AIエージェントが毎回読み込む指示は何を圧迫しているのか
今回のテーマは、Claude Codeの/doctor prompt-auditコマンドを使って、AIの壊れた設定と無駄な指示をきれいにすることです。たいちさんはまず、AIエージェントが作業のたびに何を読み込んでいるのかを説明します。
Claude CodeやCodexなどのAIエージェントを使うと、agents.mdなどのAIの指示ファイル、作業ごとのエージェントスキル ── AIエージェントに特定の作業手順や知識を追加する仕組み。スキルごとに説明文があり、AIはそれを見て使うスキルを選びますの説明、スキルやツールを組み合わせたプラグインの説明部分が毎回読み込まれます。
たいちさんによると、全く使っていないスキルも、存在するだけで説明文の読み込みに毎回コンテキストを消費しています。コンテキストとは、AIの記憶領域のことだと説明されています。
このスキルの説明文に与えられたコンテキストの枠は全体の1パーセントまでです。
1パーセントを超えると、溢れた分は勝手に削られます。
つまり、使わないスキルが大量にあると、スキルの説明文の一部が省略され、AIが作業に応じた適切なスキルを選べなくなるかもしれません。
スキルが増える
使っていないスキルも説明文は毎回読み込まれる
1%の枠を超える
スキル説明文に割り当てられたコンテキスト枠から溢れる
説明文が削られる
溢れた分は自動的に省略される
選択ミスの恐れ
AIが作業に合ったスキルを選べなくなるかもしれない
スキルの説明文以外にも、agents.mdやスキル本体に無駄な指示や矛盾した指示があると、AIがミスをする原因になったり、トークン ── AIが文章を処理するときの単位。読み込む量が増えるほど、処理コストやコンテキストの消費が増えますを浪費したりすると話されています。
公式が勧める「消したら間違えるか」という精査
Claude Codeの公式ドキュメントでは、agents.mdやスキルの指示について、1行ずつ「これを消したらClaudeは間違えるか」という観点で精査すべきだと書かれている、とたいちさんは紹介します。
また、agents.mdの目安は1ファイル200行未満とされています。指示は多ければよいのではなく、AIが間違えないために本当に必要な行だけを残すという考え方です。
ただ、自分のプロジェクトのagents.mdやスキルをすべて見直し、1行ずつ必要かどうかを考えるのは手間がかかりすぎる、とたいちさんは指摘します。そこで役立つのが/doctor prompt-auditコマンドです。
たいちさんによると、/doctor prompt-auditは9月25日にリリースされたClaude Codeのバージョン2.1.283から利用できます。「/doctor prompt-audit」と打つだけで、不要な指示、矛盾している内容、使われていないスキルの無駄な説明文などをまとめて監査し、直してくれるといいます。
実際に試して見つかった、4つのClaude Codeと未使用スキル
たいちさんは普段からagents.mdやスキルをこまめに掃除していますが、それでも/doctor prompt-auditを試してみたところ、思わぬ問題が見つかりました。
僕の環境にはClaudeCodeが4つ入っていて、ターミナルでClaudeと打った時は、壊れて起動しないバージョンが先に呼ばれるようになっていました。
たいちさんはいつもClaude Codeをアプリから使っていたため、この状態に全く気づかなかったといいます。一方で、CodexがClaudeを呼ぶときは、毎回この壊れた版を読んでから自分で正しいものに解決し、作業していたようです。
さらに、インストールしてから一度も使っていないスキルが5つとプラグインが1つあり、新しい会話をするたびに約500トークンを無駄にしていたことも判明しました。
/doctor prompt-auditは、agents.mdからも無駄な指示を約18パーセント削り、スキルやドキュメントの古くなった記述、重複、矛盾した記載などを合わせて23箇所直してくれたといいます。
大量の修正はどう進めるか
たいちさんの場合、/doctor prompt-auditが示した修正箇所はかなり多かったため、一度にすべて直すのはやめたといいます。
まず調査結果に対して、次のように指示しました。
「調査結果をドキュメントにまとめ、ドキュメントにはAIエージェントが対応しやすいPR分割計画を含めて」と指示しました。
PRとは、ざっくり言うと作業単位のことだと、たいちさんは補足しています。そのうえで、計画をもとにPR1つ分ずつAIに指示を出し、対応してもらいました。
今のAIモデルに合わせて指示を見直す
たいちさんは、どのプロジェクトにも、今の性能のAIモデルには不要な指示や矛盾した内容、重複などがおそらくあるだろうと話します。
ぜひClaudeCodeのバージョンを2.1.283以上に上げて、スラッシュDr.PromptAuditコマンドを試してみてください。
番組の概要欄には、今回の内容を解説した記事も掲載されています。最後には、公式LINEの友だち追加特典として、顔出し不要のオンラインで受けられる無料30分のAI活用相談の案内もありました。
まとめ
AIエージェントが毎回読み込む指示ファイルやスキル説明は、放置するとコンテキストやトークンを消費し、AIのミスにもつながります。/doctor prompt-auditを使えば、自分では気づきにくい壊れた設定や無駄な指示をまとめて見つけられ、修正は計画を立ててPRごとに進めると扱いやすくなります。
- 使わないスキルも説明文は毎回読み込まれ、1%の枠を超えると削られる
- 公式は「消したらClaudeは間違えるか」で1行ずつ精査し、agents.mdは200行未満を目安にしている
- /doctor prompt-auditはClaude Code 2.1.283以降で使え、不要・矛盾・未使用の指示を監査して直す
- たいちさんの環境では壊れたClaude Code、約500トークンの浪費、23箇所の不備が見つかった
- 修正が多いときはドキュメントとPR分割計画を作り、1PRずつ進める


