春分の日の朝、牧場は変わらず働いています
配信はいつものように、パーソナリティのちはらめぐるさんのオープニングから始まります。牛乳やホットミルクを手元に用意して聴くと、より牛乳を味わえますよ、という誘いです。
この日は3月20日の春分の日。祝日でお休みの人も多いなか、川上牧場は変わらず稼働しています。
今日が3月の20日の木曜日ということで、今日が春分の日で、お休みの方が多いんじゃないかなと思いますけど、祝日ですね。変わらず今日も働いております。
天気は久しぶりの晴れ。気温は8度ほどでそんなに上がらない見込みですが、晴れてくれるのはありがたい、と川上さんは話します。
この日の仕事は、堆肥の配達に、週末の共進会に出品する牛を洗ったり歩かせて調教したりする準備。子どものお昼ご飯も作るため、ささっと終わらせる予定だそうです。
今日のテーマは「牛乳のおいしさを見える化」した最新ニュース
今回の配信で紹介するのは、雪印メグミルクの新しい発表。技術革新でどんどん牛乳の技術も上がってきているのが面白かった、というのが取り上げた理由です。
本題の前に、川上牧場のお知らせがいくつか。noteのメンバーシップでは、オンラインや現地での牧場体験ができ、過去の有料記事も読み放題になります。
Instagramの「#未来の牛乳」では、みんなの「こんな牛乳・乳製品がほしい」というアイデアをAIアートのNFTにして販売中。売上は子ども食堂への牛乳支援や、食育活動の費用に充てられるそうです。
そして恒例の「牛乳で乾杯」。ひと口飲んで「おいしい」とこぼしてから、今日もAIがまとめたニュースの紹介へと進みます。
そもそもUHT牛乳ってなに?
紹介するのはエキサイトニュース経由の記事で、タイトルは「雪印メグミルク 超高温瞬間殺菌牛乳の風味特徴の可視化を実現。日本農芸化学会2025年度札幌大会にて発表」というものです。
まず前提となるのが、超高温瞬間殺菌牛乳、いわゆるUHT牛乳です。牛乳を高温で2〜3秒加熱して微生物を殺菌し、長期保存を可能にする技術だと説明されます。
この方法だと常温での長期保存ができるようになり、流通や保存の面で便利になる、というのがポイントです。
口に含んでからの味の変化を、時間ごとに追いかける
今回の研究の面白いところは、UHT牛乳を口に含んでから飲み込んだあとまで、風味の変化を時間の経過ごとに評価した点です。
使われたのは、タイムインテンシティ法(TI法)と、TDS法という官能評価の手法。これで風味の強さや持続性を可視化した、と紹介されています。
研究の結果、UHT牛乳は高温短時間殺菌牛乳や連続式低温殺菌牛乳と比べて、風味が強く、持続性があることが明らかになりました。
具体的には、前半にミルクの香りと甘み、コクを感じ、後半に濃厚感と甘みが持続するという特徴が示されたそうです。
さらに香りの成分を分析したところ、加熱で生じる複数の臭気成分が、こうした風味に関わっている可能性も示されました。
風味を見える化することで、味わいの特徴や変化を消費者にわかりやすく伝えられるようになる。この手法はほかの商品開発にも応用でき、乳製品全般の品質向上や新商品開発への貢献が期待される、とまとめられています。
風味の差が縮まれば、日本の牛乳流通は変わる
ここから川上さんの解釈です。今スーパーで一般的に売られているのは、120度3秒ほどで殺菌された牛乳。もし瞬間超高温殺菌牛乳がこれと遜色ない味になれば、大きな変化が起きるといいます。
賞味期限が一気に延び、常温でもおいしく飲めるようになれば、日本の牛乳流通がガラッと変わる、というのが川上さんの見立てです。
今は日本で牛乳が余っている状況ですが、常温で長く保存できれば海外展開もしやすくなる。だからこそ面白い技術だと感じ、紹介したかったそうです。
リスナーに向けては、ロングライフ牛乳を飲んだことがあるか、と問いかけます。Amazonなどで災害用・非常食として売られていることもあるものです。
川上さん自身の昔のイメージは「ちょっとプラスチックを飲んでいるような独特の匂いで、あまりおいしくない」というものだったそう。それが新しい技術でどんどんおいしくなってきている、と話します。
僕の昔のイメージは、ちょっとプラスチック飲んでるなみたいな、独特な匂いしてなんか美味しくないなっていうイメージだったんですけど、どんどん新しい技術で美味しくなってきている。
120度3秒ほどで殺菌され、市販でよく見かける。冷蔵での流通が中心。
味の差が縮まれば、常温での長期保存が可能に。賞味期限が延び、海外展開の余地も広がる。
スーパーやコンビニの棚も、冷蔵ではなく常温の場所で牛乳を買えるようになれば、可能性がぐっと広がる。ワクワクするニュースだ、と締めくくります。
お便りコーナーと、次回に持ち越したい話題
最後はお便りコーナー。下水処理を施された土や肥料が「汚泥」と呼ばれることをどう感じるか、日本の土はリン不足で痩せていくのでは、という内容の便りが紹介されます。
これは深いテーマなので次回に、と川上さん。以前の配信で触れた、鳥取県の大山乳業が下水汚泥を使ってJ-クレジットを生み出す取り組みなどと合わせて、詳しく話したいと予告します。
春分の日で、桜もちらほら咲き始める頃。今日はしっかり休んで、牛乳や乳製品で明日を乗り越えてね、という優しい呼びかけで配信は終わります。
仕事や学校に向かう人にも「いってらっしゃい。みんな牛乳飲んでね」と声をかけ、最後はちはらめぐるさんのエンディングで締めくくられました。
まとめ
雪印メグミルクの研究は、これまで感覚で語られてきた牛乳のおいしさを、時間ごとの風味の変化として数値で見えるようにした点が新しいところです。UHT牛乳の味が高温殺菌牛乳に近づけば、常温保存や海外展開など、牛乳流通の可能性が大きく広がるかもしれません。
- UHT牛乳は超高温で2〜3秒加熱し、常温での長期保存を可能にする技術
- 研究ではTI法・TDS法を使い、口に含んでからの風味の変化を可視化した
- UHT牛乳は前半にミルクの香りと甘み・コク、後半に濃厚感と甘みが持続する特徴が示された
- 味の差が縮まれば賞味期限が延び、余剰牛乳の海外展開などの可能性が広がる
- 次回は下水汚泥やJ-クレジットなど、土と肥料をめぐる話題を深掘り予定




