肉の日の朝、休日の過ごし方から本の話へ
配信は6月29日の日曜日、肉の日の朝から始まります。梅雨が明けて湿度も一気に下がり、川上さんは「夏って感じ」を実感していると話します。
最高気温は31度。牛舎の冷房装置もよく効いて、牛たちも快適に過ごせているそうです。
この日は2週間ごとに取っている酪農ヘルパーの日。朝仕事を終えたら1日お休みにする予定で、映画を見るか、図書館で本を借りるか、電子書籍でも買おうかと考えていると話します。
Kindle本でも買おうかな。6月30日、川上牧場のKindle本発売されますんで。
リスナーから届いた「買うメリット・デメリットある?」
今回の質問は、配信アプリのスプーンに届いたものです。6月30日に発売される川上牧場初のKindle本「酪農未経験者のために」を、購入するメリットとデメリットはありますか、という内容でした。
自分でデメリットを話す人はなかなかいないと前置きしつつ、川上さんはしっかり答えていくと宣言します。
なかなか自分でデメリットをベラベラ言う、そんな人いないと思いますけれども、私は答えていきます。
日曜日なので、雑談配信のつもりで牛乳を飲みながらゆっくり聞いてほしい、という雰囲気で本題に入っていきます。
メリットその1、牛群検定のデータが読めるようになる
まず最初のメリットは、牛群検定のデータが読めるようになることだと言います。今回の書籍には「牛群検定の見方編」という副題がついています。
インターネットで牛群検定を調べると難しい言葉が並びますが、この本はそもそも牛群検定とは何なのか、というところから話しているそうです。
酪農の現場には、牛乳の乳成分をはじめ、いろいろな牛のデータがあります。これまでは数字の羅列でよくわからなかったものが、数字を見るだけで牛の状態がわかるようになる、というのがねらいです。
たとえば乳量や乳成分の推移から牛の体調の変化を読み取ったり、体細胞数の増減から乳房炎のサインを早めに察知したりできると説明します。
メリットその2、教科書にない現場の知恵が詰まっている
2つ目のメリットは、現場のリアルな知恵が凝縮されていることです。この本は、川上牧場に研修に来た研修生とのやりとりを、ノートや音声配信に残していたものを文字起こしし、再構成して作られています。
酪農未経験だった研修生の質問や、「なぜこうなるのか」という疑問に川上さんが答える、というやりとりがたくさん出てきます。教科書には載っていない、現場ならではの感覚が参考にできるといいます。
なぜその判断をするのか、という視点も紹介されます。牛にとってはいいけれど経営には悪い、従業員にはメリットだけど経営者にはデメリット、といった複数の角度からの考え方が見えてくると話します。
自分の失敗談も語られているそうで、こういうことをやって失敗した、という話も参考にしてもらえたらと言います。
データが読めると未来を予測して働けるようになる
牛群検定のデータが読めるようになると、現在の状況が鮮明にわかり、過去と現在の推移も見えてきます。すると、そこから未来を予測することができるというのが川上さんの考えです。
漠然と牛を飼うのではなく、こういう牛を飼いたいからこういう餌をやる、こういう品種改良をする、と目的を持って動けるようになるといいます。
感覚的だった「この牛は餌を食べていない」「この牛は元気がない」も、具体的に説明されているので、数字を見て牛を見る目も養われると話します。
第1章では、牛を見るとはどういうことかが語られています。餌をどれだけ食べているかを示すルーメンフィルスコアや、毛艶の見方、目の輝き、反芻行動など、観察のポイントが川上さん自身の経験からまとめられているそうです。
一般消費者にも活用法があると言います。SNSで牛の写真を見て、この子は元気がなさそう、この子はいい餌を食べて元気そう、といったことがわかるようになるかもしれません。
大人数の牧場では「共通言語」としても使える
大きい牧場になると従業員も多く、牛への向き合い方もさまざまです。動物が好きで入った人もいれば、トラクターなど機械を触るのが好きで入った人もいます。
そうした人たちの間には共通言語がないこともありますが、牛群検定という共通言語を使うことで、コミュニケーションが取れたり、相手の言っていることがわかったりするといいます。
数字を見ながら次に何をすべきか、どう改善していくべきかを、自分たちで考えられるようになる。そんな使い方もできると話します。
正直すぎるデメリット、AIが挙げた「買わない方がいい人」
ここからはデメリットです。メリットもデメリットもAIがまとめたものを川上さんが読み上げていく形で進みます。まず出てきたのは、かなり手厳しい一節でした。
思考停止で誰かの指示を待つだけの酪農家であり続けたい方は買わない方がいいって言ってますね。
この本は考える力を徹底的に問う、とAIは書いています。「なぜ」を問い続け、データから原因を探り、自ら判断して行動に移すことを強く促す内容だといいます。
言われたことをその通りにやることに満足し、自分で考えたり現状を改善する意欲がない人には、時間を無駄にするだけで、むしろストレスを感じるかもしれない、とまで書かれています。
続いて挙げられたのは、楽して儲けたい人や、一発逆転を狙う人。酪農に「これをやれば即解決」という魔法の杖は存在せず、地道なデータ分析と現場の観察、継続的な改善の積み重ねが重要だと語る本だからです。
さらに、自分の牧場が一番でよその情報は不要と視野が狭い人にも向かない、とされます。全国平均や他地域の事例も参考にしつつ、最終的に自分の牧場の最適解を見つけることを説く本だからです。
- 思考停止で指示を待つだけの酪農家でいたい人
- 楽して儲けたい、魔法の解決策だけが欲しい人
- 自分の牧場が一番でよその情報は不要という人
- 紙の成績表しか信じないデジタルデバイスアレルギーの人
- 感覚と経験が全てと言い切る根拠なきベテランの人
最後の「感覚と経験が全て」という人については、経験や感覚の重要性を認めたうえで、その感覚を客観的なデータと結びつけ、なぜそうなるかを言語化し、再現性のある技術と経営につなげることを目指す、と説明されています。
あまりの手厳しさに、川上さんもAIにツッコミを入れます。
言いすぎじゃない?AI。言いすぎじゃないかな。いや、僕が指示しましたけど。
本当の目標は「酪農のハードルを下げること」
デメリットを正直に伝えたうえで、川上さんは本の狙いを語ります。価格は先行予約で6月30日まで350円という手頃さです。
理想論としては、酪農のハードルをぐっと下げるのが目標だと話します。
川上牧場は、隙間バイトのタイミーで未経験者が来たり、小中高生を職場体験で受け入れたりしている牧場です。酪農を始める入り口としての役割を果たしていると考えています。
やってみないとわからない、触れてみないとわからない部分がたくさんある。だからこそ、この本で酪農への怖さが少しでも和らげばと願っています。川上さん自身も、もとは酪農未経験だった人間だからです。
この本は第1弾で、第3弾までを目標に作っていく予定だそうです。読んだ感想をもらいながら、第2弾、第3弾へつなげていきたいと話します。
刺されるんじゃないか、と冗談を交えつつも、その気持ちで作っている、と本音をのぞかせます。
牛乳月間ラストと「#牛乳で歌おう」キャンペーン
明日の6月30日で牛乳月間も最後になります。川上牧場では「#牛乳で歌おう」キャンペーンを実施しています。
オープニングで流れる「牛乳で乾杯」という曲を覚えて、歌ったり踊ったり、演奏したり料理を作ったりして各SNSに投稿すると、川上牧場からプレゼントが当たる企画です。
ハッシュタグで検索するといろいろな作品が上がっているので、いいねやコメント、リポストで応援してほしいと呼びかけます。
最後は「お肉と牛乳を飲んで家族とゆっくり過ごしてください」という日曜日らしいメッセージで、配信は締めくくられました。
まとめ
川上牧場初のKindle本「酪農未経験者のために」について、川上さんがメリットもデメリットも正直に語った回でした。データが読めるようになる価値を伝える一方で、「買わない方がいい人」まで包み隠さず示す姿勢が印象的です。
- 牛群検定のデータが読めるようになり、牛の状態や未来を予測できるようになるのが最大のメリット
- 研修生とのやりとりをもとにした、教科書にない現場の知恵や失敗談が詰まっている
- AIが挙げたデメリットは手厳しく、思考停止や楽して儲けたい人には向かないと明言
- 本当の目標は「酪農のハードルを下げること」で、未経験者の手助けになることを願っている
- 先行予約は6月30日まで350円、第3弾まで続けることを目標にしている



