なりたい・なりたくないの前に、給料の源泉を考える
結論から言うと、上司になるかならないかは、正直どっちでもいいと思ってるんです。
ただ、それで終わると身も蓋もないので、ちゃんと考えてみますね。
まず給料の話が出ていたので、そこからいきます。
給料の源泉、つまり元になっているものは何かというと、乱暴に言えば誰でもできることをやっていたら給料は上がらないんですよね。
できる人が少ないことの方が価値が高いので、給料は上がりやすくなる。
もう一つ、給料って今いる会社だけで考えるものなのか、という視点もあります。
ITをやっていたら転職は一つの選択肢に上がるわけで、給料が見合っていなければ転職すればいい、というのもありなんじゃないかと思うんです。
マネジメントを経験しないで、いつやるの?
これはやりがい搾取をしたいという話じゃないですよ。私はおハガキをくれた方の上司でもないですしね。
ただ、そもそもマネジメントって、経験しないでいつやるの?とは思うんです。
やった上で自分に資質がないならしょうがない。でも、やらなかった場合、今の仕事内容でいつまで給料が上がり続けると考えるか、という話でもあります。
たとえば40代を超えてきたときに、マネジメントの成功経験がない人の転職って、年収を上げるのはけっこう狭き門になるんじゃないかと思うんですよ。
マネジメント経験がないなら、職域の仕事の練度、つまり熟練しているかどうかを期待されます。
40歳のデザイナーやエンジニアなら、新卒からやっていれば18年目くらい。周りは18年選手として見るわけです。
5年目の人と同じものを作るなら圧倒的に早くないとダメだし、同じ時間を使うなら圧倒的に品質が良くないとダメ。もうこの2点しかないんですよね。
それができるなら、私はマネジメントなんて一切やらなくていいと思ってます。
ただ、AIがガンガン出てきてますよね。キーボードやマウスも操作するようになったというニュースもありました。
それを考えると、ITのクリエイティブだけに固執して給料が上がり続けるかというと、2、3年は大丈夫でも10年先は絶対にないと私は思っているんです。
マネジメントにも才能がいる、だからやってみる価値がある
ここでマネジメントの話に戻すと、個人的にはマネジメントにも一定の才能がいると思ってるんですよ。
私自身、デザイナーにもフロントエンドにもサーバーサイドにも才能がなくてなれなかったんです。ディレクターは多少あるかもしれませんが。
マネジメントって対人スキルなので、本を読んだり自宅でPhotoshopをいじるみたいに、座学だけで身につけることができないんですよね。
もちろん座学はいります。私もマネジメントで始終悩んでいるので本はたくさん読む方だと思います。
でも本に書いてあった通りのやり方で、うちの会社の誰かと話してうまくいくなんてことは、ほぼないんですよ。
Photoshopならテクニックを使えば、やれと言われたことはやってくれますよね。でも人はそうじゃない。
だからこそ、チャンスがあるならマネジメント側もやってみて、合う合わないを判断すればいい。それをふいにするのはもったいないなと思うんです。
評価してくれると期待するのは、いちばんの下策
給料の話について、私の思う正論も言っておきますね。正論であって正解ではないですけど。
Web制作の仕事なら、自分の支給額の3倍の粗利を、自分の動きの部分だけで稼ぎ出せていれば、会社経営的にはだいたいトントンか少しプラスなんです。
4倍、5倍稼いでいるなら、給料を上げてもらう余地は理論上出てきます。
問題はそこからで、それをやっているなら、会社にちゃんと交渉してますか、という話なんですよ。
いい仕事をしていれば、上司や会社が全部完璧に見て評価してくれると思っている人、多いんじゃないかと思うんです。
私はそれ、100パーセントないと思ってます。社会に出たときからずっとそう思っていました。
自分は上司側の立場ですけど、それをやるのは不可能ですし、期待するのは昭和の働き方なんじゃないかという気がするんですよね。
昔の上司は飲みに行って「今どうしてんだ、給料上がりたいのか」とすり合わせをしてくれた。それがアフターファイブでやらなくなった。
今は1on1でやったりしますけど、ちゃんとディスカッションするなら、給料を上げてほしい側が説明して納得させるべきだと思うんです。
これって企画のプレゼンと同じで、自分で説明して相手のメリットも話すから、企画が通るわけですよね。
「ふんわり書いたんですけど、僕がどれくらい頑張ったか分かってくれますよね」なんて企画書、絶対ないじゃないですか。「アホかボケ」って言われますよ。
だから交渉も、相手が理解できるか、良し悪しを判断できるかという視点で書く必要がある。思いの丈をズラズラ書くのとは違うんです。
全部数字で説明して、それでも昇給・昇格しないなら、もう転職しましょう。
何のアピールもしないまま「よく頑張ってくれたね」を期待するのは、100パーセント下策だと思ってます。
もしそれをしてくれる会社なら、一人前の社会人として見てもらえていなくて、いっそ幼稚園児くらいだと思われてるんじゃないかと。「オムツ大丈夫?」と言われてるのと同じですからね。
流れに乗る前に、自分で分解して分析する
もちろん、上司の働き方は負荷が高いです。できる人が少なくて、答えの分からないことをやっているから当然なんですよね。
何を大事にするかは人それぞれなので、やりがい搾取でしかないと思うなら、プレイヤーのままでいるか転職するか判断すればいいんです。
私が引っかかるのは、最近SNSで「上司になりたくない」「そうだそうだ」と、大勢の流れにシュプレヒコールのように乗っかるところなんですよ。
そこは違うんじゃないかなと思っていて、ちゃんと分解して分析した方がいいと思うんです。将来もったいないですからね。
やってみない?と言われたなら、やってダメならプレイヤーに戻ればいいだけです。
大きい会社だと出世街道がどうこうあるかもしれませんが、それなら開き直って、60でも70でもバリバリやるぜ、と思えばいい。
ただ、社会人として給料を上げていきたいなら、上がるだけの理由が自分になかったら絶対に無理。これは間違いないと思いますよ。
まとめ
厳しい内容だったかもしれませんが、上司になる・ならないは、周りの空気で決めることじゃないと思っています。給料の源泉や自分のこの先を、一度自分の手で分解してみると、見え方が変わってくるんじゃないでしょうか。
- 給料は「できる人が少ないこと」から生まれる。誰でもできることだと上がらない
- マネジメントは対人スキルで座学だけでは身につかない。だからチャンスがあれば一度やってみて合う合わないを判断する
- いい仕事をすれば黙っていても評価される、という期待は下策。交渉は企画のプレゼンと同じで、数字で説明して納得させるもの
- SNSの「なりたくない」に流されず、自分で分解して分析することが、将来の選択肢を狭めないことにつながる






