そもそもビタミンDって何を見ればいいのか
ビタミンDは「太陽のビタミン」と呼ばれていて、食事というより日光を浴びることで体に取り入れられる栄養素なんですね。
足りていないと、風邪を引きやすかったり回復に時間がかかったり、骨粗しょう症にも関わってきます。
さらに免疫や自己免疫疾患、メンタルや血糖値の安定にも関係あるんじゃないかと、いろんなところで言われている栄養素なんです。
血液データで最も重要なのは「25OHビタミンD」という項目ですね。これは活性型になる前の、蓄えている状態のビタミンDです。
体にどれだけ溜まっているかを最もよく表す数値なので、まず入り口として、入っているのか入っていないのかがここでわかります。
ちなみに、これだけ知れ渡った栄養素なのに、実は世界でまだ決定的な基準値が決まっていないんですよ。ただ「少ない人が多い」というところだけは間違いなさそうだな、という雰囲気になっています。
血液データで私が見ている3つのポイント
25OHビタミンDに加えて、私が合わせて見ている項目がいくつかあります。
2つ目はALPですね。肝臓で聞いたことがあるな、という方も多いと思うんですが、これは亜鉛を必要とする酵素なんです。
ALPが低いと、亜鉛がちょっと足りていないというサインにもなるんですね。
なぜ亜鉛かというと、ビタミンDを受け取る受容体も、亜鉛があって初めて働くからなんです。だからALPも合わせて見ると、ビタミンDを活かす土台に揺らぎがないかがより細かく見えてきます。
3つ目は好酸球とCRPです。3つ目と言いつつ2つ挙げていますが、この両方が高めだと、体内の炎症で免疫が過剰に反応しているサインなんですね。
ビタミンDには暴走しがちな免疫をなだめる働きがあります。なので、これらの値が高い人ほど、補うことでアレルギーや炎症が落ち着くことが期待できます。
「ビタミンDを飲んだら今年は花粉症がマシかも」なんて言われるのも、こういう背景があるんですね。
血中にあるのに効かないのはなぜか
代謝の流れをざっくり追うと、まず皮膚にあるコレステロールの一種が紫外線に当たって、それを材料にビタミンDが作られます。
イワシやシャケ、卵黄、キノコなどからも摂れるんですが、日光で作られる量に比べると本当にごくわずかなんですね。ここに関しては、食べ物で補うより太陽を浴びた方がよっぽど効率がいいんです。
作られたビタミンDはそのままでは力を発揮できなくて、肝臓で25OHビタミンDに加工され、必要なときに腎臓で活性型に変わります。
活性型になると全身の細胞に届いて、細胞内のVDR受容体と結びつき、どの遺伝子を働かせるかを直接指示するんですね。
この「遺伝子に命令を出す」という動きがホルモンとよく似ているので、ビタミンDはホルモンに近い栄養素と言われています。
そこで出てくるのが、血中の量と実際の働きは別物だ、という話なんです。
ビタミンDが電波だとすると、VDR受容体は受け取るアンテナのようなもので、どれだけ強い電波が届いても、アンテナの感度が鈍ければ受信しないんですね。
ガラケー時代のアンテナを思い出してもらうとわかりやすいんですが、電波が来ないとブルブル振ったり上に掲げたりしましたよね。あの「アンテナが効いてない」状態がVDRのイメージです。
受け取る力を決める「アンテナの形と本数」
受け取り側のアンテナの感度差を生むのが、VDR遺伝子の個人差なんですね。ビタミンDを受け取る力は、アンテナの「形」と「本数」の2つで決まります。
専門用語が並ぶと難しいのは私も承知しているんですが、名前があるものはしょうがないので、少しお付き合いくださいね。
アンテナの形を左右するのがFOK1という遺伝子多型です。これがあるとVDR遺伝子のタンパク質構造が少し変わって、遺伝子に指示する力をわずかに弱めてしまいます。
本数を左右するのがBSM1、APA1、TAQ1という3つの遺伝子多型で、これらは連鎖しています。
この組み合わせによって、VDRの設計図であるmRNAの作られ方や残り方が多少変わって、受容体の量が変わる可能性があると研究で示されているんですね。
こうしたVDRの多型が、骨密度や免疫の安定にも関わっていることが複数の研究で指摘されています。
とはいえ、持って生まれたものは仕方がないので、大事なのはここからどう手を打つか、なんですよね。
ビタミンDをちゃんと届けるための3つの打ち手
まず1つ目は補給です。適度な日光浴とビタミンDサプリで、サプリは1日4000IU程度を上限の目安に補ってください。
ただ、取れば取るほどいいわけではないので、開始前や継続中は医師の指導を受けて、年に1〜2回は血中濃度を確認してほしいんです。目分量ではなく、25OHの数値を見るのが大切ですね。
ちなみに夏の終わりが一番ビタミンDが高まっていて、逆に2月・3月あたりが一番低くなります。冬に測ると、どれだけ足りていないかが一番わかりやすいかもしれません。
2つ目は補因子を揃えることです。ビタミンK2、マグネシウム、亜鉛などが、ビタミンDが正しく働くのを助けてくれます。
特にマグネシウムは、ビタミンDを活性型に変える酵素の必須栄養素なんですよ。不足すると、いくら飲んでも宝の持ち腐れになってしまうんですね。
K2は納豆や緑黄色野菜で補えるなら、私は食事で補った方がいいと思っています。だから私自身は、K2に振らずにD3だけを飲んでいます。
3つ目は太陽を味方につけること。夏なら週に2〜3回、15分の日光浴で皮膚がビタミンDを作ってくれます。私も朝一番は何もつけずに歩いて、日中の暑い時間は日傘やグラサン、日焼け止めで対処しています。
最近はテロメアのような細胞老化にもビタミンDが関わるんじゃないか、という研究も出てきていて、ますます重要度が語られそうだなと思っています。
日光を避けて、補因子も欠いたままビタミンDだけを大量に足すのは遠回りなんですね。トータルで見ていくことが、ビタミンDと向き合ううえで大切だと思っています。
まとめ
ビタミンDは「足りているか」だけでなく、「ちゃんと受け取れているか」まで見て初めて意味があるんだな、といまは考えています。美白も大事ですけど、内側がやっぱり綺麗じゃないとね。改めて自分のビタミンDを見直したくなりました。
- 25OHビタミンDで貯蔵量を、ALPや好酸球・CRPで土台と炎症を合わせて見る
- 血中にあっても効かないのは、VDR受容体という「受け取る側」の感度に個人差があるから
- 打ち手は補給・補因子・太陽の3つで、どれか1つだけに偏らずトータルで整えるのが大切






