餃子の多様性はどこから生まれるのか
小野寺さんが多くの場面で語っている「餃子の多様性」。この回では、その言葉にどんな思いを込めているのかを改めて説明しています。
まず多様性という言葉の意味を、辞書から確認しています。いろいろな種類や傾向のものがあること、変化に富むことだと紹介します。
では日本の餃子の多様性はどこにあるのか。最初に挙がるのが餡のバランスです。野菜が多いのか肉が多いのか、肉餃子と呼ばれるのか野菜餃子と呼ばれるのか。ここが一番大きいといいます。
野菜も多くはキャベツですが、白菜を入れることもあります。ニンニクや生姜、ニラ、玉ねぎなどの香味野菜も加わり、種類はさまざまです。
肉も豚肉が多いものの、牛肉、鶏肉、羊肉が使われることもあり、合い挽きの場合もあります。
さらに豚肉に限っても部位で味が変わります。脂身の多いバラ肉や肩ロース、赤身の多いロース肉、食感の異なる頭肉や腕肉など。どの部位を使うかで味も食感も風味も変わってきます。
肉をカットする大きさや練り方でも食感は変化します。エビ、ホタテ、サバ、ホッケ、牡蠣などの魚介を使うこともあります。
餡と隠し味に広がる無限のパターン
餡の多様性はまだ続きます。春雨やキノコ、トマト、ピーマン、レモン、餅を入れることもあります。
地域ごとに、その土地で取れるものを使うこともあります。タコを入れるなど、地元の食材をうまく使って地域特産品として餃子が生まれることもあると話します。
具材だけでなく、醤油、塩、スパイス、出汁の違いでも味は変わります。醤油もしょっぱいもの、甘いものがあります。
さらに隠し味です。オイスターソースや蜂蜜、味噌、店によってはヨーグルトを入れて味を整えることもあり、ここにもいろいろな多様性があると説明しています。
餃子の命は皮にある
小野寺さんは、餃子の味を決める最大の要素は皮にあると言っても過言ではないと語ります。その理由として、餃子は麺類だからだと述べています。
皮の厚さ、口溶け、小麦粉の配合、練り方、寝かせ方によって、皮の味も食感も風味も変わってきます。
選ぶ小麦粉でも味は変わります。国内の小麦粉の名産地は北海道ですが、北海道の餃子であえて海外の小麦粉を使って作るところもあるといいます。
さらに焼き餃子協会代表としては、最後の焼き方によっても皮の風味や食感が変わると伝えたいところです。作り手は常にこのバランスに悩み続けていると話します。
季節も影響します。湿度や温度によって小麦粉の練り方を変え、加える水やお湯の温度でも味が変わります。黙って同じ調理方法だと毎回味が変わってしまうため、常に同じように感じられるよう調整して作っているといいます。
宇都宮餃子という言葉の裏側
多くの人が餃子を好きだと言います。では、どんな餃子が好きかと聞くと、関東では宇都宮餃子が好きだという人が多いと小野寺さんは話します。
しかし「宇都宮餃子」という言葉の裏側に、どれだけの種類があるのかを一度考えてほしいと語ります。
宇都宮の中心街には「きらっせ」という、宇都宮餃子会加盟店が入れ替わりで出店する場所があります。餃子食べ比べセットで食べるだけでも、大きさも味も違うことがわかるといいます。
宇都宮に行けない人には、宇都宮餃子会のホームページを勧めています。店舗一覧には野菜と肉のバランス、皮の厚さや大きさ、ニンニクの量などがグラフで示されているそうです。
ホームページの情報だけでなく、ミンミンは白菜を使い、悟空は脂が多いなど、素材も味付けも店ごとに違うといいます。
宇都宮餃子会に加盟している店は84店あります。それぞれの味が違うと考えると、餃子は一言では言えないと感じられるのではないかと話します。
加盟していない店もあります。宇都宮餃子とは名乗れませんが、駅前のバリロンや、元イタリアンのソムリエが作るマダラなど、肉の切り方やスパイスの使い方に個性が際立つ店もあります。
好みの多様性と、嫌いな餃子
店の多様性があるのと同時に、消費者にも好みの多様性があって当然だと小野寺さんは言います。
自身の好みも打ち明けています。野菜が多く、肉より野菜の食感を感じられる餃子が好きで、脂は少ない方が好みだそうです。
ジューシーな肉汁餃子は豚脂やラードを足しているものが多いのですが、そうしたジューシーさはむしろない方がいいというのが個人的な好みだと話します。
一方で、仕事柄いろいろな餃子のおいしさを伝える立場なので、好みはあってもそれぞれの良さを見ながら紹介していくといいます。ただし、すべての餃子をおいしいと思っているわけではありません。
嫌いな餃子もあり、そういうものはむしろ紹介しないそうです。中身がスカスカで餡がほとんど油だけの餃子や、皮がゴワゴワしすぎて食感が悪い餃子を挙げています。
お取り寄せの見分け方も語っています。ホームページで自社の餃子ではなく、ダウンロードできる素材画像を使っている店は、大体失敗だと感じるといいます。
餃子愛をホームページから伝えてほしい。それが伝わらないところは、どんなに綺麗な言葉を使っていてもおいしくないだろうと思われるのではないかと話します。
餃子を、ラーメンのように語られる食文化に
小野寺さんは、自分が好きなものを他人にも好きになれと言うつもりはないと語ります。餃子が好きでない人に好きになってほしいわけでもありません。
ただ、餃子が好きという人には、もっと好きになってもらいたいという気持ちは強く持っています。どんな餃子が好きか、どんな餃子なら好きになれるかを、もっと話していきたいといいます。
目指すのは、リスナーが「こんな餃子が好き」「誰が作った餃子が好き」と発信していく世界です。逆に「こういう餃子は苦手」という思いが出てくるのも当然だと話します。
例えとしてラーメンを挙げています。醤油ラーメンは好きだが豚骨は苦手、ラーメンは好きだがつけ麺は好きじゃない、というように細分化して語られる世界。餃子もそのように食文化として熟成すればいいと語ります。
その食文化を広めるために、この番組をやっているといいます。だからこそ、この番組を好きでない人がいて当然だとも述べています。
餃子が好きでない、声が好きでない、言っていることが気に食わないなど、好みに合わない理由はいろいろあり、それを否定する理由はないと語ります。一方で、面白いと言ってくれる人には全力で声を届けていきたいと話します。
前回のコラボ企画配信へのお詫び
ここからは、前回の配信に寄せられたコメントへのお詫びです。コメントは、コラボ企画の趣旨を理解して参加すべきではないか、企画にも紹介された番組にも失礼な発言が目立っている、という内容だったといいます。
まず小野寺さんは、失礼な発言だと感じさせた点があったことについて深くお詫びを申し上げると述べています。
もともとこの企画は、募集時にはアートワークの制作経緯や込められた思いを話すものだったと理解して参加したそうです。ところが後から出た実施概要に、指定された番組のアートワークから感じたことを話すという要件が加わっていたといいます。
そこで前回、指定番組のアートワークから感じたことを話しました。知らない町のスナックの扉を開けたら中でカラオケを歌っている人がいて、入りづらくてそっと閉めた、というような後ろ向きの印象を語ったことが、失礼に感じられたのかもしれないと振り返ります。
人見知りで尻込みし、ポジティブな気持ちで話せていなかったところがあったと認め、意図せず不快な思いをさせてしまったことを反省していると語ります。
その一方で、小野寺さんはポッドキャストはどれも違うものだという前提で考えているといいます。明るい楽しいという個性もあれば、逆の印象もまた個性であり、あえてダークさや怖さを意図してデザインしている可能性もあると述べています。
意図して作っているところに、明るいですね、楽しいですねって逆のこと言ったら、ちょっと逆に失礼かなとも思うわけですね。
威嚇ではない。作り手と受け手の印象の違い
その後、紹介した「黙れ!ヤドロク!!」の配信第68回で「大変申し訳ございませんでした」という謝罪回が出たといいます。小野寺さんはそれを拝聴しました。
相手は「威嚇してしまった」と感じて謝っていましたが、小野寺さんは威嚇という印象は全く感じておらず、相手が謝る理由は全くないと語ります。
ジャケ聞きは、ジャケットを見て直感的な第一印象を話すことが大事なポイントだと理解していたため、あえて制作意図は調べず、第一印象だけで話したといいます。
そのため、番組のファンが持つ印象と違うのは当然起こりうることだと述べます。怖いという印象は制作意図としては不正解だったと思うものの、その不正解を言ったことや中身に触れた表現が不快に思われたのだろうと認識しています。
発信者の意図と受け手の印象が違うことは、逆に一つの面白さだとも語ります。聴く餃子のカバーアートを可愛らしいと思ったらヒゲ面の男性が喋っている、というギャップも同じだといいます。
この番組つまんねーよっていう話をしたら、さすがにちょっとそれは違うなと思うんです。
これがどういう印象だったのかっていう話をするのは自由なんじゃないっていうふうに思ってるんですね。
だからこそ、意図と違う感想を言ったことが失礼だとは全く思わず、相手が謝る理由もないと述べ、こちらこそ謝らせて申し訳ないという気持ちだと語っています。
ランダム指定という企画の難しさ
一点、今回の企画については思うところがあると小野寺さんは語ります。紹介する番組がランダムに割り振られる仕組みが、少し危ういのではないかという点です。
作り手の意図と違うことを言えば批判されかねないと想像できたため、怖いという印象を話すかどうか相当悩んだといいます。
それでも、ジャケ聞きは作り手の意図と違うことを言っても構わないイベントではないかと考えています。カバーアートを見て「いいな」と言うのは簡単で気楽ですが、自分なら選ばないと思うものもあると述べます。
好みでないものへの意見を言うのは難しく、それを否定と捉える人もいます。今回は相手が懐の広い人で良かったが、違う相手だったらもっと大きな事故になっていただろうと振り返ります。
無難に褒めておくのが正解だと思う人もいるかもしれません。しかし、みんなが軽く流してしまうと、ポッドキャストの多様性を伝えるという企画が中途半端になる気がしたため、あえて一歩踏み込んだといいます。
最後に改めて、わざわざ聴く餃子まで聞きに来て不快だとコメントをくれた人、低い評価をつけた人に対し、心からお詫びを申し上げると述べ、同時に自身の考え方を補足したと締めくくっています。
今週のお取り寄せ餃子は「寺田さんちの健やか餃子」
最後は「今週のお取り寄せ餃子」のコーナーです。多様性の話の中で出た「餃子にヨーグルト?」を実際に体現した商品として、寺田さんちの健やか餃子が紹介されます。
豚肉を使わずカロリーを抑えながら、食物繊維たっぷりのおから、アボカド、アンチョビ、コンブチャなどの味付けが入っています。ヘルシーながらしっかりおいしく食べられる餃子だといいます。
手間のかかる調理法で作られ、作る量も多くないそうです。食べると「こういう餃子もあるんだ」と感動するのではないかと話します。
作っているのは寺田和子さんという方で、その娘が、以前ホリエモンチャンネルのMCとして活躍していた寺田有希さんだといいます。健やかで美人が育つ餃子として紹介されました。
まとめ
餃子の餡、皮、味付け、焼き方、そして食べ手の好みまで、餃子には無数の個性があるという多様性の考え方を語った回です。あわせて、前回のコラボ企画配信で誤解を招いた点について、小野寺さんが自身の考え方を丁寧に補足しながらお詫びを述べています。
- 餃子の味は餡だけでなく、皮や小麦粉、焼き方まで含めた多くの要素で決まる
- 宇都宮餃子会には84店が加盟し、宇都宮だけでも300種類ほどあると言われる
- 作り手に多様性があるのと同じく、食べ手にも好みの多様性があって当然
- ジャケ聞きは作り手の意図と受け手の印象が違うことも面白さだが、ランダム指定には難しさがあると振り返る
- 今週のお取り寄せは、ヨーグルトなども使ったヘルシーな「寺田さんちの健やか餃子」




