そもそも「テンション」とは何を指すのか
この配信では繰り返しテンションの話が出てきますが、たかせさんはテンションを複数の要素の複合として捉えています。
縄にかける張力であり、その先で受け手にかかる圧力であり、その圧力によって生じる摩擦でもある。それらをまとめて緊縛では「テンション」と呼んでいると説明されています。
そしてこのテンションこそが、緊縛では非常に重要だと話されています。
縄にテンションがかかっていなければ、緊縛として構造的に成立しなくなったり、安全面でのリスクが上がったり、受け手の体感的な効果も下がってしまうといいます。
初心者がやりがちな「入れたそばから緩ませる」問題
テンションをかけることと同じくらい、かけたテンションを逃さないことも必要になります。ところが初心者は、縄をかけていくそばからテンションを緩ませてしまいがちだといいます。
一つ一つの操作のたびにテンションが緩んでいき、最初に入れたテンションを維持できないまま先に進んでしまう。
その結果、仕上がった状態がテンションの効いていないグズグズの状態になってしまうことが多いと指摘されています。
要領のいい人のなかには、緩むことを踏まえて最初から強めにテンションを入れておく人もいるそうです。ただし、それは理想的な解決ではないと話されています。
なんとなく無意識に緩んでしまう前提で強めに入れておくと、逆に緩まなかったときにテンションが入りすぎてしまうリスクも生じるからです。
たかせさんが理想とするのは、狙ったテンションを入れて、それをきちんとキープするという状態です。そのほうがイレギュラーが起きにくいといいます。
縄が緩む代表例は「持ち替え」と「継縄」
では、なぜテンションが緩んでしまうのか。たかせさんは具体的な場面を挙げていきます。
まず多いのが、縄を持ち替えるときに緩ませてしまうケースです。ここで「送り側」と「掛り側」という区別が出てきます。
持ち替えるときに送り側を掴んでしまうと、持ち手と持ち替えた手の間の緩みが、そのままテンションの緩みにつながってしまうといいます。
そのため縛楽式では、持ち替えるときはテンションの効いている掛り側を取るように教えているそうです。
特に縄同士が交差して縄の裏を通すようなときは、送り側のほうが取りやすいために、つい取ってしまいがちだと注意を促しています。
もう一つ多いのが継縄のときです。新しい縄を持ってきてそれを操作している間に、元々かかっている縄への意識が薄れて緩ませてしまうといいます。
さらに、強いテンションを入れようとして手元に意識が向いたとき、元々かかっていた縄のテンションが抜けてしまうこともあると挙げられています。
持ち替え
送り側を掴むと持ち手との間に緩みが生まれる
継縄
新しい縄に集中して元の縄への意識が薄れる
強いテンションを入れる時
手元に意識が向き元の縄が抜ける
入れている本人はテンションを入れているつもりなのに、実は緩んでいる。そういうことが非常に多く起きていると話されています。
「一度かけた縄は緩ませない」という意識を持ち続ける
たかせさんは、これは精神論的で整理のよくない話だと前置きしつつ、まず大事なのは意識だと語ります。
新しい縄を継ごうが、持ち替えだろうが、何をしていようが、一度かけたテンションは逃がさない。それを強く意識し続けることが必要だといいます。
この意識が抜けてしまうと、緊縛の精度はどんどん落ちていってしまうと注意を促しています。まずは意識の問題だという点が強調されています。
摩擦が効く方向へ引く、という細かなテクニック
意識だけでなく、細かなテクニックもあると続きます。以前の継縄の回でも触れたような話です。
継縄をするときは、直近の受け手の体や縄にしっかり摩擦をかけて、摩擦が効く方向に縄を引くのがポイントだといいます。
通常、縄を運ぶときは進行方向に対して引っ張りの力を入れていきます。一方で、継縄のように縄を運ぶ以外の操作をするときは、あえて方向を変えるのだと説明されています。
摩擦がより強くかかる方向へ縄を引っ張り、その摩擦力でテンションが逃げないように維持しながら操作する。そういうテクニックです。
縄の進行方向に対して引っ張りの力を入れる
摩擦が強くかかる方向へ引き、テンションを逃がさない
ただし、どちらに引けば摩擦がかかるかは、その状況によって変わります。ケースバイケースなので一概に解説するのは難しいと話されています。
やることは共通していて、摩擦がなるべくかかる方向に引いて、その摩擦力で縄が緩まないようにするという一点です。
元々受け手にかけている縄が、いかにずれず、摩擦が効いて状態がキープされたまま次の操作に入れるか。それを意識していくと緊縛が安定してくるとまとめられています。
まとめ
テンションはかけるだけでなく、逃さないことが同じくらい重要です。持ち替えや継縄など緩みやすい場面を知り、意識と摩擦の使い方でテンションを維持することが、緊縛の安定につながると語られた回でした。
- テンションは張力・圧力・摩擦の複合であり、緊縛の成立と安全性・体感効果を左右する
- 持ち替えのときは送り側ではなく、テンションの効いた掛り側を取る
- 継縄や強いテンション入れの場面では、元の縄への意識が薄れて緩みやすい
- 一度かけた縄は緩ませないという意識を、どの操作中も持ち続ける
- 運ぶ以外の操作では、摩擦が効く方向へ引いてテンションの逃げを防ぐ




