牛にレントゲン、どうやって撮るの?
今回のお便りは、Spoonのリスナー「みずみずしいさん」から届いた質問です。
牛さんもレントゲンを撮ったりしますか?どんなのを使っているか、撮る人は専門の職業の人がいるかも教えてください。
たしかに、人間のレントゲンの機械もかなり大きいですよね。体が人の10倍くらいある牛だと、どうなってしまうのか気になります。
もう暴れたらどうする?みたいな。倒れたらどうする?みたいな。
川上さんは、この疑問についてAIにまとめてもらった内容を読み上げながら、解説していきます。
答えは「撮る」。ただし機械を牛に持っていく
結論から言うと、牛もレントゲンを撮ります。ただし人間のように、病院の部屋でパシャッと撮るわけではありません。
牛は体が大きいので、レントゲン機械のほうを牛に持っていくんです。使うのは「ポータブルX線装置」という移動型のレントゲン。
獣医さんが牧場にやってきて、足の骨や蹄、胸のあたりなど、牛の体の一部を撮影します。
使われるのはどんな時か、主なケースを整理するとこんな感じです。
骨折や関節炎の疑い
足を引きずっている時や立ち上がれない時など
乳房炎や肺炎の診断補助
肺や乳房の内部を画像で確認する
繁殖・分娩のトラブル確認
子牛の姿勢が悪い時などに体内を確認する
ただ、川上さんによると最近はレントゲンよりも、エコー(超音波診断装置)を使うことのほうが多いそうです。骨折や子牛の骨折、肺炎の炎症なども、これで見たりするそうですよ。
撮るのは誰?獣医さんが全部やる
では、撮影するのは誰なのでしょう。人間の病院なら放射線技師という専門職がいますよね。
でも牛の場合、レントゲンを撮るのは主に家畜診療所の獣医さんです。撮影から診断まで、獣医師が全部行うスタイルなんです。
現場ではチーム戦。牛を動かさないよう静かに固定し、厚い毛や皮膚の影響を考えて角度や位置を慎重に決めます。撮る場所は毛刈りして、丸刈りにしてしまうこともあるそうです。
この「全部やる」というところに、川上さんはとても感心していました。人間の医療なら技師さん、麻酔科、内科、外科、整形外科と専門が分かれているのに、牛の獣医さんはそれを一人で担うからです。
もう全部見るんですよ、牛の獣医さんって。マジすげえと思いません?
レントゲン撮って、治療をして、薬選んで麻酔やって。骨折だったらギプス巻いて、ギプス外してみたいなところも全部獣医さんがするんですよ。
いま獣医さん不足が深刻になってきていることにも触れ、なりたい人にはどんどんなってほしい、と川上さんは話していました。
設備の差と、救えない命があるという現実
北海道のように家畜の頭数が多いところでは、オペ室やレントゲン室のある診療所もあるそうです。
そこでは、各牧場で治せないと判断された牛を移動させ、手術やレントゲン撮影をして、回復したら牧場に返す、という流れになっているとのこと。日本ではまだ少ないケースだといいます。
一方で、小さな牧場では大きな設備投資はなかなかできません。費用対効果が取れないからです。
ここには、酪農という仕事のシビアな一面もあります。お金をかけて治しても、美味しい牛乳やお肉にならなければ経済性が悪く、廃用という選択をせざるを得ない場合があるのです。
消費者の皆さんのご理解とか支援があれば、こういうのも救える牛の命が増えてくると思います。
川上さん自身が見たエコー写真の話
川上さん自身は、牛のレントゲン写真は見たことがないそうです。あるのは知っているけれど、実際には見たことがない、と。
代わりに印象に残っているのが、エコーで撮った子牛の足の写真でした。
生まれた瞬間に親牛に舐めさせていたら、親牛が興奮して子牛を足元にやってしまい、パニックで足を踏んで折ってしまったことがあったそうです。
これちょっと難しいんじゃねえの、ここは治りにくい場所なんだよね。
その時、獣医さんにエコーで患部を見せてもらったといいます。超音波診断装置は機能もどんどん良くなってきていて、こうしたテクノロジーの発展が、救える牛の命を増やしているのかもしれませんね。
まとめ
「牛もレントゲンを撮るの?」という素朴な疑問から、牛の医療現場のリアルと、それを支える獣医さんの奮闘、そして経済性との難しいバランスまで見えてきた回でした。毎日の一杯の牛乳が、牛の命を支える一助になるかもしれませんね。
- 牛もレントゲンを撮るが、機械のほうを牛に持っていく移動型のポータブルX線装置を使う
- 最近はレントゲンよりエコー(超音波診断装置)を使うことのほうが多い
- 撮影から診断・治療まで、家畜診療所の獣医さんがすべて一人で担う
- 設備の差や経済性の問題で、救えない命があるのも酪農の現実
- 消費者が牛乳・乳製品を選ぶことが、救える牛の命を増やすことにつながる

