音程の悩み編・最終回で紹介する2つのツール
今回は音程の悩みシリーズの第6回、最終回です。
音程のズレを改善するために、2つのツールの使い方を実践的に紹介していきます。
1つ目は「吟猫コンダクター」、2つ目は「吟猫ピッチマップ」です。
吟猫コンダクターは、詩吟で使うコンダクターです。よくあるものと違い、細かい音程まで出せるのが特徴だと話されています。
2分の1音、4分の1音、8分の1音まで出せると。8分の1音まで出せるコンダクター、なかなかないと思うんですけど、それを無料で使えるような状態で今作っております。
今はブラウザから使える状態で、QRコードのアンケートに答えるとURLが渡され、すぐ使えるようになるとのことです。
一方の吟猫ピッチマップは、この回で初めて紹介されたツールです。
ピッチは音程、マップは地図のようなもの。詩吟の音程をグラフとして見える化するツールだと説明されています。
吟猫コンダクターで「始めと終わりの音」を確認する
吟猫コンダクターの一番シンプルな使い方は、吟じ始めと吟じ終わりで音がどれだけずれたかを確認することです。
たとえば三本で主音のミから始めた場合、吟じ終わりでもミに戻っていれば大丈夫、下がっていればどれだけ下がったかを確認します。
ここで大事なのは、ズレを数字で認識することだと話されています。
なんとなく下がった、なんとなく上がったって終わるよりは、2分の1音下がった、4分の1音下がった、そういうふうにちゃんと数字として認識できるようにした方がいいので、これはぜひ使っていただきたいなと思います。
もう一つの特徴が、録音や動画を再生しながらコンダクターを鳴らせる点です。
iPhoneでアプリ録音した場合は、共有ボタンからフォルダに保存しないとファイル選択で選べない、という補足も添えられています。写真ライブラリに撮った詩吟動画の音を再生することもできるそうです。
練習では、起承転結のどの句でずれたか、6節の息継ぎのどこでずれたかを確認していくとよいとされています。
コンダクター練習の2つのアドバイス
コンダクターの使い方には、さらに2つのアドバイスがあると話されています。
1つ目は、小さな違和感を確信に近づける練習として使うことです。
「なんとなく低い気がする」と思って確認したら4分の1音下がっていた、という経験を重ねることで、感覚と実際のズレが結びついていきます。
なんとなくの感覚というものをちゃんとこの確信に近づけていくようにしていただくと、だいぶ耳が鍛えられていって、音程も良くなっていくことになります。
2つ目は、常に鳴らしながら練習することは避けたほうがよい、という点です。
最初の音だけ鳴らし、吟じ終わってから最後に確認してバッチリ、という形を理想にしましょうと話されています。
初公開「吟猫ピッチマップ」で音の動きを見る
続いて、この回で初公開となった吟猫ピッチマップの使い方が実演されました。
画面の左側にピアノのような鍵盤があり、音源データを取り込むと、音程がグラフのように表示される仕組みです。
使い方は、右上の設定ボタンから音源ファイルを選び、本数を選択すると自動で解析が始まる、という流れです。
主音の表示と、青い線で示される自分の音程が画面に現れます。倍音や伴奏の音も拾ってしまうため、多少のノイズは出ると断りが入っています。
このツールで見えるのは、音の動きです。まっすぐ出すべきところがグネグネしていないか、微妙に落ちていないかが確認できます。
同じ音を保つべきアクセント部分も見える化されます。たとえば「弘道館(こうどうかん)」の一部では、2音目から明確に上がってまっすぐになっているかを確認できると実演されました。
僕の場合、これちゃんと2音目からしっかりと上がっているっていうのが、このグラフからも見てわかるようになるということです。
細かい音程を鳴らし、始めと終わりのズレを数字で確認する
音程をグラフで可視化し、音の動きや安定度を目で確認する
記事・ドリル・有料版の案内
ここまで紹介してきた音程の悩み編・全6回は、1つの記事にまとめられています。
記事にはYouTubeのリンクも入っており、ブックマークしておけば音程について通しで学べる形になっています。
さらに、YouTubeでは話していない内容として、1か月かけて取り組む実践的なタスクリスト(ドリル)も記事に追加されています。今週はこれ、と順番に進めれば1か月で鍛えられる構成だと話されています。
記事は半分ほどまで無料で読め、後半のドリルと吟猫ピッチマップの利用は有料になっています。価格は現在1000円ほどで、限定数が売れたら1500円ほどに値上げ予定とのことです。
吟猫コンダクターはQRコードのアンケートに答えればすぐ使える状態になっており、要望があればAIを使ってバージョンアップしていく予定だと話されています。
「弘道館に梅花を賞す」を実演
最後に、徳川斉昭作「弘道館に梅花を賞す」が吟じられました。
この吟を選んだ理由は、音程を安定させるために大切な主音を、強く意識せざるを得ない吟だからだと話されています。
この主音をビタッとやっていかないと、この吟の良さも出てこない。重みのある安定した吟ですね。それを練習するにはこの漢詩がうってつけですので、こちらを吟じて終わりたいかなと思います。
吟じ終えたあと、へいへいさんは音程のズレを自ら確認しました。
2分の1音、4分の1音はずれてない。8分の1音はちょっと下がったかもしれないなぐらいのところですので、まあまあまあ。
音程の悩み編の最終回で音程がずれたらどうしよう、とかなり緊張したと明かしつつ、これがまさにツールの使い方なのだと締めくくられています。
まとめ
音程のズレを「なんとなく」で終わらせず、数字とグラフで確認する。それが今回紹介された2つのツールに共通する考え方です。感覚を確信に近づけ、主音を安定させる練習の土台として活用できそうです。
- 吟猫コンダクターは、始めと終わりの音のズレを細かい音程で数字として確認できる
- 録音や動画を再生しながら鳴らせるので、どの句・どの息継ぎでずれたかを追える
- 吟猫ピッチマップは、音の動きや安定度をグラフで見える化する初公開のツール
- 鳴らしっぱなしに頼らず、最初の音と最後の確認を理想とする使い方が勧められている
- 全6回の内容とドリルは記事にまとめられ、後半とピッチマップ利用は有料で提供されている