独立から12年、初心は変わったのか
オープニングで有安さんは、最近の交流会で起業したばかりの若手と話し、理念や思いを語る姿に身が引き締まったと振り返ります。そのうえで岡田に、起業当初の思いが今も変わっていないのか、上書きされたのかを尋ねました。
最初になんかこういう思いがあったなっていう初心の気持ちと、今随分経たれて、その時の気持ちがまだ変わってないのか、それとも上書きされてるのか、教えていただけますか?
私が独立したのは2014年で、もう12年ほど前になります。実はその時からポッドキャストの事業をしていて、手がける事業そのものは変わっていないです。
私がポッドキャストを選んだ理由は「たまたま」でした。この事業をしている人から誘いを受け、やってみたら自分自身も面白くなりました。
(起業当初は)どちらかというと何をやるかっていうのはあんまり私自身は重要じゃなくて、それよりも起業したいとか、自分が思い描いたような取り組みをやってみたいとか。
私にとって大事だったのは、事業の中身より経営をするということそのものでした。その気持ちは今も同じで、事業をいかに軌道に乗せ、経営していくかに強い想いがあります。
一方で、私の取り組みのステージは変わってきています。協力してくれる人が増えた今は、仕組み化や、事業がうまく回るための新しい取り組みにも力を入れています。
2014年に独立。たまたま誘われたポッドキャスト事業で、まずは起業し経営してみたいという想い
協力者が増え、仕組み化や新しい取り組みへとステージが上がった。経営したいという想いは同じ
有安さんは、事業が12年続いていること自体が素晴らしいと受け止め、本題へ移ります。
一人で考えると、なぜ行き詰まるのか
今回のテーマは「事業への想いは聞かれて初めて言葉になる」です。想いはいろいろな人に聞いてもらってこそ考えがまとまり、伝えられるようになるのではないかと話します。
有安さんも、想いを形にして言葉にするのは大切だけれど、案外一人では難しいのではないかと応じました。
自分自身だけで考えてると、ほんと自分の考えでまとめてそれを伝えることはできるんですけど、じゃあ別のこんな角度から考えるとどうですか?とか(聞かれると違う)。
別の角度や別の立場からの問いを受けて視点を取り入れることで、事業への考え方や思いは深まっていきます。その手段として、インタビューを受けることや、人と議論することを挙げています。
自分の考えの範囲でまとめ、伝えることはできる
別の角度からの問いで視点が加わり、事業への考えや思いが深まる
1000人超のゲストが語った「頭が整理できた」
有安さんは、岡田が持つ番組『経営者の志』もそうした場にあたるのかと尋ねます。この番組を8年半以上続け、1000人を超えるゲストに出演してもらってきました。
私がいろんな質問をすることによって頭の中が整理できたとか、あとは実はこういったことを思ってたんだっていうのは、自分自身でも新たな発見がある(とゲストが言ってくれる)。
こうしたゲストの声から、私は質問されることやインタビューを受けることには大きなメリットがあると感じています。
有安さんは、社員に向けて社長が会社のことを話すのは自分発信だけだと指摘します。職域の違うインタビュアーがいると視点が変わり、本人も思っていなかった言葉が出てくるのではないかと話しました。
私もこれに同意し、インタビューは自分の普段の気持ちを思い返すきっかけになると話します。その結果、ビジネスや事業がよりブラッシュアップされると考えています。
インタビュアーが「リスナーの代表」になる意味
有安さんは、インタビューにはリスナーという存在もいると話を広げます。インタビュアーがリスナーの代表として質問することで、番組が面白くなり、ゲストの素敵な一面も見えてくるのではないかという見方です。
リスナー代表として聴いてもらうと、どこがわかりにくいか、伝わりづらいか、知られていないかを話し手が再認識できると話します。
やってる専門家としては当たり前に思ってることでも、実は一般の方は知らないから、ここの部分はもっと丁寧に説明したらいいんだなとか、本質とか基本に立ち返ることもできる。
専門家が当たり前と思っていることに気づき直せる点も、インタビューを受けることで考えが整理される理由の一つだと考えています。
弁護士のゲストが言葉を見つけた瞬間
有安さんは、経営者がインタビュアーの一言で自社の軸を再発見した場面がないかを尋ねます。私が挙げたのは、前回おすすめ番組として紹介した弁護士の方の例でした。
弁護士には法廷で争うことに強い人もいれば、争わないための準備をしっかりする人もいて、それぞれに特徴があります。
その弁護士の方に「何が得意なんですか」「どういったところに力を入れていますか」と質問を重ねていくと、考えが徐々に整理されていったといいます。
質問する
何が得意か、どこに力を入れているかを聞く
徐々に整理される
本当にやりたかったこと、伝えたいことに本人が気づく
言葉にできる
「これをやっているんです」とはっきり言えるようになる
伝わる
考えが明確になり、リスナーにも伝わる話になる
あ、自分自身はこれが本当にやりたかったんだ、ここの部分が伝えたいので、だから今の仕事をこういうふうにやってるんだなっていうのが、なんか徐々に徐々に整理されていって。
有安さんは、経営者が自分の強みや求められていることに気づけば、それを会社に持ち帰って会社が一回り大きくなることにもつながると話します。私もインタビューを受けることを勧めました。
有安さんが「ブランディングにつながりますね」と添えると、ブランディングのためにも自分でブラッシュアップしながら言葉にしていくことが大切だと答えています。
私自身も、聞かれて気づいてきた
有安さんは最後に、私自身が聴かれて気づき、言葉にしてきたことはあるかを尋ねます。
私が挙げたのは、この番組『ポッドキャストの配信で人生が変わる』そのものでした。番組ではポッドキャストの魅力や活用方法について毎回質問されるため、それに答えることで自分の考えが言葉になってきたといいます。
あ、確かにコエラボの強みってこの部分が特徴だなとか、あとはポッドキャストの魅力ってそもそもこの部分だなあというのがやっぱり記録として残ってきてるなと思います。
私は、過去の配信も含めてチェックすれば、ポッドキャストの魅力をより知ってもらえるのではないかと呼びかけます。
有安さんが、コエラボのポッドキャストは聞いている皆さんが作っている面もあると言うと、私は「聴いていらっしゃる方がいるからこそ成り立っているビジネス」だと応じました。
肩書きを外して人に迫る『NANIMONOラジオ』
おすすめのポッドキャスターのコーナーで、『NANIMONO ラジオ』を紹介しました。
普段インタビューするときは、「何々株式会社の代表取締役」のような肩書きや仕事内容を中心に話を聞きます。
『NANIMONO ラジオ』は肩書きをあえて外し、その人自身がどんな人なのか、肩書きの前にある本人に迫ることを目指して始まった番組だそうです。肩書きに縛られず、何を考え、何をやっていきたいのかを話している番組として紹介されました。
肩書きや、手がけている仕事を中心に話を聞く
肩書きを外し、その人自身の考えややりたいことに迫る
番組の最後には、ポッドキャストやビジネスに関する情報を載せたメルマガの案内もありました。
まとめ
事業への思いは、一人で考えるだけでは自分の枠の中でまとまりがちです。別の角度から問われることで整理され、はっきりした言葉になると、1000人超へのインタビューと自身の経験から語っています。
- 2014年に独立して以来、経営をしたいという思いを持ち続け、事業のステージを上げている
- 別の角度からの質問は視点を加え、事業への考えや思いを深める
- リスナー代表の問いは、専門家が当たり前と思う部分の説明不足に気づかせる
- 質問を重ねることで、弁護士のゲストのように本当にやりたいことを言葉にできる
- 言葉にした思いは会社の成長やブランディングにもつながる







