「人に火をつけた」発言と法務省コラボ、ラヴ上等シーズン2はなぜ二重に炎上したのか
Netflixで配信中の「ラヴ上等」シーズン2が、2つの理由で炎上しています。吉田さんがこの話題を持ち出すと、宮田さんも「ちょっと炎上してなかった?」と反応しました。
「ラヴ上等」は、不良やヤンキーと呼ばれる過去を持つ人たちが恋愛に向き合う恋愛リアリティショー ── 一般の出演者が共同生活やデートを通じて恋愛する様子を、台本のない形で見せる番組ジャンル。出演者の素の感情や関係の変化が見どころとされますです。シーズン1は去年か一昨年に配信され、吉田さんはNetflixがプロモーションにも力を入れている番組だと見ています。
吉田さんによれば、「ラヴ上等」はバチェラー ── 1人の独身男性を複数の女性が奪い合う形式の恋愛リアリティショー。日本版はAmazonプライム・ビデオで配信され、華やかな演出で知られますのようなキラキラ系ではなく、オラオラ系のやんちゃな切り口が特徴です。シーズン2では5、6人ほどの男女が沖縄に集まり、最初はいがみ合っていたのに、気づけば肩を組んで笑い合う展開になるといいます。
ヤンキーっていうか、なんかもうヤンキーを演じてない?その人。
なんかそのヤンキーあるあるをなぞってない?
ラヴ上等シーズン2の1つ目の炎上は、出演者の1人が過去の悪事として「人に火をつけたことがある」と語った場面です。宮田さんも「笑えない」「一線を超えている」と受け止め、ネットでは「Netflixで配信するな」という指摘が出ました。
吉田さんによると、この発言は亡くなった父親に謝りたいという話の流れで出てきたものでした。そこへXで「絶対に謝るべきは火をつけられた奴だろ」という投稿がバズり、言い得て妙な指摘をきっかけに批判が一気に広がったそうです。
2つ目の炎上は、法務省とのコラボです。更生をテーマにしたポスターなどを作ったところ、「今も反省していなさそうな人たちに税金を使うな」という批判が起きました。
父親に謝りたいという話の中で過去の悪事として語られ、「謝るべきは火をつけられた人」というXの投稿がバズって批判が拡大
更生をテーマにポスターなどを制作し、「反省していなさそうな人たちに税金を使うな」と批判された
ラブでも上等でもない2人には、なぜ推しが作れないのか
吉田さんと宮田さんは、自分たちを「ラヴ上等」の対極にいる存在だと笑います。中学から私立に通い、少年院に行った友達は1人もおらず、せいぜい留年や単位を落とした程度。恋愛をした友達すら数えるほどだといいます。
全然上等してない、なんならラブもしてない。
それでも宮田さんは、知らない世界を見られるのが面白いと話します。一方で吉田さんは、恋愛リアリティショーにつきものの「推し」が、ラヴ上等ではまったくできなかったと打ち明けました。
見ていない宮田さんは、感情に素直で、こうと決めたら曲げず、ときにやりすぎても思いは本物だから応援したくなる番組を想像していました。吉田さんはそれを「完全にNetflixの意図」だと言い、ストレートな感情や不器用さの演出はしっかりあると認めます。
やっぱね、人種の違いを感じるよね。考え方ちょっとわからなすぎるなっていう。
プロデューサーの恵さんのスタジオコメントでは、出演者の辛い過去や親からの扱い、少年時代の境遇が語られます。吉田さんは、それを言い訳にせず、乗り越えて前を向く姿を見せようとしているのは伝わると評価しています。
なんかやっぱりね、共感するに、そのストーリーラインに俺は乗れなかったね。
吉田さんの視聴ペースも独特です。友達に勧められて見始めようとしたところ、シーズン1を第8話で離脱していたことに気づき、8〜10話を見てからシーズン2に入ったそうです。シーズン2はまだ完結しておらず、16話ほどあるのではないかと話しています。
炎上には怒らない、でも冷笑もしない、その宙ぶらりんな視聴体験
吉田さんは、ラヴ上等シーズン2の炎上そのものはあまり気にならなかったといいます。法務省のポスターは「やりそう」という程度の受け止めで、人に火をつけたことは明らかに悪いものの、自分の中に怒りは湧かなかったそうです。
宮田さんも、シーズン1を1話だけ見て「乗れなかった」「冷めてしまった」と振り返ります。理由はうまく言葉にならないものの、エンタメとしてハマらない感覚は2人に共通していました。
吉田さんによれば、ラヴ上等はSNS上で「なんだこのヤンキー」と冷笑 ── 物事を一段上から見下し、真剣に受け取らずに笑うこと。SNS上でコンテンツを茶化して楽しむ態度を指して使われることがありますの対象にもなっています。ただ、2人はもともと冷笑が好きではなく、まっすぐ面白がるタイプだと自覚しています。
まっすぐ楽しめるわけでもないし、かといって冷笑するわけでもなかったら、ラブジョーとってあんま楽しみ方ないかもな。
宮田さんの言うとおり、2人は冷笑もできず推しも作れないまま、ラヴ上等を見るうえでどこのポジションにも行けない状態にあります。
出オチの企画はなぜ続き、Offline Loveはなぜシーズン2が出ないのか
宮田さんは、ラヴ上等シーズン2をよく作ったなと感じています。ヤンキーの恋愛は見たことがないから一度見てみたいけれど、それを何回も見たいかといえば違うのではないか、という見立てです。
結構さ、出オチじゃない?そのラブジョーとのコンセプトって。
吉田さんは、シーズン1が人気だったからこそ続編が作られたのだろうと推測します。一方で、シーズン1とシーズン2は基本的に絵面が同じだとも認めました。宮田さんは、バチェラーもフォーマットが同じすぎて離れてしまったと話します。
ここで宮田さんが挙げたのが、お気に入りの恋愛リアリティショー「Offline Love」です。同じNetflixの番組なのに、ラヴ上等がハイスパンでシーズン2を出す一方、Offline Loveの続編は「うんともすんとも言わない」と嘆きます。
(オフラインラブは)一生やってくれないシーズンツーを。どうなってんだ?マジでやらない。
吉田さんの分析は、刺激的なコンテンツは見られ、ノスタルジーを売るコンテンツは跳ねづらいというものです。宮田さんは「辛い世の中だよ。マジで好きなのに」と嘆きました。
ヤンキーの恋愛という刺激的な切り口で、ハイスパンでシーズン2が配信された
ノスタルジーを売るタイプで跳ねづらく、宮田さんが待ち望むシーズン2はまだ出ていない
男子校恋愛リアリティショーの提案と「人は変わらない」という結論
吉田さんは改めて、少年院や懲役の経験がある人たちの恋愛を見せるラヴ上等の切り口は革新的だと評価します。宮田さんも「キャッチーで一回は見てみたい、二回目はちょっと」と応じました。
宮田さんはさらに、男子校出身者の恋愛リアリティショーを一度はやってもいいのではと提案します。吉田さんは、恋愛経験がないと名乗って出演するにはかなり勇気が要ると返し、宮田さんはYouTube企画ならありそうだと話しました。
吉田さんが「新しさはあるけれど乗り切れず、モヤモヤした」と締めくくろうとすると、宮田さんが鋭く指摘します。番組の外で話した記憶によれば、吉田さんはシーズン1のときも同じことを言っていたというのです。
宮田さんは、結局見てしまっているからラヴ上等は回り、Offline Loveは回らず、ラヴ上等はシーズン3も出るだろうと話をまとめました。
まとめ
ラヴ上等シーズン2は「人に火をつけた」発言と法務省コラボで二重に炎上しましたが、吉田さんと宮田さんにとっての本題は、炎上よりも番組に乗り切れない自分たちの視聴体験でした。冷笑も推しもできない宙ぶらりんさを抱えつつ、結局見てしまう姿に「人は変わらない」という結論が重なります。
- 炎上は、父親への謝罪の流れで出た「人に火をつけた」発言と、法務省との更生コラボへの税金批判の2つ
- ヤンキー文化と無縁な2人は、出演者の行動原理が読めず推しが作れなかった
- 冷笑を好まない2人は、まっすぐ楽しむことも茶化すこともできず、どこのポジションにも行けない
- 刺激的なラヴ上等は続編が出る一方、ノスタルジー系のOffline Loveはシーズン2が出ていない
- 吉田さんはシーズン1でも同じ感想を語っており、人もNetflixも変わらなかったのが結論





