役に立つ話ばかりだと、正直しんどい
英語の学習について調べると、どうしても「すぐに覚えられる」「すぐに使える」といった、役に立つことが前面に出ているように思います。
もちろん、すぐに使えた方がいいのは間違いありません。
でも、役に立つ情報って英語以外でもありふれていて、その場ですぐに消化しなきゃいけないものがたくさんあって、私自身ちょっと疲れちゃってるんですね。
だからこのラジオは、メモを片手に、という感じは目指していません。
全然役に立たない話ではないんだけど、なんとなく聞いていたい。でも全部が全部「役に立つ話」だとしんどい。そんな時ってありませんか。
私自身がそう思うので、私が聞きたいなと思えるものを取り上げていきたいと考えています。
「見る」がひとつなのに、英語にはlookとwatchがある
今回のLesson 121は、知覚を表す動詞の①として、lookとwatchが出てきます。
このlookとwatchには、私はめちゃくちゃ思い出があります。
どちらも日本語にすると「見る」ですよね。今の学生さんは「この2つは違うニュアンスがあるんだ」と習っているかもしれません。
でも私が学生の頃は、もう同じ「見る」だと思っていました。
簡単に言うと、lookは目を向けるという動作のこと。watchはその対象も含めて見ることを指しています。
たとえば「Look at this」「Look at me」と言いますよね。lookはあくまで目線を動かして、その先がどこかをatで示します。
一方で、私が英語を音読している様子を「じーっと見ていて」という時にはwatchを使うわけです。
同じ「見る」なんだけれども、やっぱり違いがあるんですね。
違いの暗記より、その「切り取り方」に目を向けたい
もちろん、この違いを細かく覚えることや、一緒に使われる単語まで踏み込むことも大事だと思います。英語力を上げて、会話で使えるようにするためには、やるべきことです。
でも私が今回いちばん伝えたいのは、そこではありません。
日本語では「見る」とひとくくりにされるものなのに、英語ではlookとwatchに分かれている、その事実そのものなんです。
当たり前じゃないか、と思うかもしれません。でも、目を向けるという動作と、じーっと対象を観察するという行為を分けている。英語はそういう切り取り方をしてるんだな、と。
よく「違う言語を学ぶことは文化を学ぶことだ」という話がありますよね。
これって、まさにその一例だと思うんです。文化というと大げさですが、英語を使う人のものの見方が表れていると思います。
英語を学ぶメリットの一つって、日本語では考えられない角度みたいなものを学べることだよなと、lookとwatchを見ると思い出すんですね。
だから皆さんも、この2つを見たときに、実利的なメリットを思い出しながらも「なるほど、こういう視点の違いがあるんだ」と感じてくれると嬉しいなと思います。
hard sellで気づいた、熟語の面白さと怖さ
同じLessonに出てくる表現で、もう一つ気になったものがあります。「hard sell」です。
hardもsellも、両方とも中学校で習う単語ですよね。だから知ってるはずなんです。
でも、この組み合わせが熟語として使われることを、私は今まで知りませんでした。皆さんはどうでしたか。
面白いのはここからで、私はこのLessonで学んだ2日後くらいに、また別のところでhard sellに出会ったんです。
ということは、たぶん今までもhard sellは出てきていて、私は出会っていたはずなんですよね。ただ、気づいていなかった。
なぜかというと、hardもsellも知っているからなんです。
両方とも知っているから、リスニングやリーディングのときに「hardだよね、sellだよね」とスルーしちゃってたんですね。
熟語って、面白くもあり、危ないところでもあると思うんです。
組み合わせで新しい意味が生まれる気づきにもなるし、まとめて使われたときに「あ、やったやつだ」と気づけるメリットもあります。
でも、その組み合わせを知らないと、スルーしたままになってしまう。つまり、その意味で使われていることに一生気づけないんですよね。
熟語は覚えなきゃ、と思う人はたくさんいると思います。要は、知ってりゃお得だし、知らなきゃ知らないまま。すごく当たり前の結論なんですけどね。
一人で気づけることには限界がある
Lessonを聞いている方は多いと思いますが、私が言ったことも含めて、自分だけが気づいたこと、自分はここが学びになったよ、というのは絶対にあると思うんです。
その学びを自分の中に留めておくのももちろんいいんですが、外に出すだけで景色が変わることがあります。
外に出すといっても、ブログを書いてくださいとか、YouTubeを撮ってくださいということではありません。
ちょっと口に出してみるだけで「同じことを思いました」「それってこれに関連ありますよね」ということが本当にたくさんあるんですね。
私はXでよく投稿するんですが、そこで顕著に感じます。やっぱり一人だと視野が狭いなと思うし、逆にいろんな人の視点が集まると、こんなに勉強になるんだ、と思うことがたくさんあります。
まとめ
lookとwatchも、hard sellも、覚えて役立てることは大事です。でも私は今、そこにある「英語ならではの切り取り方」に目を向けているときが、いちばん英語を面白いと感じています。皆さんはどんなところに気づきましたか。
- 同じ「見る」でもlookは目を向ける動作、watchは対象を含めて見ること
- 違いの暗記より、日本語とは違う切り取り方そのものに面白さがある
- hardもsellも知っているからこそ、熟語だと気づかずスルーしてしまう
- 熟語は知っていればお得、知らなければ意味に気づくことすらできない





