Facebookでイチャイチャ?改革期の生々しいやりとり
本題に入る前に、前回収録の反響から雑談が始まります。池田さんの周囲でも番組が話題に上るようになり、鹿児島の仲間から声を掛けられる小平さんの様子を聞いて、少し照れくさかったと振り返ります。
話は、池田さんがコビラに入社した第四創業期のエピソードに広がります。約3年半かけて組織を大きく変えていった時期、二人はFacebook上でも活発にやりとりをしていたそうです。
涼ちゃんと寛太、いっつもFacebookでイチャイチャしてんねって、周りに言われたりしてましたね。まあ経営のやりとりをしてるんですけど。
そのやりとりは、単なる褒め合いではなく実務そのものでした。代表電話に固定電話があるためバックオフィスがリモートワークできない、という課題への対応もそこで進んだといいます。
ネットで調べて、ZoomPhoneっていいね、こんなのあるんだなってFacebookに投稿したら、寛ちゃんがコメントで「採用」ってコメント来て、そこで導入が決まったりとか。
右腕人材は5タイプ?あえて分類してみると
いよいよ本題である「右腕人材の定義」へ。池田さんは、いろいろな場で聞かれるものの答えるのが難しい問いだと前置きします。
理由は、右腕像が経営者のタイプや企業のステージによって変わるからです。それでもあえて力技で分類するなら、と池田さんは5つのタイプを挙げます。
1つ目は、経営者の苦手を補う「補完タイプ」。2つ目は、経営者と同じ思考回路で動ける「分身タイプ」です。
3つ目は、経営者とは違う視点から提言や諫言をぶつける「挑戦タイプ」。4つ目は、決まったことを現場に落とす「実行タイプ」。5つ目は、社内外の利害を調整する「調整タイプ」です。
ただし池田さんは、どれか1つに当てはまるものではないと補足します。実際にコビラでは複数の要素が混ざっていたといいます。
人事領域では小平さんの苦手を補完し、スピード感や世界の解像度では同じ速さで動けたと振り返ります。一方で、経営者や幹部に異を唱えるという意味での「挑戦」はあまり起きなかったと話します。
元々見てる方向性が近かったから発生しなかったという気もしますけど。
経営ボードに必要な「六角形」のスキルとは
話は、コビラの経営合宿で議論された「経営チームに必要なパラメーター」へ移ります。池田さんが提示したのは、6つの軸からなる六角形のスキルモデルでした。
小平さんは、一人でその六角形をすべて埋めるのは不可能だと語ります。だからこそ、欠けた部分を対等に補い合う関係が右腕であり、経営ボード人材だと捉えていました。
その具体的な6つの軸を、池田さんがメモを見ながら読み上げます。
この六角形をきっかけに、二人はお互いの得手不得手を語り合います。小平さんは、自分は短期的に成果が出ないと続かないタイプだと明かします。
短期的に成果が出ないと続かないです。
一方の池田さんは、いったんやると決めたら終わるまで続くタイプだといいます。財務リテラシーは小平さんが強く、自分は素の状態では強くないと自己分析します。
池田さんは、6つのうちどれか1つが圧倒的にゼロだと問題だが、全体的に薄く持ちながら得意不得意がある2〜3人がうまくはまると強い、とまとめます。
結論が2秒で出る社長と、そのペースを翻訳する存在
続いて話題は、小平さんの思考の速さに移ります。池田さんは、それが強みであり同時に難しさでもあると語ります。
お題が出た瞬間にポンポンポンと論理展開して、結論はもう2秒で出ちゃうし。でも普通の人は一個一個積み上げて結論にたどり着くじゃないですか。
結論が先に見えてしまうため、考えるペースをスローに合わせて一緒に歩むのが難しい、と池田さんは指摘します。人によっては、小平さんと話すとついていけないと感じてしまうこともあるといいます。
小平さん自身も、結論が見えて答えがわかるとやる気が出なくなると認めます。だからこそ、興味の中心がどこにあるかを確認するワンオンワンも行われているそうです。
代々続く「番頭」と、翻訳者としての右腕
ここで、コビラの歴代の右腕像が語られます。小平さんの父である先代までは、カリスマ型のナンバーワンと、実務能力の高いナンバーツーという構造が続いていました。
小平家には代々、その時代に合ったナンバーツーがいて、ナンバーワンを支えることで発展してきたといいます。今の柳本さんと池田さんのような横並びの関係とは、少し構造が異なります。
象徴的な存在が、小平家3代に仕えた番頭・永山さんです。二代目では社員、三代目では右腕番頭、四代目でも役員から顧問を務め、昨年退任されたそうです。
池田さんは永山さんへのロングインタビューから、彼が最もこだわっていたのが「翻訳者であること」だったと紹介します。
トップが直感型であるほど、その言葉を翻訳して現場に伝え、現場の声も競合が起きない形に整えて上げる。永山さんはそこに矜持を持っていたと、池田さんは語ります。
右腕は何人規模から必要か。組織を巡る血流の話
右腕人材の有無は、会社の規模によっても変わるのではないか。柳本さんの問いから、規模と組織の関係が語られます。
小平さんは、会社を組織にするならいた方がよく、個人商店で良いならいらない、とシンプルに答えます。池田さんは、50〜60人規模なら右腕でなくても優秀なミドルマネージャーが一人いれば成り立つと補足します。
規模が60人、70人、100人と増えるにつれ、翻訳とコミュニケーションの流れをいかに円滑にするかが重要になります。池田さんはそれを生き物の血流にたとえます。
コミュニケーションの流れを、生き物でいうと血流みたいなものだと思うので、それが滞らないようにする。
さらに池田さんは、社長と自分だけでもダメだと踏み込みます。経営層の話を理解した上で、現場に近い位置にもう一人の翻訳者が必要だという考えです。
肩書きのない翻訳者こそ強い理由
理想は、部長よりもう一段下の層に翻訳者がいることだと池田さんは言います。肩書きが持つパワーが、コミュニケーションを歪めてしまうからです。
社長のカンタさんが現場に来て話している時点で、そこにパワーが帯びてしまうので。肩書きがないけど、経営層の言っていることを理解して同じレイヤーで語ってくれる人がいると一番強い。
社長やボードメンバーが言うと、合っていても間違っていても「絶対」になってしまう。全員が間違っていると思っていても、その一言で組織が動いてしまうリスクがあります。
特に、先代のトップダウンで長くやってきたベテランが多い後継企業では、上に物を申すハードルが高い。だからこそ、肩書きを抜きに話せる理解者がミドルと現場にいると強い、と池田さんはまとめます。
権限と責任の分け方、そして関係性の変化
二人は一見フラットに見えますが、権限や責任はどう分けているのか。柳本さんの問いに、小平さんが答えます。
メインの事業ドメインは分かれていて、小平さんがITや貿易、弟がエネルギー、池田さんが主にバックオフィスを見ています。ただし意思決定は、三人のボード会議で決めることが多いといいます。
現場でバシバシ決めていくというよりは、3人が集ったボード会議で決めるみたいなのがうちの今のスタイル。
池田さんは、自分で決めていいと言われていても、結果的に相談した上で決めることが多いと気づきます。壁打ちしながら、違う角度の意見をもらって決めたいタイプだからです。
小平さんは、池田さんが遠慮なく止めてくれること、しっかり怒ってくれることをありがたいと話します。ミーティング中にパソコンで内職をしていて長文で怒られ、それ以来パソコンを閉じるようになったエピソードも明かされました。
池田さんは、それを言える背景には信頼関係があると語ります。小平家は代々エネルギーが強く、感情を出そうと思えば出せるはずなのに、小平さんはそれを抑えて合理で対話しようとしてくれる、と感じているそうです。
ちゃんと違う意見を投げても、まずは受け止めてくれるなっていう信頼感はあるかな。あるから言えてる。
最後に池田さんは、入社から約3年半で関係性が変わってきたと振り返ります。当初は課題だらけで一緒にあらゆる課題を潰していましたが、今は事業側の構造改革を小平さんが、組織面を池田さんが担う分担が進んでいるといいます。
企業のステージによって、右腕との距離感とか関係性っていうのも変わっていくものかもなと思ったりはしています。
ただし、大きな難局が訪れればまた二人がギュッと近づくだろう、とも語られます。小平さんは、ピンチになるとみんな火がつき、24時間体制で仕事するタイミングも来るだろうと話しました。
カンタ社長はピンチとカオスが大好物なので、むしろそういう刺激がないと飽きちゃうところもあるかな。
まとめ
右腕人材に一つの正解はなく、経営者のタイプや企業のステージによって最適な形が変わります。この回では、補い合う六角形のスキルと、肩書きを超えた翻訳者の役割、そして信頼に支えられた関係性が、後継企業の右腕を語る鍵として浮かび上がりました。
- 右腕人材は補完・分身・挑戦・実行・調整の5タイプに大別できるが、実際は複数が混ざる
- 一人で六角形のスキルを埋めるのは不可能で、対等に補い合える2〜3人の経営ボードが強い
- 社長の言葉と現場の声をつなぐ「翻訳者」が右腕の核心的役割になる
- 肩書きが持つパワーゆえ、経営層を理解しつつ現場と同じレイヤーで語れる翻訳者が別に必要
- 信頼関係があるからこそ遠慮なく異を唱えられ、企業のステージによって右腕との距離感は変わる





