雨の日曜日、東京出張から戻った酪農家の朝
配信は3月16日の日曜日から。川上さんによると、この日の天気は雨で、先週まで続いていた晴れとは打って変わった空模様だったそうです。
川上さんは3月13日と14日に東京へ出張しており、まだ仕事が溜まっている状態でした。ただ、この日は2週間に1回頼んでいる酪農ヘルパーさんが来てくれる日でもありました。
だからこそ、この日はパパッと仕事を片付けて、ちゃんと休むっていうのも大事という気持ちで、子どもと過ごす時間にあてようと話されていました。
今日は酪農ヘルパーさんが来てくれてるんで、ちょっとのんびりしようかなという、ちゃんと休むっていうのも大事だと思ってるので。
東京では桜や梅がちらほら咲いていて、いい天気だったとのこと。その一方で「一気に夏が来る」という感覚から、農業に関わる夏のニュースを紹介しようという流れになりました。
新生活セールと「未来の牛乳」NFTのお知らせ
本題の前に、いくつかお知らせがありました。まずグッズ販売サイト「スズリ」で新生活セールが行われていて、いろいろなグッズが最大1000円オフになっているそうです。
川上牧場もスズリにグッズを出していて、イラストレーターやデザイナーとコラボした作品があるとのこと。グラスやTシャツを使いながら牛乳を飲むと、より牛乳がおいしくなる、という紹介の仕方でした。
もう一つが、Instagramでやっている「#未来の牛乳」の取り組みです。こんな牛乳や乳製品があったらいいな、という声をAIアートでNFTにして販売しているそうです。
このNFTの売上は、子ども食堂への牛乳支援や、小中高の食育活動に参加した際の活動費に充てられるとのこと。皆さんの支援が「子どもたちの未来の牛乳」を作っていく、という位置づけで語られていました。
東京で参加しているコミュニティでも、子ども食堂の支援活動の話を聞いたそうで、そこともコラボしていきたいと、新しい動きへの意欲も話されていました。
熱中症対策が「義務化」される6月施行のニュースとは
ここから今日の本題です。川上さんが紹介したのは、日本農業新聞の3月13日の記事でした。
見出しは「熱中症対策を義務化、農業法人含む事業者罰則あり、6月施行へ」。厚生労働省が、農業法人を含めた農業者に、労働者の熱中症対策を義務付ける内容です。
屋外作業など熱中症のおそれがある作業をさせる際に、発生時の報告体制を整えることや、休ませて体を冷やす、医療機関に搬送するといった対応が義務付けられる、と紹介されました。
あわせて産経ニュースの3月12日の記事も取り上げられました。こちらは「職場の熱中症対策を義務化、罰則付きで6月施行」という内容です。
記事によると、厚生労働省の労働政策審議会の分科会が3月12日に省令案要綱を了承し、4月上旬にも労働安全衛生規則を改正して、6月から施行する見込みだとされています。
記事では、職場での熱中症の死者が2022年、2023年ともに30人以上と深刻で、地球温暖化の傾向を踏まえて対策が急務と判断された、と説明されていました。
川上さんは、以前に県の若手職員の研修生が来た際、農業にもこうした流れが広がるのではという話をしていたと振り返ります。それでも、まさか今年の6月にすぐ施行されるとは思ってなかったと、スピード感に驚いた様子でした。
多分農業にもこういうのが広がってくるんじゃないかなって予測してるよみたいな話をしてるんですけど、まさか今年の6月にすぐ施行されるとは思ってなかったですね。
農林水産省からも、2022年に農作業中の熱中症で人が亡くなり、2023年の7月3日から8日までの間に10人が死亡するなど、深刻な状況が続いているとの報告が出ていると紹介されました。
建設業や厚生労働省のマニュアルに見る、具体的な対策
川上さんは、工事や建築などの現場でどんな対策が取られているのかもAIで調べてみたそうです。まず建設業の例が挙げられました。
大本の管轄は厚生労働省なので、同省が出している「職場における熱中症予防対策」のマニュアルも見てみたとのこと。そこにも具体的な項目が並んでいました。
1つ目は作業環境の評価と改善です。WBGT値を測定して作業環境を評価し、必要に応じて換気や遮熱対策を行うとされています。
2つ目は労働者の健康管理です。定期的な健康診断や、熱中症のリスクが高い人への特別な配慮が求められます。
3つ目は作業の管理です。休憩時間の確保や水分・塩分補給の促進、適切な作業服の着用を推奨する、という内容でした。川上さんは、これらは農業にも応用できるのではと話します。
とはいえ、露地栽培のように日陰のないところで一日中作業する農業では、影響は避けられないだろう、という見方も示されました。
義務化がもたらすメリットとデメリット
川上さんは、義務化の良い影響と悪い影響についてもAIで整理してもらったそうです。まずメリットから紹介されました。
1つは労働者の安全確保です。対策の徹底で農業従事者の安全と健康が守られ、生産性の向上が期待できる、という内容でした。
体がだるいままやり続けて長期入院のようになれば、それこそ生産性が落ちてしまう。だからこそ、安全を守ることが結果的に生産性につながる、という見方です。
もう1つ、川上さんが面白いと感じたのが技術導入の促進でした。人が働くには危険な気温になる場面で、ICT技術やロボットの導入が進み、作業の効率化や省力化が図られるのではないか、というものです。
一方でデメリットも挙げられました。1つは設備投資や研修費用などによるコスト増加です。もう1つは、厳格な対策で作業時間が制限され、人手不足がさらに深刻化する恐れがある、という点でした。
川上牧場の暑さ対策と、隙間バイトさんが青ざめた夏
施行は6月で、収録時点の3月16日からするとあと2ヶ月半ほど。それでも対策が義務になったことを、川上さんは農家に向けて改めて呼びかけます。
酪農現場では、牛への暑熱対策をしっかりしている牧場が多い一方、働く環境も良くしていかないといけないという点が強調されました。
川上牧場でも、夏場はミストや大型扇風機で対策しているそうです。台数を数えながら、大型扇風機が全体で30〜40台ほどあると話していました。
それでも、隙間バイトで初めて来た人が体調を崩す場面があったといいます。普段デスクワークをしている人が、糞かきをしただけで顔が青ざめてしまい、休憩をとってもらったことがあったそうです。
首に保冷剤を当てて休んでもらったところ、その人からは驚きの言葉が返ってきたとのこと。
この状況で毎日仕事してるんですか、みたいなことを聞かれたことがあって。
慣れているからこそ見えにくい負担があること、そしてそれをきちんと直していく必要があることを、川上さん自身の反省も込めて語っていました。
対策コストと価格転嫁、そして熱中症対策に牛乳という話
対策の費用が高くなる問題については、価格転嫁につながるという見方が示されました。農産物が高いと言われる背景には、こうしたコスト増もあることを理解してほしい、という呼びかけです。
川上さんは、夏場以降の農産物を応援する気持ちで購入してもらえたら嬉しい、と話します。今年の天気予報でも夏は暑いと予測されていて、考えるだけで嫌だと、正直な本音ものぞかせていました。
最後に、意外な豆知識も紹介されました。熱中症対策には牛乳、という話です。
水分補給とは少し違うものの、牛乳を飲むことでミネラルやタンパク質を効率的に吸収でき、熱中症対策にも効果的だと紹介されました。
配信の締めくくりでは、お便りやご感想の募集案内もありました。川上牧場とやってみたいこと、やってほしいことなど、コメント欄やDMで気軽に寄せてほしいと呼びかけられています。
まとめ
2025年6月に施行される職場の熱中症対策の義務化は、農業法人を含む農業者にも関わる話で、酪農現場も「牛だけでなく人の環境も」という視点が問われます。川上牧場の実感を交えながら、対策のメリット・デメリットや価格転嫁の背景まで、身近な言葉で語られた回でした。
- 厚生労働省は熱中症対策を罰則付きで義務化し、6月施行の見込み。農業法人を含む農業者も対象になる
- 職場での熱中症死者は2022年・2023年ともに30人以上とされ、温暖化を背景に対策が急務と判断された
- メリットは安全確保や技術導入の促進、デメリットはコスト増や人手不足の深刻化が挙げられた
- 川上牧場もミストや大型扇風機で対策しているが、慣れゆえに見えにくい負担を直す必要があると語られた
- 対策コストは価格転嫁にもつながるため、夏以降の農産物を応援する気持ちで購入してほしいと呼びかけられた



