毎日同じ指示を繰り返す虚しさの正体
番組では、多くの人がメールの作成や議事録の要約など、生成AIを日常的に使っている状況が語られます。
そのうえで、ふと感じる違和感が挙げられます。毎日同じようなプロンプトを入力し、似たような結果をもらい、前に進んでいる感じがしない、という感覚です。
毎日同じようなプロンプトを入力しているな。いつも似たような結果をもらっていて、同じことをしている。なんだか前に進んでいる感じがしない。
タカハシさんは、自身も生成AIを使っていた時期に同じ感覚を抱いていたと振り返ります。話題としては盛り上がっているのに、のめり込みきれない感覚だったといいます。
ただし最近、それは使い手のせいではなく、チャット型AIというツールの仕組みそのものに原因があると気づいたと話されています。
チャット型AIは「やり取りが使い捨て」になる
チャット型AIは、指示を打てば響く優秀なツールだと説明されます。一方で、そのやり取りはすべて使い捨てされる前提で動いているといいます。
例えば前日に文章スタイルを細かく教えても、翌日に新しいチャットを開くと、AIはその内容をすっかり忘れてしまいます。
そのため、毎回同じ指示を繰り返す必要が生じます。「あなたは優秀な編集者です」といった前提を、そのつど書かなければならないわけです。
頑張ってやり取りしても報われない、そんな感覚が残ってしまいます。
番組では、ChatGPTやGeminiなどのチャット型AIにも、前の指示を覚えてもらう補完機能があることには触れられています。
ただし、チャットのやり取りは原則使い捨てであり、それらの機能はかなり意図して使わないと働かない点が指摘されます。だからこそ、報われない感覚がどうしても残るといいます。
エージェント型AIは「専属秘書」のイメージ
その限界を突破する次のステージとして紹介されるのが、話題のエージェント型AIです。
タカハシさんは両者を身近なたとえで対比します。チャット型は単発のバイトさんとの立ち話、エージェント型は自分専用の執務室にいる専属秘書だといいます。
単発のバイトさんとの立ち話。毎回説明が必要で、やり取りは記録に残らず再利用できない。
自分専用の執務室にいる専属秘書。仕事の進め方や文章のこだわりをファイルとして置いておける。
執務室には、仕事の進め方や文章の書き方、こだわりといったマニュアルやノウハウをファイルとして置いておけると説明されます。
AIはその執務室の中で、置かれたルールやノウハウを読み込んだうえで一緒に仕事をしてくれるといいます。
やり取りが資産として積み上がる仕組み
マニュアルやノウハウは、ゲームで手にするスキルのカードや魔法のカードにたとえられます。持っていて使える状態に似ているという説明です。
冒険で経験を積むとカードがレベルアップするように、AIエージェントとの日々のやり取りを通してルールやノウハウをブラッシュアップできるといいます。
それを読み取って働くAIもどんどん賢くなり、使い手とAImのチーム力が日に日に成長していく実感が生まれると話されています。
この新シリーズでは、非エンジニアでも焦らず自分のペースで、この「自分だけの執務室」を作り上げる手順を伴走しながら解説していくとされています。
新シリーズの位置づけと次回予告
今回は導入として、チャット型AIからエージェント型AIへ、という話が展開されました。
一番のポイントは、チャット型AIの限界がやり取りの使い捨てにある一方、エージェント型AIではやり取りが資産として積み重なる点だとまとめられています。
このシリーズは、AIエージェントツールとしてGoogleアンチグラビティを中心に据えていると説明されます。
次回は、そのツールがどういうものなのか、そしてなぜ選んだのかが紹介される予定です。
まとめ
新シリーズ第1回は、毎日同じ指示を繰り返す虚しさの正体を「チャット型AIの使い捨て」に見いだし、やり取りを資産として蓄積するエージェント型AIへの入り口を示す回でした。
- チャット型AIはやり取りが使い捨てになり、毎回同じ指示を繰り返す必要がある
- 補完機能はあるが、意図して使わないと働かず、報われない感覚が残りやすい
- エージェント型AIは「専属秘書のいる執務室」にたとえられ、ルールやノウハウをファイルとして蓄積できる
- 日々のやり取りでノウハウとAIの賢さが育ち、チーム力が成長していく
- 次回はシリーズの中心ツールGoogleアンチグラビティの概要と選定理由を紹介予定


