焼き餃子は「茹で蒸して焼く」料理
焼き餃子はただ焼けばいいと思われがちですが、正しくは茹でて蒸して焼くものだと小野寺さんは話します。
おいしい焼き餃子には「もちもち」「ジューシー」「パリパリ」という3要素があり、ただ焼いただけではもちもち・ジューシーにはならないといいます。
もちもちは皮の食感、東西で好みが分かれる
1つ目の「もちもち」は、皮がもちもちしていることを指します。小麦粉のもちもちした食感が、おいしい焼き餃子の大事な要素だといいます。
ポイントはしっかり茹で蒸ししつつ、茹ですぎないこと。小麦粉を練って伸ばすとラーメンのような麺になり、平たく丸くすると餃子の皮になります。餃子の皮も麺類なのです。
だからこそ、茹ですぎると麺と同じように伸びてぐちゃっとしてしまいます。ほどよく茹でるとコシがありつつ表面が滑らかな、つるっとした状態になります。
ラーメンに細麺と太麺があるように、餃子の皮にも薄皮と厚皮があります。小麦粉のブレンドによってコシや滑らかさも変わってきます。
地域によって好みも分かれます。東日本は厚い皮でコシのある餃子、西日本は薄皮で小ぶりの口溶けがいい餃子が好まれる傾向があるといいます。
厚い皮でコシがある餃子が好まれる傾向
薄皮で小ぶり、口溶けがいい餃子が好まれる傾向
ジューシーにもいろいろな種類がある
2つ目の「ジューシー」は、肉や野菜の細胞が蒸されて脂や水分が溢れ、皮に閉じ込められた汁のことです。肉汁と表現されますが、肉の脂だけでなく肉や野菜の旨味成分もたっぷり入っています。
餡を練るときのゴマ油や醤油の味付けも汁に混じります。一方で「肉汁餃子」と呼ばれるものには、豚や牛の脂がかなり多く加えられているといいます。
個人的にはこういう肉汁ブーストされたものはあまり好きじゃないんですけど、世の中的には肉汁たっぷりというものが喜ばれる方が多いので、脂肪分を加えている餃子が多いようです。
出汁や鶏ガラスープをゼラチンで固めて餡に混ぜ、ジューシー餃子とするものも多くあります。
これとは真逆に、脂肪分の少ない赤身肉を多く使い、肉の歯ごたえや食感を噛み締める餃子もあります。噛めば噛むほど肉の旨味が出てくるタイプです。
肉が多い餃子も野菜が多い餃子もあり、肉が多くても脂の多いものと少ないものがあります。ジューシーと一言で言っても種類はさまざまで、ここでも好みが分かれます。
パリパリは焼き餃子の一番大切な要素
3つ目の「パリパリ」は焼き目の食感のことです。焼き餃子という名前だけに、一番大切な要素だと小野寺さんは話します。
焼き目を「焦げ目」と呼ぶ人もいますが、小野寺さんはこれに否定的です。焦げは黒く炭化して苦味になった状態で、焼き目とは違うといいます。
正しい焼き目とは、黄金色で薄くパリッとして香ばしい香りがするものだと説明します。
このパリッとした焼き目は、科学的にはメイラード反応糖とアミノ酸が加熱で反応し、香ばしい香りと黄金色の焼き色を生む現象。パンや唐揚げなど幅広い料理で起きるで生まれます。パンケーキや唐揚げなどでも同じ現象が起きています。
水餃子はただ茹でただけのものですが、そこに香ばしい香りとパリッとした食感が加わることで、さらにおいしさを感じられます。
噛んだときの焼き目のパリッとした食感と、反対側のモチっとした食感。この食感のコントラストが、焼き餃子のおいしさの重要な要素だといいます。
焼き餃子と羽根つき餃子は日本で発展した
餃子はもともと、中国東北部で残った水餃子を焼いて食べたのがルーツだといいます。賞味期限が切れる前に焼いて食べようというところから始まりました。
これが第二次世界大戦中に満州などへ出兵した日本人が戦後に持ち帰り、焼いて提供したことで日本に広まりました。これが焼き餃子のルーツになっています。
世界には小麦粉で肉や野菜を包んだ料理が多くありますが、それを焼くのは意外にも日本以外ではあまりないそうです。焼き餃子は日本で発展した料理なのです。
羽根つき餃子も日本で生まれたものです。蒲田のニーハオ創業者である八木功さんが、中国で食べた羽根つき饅頭を見て発想し、生み出したものだと言われています。
羽がついていると見た目にもおいしそうで、焼き目とは違うパリパリ感が加わります。ここでも食感のコントラストが生まれるのです。
おいしさは最終的に「バランス」で決まる
もちもち・ジューシー・パリパリを語ってきましたが、餃子のおいしさが最終的にどこで決まるかというと、一言で言えばバランスだと小野寺さんは話します。
肉が多いか野菜が多いか、味付けが濃いか薄いか。餃子にはバリエーションがあり、好みも分かれます。その餡のおいしさを生かすのが皮の厚さや小麦粉の配合で、餡と皮のバランスが一番大事だといいます。
さらに、茹で蒸し加減と焼き加減で皮のもっちり感やパリパリ感が変わり、おいしさも変わってきます。
加えて、食べる側の健康状態でもおいしさは変わります。お腹の空き具合だけでなく、疲れているかどうかでも餃子のおいしさは変わってくるといいます。
結論として、おいしい焼き餃子は人それぞれ違い、食べる人と餃子のバランスもあるということでした。番組では、リスナーの要望に応えておすすめの餃子を紹介していきたいとしています。
餃子という字は「食で交わる」と書きます。いろいろ語ってきたなかで、小野寺さんは最後にそう締めくくりました。
まとめ
おいしい焼き餃子はもちもち・ジューシー・パリパリの3要素で語れますが、最終的には餡と皮、そして食べる人とのバランスに行き着く、という解説回でした。
- 焼き餃子は「茹で蒸して焼く」料理で、3要素はもちもち・ジューシー・パリパリ
- もちもち(皮)は東西で好みが分かれ、ジューシー(餡)にも肉汁系と赤身系など種類がある
- パリパリの焼き目はメイラード反応で生まれ、焦げとは区別される
- 焼き餃子も羽根つき餃子も日本で発展した料理
- 最終的なおいしさは餡と皮、食べる人とのバランスで決まる
