LAの芝生から収録、初の本格インタビューツアーとは?
Off Topicの草野美木さんと宮武徹郎さんは、今回の雑談回をアメリカ・LAのビバリーヒルズにある公園で収録しています。天気が良かったので、アメリカらしさが出るように外で撮ってみたそうです。
旅行ではないです。仕事で来てます。ビバリーヒルズは特に仕事では来てないです。
二人は1週間ほどLAに滞在していました。宮武さんによると、今回のLA滞在は番組として初めての本格的な海外インタビューツアーだったといいます。
今回はもうちょっと本格的に、何箇所か回ってインタビューしに行きましたけど、そもそも受け入れてくれるんだっていう会社もあれば、めちゃくちゃ面白い話をできたりとか。
宮武さんは手応えを感じたようで、今年もどこかのタイミングでまたインタビューツアーに行きたいと話しています。草野さんも「結構すごい人にも会えて」と振り返ります。
ハードテックの街エルセグンドは「大学のキャンパス」?
ツアー初日に二人が訪れたのは、LA近郊のエルセグンドです。Off Topicでは以前に「ハードテックの街」として解説したことがありますが、宮武さんは実際に行くのは初めてでした。
エルセグンドでは複数の会社を見学し、草野さんいわく「軍事系のテック好きが集まる」カフェにも立ち寄ったそうです。草野さんは街を歩いた印象を次のように語ります。
本当にスタートアップ多いですね。
隣にスタートアップがあって、隣に何か集まるカフェがあってみたいな。本当に大学のキャンパスみたいな感じで。
宮武さんが注目したのは、エルセグンドのオフィスの作りです。ハードテック系の会社が多いため、2階建ての家のような建物で、1階がものづくりの場所、2階がオフィススペースというパターンが多かったといいます。
機械が並ぶものづくりの場所。ミーティングスペースやクリーンルームがあることも
社員が働くオフィススペース
草野さんはこれを「ソフトウェアとハードウェアがいい感じに混ざってるオフィス」と表現しました。1階には機械がずらりと並び、外から埃が入らないようにクリーンルームを設けている会社もあったそうです。
宇宙で薬を作るVardaは、なぜ2回稼げるのか?
エルセグンドで宮武さんがずっと行きたかった会社が、宇宙で医薬品を作って地球に戻すVarda ── Varda Space Industries。無重力環境を使って宇宙空間で製品を製造し、カプセルで地球に回収するアメリカのスタートアップですです。草野さんは最初に聞いたとき、宇宙で作るほうが割に合うのかと不思議に思ったといいます。
まだ作れなかったものがあそこで作れるかもしれないっていう話で、まだいろいろ検証中ではあるんですけど。
宮武さんによると、Vardaはこれまで2回ミッションに成功し、収録時点では3機目が飛んでいる状態でした。施設はとにかく広く、草野さんは「小さな町の市役所ぐらい」「普通の町の郵便局ぐらい」とたとえています。
それでもVardaの施設はすでに手狭で、新しいスペースを借りる必要があるかもしれないと、チーフレベニューオフィサーのエリックさんが話していたそうです。館内には地球に帰還したカプセルが飾られていて、焦げた跡まではっきり見えたといいます。
宮武さんが面白いと感じたのは、Vardaのビジネスモデルです。打ち上げ自体はSpaceXに任せたうえで、収益源を2つ持っているといいます。
製薬会社向け
宇宙で薬を作る機材を、工場のように貸し出す
政府機関向け
荷物を積んで戻ってくる貴重な宇宙機を、空軍やNASAの研究開発に活用してもらう
地球に戻ってくる宇宙機は数が少なく、中に物が入った状態で帰還するものはさらに限られます。そのため、NASAが惑星探査の研究の一環としてVardaを活用するといった使われ方もあるそうです。
宮武さんは、Vardaが初期からマネタイズを考えている点を評価します。設立から打ち上げまで2年半で到達し、従業員の半分ほどが元SpaceXの人たちだそうです。
ロケット形のゴミ箱と「世界一重い物質」
草野さんがVardaの施設で気に入ったのは、執務室から製造の様子が窓越しに見える作りでした。エルセグンドでは何社か同じような作りのオフィスがあったといいます。
草野さんはほかにも、シリコンバレーより犬を連れて来られるオフィスが多い印象を受けたそうです。宇宙系の会社らしく、Vardaのゴミ箱はロケットの形で、エントランスにはレトロでかっこいい宇宙っぽい家具が並んでいました。
特に驚いたのが、Vardaの宇宙機に入れる「めちゃくちゃ重たい素材」です。宮武さんによると、宇宙機の向きを合わせるために実際に使われているもので、詳しくは動画で見てほしいとのことです。
確か多分世界で一番重たい物質だと思うんですけど、それの結構大きい(塊)ですけど、多分見た目的にあんなに重くないだろうってなりますよね。
頑張れば多分持てた気がするんですけど、衝撃とすぎて持てなかったです。
最大のインタビュー、アンドリルのパルマー・ラッキーとは?
今回のツアーで一番大きなインタビューは、防衛テック企業アンドリルのパルマー・ラッキーさんでした。パルマー・ラッキーさんはOculus ── VRヘッドセットのメーカー。2014年にFacebook(現Meta)に買収され、同社のVR事業の基盤になりましたを作った人物です。
宮武さんによると、アンドリルの企業価値は約28ビリオンドル、およそ4兆円規模です。もともとはパルマー・ラッキーさんが関わるレトロハードウェアの会社「ModRetro」ModRetroのつながりで連絡を取り、インタビューを依頼したところ、アンドリルのオフィスで行うことになったそうです。
いや、一番緊張しましたよね、我々二人とも。
草野さんはアンドリルのオフィスを、植物とコンクリートブロックの外観が印象的で、GoogleやMetaとは違うキャンパス規模の建物だと表現しています。宮武さんによると、元はLAタイムズの新聞を印刷する工場だった場所を拡大したものだそうです。
ただしアンドリルは防衛テック企業なので、セキュリティは非常に厳しかったといいます。ロビーに並んでいたのは公開済みの製品ばかりでしたが、そこでも写真撮影はNGでした。
アンドリルはなぜ製品映像をアニメにするのか
パルマー・ラッキーさんのインタビューの見どころについて、宮武さんは、パルマー・ラッキーさんが自分の意見をしっかり持っている人である点を挙げます。
ただのオタクっていうと、言い方悪いですけど、そういうイメージが多分あったりすると思うんですよ。でもそれだけではなくて、結構ビジネス的な戦略とかブランディングの戦略とか、しっかり持ってる人なので。
その例が、アンドリルが製品ローンチの映像の一部をアニメにしていることです。宮武さんは単にパルマー・ラッキーさんがアニメ好きだからだと思っていましたが、聞いてみるとちゃんとした理由があったといいます。理由の中身はインタビュー回で明かされる予定です。
クリエイター企業とSpotify LAオフィスで見たもの
LA滞在中、二人はクリエイター周りの人たちとも幅広く会いました。宮武さんは、クリエイター本人、マネジメント会社、クリエイターと働くスタッフ、マネージャー、さらにクリエイター向けのサービスプロバイダーまで会ったと振り返ります。
草野さんによると、ブランドの人とも会ったそうです。全員をインタビューしたわけではありませんが、一部は動画として公開される見込みです。
二人はSpotifyのLAオフィスも訪れました。音楽スタジオのほか、The Ringer ── スポーツやカルチャーを扱うアメリカのメディア企業。多数のポッドキャストを制作し、2020年にSpotifyに買収されましたのポッドキャスト用のセットが常設されていたといいます。
ああいうクリエーターとかも、そのメディアのセットアップがSpotifyの本社にあるっていうのは知らなかったので。
宮武さんは、Spotifyのセットがロゴを簡単に取り替えられるようになっていた点に注目し、草野さんはカメラの映像データをすぐ送れるサーバーが用意されていた点を評価しています。
ビバリーヒルズとダウンタウン、LAの街はどう見えた?
宮武さんから「LAの街はどうだったか」と聞かれた草野さんは、場所によってかなり違うと答えます。初めて来たビバリーヒルズは公園も含めてよく整備されている一方、ダウンタウンのほうには大変そうなエリアもあったといいます。
宮武さんは、LAのダウンタウンの荒れたエリアをサンフランシスコのテンダーロイン ── サンフランシスコ中心部の地区。ホームレスや薬物問題が深刻なエリアとして知られていますのLA版にたとえ、「LAの方が正直ちょっとひどい」部分もあると話しています。
公園も含めて整っていて、よく整備されている
大変そうな雰囲気があり、荒れたエリアもある
草野さんが面白かった場所に挙げたのは、リトル東京です。秋葉原っぽい一角に、メイドカフェがポップアップ出店していたそうです。
メイドカフェって結構世界観コンセプト重要じゃないですか。なんかそれがギャップが面白かったですね。
ポップアップのメイドカフェはパイプ椅子とテーブルという簡素な作りでしたが、客はたくさん入っていて、店員さんはメイドの格好でコンセプト通りだったといいます。
体を犠牲にして美味しさを取りに行く、LAの食
LA出張で一番美味しかった食べ物を聞かれた草野さんは、ピザを挙げました。宮武さんによると、そのピザ店はニューヨーク発祥のプリンスストリートピザです。
草野さんはこの旅で、ピザ、ハンバーガー、フライドチキン、クッキーとアメリカらしい食事を楽しみました。でかくて柔らかいチャンクのクッキーが食べたいと言って選んだクランブルクッキーは、宮武さんいわくケーキ感が強めだったそうです。
体を犠牲にして美味さを取りに行くっていう、この砂糖とハンバーガーもそうなんですけど、ガツンって来るこのなんか脳汁が出る。うわぁっていうのが好きですね。
In-N-Out Burgerは、次のミーティングに急いでいたため15分以内に食べたそうで、宮武さんは「本当のファストフードだった」と笑います。
草野さんより1週間早くLA入りしていた宮武さんのおすすめは、ビバリーヒルズのイタリアンレストラン「Jon & Vinny's」Jon & Vinny'sです。トマトベースのソースがとても美味しく、ピザやパスタ、ミートボールが特においしいといいます。
ポケモンのオフィスと、Erewhonより「イケてる」スーパー
印象に残ったオフィスとして、草野さんはナイトメディアナイトメディアを挙げます。会議室には従業員が描いたポケモンのイラストが飾られ、エグゼクティブの個室にはその人の好きなキャラクターが置かれていて、雰囲気が出ていたそうです。
コスメブランドのGlossierの店舗では、香水が予想以上に推されていたのが印象的だったといいます。店内の何か所にも香水が置かれていたそうです。
ベニスビーチ周辺では、小さな書店や、ジャスタグロッサジャスタグロッサというスーパーにも行きました。宮武さんは、LAの高級スーパーErewhon ── ロサンゼルスを中心に展開する高級オーガニックスーパー。高価格のスムージーなどで話題になることが多い店ですと比べて「イケてる場所」だと評価しています。
ジャスタグロッサは隣にレストランがあり、品揃えも面白く、日本の商品も多かったそうです。ただし草野さんいわく、Erewhonと比べたくなるほど値段は高く、二人が買ったのはクッキーだけでした。
アメリカのグミ派が日本のグミ派に変わった?
草野さんは、LAで会う人会う人にアニメや漫画好きが多いと感じたそうです。アニメにインスパイアされた人や、アニメをきっかけにスポーツを始めた人もいたといいます。
まあ日本人の人だから話してるんだとは思うんですけど、そのバイアスだと思うんですけど、なんかそういう意味だとすごく面白いなって思ったところあります。
宮武さんが一番良かった瞬間に挙げたのは、ナイトメディアのリードさんとのグミをめぐるやり取りです。1〜2年前にリードさんが来日した際、「アメリカのグミが一番だ」と言うリードさんに、草野さんが日本のグミも美味しいと反論しました。
胃もたれしない。ガツンってこなくて、いい感じだみたいな。
ようやく気づいたんだっていう。
ただ、今回草野さんが買っていたのは、アメリカのグミでも日本のグミでもなく、スウェーデンのグミでした。ゼラチンを使わない、マシュマロとハイチュウを掛け合わせたような食感で、スウェーデン系のインテリアショップでは日本より安く買えたそうです。
さらに草野さんは、ザ・グローブの近くの店でハリボーのチョコマシュマロも購入しました。日本では普通には売っておらず、ドン・キホーテで2000円ほどするらしいといいます。
Off Topicをささやき声で?「Tech News for Sleep」構想
草野さんは、ASMRでスウェーデンのグミを見かけて食べたくなったといいます。その流れで、クリエイターグループOfflineTV ── アメリカのゲーム配信者・YouTuberが集まったクリエイターグループ。共同生活や企画動画で人気を集めていますのプロデューサーと食事をした際にASMRの話になり、面白い提案を受けたそうです。
オフトピックをウィスパーASMR風にやったら面白いじゃんみたいな。テックニューススリープみたいな。
草野さんはこのアイデアをかなり気に入り、宮武さんも「やってみます」と前向きです。草野さんによれば、Off Topicを寝る前に聴いているというリスナーも実際にいるそうです。
大丈夫ですか?寝れるんですか?それで。ああ、我々のあれで寝ちゃうのか。
草野さんは、OfflineTVのプロデューサーとの食事で、テック系のコンテンツをどうやってフレンドリーに、ユニークな形で届けるかを議論できたのが面白かったと振り返ります。
最後に宮武さんは、翌週はサンフランシスコに行くことと、今後さまざまなインタビューが公開されることを告知しました。アウトロでは、ウィスパーで締めるか、英語版のOff Topicもやるかといった冗談も飛び出しています。
まとめ
初の本格的な海外インタビューツアーとなったLA出張は、エルセグンドのVardaやアンドリルといったハードテック企業から、クリエイター企業、街や食の発見まで、幅広い収穫があった1週間でした。
- エルセグンドは、1階で作り2階で働く小さなハードテック企業が集まり、大学のキャンパスのような雰囲気だった
- 宇宙で医薬品を作るVardaは、製薬向けの機材レンタルと政府機関向けの研究協力という2つの収益源を持つ
- アンドリルのパルマー・ラッキーさんは、製品映像のアニメ化にも戦略的な理由を持っていた
- 日米のグミ論争や、Off TopicのASMR版「Tech News for Sleep」構想など、雑談ならではの話題も生まれた





