なかなか改善しない皮膚症状、なぜ薬が効かないのか
皮膚科の塗り薬は、たいぞーさんによると比較的長期間使われることが多く、なかなか綺麗に改善するところまで至りにくい領域だといいます。
もちろん、炎症を抑える薬を一時的に塗って症状が治まり、そのまま落ち着くケースもあります。一方で、長期間ずっと薬を使ってもなかなか症状が改善しない患者さんにもよく出会うと話します。
そうしたとき、たいぞーさんはまず「なぜ薬が効かないのか」を考えるといいます。薬の種類が合っていないのか、炎症が強くてもっと強い薬が必要だったのか、といった観点です。
こうした判断は医師が処方設計の中で考えているものですが、薬剤師も薬剤師なりの視点で原因を探ると述べています。
内服薬が皮膚症状の原因になっていることもある
原因を考える一つの観点として、たいぞーさんは内服薬の影響を挙げます。
服用している内服薬が体に悪さをして皮膚症状の要因になっている場合には、その薬を別の薬に変更したり取り除いたりすることを考える必要が出てきます。
医師は医師なりの視点、薬剤師は薬剤師なりの視点で、患者さんの治療を見ていくということは、もちろんやっぱり大切かなと思います。
皮膚の外側に塗る薬だけに注目するのではなく、内側から飲んでいる薬まで視野に入れることが、原因を探るうえで大切だとしています。
塗り方が甘いと薬は十分に効かない
たいぞーさんがもう一つの観点として重視するのが、塗り薬などの外用剤の使い方です。
塗り薬を継続して使っていても、塗り方が甘いと効果が出ないことがあると指摘します。少量の薬を薄く伸ばして塗ってしまうと、皮膚科の薬は十分に作用しない可能性があるといいます。
これはしっかり塗ってほしいという薬は、本当に思ってるよりも多めの薬を使って塗らないと、その皮膚に対して適切な効果を示さない。
この「使い方が効果を左右する」という視点は、塗り薬に限らないとたいぞーさんは話します。点眼薬や吸入薬など、使い方そのものが大事な薬があるといいます。
だからこそ、症状が改善しないときは薬が合っていない可能性だけでなく、本当に効果が出る使い方ができているかにもきちんと着目することが大切だとまとめています。
褥瘡でわかる、成分だけではない添加剤の役割
皮膚科の塗り薬に関して、たいぞーさんはもう一つの領域として褥瘡を挙げます。
ご高齢で、特に寝たきりの状態になっている方には、皮膚に潰瘍ができる褥瘡が見られることがあると説明します。
こうした場面では、殺菌作用のある薬や潰瘍を改善するための薬が使われます。このとき、皮膚の状態に応じて考えるべきは薬効成分だけではない、というのがたいぞーさんの指摘です。
皮膚科の塗り薬では、添加剤に含まれるものによって塗り薬の特性が変わってくると話します。表面を保護するもの、ジュクジュクした部分の水分を吸い取るもの、逆に水分を与えて保湿するものなどがあるといいます。
そういった様々な皮膚状態を整えるというのは、実は薬の薬効成分だけじゃなくて、添加剤も関与してくるところになります。
そのため皮膚科領域では、皮膚の状態に合った添加剤を含む塗り薬を選ぶことも大切になると述べています。
たいぞーさんは、添加剤への視点は内服薬を管理するときよりも慎重に持つ必要があるといいます。その影響も考慮しながら、皮膚の改善状況をアセスメントしていくことが求められると話します。
医師と薬剤師の連携で治療成績は変わる
外用剤への介入、特に皮膚科領域は考える範囲が広く、患者対応の中で検討することが多い領域だとたいぞーさんは振り返ります。
医師も皮膚の状態を見極める視点を持って関わっていますが、限られた診療時間の中ですべてを網羅して検討するのは難しい面もあると話します。
そこで、皮膚の状態を診断する医師の視点と、製剤的な特徴や使い方まで含めて薬がきちんと効いているかを見る薬剤師の視点が組み合わさることが重要だといいます。
薬の成分・種類
症状に対して薬の種類や強さが合っているか。内服薬が皮膚症状の原因になっていないかも含めて考える
使い方・塗り方
しっかり塗ってほしい薬を、思っているより多めの量で正しく塗れているか
添加剤の特性
保護・吸水・保湿など、皮膚の状態に合った添加剤を含む薬を選べているか
薬効成分・使い方・添加剤という幅広い薬剤の特徴を捉えた知識を使い、患者さんの状態を薬学的にアセスメントしていく。たいぞーさんは、その大切さを改めて考えるきっかけになればと締めくくっています。
まとめ
皮膚科の塗り薬がなかなか効かないとき、原因は薬の成分や種類だけとは限りません。塗り方や添加剤の特性、内服薬の影響まで含めて見ていくことが、皮膚科治療の成績を左右するというのが今回の話でした。
- 皮膚科の薬は長期間使ってもなかなか改善しにくい領域で、まず「なぜ効かないのか」を考えることが出発点になる
- 薄く少量を塗ると十分に効かないことがあり、しっかり塗ってほしい薬は思っているより多めの量が必要になる
- 外用剤では薬効成分だけでなく、保護・吸水・保湿などを担う添加剤の特性も皮膚の状態を整えるうえで重要
- 内服薬が皮膚症状の原因になっている可能性も視野に入れる必要がある
- 皮膚を診断する医師と、使い方や製剤特性まで見る薬剤師が連携することで治療成績は大きく変わりうる



