そもそも「ボドゲの天下取り」とは何を発信する番組なのか
番組「ボドゲの天下取り」、略して「ボド天」は、ボードゲームで天下を取るために考察と試行錯誤を重ねる過程を発信するチャンネルです。
扱うのはゲームそのものの紹介というより、作り方、広め方、売り方といった制作からビジネス寄りの内容だと説明されています。
初回となる今回のテーマは、「なぜポッドキャストを始めたのか」「これからどうしていきたいのか」です。
Xに感じた限界と「積み上がらない」しんどさ
Manaさんは普段、X(旧Twitter)で自作品の紹介や考察を発信してきました。ですが、最近はそこに限界と疲れを感じていると打ち明けます。
Xはその時々の情報を広めるのには向いている一方、それを続けるだけでは疲弊してしまうといいます。
理由として挙げられたのが、アルゴリズムの変化です。以前はフォロワーが増えれば情報が届きやすくなりましたが、今はフォロワーがいても届くとは限らなくなったと感じています。
最近はXのアルゴリズムだと、フォロワーがいたからといって、ちゃんと情報が届いていくというふうにはなっていないような感じがしています
かつては、フォロワーが溜まれば拡散力も溜まり、努力が積み上がっていく構造がありました。しかし今は、フォロワーが多くてもインプレッションが伸びないことが多いといいます。
その結果、いくら発信しても積み上がらず、常に走り続けることになります。毎日何を投稿するか、どうすれば伸びるかを考え続けるのが大変だと語られました。
アルゴリズムに振り回され「言いたいこと」が言えない
もう一つの問題は、伝えたいことがそのまま伝えられないという点です。
ボードゲームは知ってもらわなければ、せっかく面白いものを作っても遊んでもらえません。ですが見てもらうために、思いをストレートに出すより、アルゴリズムを意識した投稿を優先せざるを得なくなります。
コメントのやりとりの中でも、本当は言いたいことがそれではないという感覚が出てくると振り返ります。
アルゴリズムを意識している分、アルゴリズムに振り回されていて、自分が言いたいというものをちゃんと伝える場が欲しいなということを少し考えておりました
加えて、Xはテキストが中心で、しかも短文のほうが読まれやすい傾向があります。長文投稿もできますが、なぜそう考えたのか、その時何を思っていたのかといった背景は伝わりにくいといいます。
そこで、Xで行っていた考察をもう少し深掘りし、投稿の裏側を話せる場を持ちたいと考えるようになりました。
面白いだけでは足りない時代、「誰から」が重要になる
発信の場としてYouTubeやnoteも検討したものの、どれも少し違ったといいます。その背景には、時代の変化についての認識がありました。
今やボードゲームが面白いかどうかは大前提で、周りを見れば面白い作品はいくらでもある、とManaさんは言います。さらにAIの登場で、知識を持っていること自体の価値が下がってきていると指摘します。
物も情報も溢れる中では、差別化がますます難しくなっています。だからこそ何を、ではなく、誰から買うのか・誰から教わるのかが重要になると考えています。
個人の力というよりも、個人の信頼感ですね。誰が作ったものなのかというところがやっぱり重要になってくるんだなというふうに考えています
だから、露出や認知を増やすだけでなく、個人としてなぜその作品なのかという思いを伝えられる場が必要だ、という結論に至ります。そして思いを伝えるなら、テキストより実際の声が最もストレートだと考えました。
ポッドキャストを選んだ決め手は「視聴維持率」
声で伝える媒体を探す中で出会ったのがポッドキャストでした。決め手として挙げられたのが、視聴維持率の高さです。
YouTubeやnoteは、ちらっと見てすぐ離脱されたり、通りすがりで去られたりすることが多いといいます。それでは思いを伝えるには不十分だと考えました。
ポッドキャストの視聴維持率はおよそ7割あると各所で言われている、とManaさんは紹介します。ただしこれは本当かどうか自分でも確かめきれていないため、実際にやってみて見定めたいと話しています。
これがまた本当かどうかわからないんですけども、実際ちょっとこれはやってみる価値はあるかなと
動画でもいいのでは?YouTubeとの違い
思いを伝えるなら動画、つまりYouTubeでもよいのではないか。この問いにも、Manaさんはいくつかの理由で答えています。
自身もYouTubeチャンネルを持ち、自作ボドゲのPVやルール説明、試遊会の様子を流しています。ですがYouTubeで見られるのは、個人の思いより企画やコンテンツの面白さが優先される印象があるといいます。
誰がというよりも、この企画だから面白いから見る、だからバズる、そういったところがちょっと強そう
もう一つの理由が、制作の手軽さです。この番組では、天下を取るための考察を日々更新し、喋りながら言葉を整理し、考えを熟成させていきたいと考えています。
一方でYouTubeは、撮影も企画作り込みも労力が半端ではありません。求めているものとは違い、手軽に思いを直接届けられる媒体として、ポッドキャストが最適だと結論づけました。
企画やコンテンツの面白さが優先されやすく、制作の労力も大きい。認知を取る媒体
声で思いを直接届けられ、手軽に発信できる。信頼を積み上げる媒体
入り口が狭いことは、むしろ強みになる
ポッドキャストには弱点もあります。通りすがりの人がたまたま聞くことはほぼなく、アルゴリズムで知らない人に拡散される仕組みもないといいます。
つまり、他の場所でManaさんを知り、興味を持った人がわざわざ来なければ聞けません。入り口を大きく狭めている、いわば村社会のような構造です。
しかしManaさんは、これを弱点ではなく狙いだと捉えています。自分に興味を持ってくれた人しか来ないからこそ、深い話ができるというわけです。
そうした人たちと声を通じて長時間を共有すること。ここに、親密さと信頼をめぐる考え方が関わってきます。
人は会った回数が多いほど親密になると言われますが、それを深掘りすると、同じ時間をどれだけ共有したかが親密さや信頼につながる、という研究結果もあると紹介されました。
一回コンテンツを見て、誰だかわかんないけど面白かった、じゃあまたねというものではなくて、ちゃんと私のお話を聞いていただけるという長い時間の共有、そういったものがしっかり取れるというものがとても重要だと思っております
追うのは再生数ではなく「総視聴時間」
長い時間を共有して信頼を積み重ねる。この方針は、Manaさんが見る指標にも表れています。
Xではインプレッションやエンゲージメントを見て投稿内容を調整してきました。しかしポッドキャストでは、何人に聞かれたか、何回聞かれたかは見ないと明言します。
代わりに重視するのが、どれだけ長い時間聞いてもらえたか、つまり総視聴時間です。これを自身の定点観察のポイントにするといいます。
インプレッション・エンゲージメントを見て、伸びるように投稿を調整する
再生回数ではなく総視聴時間を重視し、長く聞かれることを目指す
ポッドキャストは宣伝には使わない
一方で、ポッドキャストにできないこともはっきり整理されています。
スレッズやインスタ、TikTokにも手を出したものの、それらは認知を取るための媒体だと位置づけています。ポッドキャスト経由で新たな認知を取るのは難しいという認識です。
また、ボードゲームの宣伝には向かないとも話します。ルール説明やアピールポイントは言えても、実物は写真や動画で見たほうがよく、そもそも聞いてくれる母数も少ないためです。
- ポッドキャスト経由で新たな認知を取るのは難しい
- 言葉だけではボドゲの魅力を伝えきれない
- もともと聞いてくれる分母が少ない
そのため、ポッドキャストを宣伝には使わないと決めています。少しでも「どんな人が作っているんだろう」と興味を持ってくれた人に向けて話す場、というのがこの番組の位置づけです。
無名の制作者が、天下を取るまでの過程を見せる
最後に語られたのが、この番組を通じて見せたいものです。
Manaさん自身、今はボードゲーム界隈で有名でも、大きな実績があるわけでもないといいます。それでも発信を続け、成長していく過程を見てほしいと話します。
その背景にあるのが「プロセスエコノミー」という考え方です。
作品についても、発売まで内容を隠すのではなく、制作過程から少しずつ情報を出し、完成に近づく様子を見せていきたいといいます。
さらに、作品だけでなく、制作者としてどう成長していくかも見てもらいたいと語ります。うまくいく方法だけでなく、悩んでいることや、これから挑もうとしていることも発信していく方針です。
そのうち本当に天下を取るというところを目指して頑張っていきますので、ぜひ見届けてほしいなというふうに考えております
今回はあくまで「なぜポッドキャストを始めたのか」という初回の話で、より深い意図やビジネス戦略は、今後の回で少しずつ語っていく予定だと締めくくられました。
まとめ
この初回でManaさんが語ったのは、拡散や認知ではなく信頼を積み上げるためにポッドキャストを選んだ、という一点に尽きます。入り口の狭さすら強みと捉え、長い時間の共有を通じて天下取りへの過程を見せていく方針が示されました。
- Xはアルゴリズムに振り回され、努力が積み上がらないと感じたことが出発点
- 物も情報も溢れる時代には「何を」より「誰から」が重要になるという認識
- 視聴維持率の高さと、声で思いを直接届けられる点がポッドキャスト選択の決め手
- 入り口が狭く興味のある人しか来ないからこそ、深く長い時間を共有できると捉えている
- 指標は再生数ではなく総視聴時間。宣伝ではなく、成長の過程を見せる場として使う





