無料でもよかったのに、なぜ悩んだのか
たいぞーさんは薬局で在宅医療や外来患者対応に取り組みながら、社内の新人育成や研修の企画、講師も務める薬剤師です。勉強会やセミナーの主催、外部での講演もしています。
たいぞーさんは前日に、オンラインサロン「薬屋たいぞーの薬学で患者を語る実践力養成塾」を正式にオープンしました。ただ、オープン直後の時点では参加者がすぐに集まっている状況ではなく、しばらくは低空飛行のスタートになるだろうと率直に話しています。
たいぞーさんがオンラインサロンを開いた目的は、「薬学で患者を語る」という自身の目指す薬剤師の在り方や患者への関わり方を、本気で一緒に目指してくれる仲間を集めることでした。
もし仲間を集めて一緒に進みたいということだけが目的なのであれば、無料のコミュニティにするという選択肢ももちろんあったのではないかなというふうに思います。
というより、無料にするか有料にするかというのは僕自身とても悩みました。
無料にすれば人は集まりやすくなるはずです。それでもたいぞーさんがあえて有料を選んだのには、大きく2つの理由があるといいます。
1つ目の理由は「本気の仲間が集まる」こと
たいぞーさんが挙げる1つ目の理由は、有料にすることで本気の仲間が集まってくれるからというものです。
たいぞーさんは、無料には参加しやすいという大きなメリットがあると認めています。そのうえで、無料のコミュニティでは集まる人の本気度がどうしても落ちてしまう部分が出てくるのではないかと考えています。
もちろん、本気の人というのも集まってくれるかもしれませんが、とりあえず入っておこうというような人も混ざってしまうことになります。
参加しやすいという大きなメリットがある一方、「とりあえず入っておこう」という人も混ざり、本気度が落ちやすい
お金を払ってでも学びたい、一緒に進みたいという本気の仲間が集まり、全員で高め合える
この考えの裏付けとして、たいぞーさんは自身の講師経験を挙げます。たいぞーさんは日本在宅薬学会 ── 在宅医療に関わる薬剤師などで構成される学術団体。薬剤師が在宅で患者の状態を把握するための研修などを行っていますのバイタルサイン講習会で講師も務めています。
このバイタルサイン講習会は、薬剤師向けの研修の中では比較的高額な部類に入るとたいぞーさんは見ています。それでも毎回、本当に熱い思いを持った人たちが集まっていると感じるそうです。
その金額を払ってでも学びたい、それを学んで何とか医療に生かしたい。
そういう意志や思いのある人たちだけが集まるからこそ、研修の密度も学びの深さも大きなものになっていくのではないかなと、いつもこの講習会(バイタルサイン講習会)を開くと思います。
たいぞーさんにとって、オンラインサロンを有料にしたのもこの講習会と同じ思いからです。薬学の力で患者さんにより良い治療を届けたいという思いを本気で持つ人に集まってほしいと話しています。
たいぞーさんは、お金を払ってでも一緒に学び、進みたいという仲間が集まることで、全員で高め合っていくコミュニティにしたいと考えています。
2つ目の理由は「自分が逃げられなくなる」こと
たいぞーさんが挙げる2つ目の理由は、自分自身が本気で前に進むため、その力になってくれる存在が欲しかったというものです。
たいぞーさんは、参加者がお金を払うという行動は、サロンオーナーである自分に何かしらの価値を期待していることの表れだと捉えています。
たいぞーさんは、誰よりも現場で薬学で患者を語って実践し、患者さんにより良い治療を自分自身が届けていかなければ、サロンオーナーとして示しが立たないと考えています。
たいぞーさんは自分の活動や日々の患者さんとの関わりを振り返り、やりたい思いはあっても一歩踏み出しきれずに尻込みしていたことが少なからずあったと認めています。
有料のオンラインサロンに仲間が集まってくれることで、僕はやらざるを得ない環境に自分の身を置くことができるようになります。
この強制力が僕にとってはとても大事なもの、すごく大切なものになるんじゃないかなということを思いました。
「いつかやりたい」を「やらなければならない」に変える循環
たいぞーさんはこれまでもセミナーや研修会を開催してきましたが、いつかやりたいと思っている構想が自分の中に本当にたくさんあるといいます。
たいぞーさんは、オンラインサロンに仲間が集まることで、その「いつかやりたい」を「しなければならない」に変えていくつもりです。セミナーや研修を開催し、サロンメンバーに還元していく形を描いています。
仲間が集まる
お金を払って価値を期待するメンバーが参加する
やらざるを得なくなる
「いつかやりたい」構想が「しなければならないもの」に変わる
挑戦する
セミナーや研修を開催し、現場で実践し続ける
還元する
挑戦の結果をサロンメンバーに届ける
たいぞーさんは、この循環を作るためにも有料という選択肢が自分にとって大切だったと振り返ります。
オンラインサロンは仲間を集める場所であり、同時に僕自身が前に進むためのエネルギー、エンジンになるような場所だというふうに思います。
最後にたいぞーさんは、薬学を使って患者さんにより良い治療を届ける現場で一歩前に踏み出したい人とともに、成長し前に進んでいくコミュニティを作りたいと語り、サロンへの参加を呼びかけました。
まとめ
たいぞーさんがオンラインサロンを有料にしたのは、人を集めやすい無料の利点を承知したうえで、本気の仲間と、自分自身を前に進める強制力の両方を得るためでした。
- 無料は参加しやすい反面、「とりあえず入る」人が混ざり本気度が落ちやすいとたいぞーさんは考えている
- 比較的高額なバイタルサイン講習会に熱い参加者が集まる経験が、有料を選ぶ裏付けになっている
- お金を払うメンバーの期待が、サロンオーナーであるたいぞーさん自身を「逃げられなくする」
- 「いつかやりたい」を「しなければならない」に変え、挑戦の結果をメンバーに還元する循環を目指している




