アウトプットの質、どこでやめればいい?
アウトプットの質を高めるために時間をかけてますが、ある段階から改善幅が小さくなり、投下時間に対する価値が下がってる感覚があります。これ以上続けても成果が大きく変わらないやめ時を判断する基準や考え方がありますか?
ジョージのパパ さんからの質問
番組のAIの回答は「やめ時は自分の中で改善幅が小さくなった時ではなく、直した違いに自分以外の誰も気づかなくなった時です」。
けんすうさんは、こだわって編集したのにあまり響いていないときのような状況だろうと受け止めます。最後の構成に10時間かけても大きくは変わらない、という感覚にも一定の理解を示しました。
まあでも確かにね、最後の構成を10時間かけてもあんまり変わんないよね。
一方で箕輪さんは、この相談者の考え方も、AIの回答も「ダメ」だとはっきり言います。編集は箕輪さんにとって修行のようなものだからです。
その編集とかに関して言うと、もう修行だから。
自分しか気づかないものでも、これを直さなくなったら、「ダメだ、俺は終わりだな」っていうこだわりでやり続けてるだけだからね。
箕輪さんは、赤字を入れても入れなくても大して変わらないと思いつつ、小見出しや文が気持ち悪いと感じると直さずにはいられないといいます。誰にも気づかれないとわかっていても、直さないのは「ダメでしょ」という感覚があるそうです。
けんすうさんもこの感覚には共感していて、「そんなに変わらないだろうな」と思っても、自分の中で納得がいかないからやり続けてしまう、と話しています。箕輪さんはそれを「自己満足よ」と言い切りました。
こだわる仕事と、手を抜いていい仕事の線引き
とはいえ箕輪さんは、表現やコンテンツならこだわりは必要でも、事務的な仕事ならAIの回答どおりかもしれない、と補足します。けんすうさんは、箕輪さんもメールの文章にはそれほど時間をかけないはずだと指摘しました。
傾斜はつけるべきなんですけど、メールもそこそこやって、大事な仕事もそこそこやってみたいなのが一番良くない気がしますね。
編集や文章など。自分しか気づかない直しも続ける価値がある
メールなど。時間をかけてもほぼ意味がない
ただ、箕輪さん自身は事務的なやりとりにも気になる点があるようです。音声入力で誤字脱字だらけのLINEを送ってくる人がたまにいて、早いのはわかっていても嫌だと打ち明けます。
出版出身だからか、名前の誤字とかでも、多分相手はわかりゃいいでしょっていうノリでやってくる人がたまにいるんだけど、そういうのもやっぱ気になっちゃうんだよな。
けんすうさんによると、箕輪さんのメッセージには誤字脱字がまったくないそうで、本人も「絶対ない」と答えています。それでも最後は「やめてもやめなくてもいいんじゃない」と、少し投げやりな結論になりました。
けんすうさんは、この相談への考えをこう締めくくります。誤字脱字はAIでなんとかなる時代だからこそ、誰も気づかないところのこだわりでしか差がつかなくなる、という見方です。
その誰も気づかないところのこだわりとかでしか、もう差がつかなくなるような気もしていて。正直誤字脱字はAIでなんとかなるけど、テンポとかじゃないですか、なんか文章で言うと。
言語化が苦手なのは「お客さん状態」だから?
言語化が苦手で、どうやって言えば伝わるかを考えてる間に話題が変わってしまいます。どうすれば素早く言語化することができますか?
いすけ さんからの質問
番組のAIの結論は「素早く言語化する方法はまとまってから話すのはやめ、まとまってないと断ってから話し始めることです」。
箕輪さんは、考えている間に次の話題に行ってしまうという悩みを、そもそも想像したこともなかったと驚きます。そのうえで、会話は自由自在なのだから、言語化できた時点で話を戻せばいいと話しました。
言語化できた時点では、「そういえばさっきの話に戻していい?」って言えばいいだけだけど。
箕輪さんはこの悩みをサッカーにたとえます。初心者は自分のいないところで試合が展開されてしまうけれど、得意な人はボールを持ちたいときに持ち、パスをもらいに行き、自分でコントロールします。
多分もう、なんだ、お客さん状態だからスピードが遅いとかじゃないんだよな。
つまり箕輪さんの見立てでは、言語化の悩みは頭の回転の速さの問題ではありません。AIの言うとおり「まとまってないんだけど、一旦いい?」と割って入ればいいだけ、という考えです。
話がうまい人は、同じ話をしているだけ
けんすうさんは、もう一つの解決策を挙げます。会話でよく出てくる話題は、箕輪さんのようにいろいろな場で話している人なら、無意識に口から出てくるはずだという指摘です。初回は難しくても、事前に用意しておけばいいのでは、と提案しました。
箕輪さんもこれに同意し、自分の飲み配信を例に出します。落語家の知人から電話がかかってきて2時間ほど家で飲みながら話した配信で、コメント欄に「前喋ってたこととほとんど全部同じこと言ってる」と書かれていたそうです。
でもそういうことなんだと思う。本当にAIみたいなもんで、こう聞けたらこう返す。
けんすうさんは、芸人さんのエピソードトークや漫才も、毎回同じ話をしていても面白いと話します。箕輪さんも、漫才は同じネタを何回も見ると応じました。
箕輪さんは、笑わせる必要はないけれど、「このテーマになったら自分はこう言う」という自分なりの鉄板の話をいくつ持っているかが大事だといいます。けんすうさんは、事前に用意して練習しておけばそのまま言えばいいのは英語と同じだと付け加えました。
もっとも、二人とも英語に詳しいわけではないようで、けんすうさんは「英語知らない人同士が想像だけで今言ってる」と笑いつつ、俳優の田中圭さんが型を知っておくと話せると言っていた、と紹介しています。
テンプレートと「3つあります」の二段構え
けんすうさんは、言語化の準備を二段階に整理します。まず自分の話のテンプレートを作り、それが通用しないときはフレームワークを使う、という流れです。
これ2段階あって、まずその自分の話の、まあテンプレートを作って、100個ぐらいあれば多分全部話できると。
で、ダメだった場合はフレームワーク使うで、「いや、それって実はあの3つのポイントがあって」って。
箕輪さんによると、実業家の前田裕二さんも「3つあって」という話し方をよく使うそうです。一方で箕輪さん自身は「人生ってマイクなんだよね」のように、具体的で遠いものにたとえる手を使うといいます。
ただ、そのマイクのたとえはその場でうまくまとまらず、けんすうさんに「言えないんかい」とツッコまれる一幕もありました。とりあえずぶちまけてしまうのが箕輪さん流のフレームワークだ、という話に落ち着きます。
けんすうさんは、最近「AIエージェントを使う上で大事なこと」を聞かれ、全然わからないまま「3つあります」と答えたエピソードを披露しました。
なんか大量に必要なものと、時間がかかるものと、継続が必要なものはAIエージェントに向いてますみたいな。
3つって言うと大体なんとかなりますね。
箕輪さんは最後に、言語化が得意そうな人も、その場で突発的に話しているわけではなく、ずっと言っていることと自分のパターンがあるだけだとまとめています。
愛嬌とは「弱いところを先に見せる力」?
愛嬌って何ですか?真面目に仕事やって成果を出しても、愛嬌のある人に勝てない気がして怖いです。愛嬌とは何か、愛嬌を出すための方法を教えてください。
イノシマル さんからの質問
番組のAIの回答は「愛嬌とは自分の弱いところを先に見せられる力です」、そして愛嬌を「出す方法は人に頼み事をする回数を増やすことです」。
二人ともこのAIの回答にうなずきます。箕輪さんは、真面目に成果を出しても愛嬌のない人はあまり仕事が広がっていかない気がする、と相談者の不安を裏づけるように話しました。
相手にお土産渡せれる人というか、あの、花を持たせられる人が愛嬌あるって言われてる気もしていて。
箕輪さんも、自己開示や自虐は、相手や周りが気楽になれるようにするためのものだと応じます。けんすうさんは『夢をかなえるゾウ』の水野敬也さんの例を紹介しました。
なんか「全部じゃないけど8割ぐらい箕輪さんのおかげなんすよ」って言われると、嘘だろうなと思ってもなんか嬉しい。
けんすうさんによると、水野さんは会う人みんなに「8割方あなたのおかげ」と伝えているそうです。愛嬌がないと言われる人は、こういう言葉を嘘で不誠実だと考えて言わないことが多い、とけんすうさんは見ています。そのうえで、こうした言葉は人間関係の潤滑油だと話しました。
ツッコまれ役になれるか、完璧すぎるか
「愛嬌が一番大事」と語る箕輪さんは、自分には愛嬌があると認めます。ただ、身近な人以外から愛嬌があると言われ始めたのは、ここ1〜2年ほどのことだそうです。
強いメッセージを出す人
YouTubeなどで「突っ込んでいいんだ」と思われる愛嬌のある人
まあそうね、突っ込まれた時に笑いに変えられるかっていう。
箕輪さんは、ホリエモンも同じように突っ込んでいい感じが出てきたと話します。そのうえで反対の例として、中古車関連の事業で炎上したバーディカの中野さんを挙げました。
箕輪さんの見方では、中野さんは実際に会うととても愛嬌がある人です。それでもSNSではサバと納豆とメカブと麦飯の食事を「食事は仕事です」と語るなど、完璧な自分を見せていたため、ミスが出たときに「あんな偉そうなこと言ってたのに」と反発を受けたのではないか、と話しています。
けんすうさんは対照的な例として、朝起きたら唐揚げ弁当のタレがあった、という箕輪さんの日常を持ち出します。そういう人がミスをしても「それはするわな」と思われる、というわけです。
無意識に唐揚げ弁当食うやつはしてもしょうがないよなってなる。
箕輪さんは、期待値を下げておくことも大事だとまとめます。年下で愛嬌のない人が飲み会にいると「ダメですよ」と怒られそうで怖く、呼びたくなくなる、とも話していました。
名刺を忘れた日だから言えたこと
けんすうさんは、愛嬌の話にからめて自分の体験を紹介します。博報堂の人と名刺交換する場面で、けんすうさんは名刺を忘れてしまったそうです。
「あ、すいません、忘れちゃったんです」って言ったら、その場にいた多分まだ若い社員さんも「あ、すいません、僕も忘れちゃったんです」って言ったんで、めっちゃ怒っときました。「ダメですよ」って。
けんすうさんは、自分も名刺を忘れていたからこそ、この注意が言えたと振り返ります。もし名刺を持っていたら、ただ若い人を詰めているだけの人になっていたはずだ、というのです。
笑いにはなるが、その人が「あ、そうか、やっぱ忘れちゃいけないな」ってなるっていう、これすごい完璧でした、僕の中で。
箕輪さんも「本当の説教だもんね。確かに笑いになるもんね」と応じます。自分の弱みが先に見えていることで、注意が笑いと学びの両方になったという、愛嬌の話の具体例になっています。
10年後の本は「やかん」になる?
この回は相談が尽きたため、次回分の質問にも進みます。千葉さんから届いた質問です。
10年後の本ってどうなってると思いますか?
千葉 さんからの質問
番組のAIの結論は「10年後も本は残りますが、情報を得るために買うものではなく、書いた人そのものに興味があるから買うものになってます」。
二人とも、この答えはよく言われすぎている話だと受け止めます。箕輪さんは、本はアナログすぎるからこそ10年後も変わらないと話し、ルンバは型が変わり続けてもほうきはずっと同じ、とたとえました。
けんすうさんは「やかんとかと同じ」と受け、IT業界の「やかんが一番壊れない」という言葉を紹介します。電子ケトルは壊れたり古くなったりするけれど、やかんは10年使っても古くならず、システムもそういうほうが実はいいという考え方です。
でもバックアップが例えば1万冊売れたら1万個世の中にあるって安心感。
箕輪さんは「濡れるし破れる」と返しますが、けんすうさんは、ブログは間違って消すと自分でも二度と手に入らないと指摘しました。紙の本はそれだけで貴重だ、というのがけんすうさんの考えです。
AI時代に上がる「物」と高尚さの価値
箕輪さんは、インターネット時代は物質の価値が上がると前から言われてきたことが、AIによってよりはっきりしてきたと話します。きっかけは、知り合いの写真の個展に行ったことでした。
写真なんてスマホでいいじゃないですか。
やっぱでも現像して額に入れるっていうことが全てだなと思って。
箕輪さんによると、現像を前提にすると色味やカメラにこだわり、いい1枚を撮ろうと思うようになります。一方でデジタルのままなら無限に生成できて、あまり価値がないといいます。本や活字も同じで、どんな内容でも印刷してパッケージングし、物にすることに価値がある、という見方です。
スマホの写真やブログ。無限に生成でき、10年前のブログは価値ゼロ
現像した写真や紙の本。10年前の本は逆に価値が上がっていることもある
けんすうさんも、10年前のブログには価値がないのに、10年前の本はむしろ価値が上がっていたりする、その差が面白いと話しました。箕輪さんは、本を作っていると言うだけで「なんかすごそう」に見え、自分の「すべてのカルマ」を解消してくれている気がする、と冗談めかして語ります。
「本やってる」って言うと、全ての活動が本につながってる気がするし。
けんすうさんは、もし箕輪さんが5年前に会社を辞めて「コンサルだけで食ってます」と言っていたら胡散臭く見えただろう、と続けます。二人は「本って高尚なの」と意気投合しました。
カフェで本を読んでいる姿を見られたい
箕輪さんは以前、若者がクラブのような場所に集まって本を読む読書会を揶揄したことがあるそうです。今では、それは「いけ好かない」のではなく、自分の映し鏡だったと振り返ります。
いや、てか(読書会の若者の)気持ちがわかっちゃいすぎて恥ずかしかったんだろうな。
箕輪さんは、六本木のカフェで打ち合わせをしている、パソコンをしている、本を読んでいる、のどれを見られたいかとけんすうさんに問いかけます。けんすうさんの答えは「本ですね」でした。
しかも分厚いやつ。
箕輪さんは、同じカフェでKindleで難しい本を読んでいても全然ダメだと話し、けんすうさんは「Xやってそう」に見えると笑います。物としての本が持つ見られ方こそ本の価値だ、という話です。
箕輪さんは、自著『かすり傷も痛かった』の韓国語版に序文を書くことになり、「序文原稿、韓国側が待ってます」と連絡が来たことも嬉しそうに語りました。赤ペンを耳に挿して作家気分を味わいたい、とも話しています。
ブランドの時代、出版社の価値はどう変わる?
けんすうさんは、高尚であることや物であることが大事だとまとめ、箕輪さんは「もうブランドの時代」だと応じます。そのうえで二人は、それなりの出版社の価値も上がっていくと見ています。
出版でAIでどうにか儲かるビジネスを思いついたって言っても、やっぱ幻冬舎とか講談社とか、集英社とか、その印があるかどうかってやっぱ変えないもんな。
けんすうさんは、エルメス ── フランスの高級ブランド。創業家による経営が続き、バッグやスカーフなどで知られていますが家族経営でありながら時価総額30兆とされることや、安い時計の登場で価値が下がった時計メーカーが今また価値を上げていることを例に出します。スマホで時間がわかる時代でも、物質に価値があったから上がっている、という見方です。
箕輪さんは、出版の現場でもビジネスモデルが変わりつつあると話します。情報の時代は大量に刷って大量に売るのが前提でしたが、ブランドの時代に変わる中で、出版社は部数を抑えるようになっているといいます。
5万部刷って取次に入れれば5万部分の金をもらえ、返品は後で返す。ヒットで全回収を狙うパチンコのような自転車操業
部数を抑えて刷りすぎず、1冊ずつきちんと利益を出す。少数・高額で価値のあるブランドへ
箕輪さんは、部数を抑えて刷りすぎないと意外としっかり黒字になる、と話しています。けんすうさんは最後に「今出版社を買収するとかはいいかもしれないですね」とつぶやき、箕輪さんも同意して回が締めくくられました。
まとめ
この回は、4つの相談とAIの回答をきっかけに、仕事のこだわり、話し方、人間関係、本の未来へと話が広がりました。どのテーマにも共通しているのは、目に見えにくい積み重ねや物としての存在感が価値を生む、という二人の実感かもしれません。
- 表現の仕事では自分しか気づかない直しも修行。ただし事務的な仕事には傾斜をつけるのがよさそうです
- 言語化がうまく見える人は、何度も話した型を出しているだけ。テンプレートを用意し、足りなければ「3つあります」で乗り切れます
- 愛嬌は弱みを先に見せ、相手に花を持たせる力。完璧すぎると減点方式で見られてしまいます
- AI時代はデジタルより物の価値が上がり、本は高尚さを持つブランドとして残ると二人は見ています
- 出版社も大量に刷るモデルから、部数を抑えて1冊ずつ利益を出す形へ変わりつつあるそうです






