ネイルには、その人が正直に出る
この番組は、広島のネイルサロン「itsuka KIT DESIGN」代表・舩木いつかが、お店のお客様をゲストに迎えて対話する対談形式のPodcastです。
いつかさんは、ネイルを単なる装飾とは捉えていません。デザインを決める時間は、最近どうか、今どんな気分かといった話から始まることが多いといいます。
ネイルってただの装飾だと思われがちなんですけど、実はその人の考え方とか今の状態がすごく正直に出る場所だなと私は日々感じています。
仕事のこと、家族のこと、うまく言葉にできない気持ち。その会話の中でいつかさんが感じ続けているのが、指先にその人が出るという感覚です。
番組のねらいは、誰かの正解を教えることではありません。誰かの話を聞きながら、自分のことをそっと考えてみる時間になればという思いで開かれています。
2017年、ベビーカーを押して現れた出会い
第4回のゲストは、歴9年のあゆみさんです。いつかさんとの出会いは2017年の4月か5月ごろでした。
(お店が)すぐできて、すぐに多分ベビーカーを押して現れたはず。
当時、あゆみさんのお子さんはまだ生後半年ほど。お店にはいつかさんしかいなかったといいます。
あゆみさんは、プレオープンのときに一度来て、この場所は何だろうと思ったのではないかと振り返ります。店内にいつかさん一人だったことも、話しかけるきっかけになりました。
(当時は)ネイルに興味あったけど、何からやっていいのかがわからないから、行ってみようみたいな感じだったんだと思う。今考えたら結構勇気あったよなと。
ふじ色のサロペットに合わせた一色から始まったセルフネイル
出会いのあと、あゆみさんはセルフジェルネイルのレッスンに通うようになります。きっかけは、その日に着ていた服の色に合わせた一本のジェルでした。
その時に着てたサロペットの色が紫というか藤色みたいなので、その服に合う色をっていつかさんがおすすめしてくれて、その色を買ったの。
家に帰ってすぐ試したあゆみさんは、綺麗に見えることに面白さを感じてハマったといいます。そこからいつかさんのInstagramをフォローし、始まったレッスンに毎月のように通うようになりました。
あゆみさんは、ネイリストがセルフネイラーを増やすことを不思議に感じていたとも話します。
ネイリストなのに、こんな、セルフネイラー増やしていいのかよって。ちょっと珍しい人だなと思って。
当時のいつかさんは、セルフネイルの普及活動に力を入れていました。使っていたのは、初心者にも扱いやすいグランジェのジェルでした。
15秒でね、硬化もできて、左手をやっていたら、もう右手の時には疲れてるんよ。それがササっとできるから良かった気がする。
何があっても、誕生日の朝に予約する9年
9年たった今も、あゆみさんとサロンの関係は続いています。普段はジェルを自分で施しつつ、年に一度だけサロンに通う日があります。
普段はジェル自分でやってて、誕生日の7月だけは唯一私のご褒美として、終わったらすぐ予約して帰るっていう。
施術が終わると、その場で1年後の予約を入れて帰る。この恒例が8回ほど続いていると、あゆみさんは振り返ります。
いつかさんにとって、この予約は特別な意味を持っています。何があっても誕生日当日の朝に来てくれるあゆみさんの存在が、続ける支えになっているといいます。
あゆみさんだけですよ、1年後の予約してくれてるのは。すごいと本当に感謝してて。
年に一度しか会わなくても、話は自然と弾みます。子どもの年齢が近く、成長を一緒に見てきたことも、二人の距離を近づけてきました。
学校も近所も同じ、ネイルを超えたつながり
付き合いを重ねるうちに、二人は思わぬ共通点に気づきます。あゆみさんのお子さんと、いつかさんの子どもたちの学校が同じだったのです。
小学校とか中学校もうちの子供たちと同じだったりして、そういうのもね、後からわかったりとかして。
今日は、あゆみさんが初めていつかさんの自宅を訪れました。歩いてすぐの近さです。
めっちゃ近い。もう温まる前に着いたって感じだったけど。
これまで自宅に招かなかった理由について、あゆみさんは、いつかさんが生活感を出さないようにしていたからだと話します。子どものことも家のこともあまり語らない、謎めいた印象があったといいます。
(スタッフのさおりさんが)妖怪みたいな人じゃんって言って。それでも納得できるなって。いつもなんか新しいことするもんね。
このPodcast自体も、いつかさんにとっては新しい挑戦です。お客様と話す、ゲストを招く。やってみたかったことを形にしたものでした。
今日だから来られた、勢いの収録
収録の依頼は、当日の昼にいつかさんが頼み、その日の午後にあゆみさんが来るという急な流れでした。
あゆみさんは、日にちが空いていたら断っていたかもしれないと打ち明けます。時間が空くほど緊張感が増すからです。
日にちが開くとやめるって言いそうだったところを、なんか今日だったらいいよみたいなね。私も勢いあったなと。
台本を送られたりすれば、なおさら構えてしまう。だからこそ、準備の時間がないまま進んだ今日の収録が、かえって良かったといつかさんは受け止めています。
子どもと関係ないところでできた、ネイル友達
9年の付き合いは、あゆみさんに新しい友人関係ももたらしました。サロンを通じて、友達ができたのです。
この年になると友達ってそんなにできないし、できたとしてもママ友とかなのに。子供の関係ないところで友達ができるって珍しいなと。
誕生日のネイルの日に一緒に来る、いわば「ネイル友達」。年に一度、その日に集まって近況を交わす時間になっています。
(誕生日のネイルの日は)最近どう?っていうのがね、いい気がする。
お客さまとお店という距離感を保ちながら、子育てとは別の場所で人がつながる。ネイルが結んだ関係の広がりが、ここに表れています。
あゆみさんにとって、ネイルとは
最後に、いつかさんはあゆみさんに、ネイルとは何かを尋ねました。
あゆみさんにとって、ネイルって何ですか。
いつか さんからの質問
あゆみさんにとってのネイルは、自信につながり、自分のモチベーションを上げてくれるものです。10年間やめていないことが、好きである何よりの証だといいます。
いつかさんは、指先には本当にその人が出ると改めて語ります。忙しい日々の中でも、自分の指先を見ながら何かを感じるきっかけになればという言葉で、この回を締めくくりました。
二人の関係も、サロンと同じく10年目へ向かいます。また、より深めていけたらという思いを交わし、対談は終わりました。
まとめ
歴9年のあゆみさんとの対談は、ふじ色のサロペットに合わせた一色から始まったセルフネイルの記憶と、誕生日ごとに1年後の予約を入れる恒例を通して、お客様とネイリストが長く続けてきた関係を映し出す回になりました。
- あゆみさんとサロンの出会いは2017年、ベビーカーを押して現れたことがきっかけだった
- 服の色に合わせた一本のジェルから、あゆみさんはセルフネイルにハマっていった
- 普段は自分でジェルを施し、誕生日の日だけサロンに通う恒例が8回ほど続いている
- サロンを介して、子育てとは別の場所で「ネイル友達」ができた
- あゆみさんにとってネイルは、自信とモチベーションにつながるものだった







