準備に追われたSCAJ2026、平日でも人がいっぱいの会場
わさび農家の3人は、東京ビッグサイトで開かれたSCAJ ── 日本スペシャルティコーヒー協会が主催する、アジア最大級のスペシャルティコーヒーの展示会。生産国や焙煎所、器具メーカーなどが出展します2026に出展者として参加しました。収録はその出展を無事に終えた直後で、ひとしさんは「終わりましたね」と切り出しています。
SCAJ2026の準備は長く、書類の作成や持ち物の段取り、試飲用の商品づくりの多くをももさんが担いました。ももさん自身も、ここまで準備をして出展するのは初めてかもしれないと話しています。
そうだね、こんなに準備して出るのは初めてかもしれないね。
そうだね、結構バタバタして作ったところもあるし。
ひとしさんがねぎらうと、ももさんはこの後もやることはあるとしつつ、まずは出展が一区切りついて肩の荷が少し降りたと答えます。
会場の印象について、2人がまず挙げたのは人の多さでした。ひとしさんは初日に入場待ちの列を見て、平日のこの時間にこれほど並ぶのかと驚いたといいます。
平日のイベントでね、あれだけずっと人いるってすごいよね。
会期は水曜から金曜の平日3日間で、土曜日は一般開放もありました。3人のブースは土曜日には出展していませんが、ももさんは平日でもあれだけ混んでいたのだから、土曜日はどうなっていたのだろうと想像しています。ももさんは大変だったけれど楽しかったと、出展全体を振り返りました。
出展者パスと、奥多摩からビッグサイトへの東京横断
初めて出展者として参加したSCAJで、ひとしさんが印象に残ったのは出展者パスの便利さでした。ももさんによると、出展者は通路の左側をスルスルと抜けていけて、空いた時間に自由に他のブースも回れたそうです。
一方、たっちゃんは配送の仕事があるため、奥多摩とビッグサイトを毎日往復していました。奥多摩に誰か1人は残らなければならなかったためです。
みんな通勤で都市に行く人すごいなって。特に僕は電車(移動)パワー一番使いますね。
人が多いと体力削られてきますね。
ただし、たっちゃんの移動を確認してみると、電車を使ったのは4日中1日だけで、残りはすべて車でした。ももさんは、電車が大変だという空気を出しつつ、ふたを開けてみたらちゃんと回避していたと笑っています。たっちゃんは、4日連続で電車だったら向こうに泊まっていたかもしれないと話します。
奥多摩からビッグサイトまでは、東京の西の端から東の果てまでの移動です。ももさんによれば、電車だと状況によっては3時間ほどかかることもあるそうです。ひとしさんは、距離にすると意外に近いのに、大自然から海辺の大きな建物まで行く振り幅がすごいと話します。ももさんは、ビッグサイトの外では奥多摩ではまず嗅がない海の匂いがしたと振り返りました。
SCAJの会場には、ルワンダやコロンビアなど世界各地の生産国のブースがありました。ももさんは、ブースは見たものの細かくは見られなかったと話しています。
出展を通じて、東京ビッグサイトの構造も少しわかるようになりました。ももさんは、搬入や搬出をしてみて、駐車場や裏口からどう入るのか、どことどこがつながっているのかを知れて面白かったといいます。
そして何より、SCAJ2026の出展はさまざまな人の協力で成り立ったものでした。ひとしさんは、わさび農家だけではどうにもならなかったと感謝を口にしています。
そう、あらゆる方々の協力によって、これ(出展)は成り立っているので。
わさびコーヒー、わさびソーダのモクテル、わさびのかき氷
SCAJ2026のブースで3人が提供したのは、試飲や試食のための3つの商品です。1つ目は、普段フードトラックでも出しているわさびコーヒーでした。ももさんによると、わさびコーヒーはもう4年ほど提供していて、わさびがこういう形でも使えると知ってもらう狙いがあります。
2つ目は、新商品のわさびソーダに、それに合うコーヒーを混ぜたノンアルコールのカクテルです。ももさんはこれをモクテル ── 「モック(まねた)」と「カクテル」を組み合わせた言葉で、アルコールを使わないカクテルのこと。バーや飲食業界を中心に広まっていますと呼んでいましたが、意外と言葉が通じなかったといいます。
恐る恐るモクテル使ってる。意外と通じなかったので。
ももさんとひとしさんは、モクテルはバー関係の人ならわかるかもしれないが、一般的な言葉としてはまだまだだと話しています。
3つ目は、わさびのかき氷です。ひとしさんもももさんも、このかき氷がとても美味しかったと口をそろえます。ひとしさんは、SCAJが始まって以来、かき氷を出したブースも、わさび屋が出展したことも、おそらくないのではないかと話しています。
| 商品 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| わさびコーヒー | フードトラックでも出している定番 | 4年ほど提供している |
| わさびソーダのモクテル | 新商品のわさびソーダとコーヒーを混ぜたノンアルカクテル | 「モクテル」という言葉は意外と通じなかった |
| わさびのかき氷 | わさびを使ったかき氷 | SCAJで出したところはおそらく無い |
ももさんは、わさびとコーヒーの組み合わせに興味を持ってくれた人はとても多かったと振り返りました。
端のブースで見えた、角ブースとの差
3人のブースは、会場の南側でもさらに端のほうにありました。ひとしさんは、わさび農家が出ていることに気づかなかった人もたくさんいただろうとして、知ってもらうには出展を続けていく必要があると感じたそうです。
ブースは角ブースと角ブースに挟まれた真ん中の位置でした。ももさんは、両隣の角ブースにすごく人が集まっていたので、そのついでに人が寄ってくれたかもしれないと話します。
角じゃないと見えないですよね。角ブースじゃないと。
ももさんによると、角ブースは追加の料金を払えば取れる位置です。たっちゃんは、角のブースは見せ方がうまいと感じたといい、ももさんも角のメーカーやブランドは全体的にいい感じで参考にしたいと話しています。たっちゃんは、ああした装飾はイメージを業者に渡して頼んでいるのだろうと見ていました。
自分の部署であれ考えるところないとああはならないよね。
ひとしさんが今回初めて知ったのは、ビッグサイトの床がコンクリートの打ちっぱなしで、出展者が絨毯を張っていることでした。ももさんによると、床材はオプションで選べ、フローリングを張ったブースや、色を選んだブースもありました。壁一面に大型モニターをつなぎ合わせたブースもあったそうです。
驚いたのは撤去の早さです。最終日は4時に終了しましたが、その途端に業者が一斉にやって来て、パネルをどんどん外し始めたとももさんは話します。ひとしさんは、ブースが出来上がるところから撤去までを一通り見られてよかったと振り返りました。
コンクリートの床で長時間過ごしたため、ももさんは足が少し痛くなったそうです。ひとしさんは、歩く途中で隣のブースの床に足を踏み入れるとふわふわしていて、こういうところにもちょっとずつの違いがあると感じたといいます。
やっぱりなんか俺らもイベントみたいなことを少しやるじゃん、たまに。例えばあの学校の授業行ったり、今年だとICC出てみたりとか。
ひとしさんは、学校の授業や路面店への出店とは違う、展示会向けのブースのセッティングや調整が必要だと感じたと話します。実際、3人は会場でバックスクリーン用のバナーとテーブルクロスを逆に使い、テーブルクロスを壁にかけることになりました。テーブルクロスのサイズが壁にちょうどよかったそうです。
ほかの出展者の撤収も観察していました。ももさんは、装飾の撤収を自分たちでしている出展者はあまりおらず、商品が多いところは自分たちで梱包していたと話します。ひとしさんは、アフリカの民族的な竹細工のような物品を持ってきていたブースを見て、物が多いと梱包が大変だと感じたそうです。
たっちゃんは、自分たちのように紹介や次につなげることが目的の出展と、販売が目的の出展の違いに触れました。売る店はどれだけ売れるかわからず余分に持ってくるため、搬出が大変だろうというのです。ひとしさんによると、1階はBtoB ── 企業間取引のこと。展示会では、来場する企業担当者に向けて商品や設備を売り込む出展を指します向けの出展が中心で、4階のコーヒービレッジという小さな区画にはお店がたくさん並び、どちらかというと販売寄りの雰囲気だったそうです。
「意外と合う」と変わる表情と、Gotta Coffeeとのチーム奥多摩
SCAJ2026で印象に残った場面を聞かれ、ももさんが挙げたのは、わさびコーヒーを飲んだ人の表情でした。多くの人が恐る恐るわさびコーヒーを手に取り、意外と合うと言っていたそうです。
そう、みんなの表情がね。こう変わるのが面白かったね。
たっちゃんは、わさびは辛いというイメージが刷り込まれすぎていることが、その驚きにつながっていると考えています。ももさんも、わさびには寿司や和食のイメージがあると応じました。
今回出したわさびコーヒーは、一番シンプルなバージョンでした。ももさんによると、普段はシロップなども一緒に入れますが、会場のオペレーションも考え、今回はわさびを入れるだけにしたそうです。それでも美味しく仕上がったのは、豆がいいからだとももさんは話します。
わさびコーヒーの豆は、奥多摩駅2階のGotta Coffeeに選定から焙煎までお願いしています。SCAJ2026では、Gotta Coffeeが特別協力としてブースに立ち、一緒にいろいろと手伝ってくれました。Gotta Coffee自身もSCAJの出展者です。
ももさんによると、補助金の関係で今回は連名での出展はできませんでした。ひとしさんは、いつかGotta Coffeeと一緒に出展したいと話しています。
チーム奥多摩を感じたよね。
ひとしさんは、もともと仲がいい相手だとは思っていたものの、SCAJへの出展がより近くに感じるきっかけになったと振り返ります。出展そのものが、チームワークを作る遊びのようだったというのです。
ひとしさんがうれしかったのは、Gotta CoffeeのInstagramのストーリーズに載っていた内容でした。3年ほど前、ももさんが「わさびと合うコーヒーはないですか」と相談したところから始まった関係が、こうしてSCAJに一緒に関わる形になった、という話です。
「なんでわさびとコーヒー?」と聞かれて振り返ったきっかけ
SCAJ2026の会場で、ももさんはお客さんにわさびコーヒーのエピソードを聞かれ、Gotta Coffeeのやすこさんと一緒に、本番中に一生懸命思い出す作業をしたといいます。
ももさんは、以前ICCに出たときと同じように、始めたきっかけや、どういう思いで始めたのかを改めて思い出したり考えたりする機会になったと話しています。来場者が「なんでわさびとコーヒーを合わせようと思ったんですか」と聞くのは、自然なことだというのです。
たっちゃんは、そもそも多くの人が、東京でわさびが育てられていることも、3人がわさび屋をしていることも知らないと補足しています。
ももさんは最初、わさびを育て始めたことと、自分がコーヒー好きで勉強を始めたことが重なって合わせてみた、とざっくり説明していました。けれど、よく考えてみると、フードトラックを始めてコーヒーを出したいと思ったときの気持ちが本当のきっかけだったといいます。
わさびとコーヒー
わさびを育て始め、ももさんはコーヒーが好きで勉強も始めていた
フードトラック
フードトラックでコーヒーを出したいと考えた
わさび食堂として
ただコーヒーを売るのではなく、わさびが入っていないとわさび食堂とは言えないと感じた
わさびコーヒー
わさびを入れられるコーヒーを作ることにした
ひとしさんによると、最初は「モモコーヒー」のような別のコーヒー屋の名前も考えていました。ももさんは、ニュージーランドを拠点にしたコーヒー屋にしようと思っていて、マオリの言葉で使えそうな単語を調べていたそうです。オセアニアで人気のフラットホワイト ── エスプレッソにきめ細かく泡立てたミルクを注ぐコーヒー。オーストラリアやニュージーランドが発祥とされていますも出していました。
奥多摩周辺には、マオリの言葉を店名にしているアウトドアショップもあります。御岳のマウンガなどがその例だと、ひとしさんとももさんは話しています。
SCAJ2026には、ニュージーランド好きの来場者も訪れました。ももさんがもらった名刺の裏には、ニュージーランドの鳥ファンテイルが描かれていたそうです。ニュージーランドでガイドをしていたももさんが話してみると、同じ時期にニュージーランドにいたことがわかりました。
ちなみに、ももさんの一押しの鳥はカカポ ── ニュージーランド固有の大型のオウム。夜行性で飛べず、絶滅の危機にあり、保護活動が続けられていますです。ももさんは、すごく可愛いからぜひ調べてほしいと話しています。
「モモコーヒー」という名前は、ちょうど同じころ奥多摩で同じ名前を使って出店していた人がいたため、見送ることになりました。ひとしさんは、そうした流れの中で、わさびとコーヒーの組み合わせで出していこうとなったと振り返ります。
会場では「なんでわさびなの?」「なんで入れるの?」と聞かれることもあり、人によっては「もったいない」と言われたそうです。そういうとき、3人は「面白いんですよね」と答えていました。
いやもうその時はもうなんだかんだやっぱ必殺技の俺たちの。いや面白いんですよねって。
ひとしさんは、わさびにもコーヒーにも食べ方や飲み方の決まったイメージがあるため、組み合わせることで新しい提案になり、違う層にアプローチできると説明していたといいます。ただし、それは後付けの部分もあり、根本的なきっかけは「ちょっと出してみよう」というようななんでもないところが多いと話しています。
たっちゃんは、わさびとコーヒーの業界をちょっとずつ行き来しながら、いろんな層からファンを連れてこられたらいいと話しました。ひとしさんとももさんは、自分たちが大事にしているのは「わさびで世界をつなぐ」ことだと確かめ合っています。
出展直前のテレビ放送と「この前出てなかった?」の声
SCAJ2026の出展直前には、3人がテレビ番組「帰れマンデー」に出演した回が放送されました。ももさんは、ナイスタイミングでテレビに出られたと話しています。
いつもの感じだと、2、3分出たらラッキーかなぐらいと思ったら、冒頭から出していただけたので。
番組では、わさびのマークを隠したクイズ仕立てで紹介されていました。会場では「番組を見ました」と声をかけられ、一緒に写真を撮ったお客さんもいたそうです。たっちゃんによると、その人はお母さんがすごく好きだから見せてあげたいと話していました。
ほかにも「この前出てなかった?」と声をかけてくるお客さんが多かったといいます。ひとしさんは、これまでの少しずつの積み重ねが、ふんわりとみんなの記憶に残っていると感じたそうです。
この(記憶に)残ってるところで都心にこういったイベント出店はいいかもしれないですね。
ひとしさんは、顔が浮かぶくらいまで覚えてもらえたら強いとして、わさびブラザーズと東京わさびの名前を広めたいと話します。ただ、ひとしさんは同時にももさんを前面に押し出したいとも言い、ももさんからは「ブラザーズ頑張ってよ」と返されていました。
ひとしさんによると、実は取材の最初の話は、移住して頑張っている人というテーマでした。けれど放送回の大きなタイトルは、行列のできる店の特集のような内容になっていたそうです。ひとしさんとたっちゃんは、行列にならないときもある自分たちを、その枠に入れてもらえたことに感謝していました。
新商品を探す会場で、わさびが与えた違う種類の衝撃
たっちゃんは、SCAJ2026の会場では周りの人が新商品を探している印象を受けたといいます。そのうえで、わさびとコーヒーの組み合わせが、来場者に違う意味での衝撃を与えられていたらうれしいと話しています。
ひとしさんは、コーヒーのブースが並ぶと、味にそれほど敏感ではない自分には差がわかりにくくなると話します。その中でわさびがあると「あれ、どうしたの?」という興味や関心を引くのではないか、というのがひとしさんの見方です。
いないよ。だってもう今後わさび農家さんが出る可能性ってかなり低いよね。
たっちゃんが感じたのは、既存のコーヒーの競争は飽和状態で、予算勝負になりやすいということでした。予算のある出展者は、いいデザインのブースを作り、いいバリスタを時間ごとに配置して商品を知ってもらえるからです。
いいデザインのブースや有名なバリスタで列を作る
わさびとコーヒーの組み合わせで、商品開発のヒントとして立ち寄ってもらう
たっちゃんは、わさびとコーヒーの組み合わせを見て、商品開発に使えるのではないかと立ち寄った人が多かったのではないかと考えています。ももさんは、有名なバリスタが入る大きいブースには当然列ができると話し、ひとしさんは、自分たちも発信力をつけて、目当てに来てもらえるようになりたいと話しました。
すっきりしたわさびソーダと、抹茶と間違えられたわさびパウダー
ひとしさんが特に気になったのは、わさびソーダの出来の良さです。コーヒーと合わせたノンアルコールのドリンクは、すっきりしていて飲みやすかったといいます。
思ったよりやっぱすっきりするのと、これ(わさびソーダ)をお酒と合わせても美味しいんだよね。絶対。
ももさんは、バーテンダーにも試してもらいたいと話します。ただ、会場ではバーテンダーの来場は思ったより少なかったそうです。ホテル関係の人は来ていたものの、端にある3人のブースまでは来ず、4階に向かったのかもしれないとひとしさんは推測しています。
わさびのかき氷も好評でした。ももさんによると、かき氷の準備や調理はすべて協力者に担ってもらっていて、3人は一切手を触れていません。限られたスペースで水や冷蔵庫の配置を考える必要があり、初日には水漏れもありましたが、すぐに直ったそうです。
かき氷にかけたわさびパウダーは、来場者から「これ抹茶じゃないんですか」と聞かれることもありました。たっちゃんは、ティラミスのココアパウダーの代わりにかけても美味しそうだと思ったといいます。
ももさんは、抹茶やココアを使うデザートはわさびに置き換えていけると考えていて、甘いものと合わせるとちょうどいいと改めて感じたそうです。ひとしさんは、かき氷を出せる店舗が切実に欲しいと話し、ももさんは来年の新メニューになるかもしれないと応じました。
かき氷の氷も、三重から取り寄せたこだわりのものでした。ひとしさんは、溶けた水を飲んでもすごく美味しかったと話しています。
キッチンカーとの環境の違いと、思ったより少なかった海外の来場者
SCAJ2026を終えて、ひとしさんが改めて感じたのはキッチンカーの大変さでした。夏の暑い中でキッチンカーを営業する人に比べると、今回の作業環境は快適だったというのです。
暑い中での営業で、環境が厳しい
人が多くても空調が整い、温度と湿度が比較的安定していた
ももさんも、ずっと話したり作業したりして忙しかったものの、暑い中でフードトラックをするよりはかなり楽だったと話しています。たっちゃんは、空調管理がありがたかったと付け加えました。
一方で、ももさんは海外からの参加者が思ったより少なかったと感じたそうです。たっちゃんによると、来場者では2〜30%が海外の人という印象だった一方、出展者では思ったより少なかったといいます。
3月にビッグサイトにキッチンカーで行った時に、それ(情勢の影響)で60店舗ぐらい取り消しになっちゃったから。
たっちゃんは、その名残もあるのではないかと話しています。ひとしさんは、もとになる大会が違えば影響の出方も違うのかもしれないと応じました。
SCAJをきっかけに広がる、わさびでつながる世界
締めくくりに、ひとしさんは「奥多摩のわさびを世界へ」というテーマを掲げてきた中で、SCAJ2026への出展で少しは世界に発信できたのではないかと話します。わさびで奥多摩や東京を面白くするという取り組みが、少しずつ実を結び始めているというのです。
ひとしさんは、「つなぐ」という言葉にはいろいろな意味があると話します。SCAJ2026の出展も、多くの人の協力と新しい出会いによって成り立ちました。ひとしさんはもともと、ももさんに「早く出なよ」と出展を勧めていたそうです。
で、それ(出展)がこうやってできるのって、すごい面白いっていうかさ、いい体験だし、思い出になったから。
ただ、来年はSCAJ自体が開催されません。ももさんによると、コーヒーの世界大会のようなワールドコーヒーカンファレンスが、初めて日本で開かれるためです。出展者の募集は始まっていますが、出展するかはまだ検討中だといいます。
会場では、ももさんがコーヒーの学校に通っていたころの仲間とも久しぶりに会えました。教わった先生のブースの前で全員がそろったものの、結局コーヒーは飲まずに話して写真を撮り、解散したそうです。ももさんは、それぞれがコーヒー関係で頑張っていて、今もつながっているのはいいことだと話しています。
ひとしさんは、わさびを通じて出会いや世界が広がり、いろんなものとつながれている感覚があると話します。今後も、どうすれば面白くなるかを考えながらつながっていきたいといいます。
最後に3人は、ブースを一緒に手伝ってくれた人たちへの感謝を伝えました。たっちゃんは、SCAJで話した人が早速奥多摩まで来てくれたことにも触れています。ももさんは、今回のメンバーを「ベストメンバーだったんじゃないですか」と振り返りました。
まとめ
わさび農家の3人にとってSCAJ2026は、わさびとコーヒーの組み合わせで来場者を驚かせただけでなく、わさびコーヒーを始めたきっかけを見つめ直し、Gotta Coffeeや協力者との絆を確かめる場になりました。わさびを通じて人や世界とつながるという手ごたえが、次の挑戦への意欲につながっています。
- わさびコーヒー、わさびソーダのモクテル、わさびのかき氷を提供し、多くの来場者が「意外と合う」と表情を変えた
- わさびコーヒーの原点は、わさびが入っていないとわさび食堂とは言えないという思いだった
- 豆を手がけるGotta Coffeeと一緒にブースに立ち、「チーム奥多摩」を実感した
- 出展直前のテレビ放送もあり、これまでの積み重ねが来場者の記憶に残っていると感じた
- 予算勝負になりやすい会場で、わさびとの組み合わせは新商品を探す人の関心を引いた





