アイドルにもアニメにも興味がなかったものの、たまたま見たときに強い印象を受けたと語ります。
保呂田さんは、人前に出ていくアイドルという存在が、そのままマーケティングやブランディングの話につながると指摘します。片山さんは、中島さんのラジオ番組にもアイドルが多くゲストで来ている点に触れました。
中島さんは、アイドルをブランディング視点で見て思うことがたくさんあると語りつつ、詳しくはその回で話したいと予告しています。
これはまたその回の時に言いますね。思うことはいっぱいあります。
昭和のアイドルと現代アイドル、インナーブランディングの進化
保呂田さんは、撮影の仕事でKPOPアイドルや日本のアイドルを数多く撮ってきた経験から、オンとオフの落差の話を始めます。
(アイドルは)オンとオフでだいぶ激しく違うなっていうのが正直な感想。
一方で中島さんは、今の時代はオンオフをあまりつけないよう努めている子が多いのではと語ります。収録前から丁寧に挨拶され、心配になるほどだといいます。
(収録の)前からもう丁寧に挨拶されて。(大丈夫かなって心配になる)
片山さんは、これを以前のインナーブランディングの回の話と重ね合わせます。無理して発信したものが固定化し、それが自分への圧力になって苦しむ構図です。
保呂田さんが挙げたのは、昭和のアイドル像です。テレビではぶりっ子でも、楽屋に帰ると態度が変わる――そうしたオンオフの激しさを「失敗のインナーブランディング」と位置づけます。
これに対し現代のアイドルは、普段から完璧なアイドルを演じ続けている、という整理です。中島さんは、どこまでが本質かはわからないとしつつ、表裏を出さなくなってきたと話します。
昭和のアイドル。テレビ上のキャラと楽屋での姿が激しく違う。表裏のあるオンオフ
現代のアイドル。普段から完璧なアイドルを演じ、表裏をあまり出さなくなっている
保呂田さんは、吉本やアイドルのプロダクションがタレントを管理し、ブランディングを意識して教育している様子を何度も見てきたと語ります。仕掛け人やマネージャーの存在の大きさに触れました。
人のブランディングを語りたい、今後の番組の展望
話題は、片山さんたちの会社が持つアカデミーという組織へと移ります。タレントがどうあるべきかという思想のもとで運営されているといいます。
そこで片山さんは、中島さんがセイアカデミーの出身であることに触れます。中島さんは、優等生ではなく、早く所属して仕事がしたくて短期間で駆け抜けた記憶しかないと照れながら答えました。
片山さんは、会社に入ってすぐの頃に立ち上げた「Sayの裏技」というYouTubeチャンネルで、中島さんを撮っていたと明かします。20年近く前のことだそうです。
(中島さんとは)初めて会った気がしなかったんですよ。声優の裏技で見てたから。
こうしたやり取りを経て、中島さんは「人のブランディング」を語る回への期待を口にします。
人のブランディングの話はちょっと私大好物です。
その人が生きてきた経験値や、そこから生まれた観点、好きなものが、そのままブランディングにつながる――中島さんはそう語ります。片山さん自身を掘り下げる回や、3人それぞれを扱う回の構想も飛び出しました。
最後は、夏にプールサイドで収録するといった軽口や、中島さんがバタフライを泳げる、片山さんがバク宙ができるといった脱線で締めくくられます。台本のない番外編らしい、ぐだぐだで楽しい幕引きでした。
まとめ
4本撮りの疲れも見せず、3人が台本なしで喋り続けた番外編でした。話題が脱線するたびに、いつの間にかブランディングへ戻っていく様子が印象的な回です。
- ラジオは時報で切られる緊張感、ポッドキャストはあと一分喋れる自由度が魅力だと語られた
- 中国の歴史ドラマの豚肉屋のロゴや、江戸時代の屋号など、ブランディングは昔から身近にあった
- 昭和のオンオフが激しいアイドルは「失敗のインナーブランディング」、現代は普段から演じ続ける形へ進化したと整理された
- 推しの子はマーケティングとブランディングの教科書として語れる作品だと保呂田さんが指摘した
- 人が生きてきた経験や観点、好きなものがそのままブランディングになる、という「人のブランディング」回への構想が語られた






