期待していなかったPoKeBo、iPhone版で何が起きた?
ボードゲームをスマホで遊べるアプリ「PoKeBo(ポケボ)」が、この月にiPhone版としてリリースされました。Android版も今後出る予定とされ、「いつでもどこでもボードゲームを」がコンセプトです。
PoKeBoは一般に流通する大手作品だけでなく、ゲームマーケット ── 日本最大級のアナログゲームの即売イベント。個人や小規模サークルのインディーズ作品が多数出展されますに出るような作品もアプリで遊べる点が特徴だと、Manaさんは紹介しています。
ManaさんはPoKeBoの開発をX上で以前から見かけていたものの、正直そこまで期待はしていなかったといいます。最近はAIで手軽にブラウザ版やアプリ版を作る話も多く、どこまでボードゲームを再現できるか疑問だったからです。
そうしたら、まあよくできてるわけなんですよ。もうほんと正直、もう期待以上というか想像以上でした。
Manaさんの評価では、PoKeBoはアプリとしての使いやすさや機能が一通り揃い、ユーザーインターフェイスも洗練されています。
開発の話は知っていたが、AI製の手軽なデジタル版も多く、期待は高くなかった
実際にダウンロードすると、使い勝手もUIも期待以上・想像以上だった
遊びながら覚えるチュートリアルはどこが違う?
PoKeBoでゲームをダウンロードすると、最初に「このボードゲームのルールを知っていますか?」と尋ねるウィンドウが出ます。知らないと選ぶと、チュートリアルが始まります。
PoKeBoのチュートリアルは、手番をただシミュレートするものではなく、ルール説明に沿って実際に手を動かしながら覚えるハンズオン形式だったといいます。
Manaさんが特に感心したのは説明の順番です。普通のインスト ── インストラクションの略。ボードゲームを始める前に、遊び方やルールを参加者に説明することでは、手番でできることを一通り話してから遊び始めるのが一般的です。
一方でPoKeBoのチュートリアルは、まず軽く遊ばせてから「こういう展開もできる」「さらにこんな要素も」と、面白さを段階的に重ねていく作りになっていました。
手番でできることやカードの出し方を一通り説明してから、遊び始める
基本だけで一度軽く遊ばせ、そのあと展開や追加要素を見せて面白さを高めていく
ヒャクジュウパレードで体験した「ドーン」の瞬間
Manaさんが遊んだのは『ヒャクジュウパレード』です。大富豪 ── トランプゲームの一種。場に出たカードより強いカードを出していき、手札を早くなくした人が勝つのように、場のカードより大きい数字を出していくゲームです。
チュートリアルでは「手札から出してみよう」と促され、出せないカードは選択できないようになっています。何が出せるかがひと目でわかり、出すと「次の人の番だよ」と進みます。
そのうえで、数字が重なっていればまとめて出せて大きな数を作れる、という面白さの核が「ボーン」と示されます。『ヒャクジュウパレード』では、大きい数字を出すことがかなりの快感なのだそうです。
よし、やってみよう、すごい大きい数字になった!みたいな。
さらに「実際のプレイでどう作るのか」という疑問が湧いたところで、場札から1枚取って好きな位置に入れられることが示されます。それでも出せないときは「1枚捨ててみよう」と続きます。
Manaさんは、基本ルール、面白さのポイントの体験、うまくいかないときの例外処理、という段階的な流れになっていると整理しています。
アプリだからできる「手を動かして覚える」ルール確認
PoKeBoのチュートリアルは数分で終わり、すぐに実際のプレイに移れます。プレイ中も出せないカードは制限されるため、ゲームとして破綻しません。
自然と、あ!これできないんだ、あ!これならできるのねっていう風に手を動かしながらルールを改めて再確認することもできると。
ほかのゲームでも、点数計算やカード効果の説明は長押しで確認でき、カードを置ける場所にはガイドが表示されるといいます。
Manaさんによると、リアルのボードゲームでは、卓に入ってから個別に手札を見ながら教えると他の人に情報がバレてしまいます。そのためチュートリアル的な教え方は難しく、まとめてルールを説明しがちです。
デジタルなら自分だけが手札を見られるため、プレイの中に自然とルール説明を組み込めます。Manaさんはこれを面白い発見だったと話しています。
手札を見ながら教えると他の人にバレるため、事前にまとめてインストしがち
自分しか手札を見られないので、プレイ中に自然とルール説明を入れられる
「チュートリアル化が最強」という持論はどう確信に変わった?
Manaさんは以前の配信から、インストやルール説明はチュートリアル化するのが最強だと発信してきました。すぐ遊べることにもルール理解にもつながるからです。
これを今回のものを見て、やっぱりそれは確信しましたね。チュートリアル重要だと。
Manaさんは、PoKeBoのチュートリアルではゲームの面白さまできちんと演出されている点がすごいと評価し、作者にとっても嬉しいポイントだろうと語ります。
遊ぶ側にとっても、ルールを聞くだけの時間は退屈になりがちです。チュートリアル形式なら手を動かすので遊んでいる感覚になり、スタートからずっと面白い状態になるといいます。
一人でも友達とも遊べる対戦機能
ボードゲームは対戦相手がいないと遊べないという課題がありますが、PoKeBoにはコンピューター戦が用意されています。間違えても気軽に試せるうえ、コンピューターの強さレベルも選べます。
PoKeBoでは友達のスマホとつないで、その場で対戦することもできるそうです。Manaさん自身はまだ試していないものの、手札のあるゲームでも各自が自分の手札だけを見られる遊び方になります。
単体のゲームのアプリは過去にもありましたが、PoKeBoは様々なボードゲームをダウンロードして遊べる点が違うとManaさんは見ています。収録作品はまだ少ないものの、インディーズ作品も多く扱われそうだといいます。
Manaさんの記憶では、『ヒャクジュウパレード』はゲームマーケット2026秋で発売予定で、発売前からアプリで遊べる状態になっているそうです。
アプリで遊べたら実物は売れなくなる?
アプリで遊べてしまうと実物のボードゲームが売れないのでは、という見方に対し、Manaさんは逆だと考えています。デジタル版で面白いと思えば、実物が欲しくなるからです。
私も今回アプリでやってみて、面白さみたいなものをある意味強制的にあの味わわされたような状態ですので、もうこれ(ヒャクジュウパレード)欲しくなりましたね。
スマホは画面が小さく、コンピューター対戦では会話や表情の読み合いといったリアルならではの楽しみは味わえません。それでもルールが面白ければ、みんなで遊んだら超面白いはずだと想像できるのが、アプリ版ならではだと語っています。
ManaさんはPoKeBoにテンションが上がり、配信で取り上げなければと思って今回の収録をしたそうです。
絶版・品切れの作品はどう生き延びる?
アプリ版には在庫切れのリスクがありません。ゲームマーケットで小部数しか刷らずに売り切れた作品も、デジタル版を公開し、増刷・再販の声が高まってから新たに作るという道が考えられます。
Manaさんによれば、絶版になると新規の層に体験が届かず、作者の知名度や「この人の作品は面白い」という信頼感が積み上がりにくくなります。
アプリ版であれば、絶版の作品でも新しい人に遊んでもらえ、作者自身のアピールにもつながるといいます。
絶版
新たに買う人がいなくなる
体験の広がりが止まる
購入者が会に持っていかない限り、新規層に届かない
信頼が積み上がらない
作者の知名度や面白さへの信頼感が伸びにくい
作家にとってwin-winの仕組み、懸念は?
PoKeBoのように多くの作品を扱うアプリなら、作品ごとに個別のプロモーションをする必要はそこまでありません。PoKeBoをダウンロードした人がストア内で選んでくれれば、遊んでもらえるからです。
一方でManaさんは、PoKeBo自体の認知とダウンロード数がどこまで伸びるかが重要だと指摘します。iPhoneのアップデート対応などメンテナンスは大変で、広告などの収益で続けられるかも問われます。
スマホアプリは数が溢れ、詐欺広告もあり、ソシャゲでもダウンロード数が伸び悩む時代です。ボードゲームというニッチなジャンルでどこまで伸ばせるかが課題になると語っています。
鍵は作品数、遊びきれないほどのラインナップへ
PoKeBoを一度ダウンロードしても、作品数が少なく遊びきってしまえば、もう一度開くハードルは高くなります。新作のお知らせを届けるのも簡単ではありません。
Manaさんは、課題は作品数をどれだけ伸ばせるかだと考えています。遊びきれないほど作品が増え、その間に新作も出れば、継続して使われるようになるからです。
作品数が増える
ちょっとやそっとでは遊びきれない状態になる
継続して使われる
遊んでいる間に新作も出て、リピートされる
口コミが広がる
ボードゲーム界隈で認知が広がる
ダウンロード数が伸びる
さらに継続利用も進む
ただし作品が増えれば、アプリ内で自分の作品がどう選ばれるかという「アプリ内SEO」の問題が出てきます。Manaさんは、その段階では作者自身がデジタル版を告知し、宣伝やブランド化をする必要があると話しています。
デジタル演出とプレゼントキャンペーンの新しい形
アプリならではの演出も期待できます。アクションに合わせてエフェクトが出たり、ものが実際に移動したりと、デジタルならではの面白さが生まれるとManaさんは見ています。
コンピューター対戦のレベルは、SNSでのシェアにも向いています。「レベル3までクリアしました」と投稿したり、「レベル5のキャプチャを送ればプレゼント」という発売前キャンペーンもできるといいます。
Manaさんは以前、プレゼントキャンペーンには拡散、商品理解、二次拡散という3つの狙いがあると話していました。中でも難しいのが、実際に遊んでレビューを投稿してもらう二次拡散とルール理解を狙うものです。
手間がかかり応募が少なく、実物を配るため在庫とコストが減る
アプリで自発的に遊び、いい結果が出たら応募できる。在庫を減らさずにすむ
Manaさんは、デジタルのキャンペーンにはデジタルの媒体が扱いやすく、アプリとキャンペーンの連携でプロモーションを打つ方向性まで見えたと語っています。
向いているジャンル、まだ研究が必要なジャンル
PoKeBoでどのジャンルまで表現できるかについては、Manaさんはまだ研究が必要だと見ています。
| ジャンル | 見立て | 理由 |
|---|---|---|
| パーティーゲーム(ワード系・大喜利系) | 未知数 | コンピューター対戦で成立するか疑問 |
| 細かいものを扱うゲーム | 懸念あり | スマホ画面に収まり、使いやすいか |
| バランス・立体系 | 未知数 | 3Dエンジンを載せても難しいかもしれない |
| カードゲーム・駒を動かすゲーム | 問題なさそう | 全然問題なくできそうだと感じた |
このPoKeBoさん、ほんと応援してますので、ぜひ面白い展開をしていっていただけたら幸いです。
Manaさんは、今後作品が増えたら自分も色々と試してみたいと話して、この回を締めくくっています。
まとめ
ManaさんはPoKeBoのiPhone版を遊び、遊びながら面白さを体験させるチュートリアルに強く感動しました。作家にとっては、絶版対策や新規層への届け方、キャンペーンの新しい形を開く場になりうる一方、認知、ダウンロード数、作品数が今後の課題だと語っています。
- PoKeBoのチュートリアルは、基本ルールで軽く遊ばせてから面白さの核を体験させる段階的な作りになっている
- デジタルでは手札を自分だけが見られるため、プレイ中に自然とルール説明を組み込める
- アプリ版はむしろ実物の購買意欲を高め、絶版作品にも新しい遊び手を届けられるとManaさんは考えている
- 課題はPoKeBo自体の認知、ダウンロード数、そして遊びきれないほどの作品数
- コンピューター対戦のレベルを使ったシェアやプレゼントキャンペーンなど、プロモーションの新しい形も見えてくる

