餃子とお酢の相性が良い3つの理由
小野寺さんはまず、餃子と酢の相性が良い理由を大きく3つ挙げます。
1つ目は、お酢の酸味が脂っぽさを和らげることです。
餃子の餡には豚や牛の脂分が練り込まれていて、焼くときにも油を使います。この脂が口の中に残ると脂っぽく感じてしまいます。
お酢の酸味はこの脂っぽさを和らげ、口の中をさっぱりさせてくれると説明されています。
酸味が脂肪分を分解して餃子の口当たりを軽くしてくれる。だから、より多く餃子を食べられるようになるということなんですね。
2つ目は、味のバランスを整えることです。
日本の餃子はおかずとして作られることが多く、餡の味付けが濃いめになりがちだといいます。塩や醤油、旨味成分などが加えられているためです。
この塩味や旨味と対照的な酸味を加えることで、味のバランスが整うとのことです。お酢ベースに醤油やラー油を合わせるタレも、同じ働きをしていると考えられます。
3つ目は、消化を助ける効果です。お酢は脂肪分の粒子を細かくするほか、胃の消化酵素の働きを活発にしたり、腸の蠕動運動を促したりして消化を早めてくれると話されています。
お酢が体にもたらすうれしい働き
消化を助ける以外にも、お酢には体にうれしい働きがあると紹介されます。
お酢にはデンプンの分解を遅らせる効果があり、血糖値の上昇を穏やかにしてくれるといいます。
さらに、お酢の酢酸は体内でクエン酸に変化します。クエン酸はミネラルの吸収をサポートし、疲労の原因となる乳酸を分解して疲労回復を助けてくれるとのことです。
体に良い栄養素は早く吸収し、そうでないものはゆっくり吸収させる。お酢にはそうした働きがあると小野寺さんは話します。
餃子に合うお酢の種類と選び方
では、どんなお酢がいいのでしょうか。小野寺さんは、基本的にどんなお酢でも餃子との相性は良いとしたうえで、お酢の種類を整理します。
スーパーで売られている主なお酢は、穀物酢、米酢、黒酢の3つです。
小麦やトウモロコシなどの穀物を原料にしたお酢。酸味が強くツンとくるが、価格が安いのがメリット。
米をベースにしたお酢。寿司などにも使われる。
玄米を原料にしたお酢。熟成期間が比較的長い。
これらはいずれも、お酒を造る工程をベースにアルコール分を酸味に変えていくため、作り方は基本的に似ているといいます。黒酢はそのなかでも熟成期間が長めです。
鹿児島には壺を地面に埋めて黒酢を造る「黒酢畑」があり、近くには焼酎の産地もあるそうです。お酢とお酒は近い親戚のような関係だと語られています。
小野寺さんがいつも使っているのは米酢です。なかでもおすすめとして挙げるのが、京都の千鳥酢です。
特に中でも、京都の千鳥酢っていうすごいまろやかなお酢なんですね。これオススメでございます。
バルサミコ酢や柑橘という選択肢
米酢以外にも、餃子に合うお酢はあると紹介されます。
1つはイタリアのバルサミコ酢です。ブドウを原料にしたお酢で、熟成させると高価になりますが、小野寺さんは安いもので十分だといいます。酸味と濃厚さが口に残り、餃子と相性が良いとのことです。
パラダイス山本さんは、バルサミコ酢にワインのカス(ワインパミス)を加えるのも美味しいと話していたそうです。
一方で、スペインのチェリー酒を原料にしたチェリービネガーや、フィッシュアンドチップスに使われるモルトビネガーなどは、癖が強く餃子を選ぶような気がすると小野寺さんは述べます。
お酢だけでなく、柑橘そのものを使う手もあります。レモンやライムの酸味にも同じ効果があるためです。
宮崎のへべ酢や、柚子を合わせた黒酢など、酸味と酸味を組み合わせて楽しむのも面白いと語られています。
お酢で餃子が剥がれやすくなる豆知識
最後に、餃子を焼くときにお酢を使う豆知識が紹介されます。
餃子がフライパンから剥がしにくいとき、お酢を入れると剥がしやすくなるといいます。
その理由は小麦粉のデンプンにあります。デンプンは蒸されるとベタベタしますが、お酢が加わると粘着力が弱まるため、餃子が剥がれやすくなるという仕組みです。
デンプンが蒸される
小麦粉のデンプンが加熱・蒸気でベタベタと粘着する
お酢を加える
酸味がデンプンの粘着力を弱める
剥がれやすくなる
餃子がフライパンから離れやすくなる
また、餃子の上からお酢をかけると、焼いた後でも餃子同士がくっついた状態を剥がしやすくできるとのことです。
まとめ
今回の「聴く餃子」は、餃子とお酢の相性をテーマに、味・健康・調理の3つの視点から解説する回でした。何気ない組み合わせに、意外な理由があることが語られています。
- お酢の酸味は脂っぽさを和らげ、味のバランスを整え、消化を助ける
- お酢はデンプンの分解を遅らせ、体内でクエン酸に変わって疲労回復もサポートする
- 餃子との相性はどんなお酢でも良いが、小野寺さんのおすすめは京都・千鳥酢の米酢
- バルサミコ酢や柑橘も選択肢になるが、モルトビネガーなど癖の強いものは餃子を選ぶ
- 焼くときや焼いた後にお酢を使うと、餃子がフライパンや餃子同士から剥がれやすくなる
