1970年万博と冷凍食品の登場
今回の主役は餃子ではなく冷凍食品です。小野寺さんは、1970年の大阪万博と2025年の大阪・関西万博を並べながら、冷凍食品が餃子文化にどう影響してきたのかを考えていきます。
1970年の大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」でした。約6400万人が来場し、当時としても世界的に大規模なイベントだったと話されています。
その大人数が訪れる会場で活躍したのが冷凍食品でした。あらかじめ工場で大量調理して冷凍し、会場の店舗で解凍・調理する方式が組み上げられたそうです。
この万博で冷凍食品として注目されたのが、当時「日本冷蔵」と呼ばれていたニチレイでした。
出展した「テラスニチレイ」では、冷凍食品を活用したハンバーグなどの洋食メニューが大勢の来場者に提供されたそうです。
ここで多くの人が「冷凍食品、意外といけるじゃん」と気づいたのがポイントだと小野寺さんは話します。まさに認知度アップのきっかけになった出来事でした。
餃子は目立たなかったが土壌は生まれた
餃子好きとしては、ここで餃子が大々的に登場したのか気になるところです。ですが調べた限り、餃子が特別目立った存在というわけではなかったようです。
ただし、冷凍食品が急速に普及するこの土壌が、後の冷凍餃子ブームの第一歩になっていると考えられると話されています。
その後、家庭用冷蔵庫の普及も進み、スーパーの冷凍食品コーナーが拡大していきました。その中で味の素やニチレイなどがこぞって冷凍餃子を開発します。
中でも1972年頃に市場へ出た味の素の冷凍餃子は大ヒットし、「家で手軽に美味しい餃子が楽しめる」という新しい価値を付け加えていきました。
さらに1993年からは冷凍のクール宅急便も始まり、今では全国各地から餃子をお取り寄せできるようになっています。
つまり万博で「大量の人に安全に美味しく提供できる」という実績が示されていなければ、冷凍インフラの拡大もここまで速く進まなかったのではないか、と小野寺さんは指摘します。
2025年万博で復活するテラスニチレイ
ここから2025年の大阪・関西万博の話に入ります。今年の万博テーマは「命輝く未来社会のデザイン」です。
すでに発表されている情報では、ニチレイフーズが55年ぶりに「テラスニチレイ」を万博で復活させ、会場内の「アーステーブル未来食堂」という施設に出店するそうです。
提供メニューには、凍ったまま食べられる新感覚の冷たい今川焼きや、皮や種まで使ったアセロラミックススムージーといった万博限定の冷凍デザート・ドリンクがあるとされています。
さらに冷凍チャーハンを自動調理するロボットも登場し、具材や味付け、卵の量、トッピングなどを来場者自身がカスタマイズできる企画もあるそうです。
こうした最先端の冷凍技術を体験することで、来場者は「便利」「美味しい」だけでなく、フードロス削減やサステナビリティに配慮された未来の食を実感できるのではないか、と話されています。
紹介はニチレイフーズ中心でしたが、出店する各社も「命輝く未来社会のデザイン」というテーマに基づいた食品を提供しているはずなので、いろいろ注目していきたいと小野寺さんは述べています。
2025年万博は餃子産業にどう効くか
ここからが小野寺さんにとっての本題です。2025年の万博が餃子産業にどのような影響を与えるのか、という問いです。
一番考えられるのは、「冷凍食品はサステナブルで未来型の食である」というイメージが、餃子を通して広がっていくことだと話されています。
冷凍餃子は、家庭でも企業でもフードロスを削減しやすい料理でした。家庭では食べきれなかった分を冷凍保存でき、廃棄を最小限にできるイメージはすでに広まっています。
餃子には大量生産・大量消費のイメージもありましたが、全国各地の職人が作る少量の餃子も流通できるようになっています。
この万博をきっかけに、サステナブルで未来型の食文化というイメージが餃子に乗って広がっていってほしい、と小野寺さんは期待を語ります。
家で手軽に美味しく食べられる、便利な冷凍餃子
フードロス削減やサステナビリティに配慮した未来型の食
冷凍餃子が世界へ広がる可能性
要点をおさらいすると、1970年の万博で大量調理システムに冷凍食品が活用され、世間に広く認知されました。
その後の冷凍インフラ拡大と家庭用冷凍庫の普及を背景に、冷凍餃子が日本中に浸透し、餃子業界の拡大に貢献してきました。これは今でも続く状況です。
そして2025年の万博では、最新の調理ロボットやサステナブルな冷凍メニューが脚光を浴びると期待されます。餃子産業にとっては、未来の食としての冷凍餃子が世界へ広がるチャンスになるのではないか、という見立てです。
万博をきっかけに来日した外国の人々が冷凍食品の魅力に気づき、海外でも冷凍輸送の技術が普及していけば、世界中で冷凍餃子を取り寄せられるようになるかもしれません。
餃子は肉の加工品のため海外への輸出が難しいものですが、現地で餃子を作って広めていくのがよいのではないか、と小野寺さんは話します。
万博の中や外でも餃子に関するイベントがあり、それが外国の人の目に届いて体験してもらえれば、餃子の面白い体験を海外に持ち帰ってもらえるのが一番嬉しい、と語っています。
万博の内と外で開かれる餃子イベント
最後に「今日の一言本題」として、大阪で開かれている餃子イベントが紹介されます。
まず万博会場の中には、大阪の飲食文化を結集させた巨大フードコート「大阪のれんめぐり~食と祭EXPO~」があり、そこに大阪王将が出店しています。
レギュラーの餃子に加え、万博限定メニューとして松阪牛和牛すき焼き餃子が提供されているそうです。値段は3粒で2300円で、お高いと話題になっているものの、観光地なのでぜひ楽しんでほしいと話されています。
万博会場の外では、大阪城公園で味の素冷凍食品の「味の素餃子ステーション」が開催されます。両国で話題になったイベントが大阪でも開かれるそうです。
期間は4月12日から7月13日まで。両国と同じく、お客さんに餃子を焼く体験をしてもらうイベントです。
予約ページが英語にも対応しており、外国人に餃子を焼く体験をしてもらおうという期待を感じるところだ、と小野寺さんは述べています。
まとめ
2つの大阪万博を軸に、冷凍食品が餃子文化に与えてきた影響と、これから期待される広がりを整理した回でした。過去の実績と未来の技術が、餃子を通してつながっていく様子が語られています。
- 1970年の大阪万博で冷凍食品が大量調理に活用され、認知度が大きく上がった
- 冷凍インフラと家庭用冷凍庫の普及を背景に、冷凍餃子が日本中へ浸透した
- 2025年万博ではテラスニチレイが55年ぶりに復活し、調理ロボットやサステナブルなメニューが登場する
- 冷凍餃子に「サステナブルで未来型の食」というイメージが重なり、世界への広がりが期待される
- 万博の内外で大阪王将や味の素餃子ステーションなど餃子イベントが開かれている

