ボードゲームは子どもが勝手に遊んでくれる?
せーわさんの番組「せーわの盤上英才教育」は、子育てにボードゲームを取り入れた家庭の実践報告と、楽しく遊びながら学びにつなげるノウハウを届ける番組です。
今回は、せーわさんが日々考えていることを語るコーナー「ボ育てさんぽ」の1回目です。テーマは「子どもとボードゲームは楽じゃないけど結局楽」で、いったん下げてから上げる構成だと前置きしています。
せーわさんは、子どもとボードゲームが楽じゃないと感じる理由について、根っこは期待との差にあると見ています。
楽じゃない理由の1つ目は、子どもが自分たちだけで遊んでくれないことです。テレビゲームは勝手に遊ぶうえ、ボードゲームにも「ゲーム」と付いているので、同じように任せられそうなイメージを持たれがちだといいます。
せーわさんによれば、UNOや将棋、オセロ、ポケモンカードあたりまでは小学生が自分たちで遊ぶこともあります。ただ、それは誰かが遊び方を教えているからで、ボードゲーム全般は基本的に子どもだけでは遊べないそうです。
いやもうこれ(子どもだけで遊べないこと)はね、どうしようもない感じです。
親としても子供の相手をするつもりで取り組んでくださいっていうのは、ちょっとこれだけは覚悟しなきゃいけない部分かなと思います。
せーわさんは、親が相手をする覚悟は必要だとしたうえで、それを上回る良さがあるので最後まで聞いてほしいと呼びかけています。
買っても遊ばない、中身もわからない問題
楽じゃない理由の2つ目は、ボードゲームを買っても子どもが遊んでくれるとは限らないことです。せーわさんは、特に勉強の色が強いゲームほどその傾向があり、親が選んで買った場合も最初はなかなか遊ばないことがあると話します。
そのためせーわさんは、最初のボードゲームで何かを育てようとは考えないほうがいいと勧めています。
選び方としては、Instagramで子ども向けのおすすめを発表している人や、せーわさん自身のXのように子どもと遊んだボードゲームを紹介している発信を参考にする方法を挙げています。その中から、自分の子どもがとにかく楽しく遊んでくれそうなものを選ぶのがおすすめだそうです。
せーわさんは、最初はあまり高いボードゲームを買わないほうがいいとも話します。高いからこそできる面白さもあるものの、値段と面白さはそれほど比例しないというのがせーわさんの見方です。
楽じゃない理由の3つ目は、買う前にどんなゲームかを調べるのが大変なことです。タイトルやパッケージだけでは中身がわからず、数も多いので一つずつ調べてはいられません。
この悩みに対してもせーわさんの答えは同じで、自分の子どもと同じくらいの年代の子と遊んでいる人が紹介するボードゲームの中から、楽しそうだと思えるものを選ぶのが近道だといいます。せーわさんは「安そう」を基準に挙げかけたあと、それはあまり良くないと言い直しています。
ボードゲームを揃えるのは高くつく?
楽じゃない理由の4つ目は、ボードゲームにはお金がかかりそうだという不安です。せーわさんはこれを、始める前に躊躇しそうな部分として挙げています。
一方でせーわさんは、子どもとボードゲームで遊ぶのは、総合的に見ると案外お金がかからない気がすると話します。安いボードゲームにも楽しいものはたくさんあるので、まずはそうしたものから買っていけばよいという考えです。
せーわさんの家にはボードゲームが400個ありますが、せーわさん自身、そんなに持っている必要はまったくないと言います。
せーわさんの家では、日曜日から木曜日まで週5日、毎日1時間子どもと遊んでいます。そこでせーわさんは、必要なボードゲームの数と費用をざっくり計算してみせました。
せーわさんは、家族のコミュニケーションを考える手間が省けることや、子どもに与える教材の代わりと考えれば、ボードゲームの費用はそこまで高くないのではないかと話します。
せーわさんの家のように週5日遊べる家ばかりではないので、ボードゲームは3個、あるいは1個や2個から始めてもよいといいます。高いと感じるかは人によるとしつつも、子どもに与えるものとしてそれほどお金がかかるものではない、というのがせーわさんの考えです。
すごろくの相手がつらかった親が、ボードゲームに救われた理由
後半は、子どもとボードゲームを遊ぶのが結局楽だと感じる理由です。せーわさんは、実際にやってみて思ったより効果があったという点を4つ挙げています。
楽な理由の1つ目は、子どもと遊べる手段を家に常に置いておけることです。ままごとやかくれんぼ、お絵描きで子どもの相手をしてあげたくても、ずっと続けるのはきついとせーわさんは言います。
お絵描きや工作は毎回違うので子どもも楽しめますが、材料を用意し続ける手間やそれなりの費用がかかり、続けるのは案外つらいというのがせーわさんの実感です。
せーわさんにはもう一つ、すごろくでの苦い経験があります。長男が欲しがったすごろくを買って相手をしていた時期がありましたが、ほぼ運だけで考えるところがないゲームの相手を続けるのが本当につらかったそうです。
今でもただのすごろくめっちゃ苦手なんですけど。
そこでせーわさんは、子どもが遊べて、親にも少し考える余地があるゲームなら相手を続けられるのではと考え、ボードゲームを買ってみました。
ほぼ運だけのすごろくで、考えるところがなく相手を続けるのが本当につらかった
親にも考える余地があり、相手の仕方も工夫できるボードゲームで長く相手しやすくなった
せーわさんによれば、ボードゲームには親自身が楽しむ要素を入れられ、相手の仕方にも工夫の余地があります。手加減の仕方を考えたり、ゲームの中で「こっちが1つでこっちが2つだから合わせて3つだね」と話しかけたりできるので、比較的長い時間相手しやすいそうです。
せーわさんは、子どもではなく親にとって無理のない負荷で遊べるボードゲームがきっとあると話します。親がサイコロを振るだけのすごろくを楽だと感じるなら、それでもいいとも付け加えています。
せーわさん自身は、子どもがボードゲームを選んできた日はそれで遊び、特にリクエストがない日は自分のテンションを上げて遊びやすいものを選んで相手しているそうです。そうした手段が家にずっとあることが、毎日子どもと遊べている理由の一つだといいます。
スマホを見ずに子どもと向き合える「装置」
楽な理由の2つ目は、ボードゲームをしている時間は、親自身を強制的に子どもと向き合うモードにできることです。
せーわさんは、ままごとやお絵描きの相手をしている自分を想像してみてほしいと問いかけます。
あのスマホ見てません?
そのまま30分1時間相手をしてスマホ見ずに相手できますか?もう結構今の時代しんどい気がするんですよね。
ちょっとXの反応を見たり、掲示板に誰かが書き込んでいないか確かめたりしてしまう親は多いはずだ、とせーわさんは見ています。子どもからしても、自分と遊んでいるのに親がスマホを見ているのはあまり嬉しくないだろうといいます。
ボードゲームの最中は目の前の状況を無視できないので、子どもと向き合うモードを保ちやすいとせーわさんは話します。テレビゲームで相手をするときにも近い面はあるものの、ボードゲームは相手の仕方も含めて常に考えることがあり、より集中しやすいそうです。
せーわさんは、ボードゲーム以外で相手をしていたら、毎日ちょっとスマホを見てしまっていただろうと振り返ります。
せーわさんは、子どもとしっかり向き合い、その時間をできるだけ長く取ってあげたいと考える親にこそ、ボードゲームは向いている遊び方だと話しています。
昨日できなかったことが今日できる。成長が見える瞬間
楽な理由の3つ目は、ゲームを通じて子どもの成長度合いを確認しやすいことです。ずっと向き合っているので、子どもの成長をかなり正確に確かめられるようになるとせーわさんは言います。
せーわさんによれば、スポーツと同じように、ボードゲームにもそれ相応の能力が必要です。すごろくでも最初は順番を守れず、5分も集中が続かないことがありますが、毎日遊んでいるうちに順番を守れるようになり、5分、10分と集中できるようになっていくそうです。
子どもがもう少し大きくなると、最初は親のフォローが必要だった得点計算も、10になる組み合わせを考えて計算できるようになり、最終的には自分の点数を自分で計算できるようになるといいます。
成長の瞬間をね、目の前で見れるっていうのは本当にかけがえのない瞬間だなと思いますね。
(前の日と同じゲームでも)昨日これできてなかったのに、今日これできるじゃんとかっていうこと結構あるんで。
せーわさんは、こうした経験を重ねると親の見方も成長し、子どもの状況に合わせて次のゲームを出せるようになると話します。
「九雀」は、九九の同じ段の数字を手元に揃えたら勝ちというゲームだと、せーわさんは説明しています。できれば「ちゃんと定着してるね」となり、できなければ「またできるようになったら遊ぼうね」と置いておけるのが良いところだそうです。
インカの黄金 ── プレイヤーが探検家となって遺跡を進み、見つけた宝石を仲間と分け合う、多人数向けのボードゲーム。進むか引き返すかの判断が勝負を分けますについて、せーわさんは、とても小さな余りのある割り算を何度もするゲームだと紹介しています。たとえば3人で遊ぶときに11個の宝石を分け合う場面があり、本来はゲームを進行する親役が計算してもかまいません。
せーわさんは、その場面で「11個を3人で分けたら1人いくつで、いくつ余りますか」と子どもに聞いています。割り算ができるようになると子どもは「はいはいはい」と答えるようになり、それを確かめられるのが嬉しいそうです。ゲーム中に何度も出てくる場面なので、そのたびに「すごいね」と声をかけられるといいます。
覚えた力を遊びの中で繰り返し使わせる
楽な理由の4つ目は、子どもが身につけた能力を、繰り返し使わせて定着させやすいことです。ゲームなので何回でも遊べるというのも理由の一つです。
せーわさんによれば、掛け算や割り算のプリントを宿題と関係ないときに渡しても、子どもは基本的に嫌がります。プリントはプリントでできればやればよいとしつつ、勉強とは違う遊びの時間の中でスキルを繰り返し使わせれば、子どもはあまり負荷を感じずに、たいていは楽しい気持ちのまま能力を定着させられるといいます。
最近の例としてせーわさんが挙げたのが「ハッピエストタウン」です。せーわさんが少し前にXでも取り上げたゲームで、点数は人口かける満足度で計算します。人のカードとハートの満足度カードを集め、最終的に掛け算の結果が一番大きい人が勝ちです。
せーわさんは、このゲームの中なら、合計が同じ10でも「1かける9より5かける5のほうが点数が高い」といった発見もできると話します。知っている能力を遊びの中で繰り返し使わせることで、発見や定着につなげやすいと日々感じているそうです。
まとめ
子どもとボードゲームを遊ぶには、親が相手をする覚悟や選ぶ手間が必要で、決して楽ではありません。それでもせーわさんは、無理のない負荷で長く相手ができ、スマホに気を取られず子どもと向き合え、成長の確認や能力の定着まで自然にできる点で、結局は楽だと話しています。
- ボードゲームは子どもだけでは遊べないので、親が相手をする覚悟が必要
- 最初は高いものを避け、同年代の子と遊ぶ人のおすすめから楽しそうなものを選ぶ
- 1個平均2000円なら5個で約1万円、毎週のローテーションが組める
- ボードゲームは親が子どもと向き合うモードを保ちやすい装置になる
- ゲームの中で成長を確かめ、覚えた計算力などを楽しく定着させられる


