年収1000万で幸福度が頭打ち、次は何で選ぶ?
最初の相談は、年収1000万円ほどまで働いたのに幸福度が上がらず、来月から無職になるという31歳の女性からです。この回は、リスナーの相談に番組のAIが結論を出し、そこから二人が語り合う形で進みます。
31歳独身女です。お金への信仰心を失い悩んでます。小さい頃貧しかった反動で20代めっちゃ働きました。年収1000万ぐらいになってから、ふと年収600万ぐらいの時と幸福度は変わらないと思うようになり、働くことの意味がわからなくなりました。そして一旦来月から無職デビューします。お金への信仰心を失い、どう生きていけばいいのかよくわからなくなったので、生き方のアドバイスください。
ぴーちゃん さんからの質問
番組のAIの結論は「お金への信仰を失ったのではなく、お金で買える幸せを買い終えただけです」。続けて「次の仕事は稼げる額ではなく、誰の役に立った時に疲れないかで選びなさい」としています。
このAIの結論に、箕輪さんは「全くそうね」と同意し、けんすうさんも「いいこと言いますね」と受け止めます。
箕輪さんは、人生の競争には段階があると説明します。最初はお金競争、その次がやりがい競争、さらに人の役に立つ競争へと移っていくイメージで、マズロー ── アメリカの心理学者。人間の欲求を生理的欲求から自己実現欲求までの段階で整理した「欲求5段階説」で知られていますの欲求の話にも重ねています。
人によっては最後まで何十億、何百億稼いでもお金競争のまんまいける人はいるんだけど、だからこの人の場合、1000万でお金競争はもうクリアしちゃったと。
お金競争
最初はお金を稼ぐことが目標になる段階
やりがい競争
お金をクリアした後、自分のやりたいことを探す段階。いちばん難しい
人の役に立つ競争
人のためになることがやりがいだと、緩やかに移行していく段階
けんすうさんが「やりがい競争が一番難しい説」を出すと、箕輪さんは自分もまだその段階にいると認めます。
本当にむずい。俺だってそのやりがい競争に移ってないもん。だからずっとその競争でまだこれが自分のやりがいだっていうのがない。
さらにけんすうさんは、やりがいの次に「やりたくないけどやらなきゃいけない」状態が来ると指摘します。箕輪さんは、お金があればそれをやらなくても済むのに、それでもやる人は「すごい」と話しています。
負荷のない幸福は「ぷよぷよの自動連鎖」なのか
箕輪さんは、負荷を乗り越えた後にしか幸福は味わえないと考えていると話します。けんすうさんはそれを、サウナで熱くないと水風呂が気持ちよくないことにたとえます。
ただ箕輪さんは、この考えに異を唱えたくて、ここ数年「楽しいことだけやって幸福に生きる」実験をしてきたそうです。憂鬱でなければ仕事じゃない ── 見城徹さんと藤田晋さんの共著のタイトル。仕事への厳しい向き合い方を説いた本として知られていますや「圧倒的な努力」とは別の価値観もあるのでは、という探求です。
まあなかなかね、こう、虚無と隣り合わせですね。
箕輪さんは今の状態を、ぷよぷよで頭を使っていないのに勝手に大連鎖が続くゲームにたとえます。追い込まれて考え抜き、起死回生の一手がハマったときの喜びがない、という感覚です。
大して頭使ってないのにうまくいっちゃったら、喜びも苦しみも少ない一方で喜びも少ないみたいな。その、今そういう状態です、僕は。
けんすうさんは「めちゃくちゃレベルを上げた状態のRPG」と言い換え、箕輪さんもそれに同意しています。
もう死ぬと追い込まれ、考え抜いた一手がハマって、ふわっとした喜びがある
誰にも迷惑をかけず勝っているが、喜びも苦しみも少ない。今の箕輪さんの状態
箕輪さんは、その物足りなさをエクストリームな体験などのエンタメで埋めようとしていることも明かします。けんすうさんの「刺激を効率的に抽出して注入してる感じ」という言葉に、箕輪さんは「ドラッグと同じ」で刹那的な解決方法だと返しています。
熱狂している人はなぜ休まないのか
箕輪さんは、お金に狂えていた時期はむしろ幸せだったと振り返ります。けんすうさんも、100万円増えたときの喜びはわかりやすく大きいと話します。
そこから話は、一度休むと戻れなくなるという話題に移ります。箕輪さんは、西野さんやホリエモン、見城さんのようにずっと熱狂している人は、休憩を挟まないと見ています。
熱狂、休憩、熱狂とかじゃないですよ。熱狂、熱狂、熱狂、熱狂だし。多分一回休憩挟むと、もう一回頑張る負荷がとてつもないんだろうな。
けんすうさんも、前の会社を辞めたときは土日を挟んで月曜日から働いたそうです。1週間も空けると、もう戻れない気がしたといいます。
冷静に損得で考えたり、合理的に考えたら(仕事に)戻る必要性がないんだもん。
ただし相談者については、年収1000万円ほどならお金はすぐなくなるので、一度散財して「またお金が必要」というところに戻ってもいいかもしれない、と二人は話して次の相談へ進みます。
名を残さない人生は軽視されている?
2つ目の相談は、歴史に名を残さず家族を守って暮らす生き方が軽視されているのでは、という問いです。
世の中の大半の人は歴史に名を残さない。歴史に名を残さず、サラリーマンとして家族を守り、幸せに暮らしていくのも一つの価値観としてあると思うが、その価値観が軽視されているように思う。なぜでしょうか?
たむ さんからの質問
番組のAIの結論は「軽視されているのではなくて、語られていないだけです。家族を守って暮らす人はわざわざその価値観を発信しないため、名を残したい人の声ばかり目に入るのです」。
けんすうさんに「残したいですか?」と聞かれた箕輪さんは、即座に「全く」と答えます。ただ、それはそれで良くないとも感じているようです。
お金も別に大して持ってないけど、これ以上とてつもなく欲しいと思わない、歴史に名を残さなくてもいいと思ってるからやることないんです。だから残したいと思わないといけないのかもしれない。
けんすうさんは、本は残るし、NOT A HOTEL ── 建築家やデザイナーが手がける別荘型のホテルを展開する日本の企業。住宅とホテルを組み合わせた事業で知られていますのように建物も残る、と例を挙げます。それでも箕輪さんは「ないなぁ」と、残したいものが思い浮かばない様子です。
子どもに見つける「自分っぽさ」
箕輪さんが唯一挙げたのは、古臭いかもしれないとしながらも、子どもでした。どんな方向に進んでも、ふとした瞬間に自分らしさを感じるといいます。
長男がなんか留学する短期で、で、なんか1日目に財布なくしたのよ。うわ、俺やなぁって思うとか。
次男についても、屁理屈ばかり言うところや「その根拠は?」と言い続けるところが自分に似ていると話します。けんすうさんも、次男が言い返す姿に「箕輪さんっぽい」と感じたそうです。
まあだから家族は俺はその一般的な家庭みたいにちゃんとしてるとは偉そうに言えませんが、変になんか現象を残すよりは(残るものが)あんじゃないかな。
ピラミッドを作っても博物館で少し紹介されるだけ
けんすうさんは、名を残す人はたまたまそこにいたから、という面も大きいと指摘します。箕輪さんはそこで、エジプトでピラミッドを見たときの体験を話します。
ピラミッドの横の博物館で、ピラミッドを作った人たちの展示を見て、「こんな感じか」と思ったそうです。けんすうさんは、4000年残っても博物館でちょっと出るぐらい、と受け止めます。
箕輪さんがこの話をメルカリの山田さんにすると、事業のほうがもっと残らない、本のほうがむしろ残る、と言われたといいます。
まあね、そんな残る本っていうのを作ってるわけじゃないし、残すってことが目的でもないしなみたいな。
けんすうさんも、残したいなら本を書きまくったほうがいいとしつつ、ギリギリ残るのは仏陀ぐらいではないかと話します。1800年代の造船会社の社長も当時はすごかったはずなのに今は誰も知らない、と例を出し、残したい人は政治家になるのでは、とも語っています。
忙しそうな起業家ほど、実は家族が一番?
箕輪さんは「本当にすごいことを言っていいですか?」と前置きし、家庭を顧みていないように見える起業家ほど、実は家族を大事にしていると話します。
名だたる忙しそうに家庭を顧みてないような起業家、意外とめっちゃ家族大事にしてます。
箕輪さんによれば、それは時間の使い方だけでなく頭の中の優先順位の話です。スケジュールのいいところを家族のために空けたり、少なくない額を学費に使ったりしているといいます。
サラリーマンとして家族を幸せにするっていう価値観って、多くの何かを成してる人からしたら下のように見えるが、多くの何かを成してる人も、実はそれがトップクラスにやってる。見せてないだけで。
けんすうさんも、ある超有名な投資家の子どもと話したとき、外では家族の話が出ないのに、実際はとても家族思いのいい父親だと聞いたそうです。箕輪さんは、見城さんや前澤さんも、重要な仕事と家族の危機なら家族を取るはずで、その価値観は普遍的だと見ています。
AI時代に戻ってきた「家族が大事」という価値観
けんすうさんは最近、Xで「家族のほうが重要」という声をよく見ると話します。歴史的にはむしろこちらがポピュラーで、AI時代に家族や信頼できる血縁関係が大事という価値観が戻ってきている気がするといいます。
むしろここ30年とか50年がかなり個人主義的な観点が強かっただけで。ずっと人類こっちな気もしますね。家族を守る方。
箕輪さんが「何か残したいのか」と聞き返すと、けんすうさんも残るかどうかはあまり考えないと答えます。箕輪さんは「残って嬉しいのかな」と疑問を口にし、もう少ししたら残したいと思うのかもしれない、と話してこの相談を締めくくります。
やる気はあるのに何にもハマれない理由
3つ目の相談は、やる気はあるのに一度もハマれたことがない、という悩みです。
やりたいことが何もないのにやる気だけはいつもあります。興味あること、気になることは躊躇なく挑戦するのですが、人生で一度もハマるまで至ったことがありません。趣味もないので毎日が物足りないです。どうしたらいいですか?
どこにでもいそうな人 さんからの質問
番組のAIの回答は「ハマれないのはやりたいことがないからではなく、飽きた後も続けた経験が一度もないからです」。
けんすうさんは、楽しいときにやるのは簡単でも、やりたくないときに続ける仕組みがないのだと受け止めます。箕輪さんはそれを「修行」と表現します。
箕輪さんは、お金や立場が上がると飽きたらやめられるようになる、と話します。例に挙げたのは、みうらじゅん ── イラストレーター、作家。「マイブーム」「ゆるキャラ」などの言葉を広め、独自の収集癖で知られていますさんが観光地で売っている誰も欲しくない蛇のようなものを集め続けている話です。
「なんでですか?」みたいに言われても、「これは修行だ」と。「見つけたら買うって決めてる」と。
ゲラ作業とXは自分に課した修行
けんすうさんが、編集者として5年本を出さなければさすがに怒られるのでは、と振ると、箕輪さんは見城さんとゲラの赤字について話す作業もある意味で修行だと話します。
要は格闘家がいろんな技術を覚えても、試合直前に小学生の時習ってた空手の型をもう一回やるみたいな。
箕輪さんにとってその作業は、やめても収入は一切変わらないものです。それでもやめると本当に虚無になってしまうかもしれないから、軸足だけは続けることが大事だと考えています。
けんすうさんは、相談者の「やる気だけはある」は楽しいことをやりたい気持ちがあるだけで、楽しくなくなった時点でやめているのでは、と分析します。ハマればやり続けるはず、と考えている順番が違うのかもしれない、という見立てです。
ハマればやり続けるだろうと思い、楽しくなくなったらやめている
やりたくない時も責任感や期待で続けた結果、自分のものになっていく
大体ね、続いてることって、僕で言ったらサッカーとか編集とかって、やりたくない時もやらざるを得なくてとか、周りが期待してるとか責任感とかで続けた結果、自分のものになってるだけで。
箕輪さんは、自分たちのXも、もう別に楽しくないけれど修行として続けていると話し、けんすうさんも「マジ修行」と返しています。
炎上ネタは「誰も得しない」修行
けんすうさんは、インプレッション稼ぎで儲かっているのでは、とよく言われるものの、金額にすれば数万から数十万円で割に合わないと話します。話題は、板野友美さんが大浴場で撮影して批判された件に、けんすうさんが「許可を出したのは自分です」と投稿した話に移ります。
だって板野友美さんが、あの大浴場で撮影して怒られた時に、僕言いたくないもん。
けんすうさんは以前、しょこたんに「Switch2譲ったのは私です」と投稿して炎上したことがありました。今回は同じパターンすぎて反応がないかと思ったものの、最初は滑ったと思ったところから盛り上がり、最低限の炎上は出せたと振り返ります。
箕輪さんはこれを「修行以外の何者でもない」と言います。けんすうさんも、目立ちたいわけではなく、本当に言いたいことを主張しても「Switch2譲ったって嘘をつくな」と言われてしまうのは大きなマイナスだと話します。
嘘というか、僕の中では冗談だけど、人によってはそういうわけのわかんない嘘をつく人、信用できないと。
さらにけんすうさんは、炎上が収まりそうなときにやる意味のわからなさと、「誰も得しない」ことがいちばん大事だと語ります。
| 相手 | 想定される反応 |
|---|---|
| 板野さん | なんで今また余計なことを言うんだろう |
| しょこたん | またやってるこの人 |
| ネットの人たち | お前が許可を出せるはずはないだろう |
| リッツ・カールトンの人 | 誰?本当に余計なこと言わないでほしい |
二人は最後に、やりたくないけどやっていること、人に迷惑をかけているのもわかっていることを、きちんと言っておきたいと話しています。子どもにも「Switch2譲ってないやん」と言われるそうです。
自分がやらないと誰もやらないこと
箕輪さんに「それも修行ということか」と聞かれ、けんすうさんは「自分がやらなかったら誰もやらないだろう」と感じていると答えます。
悲しいけど、俺がやんなかったら誰もやんないだろうなってことって、これぐらいしかないかも。
箕輪さんも、有名な起業家の本なら自分がやらなくても他社の編集者がやるけれど、という対比で、この感覚に共感します。けんすうさんは、自分が言わなければ言わないまま人類の歴史が進んでいく、という状況に強い不安を感じると話します。
けんすうさんは、コミュニティノートでリッツ・カールトンの関係者ではないと書かれたときも、はしごを外された気分になりつつ「しょうがない」と受け止めたそうです。アカウントがBANされてもやむを得ないと思って投稿しているといいます。
けんすうさんがそれを天職と呼ぶと、箕輪さんは消防士が火の中に飛び込むたとえを出します。自分しかできないものに出会うと、損でも断れないというのが、箕輪さんの見方です。
多分ね、それ勝てないんだよね。自分しかできないっていう、あの、ものに出会った時に、それは「損だからやんない」って言えないんだよね。
まとめ
お金、名声、やる気をめぐる3つの相談を通して、二人は「楽しいだけでは満たされない」という感覚を語り合いました。負荷を越える経験や、やめられるのに続ける修行、そして自分にしかできないことが、人生に手応えを残すのかもしれません。
- 年収で幸福度が頭打ちになるのは、お金で買える幸せを買い終えたサインかもしれない
- 楽しいことだけの毎日は、ぷよぷよの自動連鎖のように喜びも苦しみも少なくなりがち
- 家族を守る価値観は軽視されているのではなく、成功者も含めて語られていないだけという見方
- ハマれない原因は、飽きた後も続けた経験がないこと。人生に修行を残す工夫が大事
- 自分がやらないと誰もやらないことに出会うと、人は損でもそれをやってしまう







