職場体験2日目、疲れと楽しさは何パーセント?
川上牧場の配信は、地元の中学生が職場体験に来ている期間の2日目を迎えました。オープニングのかけ声は、体験中の中学生が担当しています。
川上さんが中学生に「楽しさと疲れだったら何パーセントぐらい」と聞くと、答えは「結構疲れてます」。体を使う酪農の仕事で、中学生は筋肉痛になったようです。
体使う仕事だからね。筋肉痛になったんでしょ。本当にこれ(酪農の仕事)365日やってるんですけどね。
毎日続く牧場の仕事の大変さを体で知ったところで、2日目は少し趣向を変え、川上さんが職場体験の生徒に毎回やっているというライフプランシミュレーションに取り組みます。
何歳まで働き、何歳まで生きる?
ライフプランシミュレーションの最初の作業は、紙に「今の年齢」「何歳まで働くか」「何歳まで生きるか」を書き込むことです。中学生は今の年齢として15歳を書きました。
何歳まで働くかを聞かれた中学生は、すぐには答えが出ません。川上さんは「おじいちゃんおばあちゃんは何歳ぐらい?」と身近な例から考えるように促します。祖父母は70歳くらいでもう働いていないそうです。
動物関係の好きな仕事だったら70歳でも働くか、と聞かれた中学生は「体力が」と一言。最終的に、65歳で仕事を辞めると決めました。
最後に決めるのは、自分が何歳まで生きるかです。中学生の答えは90歳ぐらいでした。
絶対君たちの代だと150歳ぐらいまで生きるのも絶対できるようになるからね。
こうして、15歳から65歳まで働き、90歳で人生を終えるという、シミュレーションの枠組みが決まりました。
大学進学と一人暮らし、最初にいくらかかる?
シミュレーションの次のステップは進路です。中学生は高校には家から通い、その後は大学に進学すると決めました。大学は県外で、一人暮らしをするという設定です。
大学に入るためのお金を聞かれた中学生は「100万ぐらい」と予想します。川上さんは、こうした金額はインターネットで調べればすぐに出てくると話しながら、その場で調べた目安を読み上げました。
| 大学の種類 | 費用の目安 |
|---|---|
| 国立大学 | 約81万8000円 |
| 公立大学 | 約70万〜100万円前後 |
| 私立大学(文系) | 120万円 |
| 私立大学(理系) | 150万円 |
| 私立大学(医学系) | 480万円 |
表のとおり、大学の入学費用は国公立か私立か、学部によって大きく変わります。中学生は「勉強できる方」だそうで、大学には100万円までかけると決めました。
続いては一人暮らしの初期費用です。中学生の予想は30万円。川上さんが調べた全国平均は、総額で約40万円から60万円でした。
一人暮らしの初期費用の内訳は、敷金・礼金・仲介手数料などの賃貸契約費用が約20万〜30万円、家具や家電、生活用品が25万〜32万円、引っ越し費用が3万〜10万円です。
中学生は「いいところに住みたい」「バストイレは別がいい」と希望し、初期費用は60万円に設定しました。大学の100万円と合わせて、進学時点で160万円かかる計算です。
この160万円を誰が用意するのかと聞かれた中学生の答えは「親」。川上さんは、配信を聴いているかもしれない両親に向けて「聞いてますか?」と呼びかけ、大学進学まであと6年ほどだと笑いを交えて話しました。
大学生の一人暮らし、1か月にいくらかかる?
一人暮らしを始めた大学生が1か月にいくら使うのかを、中学生と一緒に計算していきます。中学生の予想は10万円ぐらいでした。
川上さんが調べた全国の目安では、大学生の一人暮らしの生活費は月におよそ13万〜14万円。そのうち住居費が5万3000円から5万6000円で、地域によって差があるそうです。
食費の計算では、川上さんが「今からコンビニでお昼ご飯を買うならいくら分買う?」と聞きます。中学生はお弁当とお菓子で1食1000円ほど、飲み物は家の麦茶で済ませると答えました。
1食1000円で1日3食なら1日3000円、30日で9万円です。中学生はこの掛け算にてこずり、川上さんは「勉強できる方だって聞いたのに」と笑いながらツッコミを入れていました。
ほかの費用も、中学生の希望に沿って決めていきます。友達と遊ぶお金は月1万円で、川上さんは「ディズニーランド1回しか行けないよ」と確認しましたが、中学生は自信ありとのこと。
家賃は、2Kや2DKのような2部屋の物件を想定して6万円に。スマホ代は5000円ほどとしました。
| 項目 | 金額 | 決め方 |
|---|---|---|
| 家賃 | 6万円 | 2部屋の物件を想定 |
| 食費 | 9万円 | 1食1000円×3食×30日 |
| 遊ぶお金 | 1万円 | 友達と遊ぶ分 |
| スマホ代 | 5000円 | 動画も見る想定 |
この設定で、大学生の一人暮らしの生活費は月16万5000円になりました。1年では約192万円、4年間通うと768万円です。
進学時の160万円と合わせると、大学を卒業する22歳までに928万円かかる計算になります。
奨学金と車のローンで1000万円の借金?
大学卒業までの928万円をどう用意するか。川上さんは、親に出してもらう、自分で出す、そして奨学金を借りて就職後に返していく、という選択肢を示しました。
中学生が選んだのは奨学金です。川上さんは「奨学金ということは借金」と念を押し、22歳の時点で928万円の借金を抱えてスタートすることになりました。
就職した22歳の初任給について、中学生は最初「20万ぐらい」と答えます。川上さんが「生活費に16万取られるんですよ」と指摘すると、答えは30万円に変わりました。
川上さんが紹介した初任給の平均は、大学卒業で約26万2300円、高校卒業で約23万5500円です。中学生は平均より上の30万円を目指すと決めました。
社会人になった中学生は、車にも乗りたいと答えます。軽自動車の中古車でよいとのことで、川上さんが調べた相場は20万円台から150万円前後、平均は約104万円でした。
中学生は80万円の車を自分で買うと決めます。奨学金と合わせると、22歳の時点でおよそ1000万円の借金になりました。
この借金を毎月いくら返すかで、生活の余裕と返済期間が変わります。毎月1万円なら期間が長くなり、たくさん払えば期間は短くなる代わりに生活が苦しくなります。
中学生は毎月3万円の返済を選びました。川上さんの計算では、借金を完済するまでに27年ほどかかります。
初任給30万円から生活費16万5000円と返済3万円を引くと、毎月10万5000円が残ります。川上さんはこの10万5000円を貯金に回せるとして、次のライフイベントへ進みました。
25歳で結婚、式の費用と二人暮らしの家賃は?
次のライフイベントは結婚です。中学生は25歳で結婚すると決め、結婚式の費用を100万円ぐらいと予想しました。
川上さんが調べた結婚にかかる費用の総額は、全国平均で454万3000円。相手と半分ずつ負担すると考えると、1人あたり約220万円です。
就職から結婚までは3年あり、毎月10万5000円を貯金できる設定です。約200万円を貯めるには19か月ほどで、桁を数え直しながら計算した川上さんは「なんとかいけそう」と話しました。
これが初任給20万のところやったりすると一気に壊れちゃうけど。はい、これいけそうですよ。25歳で結婚いけそうです。
結婚後は二人暮らしのために広い部屋へ引っ越します。二人暮らしの引っ越し費用の相場は、通常期で7万〜8万円、4月のような繁忙期で8万〜11万円だそうです。
中学生は「一人一部屋欲しい」と希望し、家賃は都内なら10万円ほどかかるかもしれない、という想定になりました。川上さんは、出雲市ならもっと安いところもあるかもしれないと添えています。
家賃が4万円上がったことで、毎月の貯金は10万5000円から6万5000円に減りました。
子ども3人の夢と、29歳で詰む家計
中学生は27歳で最初の子どもが生まれる設定にしました。出産費用の予想は5万円でしたが、川上さんが調べた正常分娩の全国平均は約51万7952円です。
ただし川上さんは、少子化対策で出産費用の負担はほとんどないようになっていると説明します。出産そのものより、生まれてからの生活費のほうを考える必要があるという話です。
赤ちゃんが1歳になるまでの育児費用は年間50万〜60万円で、月にすると約5万円。毎月の貯金6万5000円から5万円を引くと、残りは1万5000円ほどになります。
兄弟について聞かれた中学生は、2人目を29歳、3人目を31歳と決めました。川上さんは「本当にこれからの日本のために頑張ってほしい」と笑いながら応じます。
ところが、2人目が生まれる29歳の時点で、子ども1人あたり月5万円という前提だと家計は詰んでしまいます。川上さんは、出産のときは産休や育児休暇で給料が止まる可能性もあると指摘しました。
一方で、結婚すれば相手と生活費を分け合えるので、負担が2分の1になるなど状況は変わってくる、とも補足しています。
ここで中学生は「給料を増やす」か「節約する」かの選択を迫られ、給料を増やすほうを選びました。では、給料を増やすには何をすればいいのか。中学生は考え込んでしまいます。
お父さんやお母さんとか、あと学校の先生とかがよく言う「資格取りなさいよ」とか「勉強しなさいよ」っていうのは、ここら辺で、その仕事がうまくいくように(するためなんです)。
川上さんによると、大人がよく口にする「勉強しなさい」「資格を取りなさい」は、まさにこの時期に給料を上げるためのアクションにつながる話です。どこかで行動しないと、思い描いた人生プランが難しくなることが、シミュレーションを通して見えてきます。
一軒家か、老後か。67歳で貯金が尽きる計算
子どもが3人になると家も欲しくなる、という流れで、中学生は一軒家を買うと決めました。予想価格は500万円ぐらいです。
川上さんが調べた全国平均では、建売住宅で3600万〜3800万円、土地を買って一から建てると4500万〜5000万円かかります。
川上さんは、住宅ローンを組もうとしても、奨学金や車のローンが残っていると「まだ借金を返していないからお金を貸せません」と言われることがある、と話します。借金を早く返すか、家を建てるのをあきらめるかの選択が30〜40代に訪れるという説明です。
続いて老後の計算です。毎月の貯金が1万円ほどしかない状態を35年続けると、65歳の定年時の貯金は約420万円になります。
65歳から90歳までの25年間、月16万5000円で暮らすと、420万円の貯金は25か月ほどで尽きます。つまり67歳で貯金がなくなってしまう計算です。
67歳以降どうするかを聞かれた中学生は「子どもに」と答えました。川上さんは、子どもに頼るのも十分ありな選択肢で、そういう人は世の中にたくさんいると受け止めています。
体験してわかった、親の大変さと15歳の今
ライフプランシミュレーションを終えた中学生に、川上さんが感想を聞きます。中学生の答えは率直でした。
川上さんは、このシミュレーションを今まさに実際にやっているのがお父さんお母さんだと伝えます。親へのメッセージを求められた中学生は「すごい難しい」とひとこと。小遣いをねだったり、あれこれ買ってと頼んだりするとき、親が大変だということがわかったようです。
さらに川上さんは、このシミュレーションに親や子どもの人生を重ねていくと、もっと具体的になると話します。たとえば、子育て中に親から「お金がないから何とかして」と言われたらどうするか。子ども3人が大学に進むときには、3人分の費用がかかってきます。
そうして考えると、15歳の今何をしなければいけないかがだんだん見えてきます。何をしなきゃいけなくなったかと聞かれた中学生は「勉強して頑張る」と答え、川上さんは「めちゃめちゃお手本のような答え」と笑いました。
川上さんは、進路や就職のような大きな決断の前には、紙に書いてシミュレーションしてみることを勧めます。今はAIに「ライフプランシミュレーションをやりたい」と頼めば全部応えてくれるので、試してみてほしいとも話していました。
最後に川上さんは、プレッシャーに感じなくていいと付け加えます。友達と下宿する、親の車に乗る、結婚式を挙げずに写真と海外旅行で済ませるなど、選び方しだいで大きな費用は一気に楽になるという話です。
あんまりね、ガチガチに思わずに楽しんでもらえたらいいかなと思います。ぜひこれ(ライフプランシミュレーション)をお父さんお母さんに聞いてみてもらいたいね。
こうして職場体験2日目の「お勉強」は終わり、エンディングではヤマさんがリスナーからのお便りや感想を募集していると呼びかけました。
まとめ
職場体験2日目の中学生は、川上さんと一緒に大学進学から老後までのお金を試算し、奨学金や結婚、子育て、住宅が家計にどう響くかを体験しました。数字を並べることで、親の大変さや、15歳の今から勉強や資格に向き合う意味が見えてくる回です。
- 大学卒業までの費用は、中学生の設定で入学・一人暮らし初期費用160万円と4年間の生活費768万円、合わせて928万円になった
- 奨学金と車のローンで22歳時点の借金は約1000万円になり、毎月3万円の返済で完済まで27年ほどかかる計算だった
- 子どもが増える29歳ごろに家計が詰むため、給料を増やすための勉強や資格取得が必要になる時期が見えてきた
- 貯金が月1万円ほどのままだと、65歳の定年後67歳で貯金が尽きるという結果になった
- 川上さんは、選択しだいで費用は大きく変わるので、ガチガチに考えずAIなども使って試してみてほしいと話した





