キャラクターIPを語るビデオポッドキャスト「IPFACTORY」とは?
しくみさんは現在、キャラクターデザイナーのRitsuさんと2人で、ビデオポッドキャスト「IPFACTORY」を配信しています。Ritsuさんは「クリプトニンジャ」や「TheMafiaAnimals」といったキャラクターのデザインを手がけている人物です。
「IPFACTORY」は、キャラクターIPの作り方について、Ritsuさんからさまざまな話を聞くという内容の番組です。
「IPFACTORY」はすでに5話ほど収録済みでしたが、1話と2話を公開したあと、3話がなかなか公開できない状態が続いていました。理由は、編集が追いついていなかったことです。
なんで(3話を)公開できてなかったかっていうと、まあ編集ができてなかったんですよね。
しくみさんによると、AIで動画編集が簡単になったという話は最近あちこちで聞かれます。そのうえで、実際に試してみると「思ったより簡単にできるようになった」と感じたことが、今回の話のきっかけです。
1本の編集に5〜6時間、何がそんなに重かったのか
しくみさんはこれまで、「IPFACTORY」の動画1本を編集するのに5〜6時間ほどかけていました。本人も「かかりすぎやろ」と認めつつ、その理由を説明しています。
1つ目の理由は、収録の撮り方にあります。1回の収録で1時間半から2時間ほどの動画を、合間の打ち合わせや余計な部分も含めてすべて撮っているため、少なくとも全体を見ながらカットする必要がありました。
2つ目の理由は、言い淀みの多さです。しくみさんもRitsuさんも話すプロではないため、「えー」「あー」といったフィラー ── 「えー」「あー」「うーん」など、意味を持たずに発話の間を埋める言葉。音声や動画の編集では、聞きやすさのために削られることが多い部分ですが多く、それを1つずつ切っていました。
ちなみに今回1時間半の動画で、そのフィラーっていうのかな、そういうのが80箇所ぐらいあったってあのAIは言ってたんですけども。
1時間半の素材を編集すると完成版は1時間ほどになり、その作業全体に5〜6時間かかっていた、というのがこれまでの状況です。
AIが自分から「本編じゃない部分、切りますか?」と聞いてきた
しくみさんが使ったのは、Claudeのモデルである「Opus 5.5」と話しているAIOpas 5.5です。今回の素材は30分ほどの動画3本で、それを時間順に並べて1つの動画に結合するよう指示しました。
すると、しくみさんが頼んでいないのに、AIの側から本編以外の部分があることを指摘し、どう扱うかを尋ねてきたといいます。
いきなりこっちから指示しなくても、「本編じゃないところ切りますか?」って言ってくれるんですよね。もうここがやばいなと思って。
しくみさんがAIでの編集をためらっていた一番の理由は、まさにこの点でした。本編かどうかの区別などAIにはつかないだろうと思い込み、自分でやるしかないと考えていたのです。
ところが実際には、AIが本編とそれ以外を見分けて勝手に切ってくれたうえ、フィラーを切るよう頼むと約80箇所をきれいに取り除きました。しくみさんは完成した動画も確認し、本編だけがきちんと残っていたと話しています。
1時間半〜2時間の素材を全部見て、打ち合わせなど本編外を手でカットし、フィラーも1つずつ切る。1本に5〜6時間
素材を並べて結合を頼むと、AIが本編外を指摘してカットし、約80箇所のフィラーも除去。手を動かすのは10〜15分程度
オープニング・エンディングとBGMまで一発で仕上がる
「IPFACTORY」の動画には、決まった構成があります。冒頭には、TheMafiaAnimalsがやっているラジオのブランド「TeamRadio」のロゴと声が入り、続いて「IPFACTORY」オリジナルのオープニングが流れます。最後には「IPFACTORY」のロゴが出て消える演出があります。
しくみさんは、これらの素材もAIに読ませ、最初と最後に決まった順番でつなげるよう指示しました。さらに、自分でSuno ── テキストの指示から歌や音楽を生成できる音楽生成AIサービス。歌詞やジャンルを指定して楽曲を作れますを使って作ったBGMを、音声の背景に適切な音量で流すよう頼んだといいます。
最初と最後も綺麗にできて、BGMも綺麗に流れてました。もうこれはやばいなと。マジで完璧にできました。
手を動かしたのは10〜15分、作業をスキル化して次回もそのまま
しくみさんによると、AI自体の処理には30分ほどかかったかもしれないものの、本人が実際に手を動かしたのは10分から15分程度でした。中身は、オープニングなどの素材を並べる作業くらいだったといいます。
その10〜15分の工夫として、しくみさんはAIにもわかりやすいよう、素材に「1」「2」「エンディング」のようなタイトルを付けてフォルダに入れ、「このフォルダのこれを使って」と指示していました。
さらにしくみさんは、今回の編集のやり方とオープニング・エンディングをAIに記録させ、次に「IPFACTORY」の動画を渡せば同じように編集できるよう、何度でも同じ作業を再現する「スキル」を作ってもらいました。
今後はもう本当にIPFACTORYについては、この動画を撮って、放り込んでやればもうそれで綺麗にできちゃうというところの、まあフローができたっていうところですね。
しくみさんが得たのは1本分の時短だけでなく、撮って放り込めば完成する編集フローそのものだったといえます。
毎週水曜の公開が「確実に」できるようになった
編集のボトルネックが解消されたことで、しくみさんは「IPFACTORY」を当初の予定どおり毎週水曜日に公開できる見通しが立ったと話しています。
毎週水曜公開しようと思ってたのができてなかったのが、もうこれで来週もできます、確実に。もう一瞬でできちゃうんで、編集が。
収録済みのストックは5話ほどのため、いずれ尽きることになります。しくみさんは、またRitsuさんに声をかけて第6話以降を収録したいとしています。
「IPFACTORY」はSpotifyのビデオポッドキャストで配信されています。しくみさんは、AIで一発で編集した動画がどこまでできるのかを見てほしいと呼びかけています。最新回の内容は、キャラクターIPの世界観をどう作るかという話です。
「え、こんなんできんの?一発で」みたいな。「ポン出しで」みたいなところが分かってもらえると思うので、ぜひ一度、そういう意味でも見ていただければ。
まとめ
しくみさんは、5〜6時間かかっていたビデオポッドキャストの編集をAIに任せ、自分の作業を10〜15分ほどに減らしました。特に、本編とそれ以外をAIが自分から見分けてくれたことが、これまでAI編集をためらっていた壁を崩すきっかけになりました。
- 編集が重かった原因は、本編外のカットと約80箇所のフィラー除去だった
- AIは指示しなくても本編以外の部分を指摘し、カットを提案してきた
- オープニング・エンディングの結合やBGMの音量調整まで一度に仕上がった
- 素材にわかりやすい名前を付けてフォルダにまとめることで、AIへの指示が楽になった
- 手順を「スキル」として保存し、次回以降は動画を渡すだけで同じ編集ができるようになった





