メールは「こんにちは」から始める
僕がメールで割とこだわっているのは、「お世話になっております」という言葉を使わないことです。
ホームページ屋さんの言葉の選び方は、制作会社や企業とはまた違うと思っています。個人だからこそ、自分の色が出せるんです。
代わりに、その時間に合った挨拶で送ります。「こんにちは、山家です」と書いて、そこから「昨日はお打ち合わせのお時間をいただきましてありがとうございました」と要件に入っていく訳です。
実際に対面でお会いするときも、僕は「お世話になっております」ではあまり入っていきません。「こんにちは」や「おはようございます」で入っていきますよね。
メールもそれとほぼ一緒なので、こんにちはでいく。それだけのことです。
ただ、どうしても客層的に重い感じのお客さんの場合は、空気を読んで「お世話になっております」を選ぶこともあります。
それでも、マナーとしておかしい、失礼だと言われたことは一度もないんです。
いきなり「山家です、本題です」だと、冷たく突き放した感じがして相手も引いてしまうかもしれません。でも、「こんにちは」と言われて嫌な思いをする人はいないと思います。
むしろ「山家さんのメールって珍しいよね」と言われたことはあります。他は決まり文句なのに、山家さんっていいよね、と。
至って普通のことを言っているだけなのに、みんなが使っていないやり方だから褒められた訳です。
いまでは僕の仲間も「こんにちは」「おはようございます」を使ってくれる人が増えてきて、チーム山家の皆さんはこんにちはなんだ、という感じになっています。僕の看板を外して、自分のブランドでも同じように挨拶している人もいます。
もちろん、相手への敬意やリスペクトは大事にします。そのうえで、個人ならではの色として挨拶を使う。これが最初の基本ですね。
「ワイヤーフレーム」は通じない
次に大事にしているのは、とにかく相手がわかる言葉、相手が理解できる言葉を選ぶことです。
「その言葉、どういう意味ですか?」と聞いてくださる方もいます。でも、聞いたら失礼かなとか、知らないのが恥ずかしいとか思って、聞きにくくなってしまうこともあるんですよね。
この業界で、みんなが思っているほど浸透していない言葉がいくつかあります。まずはワイヤーフレーム ── Webページのどこに何を置くかを示した、デザイン前の骨組み図です。
僕のお客さんは、中小企業や小さなお店、個人事業主の方です。ホームページのことがわからないから、プロに頼みたいと依頼してくださっている。
わからないことが前提なのに、ワイヤーフレームという言葉を常識のように使っても、それはわからないですよ。
僕は「設計図」という伝え方がしっくりきています。
お家を建てるとき、まず設計図を引きますよね。リビングがあって、寝室があって、トイレがあって。それをもとに家を建てていく。そのホームページバージョンなんですよ、と。
業界ではワイヤーフレームと呼んでいる、ということも軽く伝えますが、お客さんに対しては設計図で通してしまいます。
そうすると、いきなりデザインするのではなく、どんなホームページにするかを先に決める工程の意味や価値まで理解していただけるんです。
意味がわからないまま「ワイヤーフレームの打ち合わせをお願いします」と言われても、何の打ち合わせだろう、となりますからね。
これは教え子にも伝えています。それでもワイヤーフレームと言ってしまう子もいるんですが、まあいいかとスルーすることもあれば、相手がわかっていないなと思ったら「設計図のようなものです」と後からフォローに入ることもあります。
「コーディング」より「プログラミング」
もう1つの鉄板が、コーディングです。コーディングも実装も、お客さんにはわからないんです。
プログラミングという言葉なら、よくわからないけれど、どうやら英語の文章をカタカタ打ち込むんだろうな、というイメージは持ってもらえます。それでいいじゃないですか。
設計図を引く、それをもとにデザインする、それ以外にプログラムを打つ工程もあるのか、と。なんとなくイメージできればいいんです。
業界ではコーダーや実装と言いますし、プログラマーは本来使わない表現かもしれません。でも、それは別にいいんです。
ボタンを押したら次のページが開く、ロゴをクリックするとトップページに戻る、『WordPress』の管理画面で文字を打ち込めるようにする。そういう中の部分を作る人ですよ、と伝えます。
業界用語は説明してもいいですが、「あ、そうなんだ」程度で終わりますよ。
できる限りわかる言葉を選ぶ。これはクライアントとどれだけ向き合っているかで変わりますし、やっぱり場数だと思います。
安心と信頼につながる言葉は、本心から
さらに、相手に安心や信頼、期待を抱いてもらうための言葉の選び方もあります。
お問い合わせをいただいて相談をして、ぜひ力になりたいと純粋に思ったら、「ホームページを通じてお役に立ちたいです。立たせていただけるととても嬉しいです」と伝えます。
これはゴマをすっているのではなく、純粋な気持ちです。
嘘だと、相手も人間なのでわかります。しかも事業をされている方は、なんとなく感づくはずです。だからこそ、本心で思っていることも伝わるんです。
相見積で、3つ4つ比較していると言われることもあります。全然いいんです。むしろ聞いてください、という感じです。
そういうときは、皆さん真剣に提案してくれると思うので、お客様にとって一番いいものを選んでほしい、と伝えます。
叶わなかったら、正直残念で寂しい気持ちもあります。それでも、お客様にとって一番いい選択をしていただけるなら、僕は満足できる。だから遠慮なく選んでください、と。
そう伝えると、ほんと考えてくれてるな、と思ってもらえるんです。他に決まっても、ごめんねという気持ちも多分ないと思います。
事業が拡大していけば付き合いも増えていくはずなので、2つ目の外注先のような形で、違うところで相談に乗れることもある。長い目で見ると良かったりもするんですよね。
「提案のチャンスを与えていただきまして、ありがとうございます」。この言葉は、結構僕言うかもしれません。
電話では「今いいですか?」より「ご迷惑でないですか?」
お仕事が始まってからも、言葉の選び方は続きます。クライアントは本業でお忙しいのが普通です。
僕から電話をして相手が出たとき、本業の最中に急いで取ったのか、デスクワーク中でいつでも対応できるのかは見えません。
だから僕は「今ご迷惑でないですか?」「今お話しして大丈夫ですか?」と聞きます。
「今いいですか?」でも失礼にはならないんですが、自分都合な感じに聞こえてしまうんですよね。「ご迷惑にならないですか?」のほうが、邪魔しちゃいませんか、そうなら遠慮なく切ってください、と相手に寄り添っています。
「5分ぐらい大丈夫っすか?」「3分いかがっすか?」と、何かしら相手に伝えることも意識します。
訪問の連絡も、「この日訪問させていただきたいと思っておりますが、よろしいでしょうか?」ではなく、「この日訪問させていただこうと考えているのですが、ご迷惑になりませんか?」と伝えます。これで全然違う訳です。
もっといい言葉もあるかもしれません。でも、相手への寄り添いがあれば多分自然に出てくると思います。
言葉を選んでいるというより、相手への配慮。相手に合わせて対応の仕方を選んでいるんです。
相手のことが見えていない状態では、言葉は選べないんじゃないかと思います。
僕がホームページ屋さんと名乗っているのも、相手がわかるからです。ダサいと躊躇する人もいますが、僕はホームページ屋さんだと相手に言えることに、誇りと自信があります。
ミスってもいい。場数と自分らしさ
場数を踏めば、意識しなくても身についていきます。
とはいえ、帰ってから「もっといい言い方あったのにな」「あれ失礼だったかも」と思うことは、僕もめちゃくちゃあります。僕はもう場数でそうなっていったんです。
だから、ミスってもいいんです。相手の役に立ちたい、全力を尽くしたいという向き合い方は、態度や表情に出ます。
それが伝わっていれば、多少言葉を間違えても「一生懸命になってくれてるし、まあいっか」となりますよ。
誰かが言っていた言葉を暗記するのではなく、相手がわかるか、安心や信頼、期待をしてくれるか。その視点で向き合えば、選び方は自ずと身についてきます。
このPodcastも、そんな訓練を含んでいます。いまは25分喋っていますが、最初の頃はこんなに話していなかったはずです。だから場数なんです。
ホームページ屋さんは個人なので、自分の色を持たせられます。ご自身の言葉、自分らしさでいいと思います。
それはAIでは生成できない人間らしさだと思うので、皆さんそれぞれの言葉の選び方をしてみてください。
最後に少しだけ。『ヤマジュク』は案件伴走の料金を、月払いから案件ごとのその都度払いに変えました。入会金税込11万円、月会費税込3300円は変わっていないので、AIで生成したLPをよかったらご覧になってみてください。『ヤマケン』も新しい案件が始まっていて、見学者を募集中です。
それではまた次回。ではではでは。
まとめ
僕にとって言葉の選び方は、相手への配慮そのものです。わかる言葉で、本心から、相手の都合に寄り添って伝える。その感覚は場数で身についていきます。
- メールは「お世話になっております」ではなく、時間に合った挨拶から始める
- ワイヤーフレームは設計図、コーディングはプログラミングと、お客さんがわかる言葉に置き換える
- 「今いいですか?」より「ご迷惑でないですか?」と相手の状況に寄り添う
- 言葉をミスっても、相手に向き合う姿勢が伝わっていれば大丈夫






