暗記が苦手だからこそ気づいた勉強の視点
今回の本題は、たいぞーさんが薬剤師国家試験の勉強をするときに意識していたことです。
過去問を解いたり参考書で知識を習得したりという勉強も、もちろん本人はしていたと話します。
ただ、6年間で学んだ薬学の科目をすべて網羅的に復習し直す必要があり、範囲はとても広いといいます。
そこで壁になったのが、記憶が得意ではないという自身の性質でした。
正直言うと、僕はあんまり記憶力が得意な方ではなくてですね。様々な科目の知識を頭に叩き込んで覚えるっていうのは、あんまり向いてないなということを学生時代から思っていて。
暗記が苦手なまま、この課題をどう乗り越えるか。そう考えたときに、一つ気づいたことがあったと振り返ります。
この視点を持つことで、なんとなく記憶して覚えるということが大幅に減ったと本人は認識しています。
正常な状態から予防、そして病気へ
つながりの起点として挙げられるのが、人の体の仕組みやメカニズムを学ぶ解剖生理学です。
たいぞーさんは、これを「人一人がどういう状態で生きているのか」を学ぶ学問だと整理します。
ここで学ぶのは、いわゆる正常な状態です。人の正常な状態がどんなものかを知ることが、医療の大きな軸になると話します。
次に来るのが、免疫学と衛生薬学です。これらは、正常な状態が正常であり続けるための学問だと位置づけられています。
免疫学は、体調が病気の状態に崩れないように戻していく免疫機構を学ぶもの。衛生薬学は、外的要因を把握して体への悪影響を防ぐことを学ぶものだと説明されます。
つまり、この2つはおもに予防の観点を学ぶ学問だと整理されています。
そして、予防をしていても一線を超えてしまうことは起こります。そのとき体の仕組みがどうなるかを学ぶのが病態生理学だといいます。
解剖生理学
人の正常な状態を学ぶ
免疫学・衛生薬学
正常を保つ予防の観点を学ぶ
病態生理学
一線を超えて病気になった体の仕組みを学ぶ
薬で正常に戻す、ぐるっと一周のサイクル
病気になった体を、いかに正常な状態に戻していくか。ここで登場するのが薬物治療学です。
どんな薬を使えば病気が良くなるのかを学ぶ一方で、その薬がなぜ効くのかを理解するには、薬そのものの知識も必要になると話します。
薬の化合物としての特性を知るのが有機化学、薬を体に効かせるための設計を学ぶのが製剤学だと整理されます。
さらに、物質としての薬が体に入って作用し、健康状態を戻していく過程を学ぶのが薬理学や薬物動態学だといいます。
こうして、健康な状態を予防で保ち、崩れそうになりながら、一線を超えれば病気になり、薬で正常に戻していく。この一連の流れがぐるっと一周のサイクルとして回ると本人は表現します。
そして、それを網羅的・包括的に形にして見ていくのが法規や実務だと理解して勉強していたと語ります。
なぜ「つながり」を意識すると覚えることが減るのか
たいぞーさんは、解剖生理学を大枠として、より細かく見ていく学問も同じつながりの中に置いています。
生化学は細胞レベル、分子生物学は遺伝子レベルで人の体を見たものだと解釈すると話します。
人の体を細かく見ていくことで正常な状態を把握しているという点で、これらもすべてつながっていると認識していたそうです。
横断的につながっているという意識で勉強すると、科目間で重なっている部分が見えてきます。
全体の構造や仕組みを理解していれば、正常な状態がわかることで、それが崩れた病気の状態も理解しやすくなるといいます。
この考え方によって、暗記ではなくて考えるというところで、脳のキャパシティに余力を持った状態で勉強できる土台ができたと振り返ります。
国試の考え方が、患者を語る専門性につながる
この横断的な理解は、国家試験だけの話にとどまらないと本人は語ります。
臨床現場で患者さんを診るときにも、患者さん一人をいろんな学問の全体像として捉えられるようになるといいます。
これが、薬学で患者を語るという専門性を活かす考え方にも通じていると話されています。
薬学の知識というのは科目間で横断してつながったものなんだということを認識する、そういったことの大切さについて考えていただくきっかけになれば嬉しいなと思います。
まとめ
暗記が苦手だったからこそ、たいぞーさんは薬学の科目を横断的につなげて理解する視点にたどり着いたと語ります。正常・予防・病気・治療という一連のサイクルとして知識を捉えることで、覚える負担を減らし、患者を語る専門性にもつなげていったといいます。
- 薬学の各科目を単独で覚えず、横断的につながったものとして学ぶ視点が語られた
- 解剖生理学で正常な状態を知り、免疫学・衛生薬学で予防、病態生理学で病気を学ぶ流れがある
- 薬物治療学や有機化学、製剤学、薬理学、薬物動態学で薬と治療を理解し、サイクルが一周する
- つながりを意識すると重なりや構造が見え、覚えることが減って考えて理解できることが増える
- この考え方は臨床現場で患者を全体像として捉える専門性にも通じている



