なぜ子育てにボードゲームを選んだのか
「せーわの盤上英才教育」は、ボードゲームを子育てに取り入れて8年目になるせーわさんが、家庭で遊んだゲームや、そこから得たノウハウを紹介する番組です。今回は、ゲーム紹介ではなくノウハウを話す「ボ育てさんぽ」の2回目にあたります。
せーわさんがボードゲームを始めたきっかけはいくつかあります。コロナ禍で子どもが自宅にいたことに加え、長男に特性があり、勉強への拒否感が強かったことも理由のひとつでした。
ちょっと長男にですね、特性があって、勉強に拒否感が強かったんですね。
ただし今回の主題は、そうした事情そのものではありません。せーわさんが最初に「これを子どもとやったらいいんじゃないか」と感じた理由を、ひとつ深掘りする回です。
せーわさんが挙げる理由は、シンプルに「ルールがあるから」です。ボードゲームにルールがあるのは当たり前ですが、子育ての視点で見ると深掘りする価値があると話します。
せーわさんが考える、子どもが最初に覚えるルールは、滑り台の順番を待つことや、逆走して登らないことです。そこから赤信号では渡らないといった社会のルールへと広がり、人は成長の中で多種多様なルールを理解していくのではないか、と語られています。
ルールは「その世界の価値観」
あらゆるルールに囲まれて生きる中で、せーわさんは「触れたことのあるルールが多いこと」は人生にとって有利なのではないかと考えています。そう思うようになったのは、たくさんのボードゲームを遊んできた経験からです。
せーわさんによると、小学校で起こることは、大きいもの・多いもの・高いものがよいとされる世界が多いといいます。点数は高いほうがいいし、足は速いほうがいい、という具合です。
一方でボードゲームには、そうではない世界も多くあります。得点という概念がなく失点が少ない人が勝つゲームや、小さいものが評価されるゲームがある、とせーわさんは指摘します。
大きい・多い・高い・速いがよいとされる。点数は高いほうが、足は速いほうがいい
失点が少ない人が勝つ、小さいものが評価される、遅い人が勝つなど、別の基準がある
せーわさんが最初に「おっ」と思ったのは、小さい子に人気の雲の上のユニコーン ── ユニコーンのコマを雲の上のコースで進めるすごろく風の子ども向けボードゲーム。ドイツのHABA社の作品として知られていますでした。すごろくのようにユニコーンを進めるゲームですが、勝利条件はゴールの速さではなく、道中で小さな宝石のようなキラキラをたくさん集めることです。
勝つ人の決め方が速さじゃないんで、2位以下の人が勝つことがあるんですよね。
もうひとつの例が、少し前に買ったというカタツムリのゲーム「ゆっくり行こうぜ」です。タイトルどおり、ゆっくり進んで最後までゴールしなかった人が勝ちになります。
せーわさんは、足の遅い人を評価しろという話ではないと断ったうえで、大きさや速さ以外の価値基準を持つことが、人としての引き出しの多さや深さにつながる気がすると話します。
いい悪いじゃなくて、こういうものの決め方もあるよっていう見方、いろんな見方ができるっていうこと自体が(大事で)。
大きいもの、速いものを優れているとしがちな世界の中で、いろんな見方ができることは、もしかしたら優しさにつながるかもしれない。せーわさんはそうも考えたといいます。
短い時間の「小さな非日常」がいい理由
せーわさんは、新しいルールや価値観に気づかせてくれるのはボードゲームだけではないとも話します。世の中のあらゆるものはそれぞれのルールと価値観で形作られていて、映画や小説、漫画でもいいと考えています。
それでもボードゲームを選ぶ理由は、その時だけで完結する点にあります。重いゲームは映画より長くなることもありますが、軽量級から中量級なら10分、20分、30分、ときには5分で終わるものもあります。
その時だけの小さな世界の中だけで、普段とちょっと違う価値観に触れられるっていうのがすごくいいなって思ったんですよ。
ゲームの間だけいつもと違うものの見方を感じ、終われば日常に戻っていく。せーわさんは、普段の生活と関係のないところでそれを体験できることが、かえっていいと感じたといいます。
こうした小さい非日常体験を比較的安価に、やろうと思えば毎日でも続けられそうだと感じたことが、せーわさんの家庭でボードゲームが続き、今日に至っている理由です。
まとめ
せーわさんがボードゲームを子育てに取り入れた理由のひとつは、ルールがその世界の価値観であり、短い時間で普段と違う価値観に触れられるからでした。
- 子どもは滑り台の順番待ちから社会のルールまで、成長の中で多くのルールを理解していく
- 学校では大きい・多い・速いがよいとされがちだが、ボードゲームには別の勝ち方がある
- 雲の上のユニコーンやカタツムリのゲームは、速さ以外の基準で勝者が決まる
- いろんな見方ができることは、引き出しの多さや優しさにつながるかもしれない
- 短時間の小さな非日常を、安価に毎日でも体験できるのがボードゲームの魅力


