寒くなってきた牧場の朝と、今日の配信テーマ
配信は10月21日、島根の朝の天気の話から始まります。最高気温19度、最低気温14度と一気に冷え込み、川上さんは久しぶりにヒートテックを引っ張り出したそうです。
気温が下がると気になるのが子牛の寒さのストレス。子牛は15度から寒冷ストレスを受けると言われていて、前日に牛舎の風よけとしてコンパネを張ったと話します。
今回のテーマは、久しぶりのAIがまとめたニュース紹介。しかも「ガチガチの酪農の話」だと予告します。
牛から採血しなくてもいいという技術がちょっとニュースになっておりましたので、そちらをまとめまして、皆さんに紹介したいなと思っております。
そもそも牛の血液検査はなぜ大変なのか
紹介するのは、withnewsの「注射嫌いの牛に朗報 採血せず血液検査する新技術を開発 北里大准教授らの研究グループ」という記事です。
まず、牛の健康管理は人間以上にやることが多いのだと川上さんは言います。乳量や餌の食べ具合に加えて、血液検査でコレステロールや血糖値なども調べ、栄養状態や繁殖の調子、病気の予兆を確認します。
ところが、この採血がとにかく大変。牛は体が大きく、尻尾から採血することが多いのですが、お尻を振ったり、嫌がって両足で蹴ってきたりすることもあるそうです。
そのため牛を固定して細心の注意を払う必要があり、獣医さんにとってコストも手間もかかります。
検査をする獣医さん、本当に大変で、コストも手間もかかる採血になります。
コストがかかるため、実際には全頭は検査できません。そこで、分娩前後の牛や、泌乳ステージごとに分けた牛を選んで採血するといった工夫がされています。
採血せずに血液を読む「無痛検査」の仕組み
この課題を解決するとして発表されたのが、北里大学獣医学部と東京理科大学らの研究チームによる新技術です。
仕組みは、牛の尻尾の裏側にある尾静脈の部分に、マルチスペクトルカメラという特殊なカメラを向けて撮影するというもの。
このカメラが光の反射パターンから血液の状態を透かして見て、AIが解析します。血糖値やコレステロール、ビタミンAなど最大12項目を、80%以上の精度で測定できるといいます。
尻尾などから針で採血。牛が嫌がって暴れることもあり、獣医の手間とコストがかかる
尾静脈にカメラを向けて撮影し、AIが解析。針を使わず、その場で結果が出る
痛くない、血を取らない、その場で結果が出る。記事では、牛にも人にも優しい「無痛検査革命」とまとめられています。
スマホで結果が見える?実用化までの流れ
現在、北里大と東京理科大は共同で特許を出願中で、北里大学発のベンチャー「ライブストックジャパン」が製品化を進めています。
使い方の流れは、カメラで撮影し、スマホに転送して解析、そして結果表示。つまり酪農家が自分のスマホで牛の血液データを確認できるようになるということです。
現場実証はすでに始まっていて、順調にいけば2026年度中の実用化・販売開始を目指しているそうです。
導入に必要なのはカメラとアプリ、通信環境だけ。高価な分析機械も特別な資格もいらない点がポイントだと紹介されています。
技術が普及したら、牧場はどう変わる?
記事では、この技術が全国の牧場に広まったときの5つの変化が挙げられています。
牛のストレス激減
針がなく痛くも怖くもないため、牛が落ち着き乳量も安定する
省力化・安全化
暴れる牛を抑える必要がなくなり、怪我のリスクが減る
病気の早期発見
検査頻度を上げられ、AIが異常を検知、獣医の遠隔アドバイスも視野に
経営の見える化
試薬や結果待ちが不要になり、治療費や損耗リスクが減る
データ駆動型の酪農へ
血液データの蓄積で、科学的な健康・栄養管理ができるようになる
最後の「感覚の酪農からデータで語る酪農へ」という部分は、川上さんが一番期待するところ。牛1頭ごとの体調や栄養バランスを、科学的にマネジメントできる時代が来るといいます。
川上さんが感じる、この技術の可能性
ここから川上さん自身の視点が加わります。特にいいと感じるのは、牛が病気のときだそうです。
これまでは朝採血しても、獣医さんが診療所に持ち帰って検査し、結果が出るのは早くてお昼、遅ければ夕方。そこから根本的な治療に入っていました。
一瞬でその場でわかるっていうのはもうめちゃめちゃ画期的です、これは。
さらに川上さんが推し進めている牛群検定と組み合わせれば、遺伝改良に使えるのではないかと期待を語ります。
たとえば乳量の多い牛の血液の特徴を調べ、似た血液の牛を品種改良に使う。そんな使い方ができれば、もっと楽しくなるのではと話します。
もう一つ川上さんが注目するのが、採血時のストレスの問題です。採血で牛のストレスが上がると、ストレスホルモンが検査値の正確さを邪魔してしまうことがあるといいます。
針を使わない検査ならその影響も減らせる。だからこそ「もっと早く現場で使いたい」と話します。ただ、個人で買うと高そうなので、組合で購入して使えるようになれば、というのが現場からの本音でした。
リスナーとのやり取りと、コメント募集
配信の終盤は、リアルタイムコメントへの返答です。「牛乳は噛んで甘みを感じて飲む」という話には、小学校で言われた思い出が重なります。
川上さん自身は1日1リットルほど飲んでもあまりお腹がゴロゴロしないそうで、喉越しはあまり感じず、ただ「美味しいな」と思って飲んでいるとのこと。
最後に、質問やコメントがないと「ガチガチの酪農の話」が続いてしまうと笑いながら、牛の調子や好きな牛乳の飲み方など、気軽なコメントを呼びかけて配信を締めくくりました。
まとめ
今回は、牛から採血せずに血液検査ができるという新技術のニュースを、島根の酪農家・川上さんが現場目線で読み解く回でした。牛にも人にも優しい技術が、牧場の風景を静かに変えていくかもしれません。
- マルチスペクトルカメラで尾静脈を撮影し、AIが最大12項目の血液成分を80%以上の精度で測定できる新技術が発表された
- 従来の採血は牛が暴れることもあり、獣医の手間とコストがかかるため全頭検査は難しかった
- 使い方は撮影・スマホ転送・解析・結果表示の流れで、2026年度中の実用化を目指している
- 普及すれば牛のストレス軽減や省力化、病気の早期発見、データ駆動型の酪農につながると期待される
- 川上さんは牛群検定との組み合わせで遺伝改良にも使えるのではと期待し、組合での導入を望んでいる


