補助金は「配るお金」ではなく「投資」
先日、『note』に「補助金でホームページ制作 申請前に考えてほしいこと」というタイトルで記事を投稿しました。
そちらは事業主の方向けですが、ここでは同業の方に向けて、少し踏み込んだ話をしてみます。
まず前提として、補助金を使うなと言いたいわけではありません。国や自治体が用意してくれた制度なので、採択されるならぜひ使っていただきたいと思っています。
そもそも補助金は、国や自治体が定めた公的な制度です。これから事業を始める方にしっかり発展してもらって、税金を納めてほしい。
つまり、今先に投資して、後から税金で回収するという考え方なんですよね。お金を配る制度ではなく、投資なんです。
「無料で作ってもらえた」2つ目のホームページ
ところが最近、「補助金が使えるならやってもいいかな」くらいの温度感のホームページが増えてきていると感じています。
中には「今補助金があるので作りませんか」という営業トークで受注している制作会社さんもいます。
今までホームページがなかったところに作るなら、百歩譲ってまだわかるんです。困るのは、すでにホームページがあって、リニューアルするわけでもなく、もう1つ新しいホームページができてしまうケースです。
事業主の方は、今のホームページを変える必要はないと思っている。でも売りたい側は作ってほしい。
そこで「今のホームページはこのままでいいんです。ホームページは2つあっても3つあってもいいんですよ」といったトークで、もう1つ作ることになるわけです。
実際、僕がこれまで相談を受けてきた中にも、ホームページが2つある方がいました。中身を見ると、書いてある内容はほぼ変わらないんです。
理由を聞くと「こっちは補助金を使って、無料で作ってもらえたので」と。でも、無料で作れるということはないんですよね。補助金を使っているわけなので。
キャッシュバックやキックバックのような不正な提案をする業者も存在する、と僕は聞いたことがあります。間違ったことは言えないので詳しくは話しませんが、補助金を人参としてぶら下げて受注しているところもあるようです。
「補助金の話がなかったら作らなかったですよね?」と聞くと、「まあ、作らなかったね」となる。そういうホームページは、やっぱり作ってほしくないんです。
お金の使われ方としてももったいないですし、ホームページが2つあると内容が重複して、マイナスに働く可能性すらあります。技術的にもおすすめはしません。
補助金の話は一度置いて、目的を考える
だから僕は、補助金のことは一回なしにして、なぜホームページが必要なのか、何のために作るのかを考えてくださいとお伝えしています。
たとえば会社やお店の信用のため。ホームページがないと「ここ本当に大丈夫か」となってしまうので作る、という役割があります。
あるいは、問い合わせを増やしたい、売上を伸ばしたい、来客を増やしたいという、販売促進やPRのため。
とにかく、ホームページには役割があるんですよね。その役割が明確になっているかが大事なんです。
逆に、まず補助金が採択されて、そこから「じゃあ作る目的を考えよう」というのはダメです。順番が違います。
僕はそういう仕事はまず受けませんし、なんなら指摘します。
「採択されなくても作りますか?」と聞く理由
僕が必ず聞くのは、補助金が採択されなかったとしても、ホームページは必要だと思いますか、という質問です。
「はい」と答える方は、本当に必要だけど予算がなくて作れない、だから補助金に頼る、という方です。それは本来の補助金の使われ方ですよね。
そういう方には、胸を張って制度を使っていただきたいと思っています。
一方で、補助金がないなら作らなくていい、という方は、仮に採択されても僕は受けません。
喉から手が出るほど必要だと思っていない方と制作を進めても、相手のモチベーションが低くて、時間がかかってしまったりするんです。
こっちが本気で、向こうが「なんとなくよろしく」だと温度感がずれて、作る側としても嫌になってきちゃうんですよね。
いまは僕一人ではなく仲間に頼って仕事をしているので、結構ドストレートな言い方ですが、そういうお客さんを仲間のところに持ってはこれないんです。
作った後の話もあります。補助金が下りたら作ろうかな、くらいの温度感の方は、作った後の管理もやる気がないんですよ。
実際、僕にも身に覚えがあります。採択されて制作はしたものの、管理は補助金に含まれていないので、月々払うのは嫌だと契約されなかったんです。結局、作って終わりになってしまう。
採択されなかった人に、僕が提案していること
ホームページがないと困るけれど、開業でいろいろお金がかかって資金が残っていない、という方もいらっしゃいます。補助金は、そういう方の背中を押せる制度であってほしいし、本来そういうものですよね。
だから僕は、補助金が使えなくても、その方が出せるお金の中で制作をしますよ、と伝えています。
僕は『タスケブ』という新人を育成する取り組みをしています。新人だからといって手を抜くわけではなく、むしろ本気で向き合って作れる。彼らは経験と実績を積みたいので、金額を抑えた形での提案ができるんです。
補助金は3分の2が国や自治体の負担で、3分の1は自己負担というものが多いのかなと思います。たとえば見積額75万円なら、補助金で50万円、自己負担が25万円です。
25万円で75万円相当のホームページが作れるので、もちろんメリットのある話です。
僕が提案するのは、その25万円を払う覚悟があったのに採択されず、それでもどうしても必要だという方です。新人に託してくれるなら、本来払う予定だった25万円を予算として使ってください、と。
僕たちホームページ屋さんにとっては、補助金を使おうが使うまいが、見積もって受注して作ることは変わりません。でも、お客さんの温度感は気にした方がいいと思っています。
まず「必要だから作りたい」という目的が先にあって、お金がないから補助金に頼ってみる。採択されればその金額でやれますし、されなかったとしても別の方法を提案していきたい。それが僕の、ホームページ屋さんとしての補助金との向き合い方かなと思います。
特に直受けをやっている人は、絶対にこの話が出ると思うので、参考になったらうれしいです。使ってもいいけれど、まずは自分で手続きしてもらうこと。そして「胸に手を当てて、自信を持って申請できますか?」と聞いてもいいと思います。僕はいま、そんなふうにしています。
最後は少し宣伝っぽくなりますが、、伴走を希望される方は、まずは『やま塾』に相談してください。いきなり入ることはできませんが、まずは相談から。読んでくれてありがとうございました。ではではでは。
まとめ
補助金は国や自治体からの投資なので、本当に必要な人に使われてほしいと僕は考えています。だからこそ、補助金の前にホームページの目的を確かめ、採択されなくても作りたいかを聞くようにしています。
- 補助金はお金を配る制度ではなく、後から税金で回収する「投資」
- 補助金ありきで作った2つ目のホームページは、内容が重複してマイナスになることもある
- 「採択されなくても必要ですか?」への答えで、お客さんの本気度を見極める
- 熱量の低い案件は制作も管理も続かないので、僕は受けない





