中学生の追加質問に答える回、その前に聞いてほしいこと
この回のメインは、先日牧場に酪農体験へ来た中学生から、メールで届いた追加の質問に答えることです。
川上さんは、以前配信した「中学生が来る前の質問パート1・パート2」も先に聞いてほしいと呼びかけます。話には続きがあるので、そこから聞くとつながりやすいんですね。
待っといてあげるから。
そのうえで、今回届いた追加の質問は全部で3つ。順番に見ていきます。
牧場のお仕事は何人でやっているの?
1つ目の質問は「お仕事は何人でやっていますか?」というもの。答えは、ほとんど一人です。
ただ、手伝いに来てくれる人や、隙間バイトのタイミーを頼むこともあって、普段の作業でいうと1.5人ぐらいの感覚だそうです。
1日の流れは、朝4時半から5時ごろに起きて乳搾りとベッド掃除、そして餌やり。お昼の間は堆肥を運んだり、酪農体験を受け入れたり、会議や書類仕事、酪農関係のアドバイスまでこなします。
目安として、酪農では一人あたり30頭ぐらいが今のスタンダード。スマート農業でデバイスを付ける牧場なら一人100頭という例も出てきているそうです。
一人で80頭やってるのはまあまあ珍しい酪農ではあるかなと思ったりしますけども。でも一人でできます、今。とても便利になってるんで。
AIも使えるし、酪農ヘルパーさんもいるので休みも取れる。これからもっと効率化が進んで、一人で100頭200頭を見られる世の中になっていくだろう、と話されています。
いろんな牧場の牛乳を混ぜても味は変わらないの?
2つ目の質問は「色々な牧場の牛乳を混ぜても味は変わりませんか?」というもの。これは以前の「川上牧場の牛乳はどこで買えますか?」という質問の続きにあたります。
じつは今、日本で売られているほとんどの牛乳は、複数のいろんな牧場の牛乳を集めて作られています。
ここで川上さんは、牛乳をいろんな場所で混ぜる理由を、鮮度の管理という角度から説明します。
乳業会社と牧場が遠く離れている場合、タンクローリーで長距離を運びます。でもタンクローリー自体には冷却機能がないので、運んでいる間に牛乳の温度が上がってしまうんですね。
温度が上がると細菌が増えて鮮度が落ちてしまう。そこで日本では、消費者に届くまで10度以上にならないように管理するコールドチェーン ── 生産から消費まで、食品を低温のまま途切れず届ける物流のしくみ。牛乳では鮮度と安全を保つために重要になりますというしくみがあります。
そのため、長距離を運ぶ途中で別の牧場の冷たい牛乳を集めて回収し、タンクローリー全体の温度を下げる、という合理化も行われています。
いろんなところに牧場が点在してて、いろんな牛さんの牛乳があることによって製品が安定して、なおかつ鮮度が安定するっていうところがあるんですよ。
さらに工場では、いつでも同じ味になるよう「均質化」という処理もされます。牛乳に含まれる脂肪の玉(脂肪球)を細かくして、分離しないようにするんですね。
いろんな牧場の牛乳が混ざっても、同じような味になるように努力しているというのが、この質問への答えでした。
子どもが描く牛には角があるのに、本物の牛に角がないのはなぜ?
3つ目の質問は「角がないのはなんでですか?」というもの。子どもが牛の絵を描くとき、よく角を描きますよね。
少し前まで、インターネットで牛を検索すると角のある牛が多く出てきました。でも今は、背景に動物福祉の考え方が広がっています。
牛も生き物なので、餌をめぐって序列争いをします。角が生えていると、その争いで頭を使ってぶつかり合い、牛同士が怪我をしてしまうことがあるんですね。
そこで、子牛のうちに角を取ってしまいます。これを「除角」と言います。
昔は焼きごてで焼いたり、ノコギリやワイヤーでギコギコ切ったりしていました。今は電気ごてのような小さなデホーナーを使い、鎮痛剤や短時間の麻酔も使って、なるべく痛くないように取ってあげるそうです。
さらに品種改良も進み、ゲノム解析によって角が生えない牛の遺伝子がわかってきました。その牛同士を交配させ、子牛のときから角が生えてこない無角品種も出てきています。
一方で、角があった方が便利な牧場もあります。あぎゅうなどの大きな牧場で、牛が広く歩き回る牛舎だと、投げ輪のロープを角に引っ掛けて捕まえるという昔ながらのやり方があるんですね。
そういう牧場では、管理のしやすさから角を残すこともあります。それでも長く伸ばすのではなく、途中で切って少しだけ残して管理するそうです。
川上さんに角はありますか?というコメントと、お便りの呼びかけ
質問への回答のあとは、リアルタイムのコメントへ。「川上さんに角はありますか?」というちょっとお茶目な質問が届きます。
あるわけないだろ、馬鹿野郎。ないよ、角。馬鹿野郎とか言っちゃダメですよ。リスナーの皆さんに本当にごめんなさいね。
冗談まじりのやりとりで、この日の配信はにぎやかに締めくくられます。
最後に川上さんは、中学生に向けて「学校の先生を通さなくても、YouTube登録してコメントすればいいんだよ」と呼びかけます。スマホがなければ、お父さんお母さんのスマホからでもチャンネル登録してね、と語りかけていました。
6月は牛乳月間。ハッシュタグ「牛乳で歌おう」の企画も動いていて、投稿するとカヌレが当たるプレゼントも実施中とのことでした。
まとめ
中学生からの3つの質問を通して、牧場のお仕事の人数、牛乳が混ざるしくみ、そして牛の角がない理由まで、酪農のリアルがやさしく語られた回でした。何気なく飲んでいる牛乳の裏側を知ると、いつもの一杯がちょっと違って見えるかもしれませんね。
- 牧場の仕事はほぼ一人。手伝いやスキマバイトを含めると1.5人ほどの感覚で回している
- 日本の牛乳の多くは複数の牧場のものが混ざり、それが味の安定と鮮度の安定につながっている
- 長距離輸送では途中で冷たい牛乳を集めてタンクローリーの温度を下げるなど、コールドチェーンを守る工夫がある
- 牛の角は、牛同士の怪我を防ぐため子牛のうちに除角する。今は痛みを抑える方法や、角の生えない無角品種も広がってきている




