Udemy講師イベントで見えた、AI活用の多様さ
ウミノさんは土曜日に、UdemyとベネッセがUdemy講師向けに合同開催したイベントに参加しました。今年Udemyコースを出した講師なら、基本的には応募すれば招待してもらえるような形のイベントだったといいます。
イベントでウミノさんが特に勉強になったのは、ほかの講師たちのAI活用の仕方でした。使い方は本当に人それぞれだったそうです。
すごく素晴らしい、イベントでとても楽しめたんですけども、そこですごく勉強になったことの一つが、皆さんのAI活用の仕方なんですよね。
ウミノさんがまだ試していない例として挙がったのが、AI音声でコースを作っている講師でした。その講師によると、AI音声のコースでも評価はとても高いといいます。
AI音声のコースは受講者に受け入れられるのか?
ウミノさん自身は、2〜3か月ほど前に、面識のない講師のAI音声によるUdemyコースを何本か聞いたことがありました。そのときは「これだと評価は低くなっちゃうかな」と感じたそうです。
ウミノさんが挙げた理由は2つです。AI音声が古いモデルらしく、いかにもAI音声という雰囲気があったこと。そして、レクチャーの作り方やスライドも「THE AI」という感じで、内容が頭に入ってこなかったことです。
(その時は)私はまだAI音声っていうのは早いのかなというふうに思いました。
一方で、イベントで会った講師のコースは評価が高く、受講者に受け入れられているといいます。ウミノさんは、音声モデルの違いに加え、その講師がAI音声を使いつつもコースの構成は自分で手がけているからではないか、と推測しています。
売れっ子講師と同じだった、VSCodeという選択
イベントでウミノさんが「やっぱりそうだよね」と感じたのが、よく売れている森先生の開発の仕方でした。森先生もVisual Studio Code ── Microsoftが提供する無料のコードエディター。拡張機能が豊富で、AIアシスタントを組み込んで使うこともできますを使っていると話していたそうです。
ウミノさんは、自分のやり方が大きく間違ってはいないと再確認できたといいます。
Visual Studio Code(VSCode)について、ウミノさんは「ちょっと賢いエディター」と説明します。メモ帳にAIを呼び出す機能がついたものだと考えればよく、ファイルを直接編集できるのが利点です。
スライドとかは下書きはAIに作らせて、でも自分でも絶対手を入れたいんですね。
スライドの改行を1か所入れるたびにAIへ指示していては、トークンも足りなくなり、時間もかかります。だからウミノさんは、細かな修正は自分の手で直接入れているそうです。
デスクトップアプリとVSCode、どう使い分ける?
ウミノさんによると、ClaudeやCodexのデスクトップアプリは、ファイルの編集がしづらいか、できないといいます。Claudeのデスクトップアプリは編集ができず、Codexはできるものの、今どこを編集しているのかわかりにくいそうです。
ただし、デスクトップアプリにも利点があります。VSCodeは1つの窓で1つのセッションになるため、10個ほどのセッションを並行して動かすと、窓がごちゃつき動作も重くなります。
セッションAに行った後にセッションBみたいな、承認した後に次のやつ承認とかってする時に、10個も窓を立ち上げてると、ちょっとごちゃついちゃうし、重くなっちゃう。
VSCodeとデスクトップアプリの向き不向きを、ウミノさんの話から整理すると次のようになります。
ファイルを直接編集できる。スライドやブログを見やすい形で確認しながら作るUdemyコース制作に向く
複数セッションを行き来しやすい。窓が不要なLINEスタンプ制作などに向く
ウミノさんは今も両方を使い分けています。ほかの講師も同じだったので、安心したし嬉しかったと話しています。
企画から調査、カリキュラムまでのAI活用
ここからウミノさん自身の講座制作フローの解説に入ります。まず、どんなコースを作るかは最初から決まっていることが多く、たとえば「ChatGPT Workのコースを作りたい」と思った時点でテーマは固まっています。
そのため、コースのアイデア出しにはAIをあまり使っていないそうです。ただし、使うのもよいとウミノさんは話しています。
テーマが決まったら、AIにそのテーマについて調査させます。次に調査結果をもとに、カリキュラムとレクチャーの概要を提案させます。
提案されたカリキュラムは、納得できるところまで自分でも手直しします。「もう少しデモを入れてください」とAIに指示することもあるそうです。
Marpでスライドを作る理由とは
カリキュラムが決まったら、AIにMarpでスライドを作らせます。Marp ── Markdownの書き方でスライドを作れるツール。テキストファイルとして管理でき、HTMLやPDF、画像などに書き出せますで作らせる利点は、VSCodeで簡単に変更できることと、人間にもAIにも読みやすいことだといいます。
人間も見てね、何々についての話だなとかっていうのがすぐにわかるし、AIももちろんわかるしっていう感じなんですよ。
HTMLで作るスライドについて、ウミノさんはかっこいいと認めつつも、人間には読みにくいと話します。ウミノさんはMarpで作り、HTMLに変換する前にPNG画像にしているそうです。
Marpなら自分で手を入れやすく、AIに「挿絵作って」と頼んでCodexに挿絵を作らせ、スライドに挿入させることもできます。最後に全体を確認・編集する工程が、今いちばん時間のかかる部分だといいます。
やっぱり直しながら、このレクチャー、こういう内容の方がいいなとかって思う時もたくさんあるし。
スライドの確認作業は楽になりきってはいないものの、以前と比べればずっと楽になったとウミノさんは話しています。
スライドから台本、音声だけの収録へ
画面操作を見せる部分は、今も自分で画面収録しています。一方でスライドを読むだけのパートは、録り方が変わりました。
以前は、スライドを表示して画面収録し、自分でスライドを動かしながら話していました。時々カーソルが映り込むような作り方で、それも悪くはないとウミノさんは言います。
最近のウミノさんは、レクチャーのスライドをもとにAIに台本を作らせています。台本にはスライドが差し込まれているので、どのスライドで何を話すかが一目でわかります。
(台本は)大体もうね、8割方は読み上げてるかな。もちろんね、ちょっとアドリブで喋る時もあります。
収録では音声だけを録り、M4AやMP3のファイルを作ります。
Claude Opusに動画編集を任せる指示
録音した音声ファイルを、ウミノさんはClaudeのOpus 5.5に渡します。この音声は台本をもとに収録したこと、スライドはこれであることを伝えますが、実際はそこまで細かく言わなくても理解してくれるそうです。
そのうえで、音声に台本どおりスライドを差し込んで動画にし、言い間違い・フィラー・無音区間をカットするよう指示すると、かなりいい感じに仕上がるといいます。
ここまでのウミノさんの講座制作フローを、手順として整理すると次のとおりです。
言い間違いが消える?Whisperの落とし穴
AIに動画のカット編集をさせるときに注意したいのが、文字起こしモデルです。音声や動画をよくAIに扱わせている人のパソコンには、Whisper ── OpenAIが公開した音声認識モデル。ローカル環境でも動かせ、高精度な文字起こしができることで広く使われていますが入っていることが多いといいます。
ところがWhisperは賢すぎるために、言い間違いを文字起こししません。言い間違えた部分をなかったことにして、きれいな文章にしてしまうのです。
AIに動画編集をさせるとですね、文字起こしをして、その文字起こしを元にカットをするんですね。
AIは文字起こしをもとに、何分何秒の言い間違いをカットするという動き方をします。そのため、文字起こしの段階で言い間違いが認識されていないと、カットのしようがありません。
文字起こし
Whisperが言い間違いを省いてきれいに書き起こす
認識漏れ
AIが言い間違いの位置を把握できない
カット漏れ
言い間違いが動画に残ってしまう
ウミノさんは、ElevenLabsのScribeやGeminiなど、別の文字起こしモデルを使えば解決できそうだと見ています。まだ十分に検証してはいないものの、前にYouTube動画をカット編集させたときは、確かScribeでうまくいったと記憶しているそうです。
私みたいに噛みまくる人はっていうことね。噛まない人は全然何でもいいです。
動画30〜40本からUdemy公開まで
動画ができたら、30本や40本と本数を作っていきます。レクチャーのタイトルなど必要な情報はすべてそろっているので、AIにUdemyへアップさせ、自分でも確認してから公開します。
ウミノさんは、大事なところは自分でやっていると話します。そのうえで、これは2026年10月時点の話であり、近いうちに変わるかもしれないとも付け加えています。
もしかしたら来年の今頃には全部AIでやってますみたいな風にお話をしてるかもしれません。
なぜ今Marpを知っておくべきなのか
最後にウミノさんは、Marpは多くの人が知っておいたほうがよいと勧めます。今はAIで素敵なスライドが作れるようになりましたが、ウミノさんが重視するのは、過去のスライドを自分のナレッジとして残しておくことです。
Marpで作っておけば、そこから「もっとかっこよくして」と頼んで展開することもできます。ウミノさんは、Marpは今の時点での正解の一つと考えています。
Marpの仕組みはシンプルで、Markdownの書き方でスライドを作る方法です。書き方は簡単なものの、知らないと詰まるポイントが多いため、ウミノさんはそこを押さえる目的で自分のコースを受講するのもありだと話しています。
結構ね、作るの苦労したけど、すごいニッチなんだけど、受けた人にはすごい感謝されているコースです。
番組の最後では、ウミノさんのMarpコースの1300円クーポンが案内されました。
まとめ
ウミノさんの講座制作は、調査からスライド、台本、動画編集、投稿までAIを活用しつつ、カリキュラムの手直しやスライドの確認など、大事なところは自分の手で仕上げる形です。ツールの使い分けや文字起こしモデルの選び方など、実践から得た具体的な注意点も語られました。
- Udemy講師の間でもAI活用は人それぞれで、AI音声のコースでも構成次第で高評価を得ている例がある
- ファイルを直接編集したい作業はVSCode、複数セッションを回す作業はデスクトップアプリと使い分けている
- スライドは人間にもAIにも読みやすいMarpで作り、過去のスライドをナレッジとして残す
- 音声だけを録り、Claude Opusにスライド差し込みとカット編集を任せている
- 言い間違いをカットさせたいなら、言い間違いを省いてしまうWhisper以外の文字起こしモデルを検討する




