讃岐餃子とは何か
讃岐うどんは知っていても、讃岐餃子は初めて耳にするという人も多いかもしれません。讃岐餃子は商標も取得された正式なブランドとして、すでに存在しています。
讃岐餃子には、2つの条件があります。1つは「さぬきの夢」という小麦から作られた皮を使うこと。もう1つは香川県産の肉と野菜を使うことです。
この「さぬきの夢」は改良が重ねられ、現在は3代目の品種になっています。しなやかで弾力のあるコシ、もちもちとした食感、喉越しの良さが特徴だといいます。
讃岐餃子を打ち出しているのは、香川県中華料理生活衛生同業組合です。組合に所属する各店舗が、それぞれ独自のアレンジで提供しています。
小野寺さんは、組合の理事長を務める黄さんという女性に会い、「香川の中華」というパンフレットを受け取ったといいます。そこには讃岐餃子の店が紹介されていました。
よく見ると、中華料理店だけでなく、和食店やラーメン店の名前も載っていたそうです。香川県内のさまざまな店が「さぬきの夢」を使い、いろいろな餃子を作り始めています。
讃岐餃子は商標も取得され、香川県中華料理生活衛生同業組合が権利を持っています。県やメディアと連携したキャンペーンも行われており、万博で紹介したところ外国人にも好評だったと、黄理事長から聞いたそうです。
食べてきた讃岐餃子の実際
小野寺さんは、讃岐餃子を2店舗で食べてきたといいます。1つは黄理事長の店、中国料理北京です。
この店の餃子は2種類あり、どちらも「さぬきの夢」を使っています。肉には、オリーブを食べて育った香川県産の豚「オリーブ豚」を使っており、甘みを感じるお肉だといいます。
2種類はニンニクのありとなしです。ニンニクなしの方は、瀬戸内レモンを餡に入れたり横に添えたりした「讃岐産レモン餃子」というメニューでした。ありとなしを両方頼むと楽しめそうだと話します。
もう1店は、広東料理の中國酒家です。ランチで訪れ、香川県産の大根とオリーブ豚を包んだ水餃子を食べたそうです。
水餃子、本当にさっきも申し上げた通り皮がうまいんですよ、やっぱりね。
餃子の上には白髪ネギと生姜を乗せ、熱い油をジュッとかけて香りを立たせてありました。コシがあり、喉越しも水餃子でよく感じられる一品だったといいます。
讃岐餃子には水餃子の店も多いそうです。焼き餃子と水餃子の両方を頼んでほしい、水餃子の店にもぜひ行ってほしいと小野寺さんは勧めています。
讃岐うどんの定義と「うどん県」の歩み
ここで話は、讃岐うどんと讃岐餃子の違いへと移ります。かつて香川県は「どこ?」と言われるほど知名度の低い県だったといいます。
それをうどんという切り口で一気にPRし、讃岐うどんの町として認知を上げていきました。今ではうどん店の密度が全国一位です。
讃岐うどんには定義が用意されています。製法や加水率、食塩、熟成時間、茹で時間などに条件がつけられています。
「本場」「名産」「名物」「特産」といった言葉が添えられた讃岐うどんは、香川県内で製造されていることが条件になるそうです。逆に言えば、讃岐うどんという名前だけでは香川県産とは限らないことになります。
香川県のそば・うどん店は、人口1万人当たり5.08店舗で全国一位だといいます。食のインフラとして、うどんが愛されている県です。
県外の人が香川県に旅行へ来る動機の44.8パーセントは、讃岐うどんを食べに来ることだそうです。高松空港から高松駅までのバスも、半分以上が外国人だったと小野寺さんは語ります。
讃岐餃子を全国に広げるには
讃岐うどんと讃岐餃子は、「さぬきの夢」という小麦を共通して使っています。ただし運営する団体は分かれています。
本場讃岐うどん協同組合が中心となり、ブランド力の向上や技術普及、イベント主催などを行う
香川県中華料理生活衛生同業組合が商標を取得し、県やメディアと連携してPRを進める
讃岐餃子を全国に認知させるにはどうすればいいか。小野寺さんはまず、うどんと餃子で何が同じで何が違うのかをはっきりさせることが大事だと話します。
小麦粉までは共通になったので、食べ方の醤油や塩をそろえるか、皮を作る工程をどこまで一緒にするか、といった論点があります。
ただ、条件を厳しくしすぎると普及の妨げになりかねません。だからこそ「さぬきの夢」を使うところまでを条件にしているのではないか、と小野寺さんは推測します。
同じ農家が作った小麦や豚、野菜がうどんにも餃子にも使われている。そうしたストーリーを作っていくことも大事だと語ります。
うどん屋さんで餃子も食べられるとか、餃子屋さんでうどんも食べられるとか、同じ体験を同時にできるのが一番いいのかなと思います。
設備的には難しい面もあるため、香川県が集約して旗を振る役割がどこかに必要になるだろうと話します。うどんを食べに来た人のうち何パーセントが餃子を食べたか、それが重要な指標になるといいます。
地元に愛されることとライバルの効用
小野寺さんは、県外へのPRだけでなく、地元に愛されることの大切さを強調します。うどんも地元に愛されているからこそ、ここまで有名になったからです。
香川県民が讃岐餃子を身近に感じる機会を作る。飲食店だけでなく、スーパーで売られたり、街中でイベントが行われたりすることも重要だといいます。
もう1つ、小野寺さんが挙げるのがライバルの存在です。宇都宮と浜松の餃子が有名になったのも、互いにライバルがいたからだと語ります。
競い合ってると、見てる側としてはどっちか応援したくなるっていうのが心理でございまして。
その点で注目するのが、観音寺市の餃子の大英です。讃岐うどんの製麺機で打った皮で包む「讃岐うどんで包んだ餃子」を作っています。
2022年には、観音寺市と三豊市の店が競い合う「さぬき餃子グランプリin三豊・観音寺」も開催されました。この地域は香川県の西側で、県庁所在地の高松市は東側にあります。
東西で競い合って盛り上げていくのも面白いのではないか、と小野寺さんは提案します。利害関係が合っている今は難しいかもしれないと断りつつ、レフェリー役が必要ならいつでも行くと語ります。
今週のお取り寄せ餃子
今週のお取り寄せ餃子は、香川の2品です。1つは黄理事長の店、中国料理北京の餃子です。
おすすめは、レモンが入った讃岐産レモン餃子です。「さぬきの夢」を使ったコシのある皮で、茹でても焼いても美味しく、噛むと香川県産レモンの爽やかさがふわっと香るといいます。
もう1つは餃子の大英の「讃岐うどんで包んだ餃子」です。本場讃岐うどんの製麺所に弟子入りして技術を習得し、製麺機も受け継いだという店です。
母体はクリーニング店で、クリーニングと餃子の二刀流だそうです。本場讃岐うどんの生地を丸くくりぬいて手包みした、餡もしっかり詰まった小粒の美味しい餃子だといいます。
この2つを取り寄せて、食べ比べてみてほしいと小野寺さんは勧めています。
まとめ
讃岐うどんと比べながら、香川発の新ご当地餃子「讃岐餃子」を紹介した回でした。商標取得や展示会出展など、積極的にブランドを作ろうとする姿勢を、小野寺さんは楽しみに見守っています。
- 讃岐餃子は「さぬきの夢」の皮と香川県産の肉・野菜を条件とする、商標登録済みのブランド
- 運営団体はうどんと餃子で分かれ、共通点と違いを伝えることが全国化の鍵になる
- 地元に愛される仕掛けと、県内外でのライバル関係づくりが広め方のポイント
- お取り寄せは中国料理北京のレモン餃子と、餃子の大英の讃岐うどんで包んだ餃子の2品

