そもそもふるさと納税とは何か
この回のテーマは、ボードゲームのふるさと納税返礼品対応です。パーソナリティのManaさんは、これまでの自作品をすべてふるさと納税に対応させてきたと話します。
ここで言う「対応」とは、ふるさと納税をした人が、返礼品としてManaさんのボードゲームを受け取れる状態のことを指します。
まず前提として、Manaさんはふるさと納税の仕組みを説明します。ふるさと納税は、日本全国の自治体(市町村など)に対しておこなう寄付です。
ふるさと納税 ── 任意の自治体へ寄付をすると、自己負担2000円を超える分について所得税や住民税の控除が受けられる制度。寄付先からは返礼品が受け取れる。寄付をすると、その額に応じて所得税や住民税が安くなる控除を受けられる、とManaさんは述べています。
仕組みを金額で見ると、自己負担額は原則2000円です。1万円寄付すると8000円分の税金が安くなり、実質2000円の負担で済む、という形になります。
10万円のふるさと納税をした場合は9万8000円の税金が安くなる、とManaさんは例を挙げます。ただし年収によって寄付できる限界額は人それぞれ決まっている、とも補足しています。
返礼品として選ばれる仕組みと、対応しているプラットフォーム
寄付は自治体へお金が行き渡る仕組みなので、自治体からのお礼として商品を選べます。その返礼品の一つとしてManaさんのボードゲームがある、というイメージだと説明されています。
直接納税するのは難しそうに感じるかもしれませんが、実際はネットショップのように返礼品を選んで寄付でき、すべてオンラインで完結する、とManaさんは話します。
有名なサイトとして、さとふる、ふるさとチョイス、楽天、Amazonなどが挙げられました。さらにANAなどの航空系、セゾンなどの保険関係でもふるさと納税を受け付けているそうです。
高い商品を選んでも、実質の負担額は2000円で済みます。使える枠が10万円分あるなら、10万円分の商品を選んでも実質2000円だけの支払いになる、とManaさんは強調します。
Manaさん自身の商品は、BOOTHなどに加えて、ふるさとチョイス、さとふる、Amazon、楽天、ANAなど、ふるさと納税対応のプラットフォームをほぼすべて網羅している状態だそうです。
その結果、販売のチャネルがすごく広がっていくうえに、大手サイトに掲載されている状態になる、とManaさんはメリットを語ります。
「公的に認められた」印象と、実際の審査のハードル
ふるさと納税に対応していると、「すごいね」「どうやってやるの」とよく言われる、とManaさんは話します。税金絡みで市区町村の認可を得る形のため、公的に認められた印象を持たれやすいようです。
実際、Manaさんのボードゲームも総務省の認可と自治体の認可を取ってようやく発売に至るルートをたどっており、審査自体はしっかりおこなわれる、と述べています。
ただし、ここが今回の核心です。Manaさんは、そこまで実は厳密な審査じゃないと率直に語ります。審査は通るが、公的にいろいろな審査を得てどうこう、というほど大げさなものではないそうです。
やり方としては簡単だ、というのがManaさんの見立てです。そのうえで、この回では具体的な進め方が語られていきます。
申請から掲載まで、半年かかる審査の全体像
まず前提として、進め方は各自治体(市区町村)によって細かく違う、とManaさんは断ります。そのため「あなたの地域ではこう」という説明はできないものの、大まかな流れは共通だと話します。
期間の目安として、申請や準備を動き出してから掲載開始まで、大体半年ぐらいはかかるそうです。
審査の工程は、ふるさと納税を斡旋する業者の審査、市の審査、総務省の審査、再び市の審査を経て、掲載手続き開始という順にたどっていく、とManaさんは説明します。
斡旋業者の審査
各市区町村ごとの委託業者がまず内容を確認する
市の審査
自治体による認可
総務省の審査
国の制度としての認可
市の審査(再)
認可後の手続き確認
掲載手続き開始
各プラットフォームへの掲載準備へ
注意点として、審査のタイミングは年中無休ではなく、年に何回と決められています。そのため、申請のタイミングに合わせて準備を進めていく形が主流だ、とManaさんは述べています。
この流れは総務省が関わる国の制度であるため、どの市区町村でもほぼ共通だろう、とManaさんは考えを示します。申請してもすぐ掲載されるわけではない、という点が注意点だと繰り返しています。
窓口となる委託業者を見つける
Manaさんは、審査工程で触れた「斡旋業者」について詳しく説明します。市の職員が直接ふるさと納税の手続きをしているわけではなく、さとふるやふるさとチョイスと直接やりとりしているわけでもないそうです。
多くの場合、市区町村は専門の業者に委託しており、その業者がふるさと納税の窓口になっている、とManaさんは話します。
ふるさと納税は基本的に、その市区町村の中にある事業者へ向けて募集される仕組みのため、特に隠された情報ではないそうです。Manaさんの市区町村では、市のホームページに委託業者の連絡先が普通に載っていたと述べています。
他の市区町村のホームページを見ても、委託業者の情報が載っていることが多いそうです。見つからない場合は、市役所や区役所の窓口で「ふるさと納税の返礼品をやりたい」と言えば、担当窓口の連絡先を教えてもらえる、とManaさんは案内します。
人の審査と商品の審査、それぞれ何を見られるか
Manaさんは委託業者に連絡し、まず情報を記載したと話します。何をふるさと納税にするか、自分は誰か、といった内容です。
最初におこなわれるのは「人の審査」です。今回の場合はManaさん自身の審査で、税金を滞納していないか、犯罪歴がないかなど、真っ当に生きていれば大丈夫なレベルの確認だそうです。面談などは特になかったと述べています。
次に「商品の審査」があります。委託業者の観点では、まずふるさと納税に対応できる商品かどうかが見られる、とManaさんは説明します。
たとえば商品券、現金、ポイントなどは対象外だったそうです。一方で、市内の飲食店が出すクーポン券などは対応できるはず、と補足しています。
商品が対象になる場合、その中でさらに分類があります。Manaさんは大きく3種類に分かれると話します。
申請方法や審査で見られる点が独自
Manaさんの作品はここに該当し、比較的複雑ではない
補足すると、Manaさんは食品・生もの系、サービス系(クーポンなど)、物品の3種類を挙げています。それぞれで申請方法や審査で見られる点が変わってくるそうです。
ボードゲームは生ものでも食品でもないため、そこまで複雑な申請ではない、とManaさんは述べています。
どこで作られたかが問われる、地産のハードル
物品の審査で重要になるのが、どこで作られたのかという点だ、とManaさんは話します。ふるさと納税は、その地を応援するための寄付というコンセプトが根底にあるためです。
そのため、海外から輸入したものをそのまま返礼品に回したり、まったく違う県の特産物を出したりすることはできなかったそうです。製品を作る工程を、どこでどのくらいやっているのかを細かく申請する必要があります。
Manaさんの場合、ボードゲームの印刷はどうしても地元ではできないと言います。印刷という工程だけを見て「他の地域で印刷している」となれば、申請は落ちるだろう、と述べています。
一方で、ボードゲームを作って発売する全体を捉えると、企画、ゲームルールの検討、テストプレイ、デザインの依頼、販売管理など多くの工程があります。その中で印刷は部分的だ、とManaさんは指摘します。
その全体の工程を見ると、ほんと印刷をするっていうのって、実はほんと部分的だと思うんですね。
そこでManaさんは、印刷は他でやっているが、それ以外はすべてここでやっている、という申請をしたそうです。これは抜け道や裏道ではなく、ボードゲーム製造をどの範囲で捉えるかの問題だと説明します。
自分の稼働で考えると、ほとんどが地元でおこなわれているためまともな申請だ、とManaさんは話します。飲食店でも食材を県外で買うことはある、という例えも挙げています。
このほか、箱のサイズ、送料、重さ、金額なども基本的にすべて記入して申請する、とManaさんは述べています。
委託業者が代行してくれる申請と、判子を押すだけの作業
申請内容を出すと、あとは審査してもらえる形になります。おかしな点や不明点があれば、委託業者から質問が来て、そこを調整して審査に挑む、とManaさんは説明します。
市の職員がこうしたやりとりを直接おこなうのは大変で、各プラットフォームの情報を追うのも難しいため、委託業者が申請書類をまとめて作ってくれる、というのがManaさんのイメージです。
実際、市に提出する申請書類も業者が作成してくれたそうです。Manaさんが申請した内容をもとに、まず話を進めて大丈夫かを業者が審査し、問題なければ申請書の形に起こしてくれたと話します。
Manaさんの側は、その内容に相違がないか確認し、判子を押して市に届けるだけです。市とのやりとりやスケジュール進行も業者が担うため、基本的には業者からしか連絡が来ないそうです。
申請を市役所に提出し、しばらくすると認可が下りたかどうかの連絡が業者から来ます。その後、総務省への申請へ進み、下りたら市役所への手続きを依頼される、という流れです。
そこからは本当、私は確認して判子を押して提出しに行く、ほんとそれだけな感じでしたね。
掲載開始と「意外と簡単」という実感
すべての認可が下りると、いよいよ各プラットフォームへの掲載が開始されます。
掲載に必要な商品説明は申請書類に書いてあるため、あとは掲載用の商品画像などを業者に提出すれば、あちこちで販売が始まる、とManaさんは述べています。
この一連の流れを、Manaさんは「実はこんな簡単」と表現します。「ふるさと納税すごいね」「よく認可下りたね」と言われるが、実際にやっていることはこの程度だ、という実感です。
それでも、ふるさと納税という名前の箔が付く点は、印象の面でよいとManaさんは考えています。加えて、利用者は自己負担2000円で枠の限界まで買えるため、ボードゲームがタダ同然で手に入る形で使っている人も多いのではないか、と推測しています。
実際に売れるのか、そして発送の楽さ
申請方法に続いて、Manaさんは実際に売れるのかどうかを語ります。結論として、結構売れたと述べています。
特にふるさと納税の駆け込み時期である年末付近は、そこそこ注文をもらえるそうです。年内で寄付枠が切れるためだと考えられます。
注文が来ると、各プラットフォームから委託業者に連絡が行き、業者から「注文が来ました、ここに発送してください」という連絡がManaさんの元に届きます。
そして、この発送業務がとても楽だ、とManaさんは強調します。発送先の情報が印字された伝票を、ヤマトの配達員が持ってきてくれるそうです。
注文があると業者から「商品を準備しておいてください」と連絡が来ます。数日経ってヤマトの配達員が来て「ふるさと納税のやつです」と言うと、その場で伝票を貼ってもらい商品を渡せば終わり、という流れです。
発送しに行く手間もなく、販売後の面倒な手続きもない、とManaさんは話します。
送料も梱包材も補填される、身銭を切らない仕組み
Manaさんが挙げるもう一つの利点は、送料や梱包材(段ボール代、緩衝材代など)もちゃんと補填される点です。ふるさと納税だからといって、大きくディスカウントする必要はないそうです。
Manaさんは定価で販売しています。ふるさと納税のプラットフォーム上では税金分などが乗って販売価格は少し高くなりますが、それでも実際に売れていると述べています。
Manaさんの元に入ってくる金額を具体例で見ると、まず定価分がそのまま入ってきます。バーストオブマナが2500円なら、2500円がそのまま入ってくる形です。
さらに、梱包のためのプチプチ代なども入ってきますし、送料も入ってきます。実際にコストがかかっている部分がきちんと補填される、とManaさんは説明します。
つまり、全然身銭を切らなくていい点が大きな利点だ、とManaさんは述べます。申請後は注文を受けて発送するのも楽で、リスクもない、というのがManaさんの実感です。
集計は月ごとにおこなわれ、翌月ごろにManaさんの口座へその分が振り込まれる流れになっています。
きっかけと、始めたい人へのアドバイス
Manaさんがふるさと納税を始めたきっかけは、ふとした時に「ふるさと納税でボードゲームってあるのかな」と調べたことでした。調べてみると各地域に意外と存在していたそうです。
その中には、その場で作っている独特のものもあれば、ゲームマーケットなどで出ている作品も載っていたと言います。「これいけるんだ、どうやるんだろう」と調べていった結果、今回のやり方にたどり着いたそうです。
一方で、ふるさと納税をどう始めればいいのかという情報は世の中にほとんど載っていない、とManaさんは指摘します。皆があえて発信していないのか、簡単だと言いにくいのか、と推測しています。
Manaさんがこの回で伝えたかったのは、すごいと思われがちなふるさと納税でも、意外と自分でもできるということです。ボードゲームをいろいろな場所で手に取りやすくしてほしい、という思いから発信していると語ります。
ただし注意点として、売り続けなければならない、とManaさんは念を押します。ゲームマーケットで売り切って終わりや、初期ロットのみといった商品だと、掲載後すぐに終売になってしまうためです。
逆に、長く売り続ける商品であればふるさと納税は向いている、というのがManaさんの考えです。掲載され続ける限り、返礼品として並び続けるからです。
在庫が切れた場合は、募集の停止もしてもらえるそうです。Manaさんはバーストオブマナの在庫が急減した際、一時期ふるさと納税を止めており、依頼するとすぐ各プラットフォームで止めてもらえたと話します。
ちょっと一旦(バーストオブマナの)在庫がないので募集止めてくださいねみたいな、そういったことを言うと、すぐ各プラットフォームで止めてくれたんですね。結構動き早かったです。
その後、バーストオブマナは増版をかけて在庫を補充し、再開の連絡をするとふるさと納税が再開されたそうです。業者とのやりとりも柔軟で、メールで済む、とManaさんは述べています。
Manaさんは最後に、長期的に自分の作品を売り続けたい人へ向けて、まずは自分の住む市区町村のホームページを見たり聞いてみたりすることから始めてはどうか、と呼びかけています。
まとめ
自作ボードゲームのふるさと納税返礼品対応は、公的で難しそうに見える一方、実際は委託業者が申請を代行してくれるため意外と手軽だ、というのがManaさんの実感です。長く売り続ける商品であれば、販売チャネルの拡大とリスクの低さの両面でメリットがあると語られました。
- ふるさと納税は寄付の仕組みで、利用者は実質2000円の負担で返礼品を受け取れる
- 申請から掲載までは業者・市・総務省の審査を経て半年ほどかかり、審査時期も年に数回に限られる
- 窓口は市区町村の委託業者で、連絡先はホームページや市役所窓口で確認できる
- 物品は「どこで作られたか」が問われるが、印刷は他所でも全体工程を地元で担えば申請は通る
- 発送はヤマトが伝票を持参し、送料・梱包材も補填されるため身銭を切らずに済む

