そもそも「受け手の姿勢」とは何を指すのか
今回のテーマは、受け手の姿勢によって縄のかかり方が大きく変わる、という話です。
姿勢といっても全身にさまざまな部位がありますが、入り口となるのは上体、つまり上半身の姿勢だと説明されています。
緊縛を学び始める人は、まず後手縛り ── 両手を背中側で縛る基本的な縛り方。緊縛を学ぶ際の入り口として扱われることが多いから入ることが多いといいます。その後手縛りを受けるときに、受け手がどんな姿勢をとっているかが鍵になります。
端的に言えば、いわゆる猫背・巻き肩のまま縄を受け取るのか、体を起こして胸を張らせた状態で縄をかけるのかということです。
どの姿勢が「正解」なのか
どの姿勢を良しとするかは、流派によってさまざまな考え方があります。そのため、これが正解だと言い切れるものではないと前置きされています。
ただし、その姿勢に適した縛り方というものは存在します。つまり、姿勢と縛り方はセットで考える必要がある、ということです。
たかせさんが教える縛楽式では、受け手の姿勢を縛り手側がコントロールすることを前提にしていると話されています。
姿勢は「お願い」ではなく縄のかけ方でつくる
縛楽式では、後手縛りをかけるときに必ず体を起こさせ、胸を開いて肩甲骨を寄せさせる状態を作ります。
ここで特徴的なのは、その姿勢を受け手に言葉でお願いするわけではない、という点です。
縛り手主導で、受け手さんにこういう姿勢にしてくださいってお願いをするわけではなくて、縛り手側の縄のかけ方で、その姿勢もコントロールしていく。
縄のかけ方そのものによって、縛楽式が理想とする姿勢を作っていくという考え方です。
一方で、受け手の姿勢はあくまで自然なままとし、縛り手側でコントロールはしないという考え方の流派もあると紹介されています。
縄のかけ方で受け手の姿勢を作り、毎回近い状態で縄を扱えるようにする
お客さんの姿勢は自然なままとし、その姿勢に応じて縄のかけ方を変える
姿勢が変わると縄のかかりはどう変わるか
受け手の姿勢を制御しない場合でも、そのときにお客さんがどんな姿勢をとっているかは人によって変わります。
当然、その姿勢に合わせて縄のかけ方も変えていく必要があります。
そうしないと、姿勢の違い一つで縄のかかりが変わってしまうからです。
結果として、リスクが上がってしまったり、効くべきテンションがうまく効かなかったりといったことが起こると説明されています。
後手縛りだけの話ではない——全身に共通する理屈
これは後手縛りに限った話ではなく、全身どこにおいても同じだと話されています。
姿勢が一つ変わるだけで、筋肉の状態や関節の可動域、骨の位置まで、まったく違う状態になるといいます。
骨の位置や筋肉の伸び具合が変わることで、本来効かせるべきところにテンションが効かなかったり、逆に効かせてはいけないところにテンションや圧力がかかってしまうこともあります。
だからこそ、テンションがかかったときに体がどういう状態になるのかを踏まえ、その状態に合わせて縄のかけ方や動き方を変える必要があるのです。
なぜ「姿勢をつくってしまう」のか
ただ、この見極めは非常に難しいと率直に語られています。人間の体の可動域や筋肉の付き方、骨の構造などを高度に理解していないと、状況に応じてかけていくのはかなり難しいというのが本音のようです。
そこで縛楽式では、そもそもこういう姿勢にしてください、と縛り手側で姿勢をつくってしまいます。
理由は、毎回近い状態で縄を扱えるようにするためです。基本的に同じような姿勢で縄がかかっていくようにすることで、扱いやすさと再現性を確保しているわけです。
毎回相手によって、その日によって、状態によって変わってしまう姿勢を見切りながら、適切に縄をかけていくというのは相当難易度が高いのではないかなと思っています。
難しくても無視できない、安全性という核心
いずれにしても大切なのは、どういう状態にしたいのか、どういう状態になればより良いのかを理解することだとまとめられています。
ここでの「良い」には、安全性の面と、受け手にかかる効果の面の両方が含まれます。
理想的な状態を理解したうえで縄をかけ、テンションをかけていくことで、緊縛という状態を作っていくことになります。
今回の話は難易度が高いかもしれないと本人も認めつつ、それでも触れておきたい理由が示されます。
まとめ
受け手の姿勢は、猫背・巻き肩か、胸を開いた状態かだけで縄のかかり方を別物にします。縛楽式では縄のかけ方そのもので姿勢を作り、再現性と安全性を確保するという考え方が示されました。
- 受け手の姿勢一つで、縄のかかり方は別物と言えるほど変わる
- 姿勢が変わると筋肉・関節・骨の位置も変わり、テンションのかかり方が変化する
- 縛楽式は、言葉でお願いするのではなく縄のかけ方で姿勢を制御する
- 姿勢を作ってしまうのは、毎回近い状態で縄を扱えるようにするため
- 難しくても、安全性に直結するため無視できないテーマである




