ゲストブッキングという共通の悩み
番組の冒頭、イマイズミはトシミツに、担当番組でゲストブッキングをすることがあるかを尋ねます。
ラジオは割と多いですね。ちっちゃいコーナーですけど、次の週の専門家の方を平日ほぼ全部ブッキングしてるんで、毎日ヒイヒイ言ってます。
来週分がまだ決まっていない、ということも往々にしてあると話します。
心理的なプレッシャーもね、結構ありますよね。
こうした悩みを抱える人は多いのではないか。そこからイマイズミが最近AIで作りかけているというサービスの話が始まります。
「声かけOK」を見える化するサービス
サービスの概要は、ゲストを呼びたい番組や、ゲストに出てもいいという配信者がWebアプリに登録するというものです。
登録すると、その番組に出たい人がサイト上でコンタクトを取れます。逆に「ゲスト募集中」の意思表示をすれば、出たい番組から声がかかります。
ゲスト枠を作っている番組と、ゲストとして出たい人をつなぐっていう感じですよね。
トシミツは、ゲスト枠があるかどうかは外から見えにくく、「うちは枠がありますよ」と言える機会も実はあまりないと指摘します。
ここに掲載している番組だったら声かけてもいいんだ、という心理的ハードルを下げたいんですよね。
さらに、知らなかった番組に出会い、聞いてみて面白いから声をかける、という新しい経路も生まれるかもしれないと期待を語ります。
リアルなつながりをWebへ
この構想は、イマイズミが今年いろいろなイベントに足を運び、ポッドキャスターと交流する中で生まれたものです。
多くの人がポッドキャストを通じたつながりを楽しんでいること、意外と多くの配信者がいろいろな番組にゲスト出演していることに気づいたと言います。
他番組に出ると、その番組のリスナーに自分を知ってもらえて、自分の番組を聞いてもらうことにつながる。出演そのものを楽しむ交流も、知ってもらうための交流もある、とイマイズミは整理します。
それをウェブに持ってこられないかなって思って、これができました。
ポッドキャストだけに閉じない可能性
一方でイマイズミは、このサービスをポッドキャストだけに閉じるのはもったいないと考えています。
ポッドキャストを始めた人には、昔ラジオが好きでDJを目指していた人や、今もラジオにつながればと思って配信している人が多いと感じているためです。
そこで2つ目の機能として、ラジオの制作担当者や局員も登録できる仕組みを構想しています。掲載中の番組にラジオ側から声をかけられれば、ポッドキャスターのラジオ出演につながります。
そのポッドキャストとラジオをつなげる架け橋にもなれないかなっていう思いもあって。
ラジオ出演のハードルと、肩書きに代わる信頼
ここからは、収録終わりの立ち話の続きとして話が展開します。トシミツは、ポッドキャスト配信者がラジオに出ていくのは難しい面もあると投げかけます。
放送免許事業っていうところもあって、どこの誰かわからない人を放送に出すっていうネガな部分がうまく取り除かれないと、ラジオに広がっていくのは難しいんじゃないかな。
これに対しイマイズミは、ポッドキャストを配信していること自体がそのハードルを越える手がかりになると返します。
たとえばアイスの専門家を探すとき、以前はたどり着く先が個人のブログで、声や話し方、人柄がわからなかった。ポッドキャストなら、それらが聞けばだいたいわかると説明します。
どこの誰かがわからない、みたいなのは減らせるんじゃないかなって思ってます。
トシミツは、話し方や話の組み立て方、内容を知った上でオファーできるのがポッドキャストで配信する意味だと受け止めます。
さらにトシミツは、専門性や経歴といった「肩書きに代わる何か」があると、話してもらう内容の密度に担保ができると続けます。芸人やアーティストにはわかりやすいポートフォリオがあるが、日々の音声配信ではそこが見えづらいと指摘します。
イマイズミは、必ずしも資格ではなく、転職支援を1万人してきたといった積み上げた実績や経験も信頼につながると応じます。
番組の中の「人」を見せる
トシミツは、クラウドファンディングのLPのように、作っている人の背景やプロダクトをパッと説明できるページがあるとよいと提案します。
現状のサービスは、各番組の情報をポッドキャストの概要欄からコピペして掲載しているため、番組フォーカスで人にフォーカスしていない、とイマイズミは認めます。
そこで、AIで過去の放送から「こういう人」という情報を抽出してまとめる案が出ます。番組をやればやるほど精度が上がる一方、裏側のシステム構築は大変になります。
運営する仲間ができたら、各番組にインタビューして、その音源はポッドキャストで配信しつつ、人をまとめる紹介テキストにするっていうのもありかなと。
トシミツは、番組という大きな枠が先に走ってしまい、その中にいる自分たちが何者なのかを意識しなくなりがちだと共感します。
企業・メディアへの広がりとマネタイズ
トシミツが、ポッドキャスター以外でどんな人に使ってほしいかを尋ねると、イマイズミは企業とライターを挙げます。
企業については、ポッドキャスターにマネタイズの手段がまだほとんどない、という問題意識とつながっています。
たとえばイマイズミが手がける宅建受験のポッドキャストは、不動産業界のリスナーが多い。そこに不動産業界の人材紹介企業がタイアップやCMで関われば、狙った層に届き、番組は収益を得られると説明します。
もう1つがライターです。ラジオに限らず、新聞・雑誌・Webメディアの取材相手を探す人に使ってもらえば、メディア出演の場が広がると語ります。
トシミツは、ポッドキャスターがどう世に出ていくかを考える中で、出版社にも関心を持ってもらえるとよいと提案します。書籍づくりとポッドキャストづくりの共通点から、配信を一冊の本にする動きもあり得ると考えています。
講演会も面白いかなと思うんですよね。喋っていることには変わらないですし、今まで喋ってきたことをどう組み立て直すかっていうだけの話だと思うんですよ。
トシミツは、ラジオのブッキングで講師派遣サイトを見ていた経験を挙げ、必ずしもラジオに限らず、さまざまな人が興味を持てる作りにできると面白いと話します。
すべての番組がマスを目指す必要はない
トシミツは、ここまでの話には2つの軸があると整理します。企業とつないで番組でお金を稼ぐ道と、個人が別のプラットフォームに出ていく道です。
どちらが理想かと問われ、イマイズミは配信者次第でどちらもいいと答えます。毎月少し稼ぎたいなら前者、出目を増やして影響力を上げたいなら後者だと言います。
一方でトシミツは、そもそもマスに出なくてよいという意見もあると付け加えます。
この点はイマイズミも考えていたことで、各番組のカードには「ゲスト出演OK」「コラボOK」「取材OK」「タイアップ相談OK」といったハッシュタグがあり、番組ごとに表示・非表示を切り替えられると説明します。
マスに出たくない番組は取材欄を、稼ぎたい欲がない番組はタイアップ欄を非表示にすれば、その意思表示ができます。
各番組さんの意思による、意思表示サービスなんでしょうね。
意思がなかなか出せないコンテンツだからこそ、「声かけていい」を見える化する意味があるとイマイズミは語ります。この番組でも、番組内でゲスト募集を呼びかけたことでゲスト出演が実現した経緯があると振り返ります。
β版公開とサービス名アンケート
イマイズミがこのタイミングで話しているのは、8月中にβ版を出し、使いながら改修したいからです。9月13日のポッドキャストステッカーベース出演時にも活用したいと考えています。
ただし、サービス名がまだ決まっていません。現在「よびあい」(仮)となっていますが、これは仮称で確定ではないと言います。
そこでXのアンケート機能で、エピソード配信日に4つの候補を出し、それ以外の案も含めて意見を募る予定です。
トシミツが「よびあい」を候補から外した理由を尋ねると、意外な背景が明かされます。
「よびあい」がアルファベットにすると「よばい」に見えちゃうって指摘を受けまして。夜這いで呼び合うみたいなマッチングサイトのイメージをされたら良くないなっていうので外したっていう。
サービス名にポッドキャストらしさを出すかどうかも論点になりました。トシミツは、枠から飛び出すならポッドキャストを想起させる名前でなくてよく、枠の中で活性化させたいならもう少し寄せてもよいと整理します。
ラジオへの恩返しを形にする
イマイズミは、このサービスの根底に「ポッドキャストを盛り上げてラジオに恩返しする」という想いがあると明かします。
来年ごろにラジオに戻ろうとずっと言ってきたものの、これまで具体的なイメージが持てなかった。その第一弾として、ようやく形になりそうなのが今回の構想だと語ります。
このサービスを持っていけるラジオ局に行こうと考えており、ラジオに戻ったときに本領を発揮するはずだと展望を述べます。
まずはトシミツに関係者として登録してもらい、実際に使った利用者の声を集めていく方針です。
一緒に盛り上げていきましょう。
いつもの現場録とは少し違う回になったと断りつつ、サービスへの感想やサービス名アンケートへの協力を呼びかけて締めくくられます。
まとめ
ゲストブッキングの心理的ハードルを下げるため、イマイズミが開発中のブッキングサービスをめぐって、ポッドキャストとラジオ・企業・メディアをつなぐ可能性と、その根底にある「ラジオへの恩返し」という想いが語られた回でした。
- サービスは「声をかけていい」を見える化し、ゲストを呼びたい番組と出たい人をつなぐ仕組み
- ポッドキャストの配信は、声・話し方・人柄が伝わることで、ラジオ出演の心理的ハードルを下げる手がかりになる
- 肩書きだけでなく、積み上げた実績や経験も信頼の担保になり得る
- 企業タイアップや取材・出版・講演など、マネタイズと活動の広げ方は番組ごとに選べる意思表示型を志向
- 8月中にβ版を公開予定で、サービス名はXアンケートで募集する

