日曜夜8時のミーティングは誰のための時間だったのか?
藤川さんが事業を始めたのは30歳前ごろで、当時は結婚していたものの、まだ子どもはいなかったそうです。スタッフも若く、女性スタッフが結婚を機に辞めていくことも多かったといいます。
当時の藤川さんは、スタッフの退職を「仕方がない」と受け止めていた時期もあったと振り返ります。その後、子どもがいる世代のスタッフが増えてきたことで、見え方が変わっていきました。
CHEESE STANDでは以前、社員が集まれる時間がなく、日曜日の夜8時からミーティングを開いていました。工房のスタッフは朝が早く、店舗は夜が遅いため、日曜だけ8時閉店にしていたのがその理由です。
そこからミーティングとかしてたんだけど、それって結構ひどいことをしていたなと。
子供育児しているそれ世代にしたらさ、日曜の8時なんてなかなかミーティングできないじゃん。
現在のCHEESE STANDでは、社員ミーティングを週1回、金曜日の14時に開いています。それ以外にもマーケットのミーティングや福岡拠点とのミーティング、月1回の経営ミーティングなどを組み合わせているそうです。
日曜日の8時閉店後、夜に社員ミーティング。子育て世代には参加が難しい時間帯
毎週金曜日の14時に社員ミーティング。別途、拠点や経営のミーティングを設定
NOMORIはミーティングをどう回しているのか
藤川さんの問いかけに対し、山川さんはNOMORIのミーティング事情を説明します。NOMORIでは月に1回、全社の社員ミーティングを開いており、収録の前日もちょうどその日だったそうです。
NOMORIの全社ミーティングは、遠隔地のスタッフもいるためオンライン参加も認めていますが、比較的多くの人がリアルで出席しているといいます。それ以外のミーティングも、オンラインとリアルの併用が基本です。
山川さん自身は、すべてのミーティングに出ているわけではないそうです。出るものと出ないものがあり、その線引きは今後変えなければと考えていると話しています。
リアルで出てるとどうしてもこうね、色々こう間に合わないところも出てくるから、オンラインにできるっていう良さ。
山川さんは、ミーティングをオンラインでうまく回せることの良さを、プライベートと仕事を両立できる点に見ています。この話が、次の「ワークアズライフ」の話題につながっていきます。
なぜ「ワークライフバランス」ではなく「ワークアズライフ」なのか
山川さんは、ワークライフバランスという言葉があまり好きではないと言います。藤川さんが「ワークアズライフ」と言葉を添えると、山川さんはそれだと応じます。
ワークライフやっぱりバランス取るのは無理だなと思ってて。
(ワークライフバランスを)ダメっていうわけじゃないんだけど、そういう風に仕事したい人、それでバランス取れる人ももちろんいると思うんだけど、俺は無理だなと思ってて。
山川さんがバランスを取らない理由は、仕事も家庭も全力でやりたいタイプだからです。分けて釣り合いを取るより、仕事と家庭を重ねたほうがいいというのが山川さん自身の考え方です。
山川さんはこの考え方をNOMORIのスタッフにもよく伝えており、会社としてもできるだけその方向で進みたいと話しています。
仕事と生活を分けて釣り合いを取る考え方。それで働ける人もいると山川さんは認めている
仕事も家庭も全力でやるために、両方を重ねる考え方。山川さん自身が選んでいる働き方
地方の豊かさは「頼り合える関係」にある?
藤川さんが「家族みたいな会社にしたいということか」と尋ねると、山川さんは地方の豊かさの話として答えます。地方では、プライベートと仕事をどうしても分けられない部分が多いと考えているそうです。
山川さんが挙げる例は具体的です。地方には夜まで子どもを預けられる施設が揃っているわけではなく、その間も給料は稼がなければなりません。
さらに地方では、同じ学校に通う家庭が多く、学校行事なども重なりやすいといいます。その結果、お互いの家庭の内情をみんなが知っている状態になります。
(お互いの内情を)知ってるんだったら、やっぱりそこに対して理解をしてあげた方が甘えられるというか。
山川さんは、頼る場所はたくさんあったほうがいいと考えています。お金を払って誰かにお願いする方法もよいし、スタッフに少し甘えることで成り立つなら、それもよいという立場です。
預け先が少ない
夜まで子どもを預けられる施設は地方に多くない
内情を知っている
同じ学校に通うなどで、互いの家庭事情が見えている
理解して甘え合う
事情を理解し、スタッフ同士で頼り、頼られる関係をつくる
頼る場所が少ないからこそ、地方のほうがこの感覚は強いのかもしれない、と山川さんは話します。スタッフにも、自分がこうした考え方をしていることを常に伝えているそうです。
社長が一番頼っているのは公私混同なのか?
藤川さんは、2人と同じ富谷の仲間の中にも、スタッフに子どもを預けたりしながら、会社をみんな家族のようにしている人たちがいると話します。
一方で山川さんは、仕事は仕事として結果を出さなければならず、求めるものはお互いに求める必要があると強調します。頼り合う関係と、仕事の厳しさは両方持っていなければいけないという立場です。
NOMORIで子どもを持つスタッフは、山川さんや役員など数人だそうです。その中でも山川さんは子どもが3人いて下の子がまだ小さく、負担が大きいからこそ、みんなに頼っている部分が自分自身に多いと話します。
本当は多分それってね、その社長だけそんな公私混同だみたいな風に言われかねないことかもしれないけれど。
甘えてると言われれば甘えてるかもしれないけど、甘えてほしいな、頼ってほしいなっていう気持ちもあって、すごく。
山川さんは、自分が頼る側を経験してわかったことがたくさんあったといいます。だからこそ、制度も含めて、今後は頼られる側をどう支えていくかを真剣に考えなければいけないと話しています。
スタッフの家族も招く会社のイベント
藤川さんは、CHEESE STANDで1つだけ取り組んでいることを紹介します。時々開く飲み会に、スタッフが奥さんや子どもを連れてきてもよく、その費用は会社が負担するというものです。
ファミリー、ファミリーだからね。やっぱその会社自体がファミリーだと思ってい。そうしたい、そうありたいし。
藤川さんの言葉を受けて、2人はスタッフの家族も大事にしたいという思いで一致します。山川さんも、子どもが来る場はいいものだと応じています。
山川さんの側でも、家族が関わるイベントがあります。収録した週末には、益子のイベントと、年に1回カメラマンを呼んで記念撮影をする写真のイベントが控えていたそうです。
写真のイベントは、牧場の場所を貸して開くもので、スタッフが家族や犬、子どもと一緒に撮りに来てくれることもあるといいます。益子のイベントも子ども参加型で、スタッフが家族を呼んでくれることを山川さんは良いきっかけだと感じています。
藤川さんが話題に出した「チーズとハニーの祭典」にも、いつも家族で来てくれると山川さんは話します。ただ藤川さんは、0歳児と1歳児がいる今年は家族で行くのはまだ大変だと明かしています。
月に1回の夫婦デートは守れているか?
山川さんは藤川さんに、妻と2人で出かけることがあるかを尋ねます。藤川さんは少し照れながら、月に1回2人でご飯を食べに行く「デートの時間」を作っていると答えます。
なんかそれ(2人の時間)を作らないから俺は。怒られてる。
山川さんは以前、妻と月1回の時間を作ると約束したものの、実現できていないそうです。土日は2人の時間が取りにくいため、平日に月1回休みを取ると決めていました。
藤川さんは、イベントや販売があって忙しいのだろうと理解を示します。山川さんが挙げる原因は、空いた予定に次々と仕事を入れてしまうことでした。
ここだけ空いてるな次に入れちゃうみたいな。入れちゃったりしちゃうと崩れるよね。
藤川さんも最近はその点に気をつけていると話し、山川さんは「ブロックしないとダメなんだよ」と認めます。山川さんは、子どもを含めた家族だけでなく、夫婦としての関係性が大事だからこそ、妻に申し訳ないと思っていると打ち明けています。
鎌倉と食事、夫婦それぞれの過ごし方
藤川さんが山川さんの最近の鎌倉行きに触れると、山川さんは、あれは丸1日休みをブロックして妻と2人で出かけた日だったと話します。久々の2人の時間で、楽しかったと振り返っています。
藤川さん夫婦の場合は、地元で朝から晩まで出かけるのは難しく、デートは食事が中心になるそうです。サウナに行くこともあるといいます。
山川さんが2人とも美食家だからと言うと、藤川さんは食の趣味が合ってよかったと話します。家と仕事での顔が違うという話になり、藤川さんは妻から「外面はいい」と言われ、自分には厳しく怒られることもあると明かしました。
そうですね。本当に出会えてよかったなと思ってます。
プライベート寄りの回を経て、次は妻たちの「B面」へ
終盤、2人はこの回が家庭と仕事、とくにプライベート寄りの話だったと振り返ります。山川さんは、自分たちのような小さな企業にとってプライベートと仕事は切り離せないものだと話します。
藤川さんは、夫婦が同じ場所で働いていることにも触れます。山川さんは、そこにはもっといろいろな悩みがあるのではないかと感じており、また別の機会に話したいとしています。
最後に2人は、妻たちにも話を聞いてみたいと語ります。2人がいないところで話してもらう「B面」のような企画として、今後の構想が示されて番組は締めくくられました。
まとめ
この回では、小さな会社を経営する2人が、仕事と家庭を分けるのではなく重ねる働き方を語りました。ミーティング時間の見直しやスタッフの家族を招く工夫から、夫婦の時間をどう守るかまで、経営者自身の実感がそのまま語られています。
- 藤川さんは日曜夜のミーティングを反省し、金曜14時の社員ミーティングへ切り替えた
- 山川さんは仕事も家庭も全力でやるため、両方を重ねる「ワークアズライフ」を選んでいる
- 地方では頼る場所が少ないからこそ、頼り、頼られる関係が大事だと山川さんは考えている
- 両社とも、スタッフの家族を会社の飲み会やイベントに招く場を大切にしている
- 夫婦の時間は、空き時間ではなく先にブロックしないと守れないことが語られた






