この配信で扱う「緊縛の技術」とは
たかせ秦之助さんは、東京・新宿で緊縛教室「縛楽式」を運営する縛師です。この配信では、教室で教えている内容をもとに、緊縛の技術についての考え方やコツを解説しています。
冒頭でたかせさんは、緊縛にはアダルトなイメージが強いものの、あくまで表現やコミュニケーションの手段だと断っています。
実際には必ずしもアダルトな行為に用いられるものとは限りません。
この配信で扱うのは汎用的な技術であり、アダルトな内容は含まないとしたうえで、今回のテーマ「点と点とを引きつけ合うテンションの考え方」に入っていきます。
テンションには「効かせやすい」考え方がある
たかせさんによれば、緊縛におけるテンションはこのポッドキャストで繰り返し扱ってきたテーマで、その考え方は1つではありません。場面ごとに適切な方法論を選ぶものだと話します。
そのなかの1つとして紹介されるのが、点と点を引きつけ合うイメージを持つとテンションは効かせやすいという考え方です。テンション ── 縄の張り具合や引き合う力のこと。緊縛では、この張力の方向や強さで受け手の姿勢や固定の効き具合が決まる。
縄がかかる「点と点」がテンションを生む仕組み
たかせさんは、縄の摩擦がかかっているポイントを「掛り点」と呼んでいます。テンションがかかるポイントがあり、そこから縄を運んでいくと、その先にまた次の点があるという構造です。
この縄の掛かり始めの点と掛かり終わりの点が、縄によって繋がれて引き合う。それによってテンションが効く状態ができるのだと説明します。
だからこそ、どこからどこまでの範囲にテンションを効かせるかによって、テンションの効く方向も決まってくるといいます。
テンションをどういう方向に効かせたいのか。それによって縄の進む方向も変わってくると。
掛かり始めの点
縄の摩擦が掛かる最初のポイント(掛り点)
縄を運ぶ
テンションを効かせたい方向へ縄を進める
掛かり終わりの点
その先にある次の摩擦のポイント
点と点が引き合う
2つの点が縄で繋がれ、テンションが効く状態になる
体幹に接触させずに腕や脚を固定するとき
たかせさんは、受け手の腕や脚を安定させる方法を2つの状況に分けて説明します。体幹と腕や脚を連結する場合は、それ自体で安定します。ここでいう体幹とは、胸周り・お腹周り・腰周りといった上体を総称したものです。
一方で、腕同士、腕と脚、脚同士といったものを安定した姿勢で固定しようとすると、点と点が引きつけ合うことで状態を安定させる考え方が必要になるといいます。
たかせさんは、これは感覚的に難しいところもあるとしつつ、脇晒しや鉄砲といったポーズを例に挙げます。いずれも、体幹に腕を接触させた状態で固定するのではなく、接触していない状態で腕や脚の状態を固定するケースです。脇晒し・鉄砲 ── いずれも緊縛の代表的なポーズの呼び名。腕を体幹から離した状態で固定する形の例として挙げられている。
こうした場合には、腕側に生じている摩擦のポイントと、そこから状態を固定するためにテンションのかかる方向が必要になると説明します。
腕や脚を体幹に接触させて固定する。それ自体で安定しやすい
体幹に接触させず、腕同士や脚同士などを点と点の引き合いで安定させる
点と点をどう繋ぐかで姿勢と効き具合が決まる
たかせさんは、腕や脚が自由に動かないよう、適切な縄のかかる方向を作ると説明します。その先にもう1つの摩擦のポイントを見つけて縄をかけ、点と点が引きつけ合う形でテンションをかけることで、その状態を固定できるといいます。
この話は、後手縛りを卒業してその先へ進んだときに意識が必要になるポイントだとしつつ、厳密には後手縛りでも構造は同じだと補足します。後手縛り ── 両腕を背中側で縛る、緊縛の基本的な形とされるもの。ここでは学びの初期段階の例として挙げられている。
どのポイントとどのポイントっていうのを引きつけ合わせるかによって、そこの姿勢だったとか、テンションの効き具合とかっていうものが決まってくる。
つまり、何を目的にどの方向へテンションを効かせるかによって、縄の操作の仕方や捉え方が変わってくるということです。
たかせさんは最後に、稼働域が広く自由度の高い腕周りや脚周りでは、こうした考え方を用いてテンションを安定させるよう意識するとよいと締めくくっています。
まとめ
今回は、緊縛のテンションを「点と点を引きつけ合うもの」として捉える考え方が解説されました。どの点とどの点を繋ぐか、その範囲と方向をどう決めるかが、姿勢の安定と効き具合を左右するという内容です。
- テンションは、縄がかかる点と点が引き合うことで効く状態が生まれる
- どこからどこまでの範囲を繋ぐかで、テンションの効く方向が決まる
- 体幹と連結すれば安定するが、体幹の外で腕や脚を固定するには点と点の引き合いが要る
- 脇さらしや鉄砲など、体幹に接触させず固定するポーズがその例
- 構造は後手縛りでも同じで、自由度の高い腕周り・脚周りでとくに意識するとよい



